緑豊かな森林と海に包まれた敷地約1ha、延床面積約3,500㎡のユージーン・スタジオの常設美術館が建設されることとなりました。小学校の隣接地に、2026年に一般開館予定。

ザ・ユージーン・スタジオ株式会社

Left: Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO Goldrain, 2019, Gold leaf, particles, Photo by Keizo Kioku © 2021 Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO | Right: The CG images from the life-size model created by the studio using Unreal Engine. © 2023 Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO




この度、多様な地域のサポートの皆様のご尽力とご構想をいただき、寒川裕人/ユージーン・スタジオの作品の常設美術館「Eugene Museum in Bali」がインドネシアのバリに建設される運びとなりましたことを、スタジオより皆様にお知らせいたします。美術館は本夏に着工が開始され、開館は2026年を予定しています。

先行して昨年11月に首都ジャカルタに美術館準備室(オフィス)が開設され、本計画は2024年5月末にインドネシアにて発表されました。

https://eugene-museum.com/




海と緑に囲まれた1haの敷地に広がる美術館の建築のパートは、2022年にアガ・カーン建築賞を受賞し、インドネシアを代表する建築家アンドラ・マティン(Andra Matin)が設計を担当し、建築全体が作品となるような構成で進行されています。また本件のコミュニケーションマネジメントパートは、グッゲンハイムビルバオやV&Aなどを過去に担当するロンドン拠点のチームが担います。

計画はインドネシアのほか、英Financial Times本紙や仏Le Quotidien de l’Art本紙に掲載されています。

https://eugene-museum.com/newslist/

 

開館まで年月がございますが、スタジオでは本美術館に向けた制作を日々行っております。

*本美術館は、地域と美術館運営を行う現地共同企業体により、現地法に基づいた建設・運営・法務・広報等全般の活動が行われます。周辺地域と一帯は、現地の方々や官公庁、そして50カ国を超える多国籍のチームを中心に支えられています。ユージーン・スタジオは、本美術館における作品監修などを担います。

 

Eugene Museum Bali, Surrounded by forest and the sea, in the vicinity of world heritage sites, Ubud and close to the Tanah Lot Temple. Final form, (CG) @2023 Nuanu, Render of Nuanu Creative City

At the museum area in Bali, 2023
© 2024 Eugene Museum Bali © 2023 Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO

 

以下、美術館ウェブサイトより、概要を直訳しております。

“Eugene Museum in Baliは、インドネシア/バリ島のユネスコ世界遺産*の麓一帯、 タナロット寺院に囲まれた、自然豊かな地域にて、寒川裕人/Eugene Studio(以下、Eugene)の作品と共に2026年初頭に一般開館する予定です。




本常設美術館の建築デザインは 2022年にアガ・カーン建築賞を受賞したインドネシアを代表する建築家/アンドラ・マティンが手がけ、美術館はライフスタイル、アート、教育、環境配慮の統合をコンセプトに緑豊かな海と森林の景観に包まれたタバナンの約44haのエリア内に位置し、総面積は約1ha、施設の総面積は約5,000㎡となる予定です。

寒川裕人(1989年生まれ)は日本の現代美術家で、絵画、大規模インスタレーションにおいて洗練されたアプローチ、並びに教育的な取り組み等、数々のプロジェクトで知られています。

特に東京都現代美術館での個展で知られており、ここでユージーンは最年少での個展を開催し、数多くの来訪者が訪れました。これらの反響は世界に広がり、インドネシアやそれ以外の多様なコミュニティやコレクターからの支援と期待が高まり、この常設美術館に至りました。




本美術館は昨年に開校したインターナショナルスクールの隣接地にあり、寒川の作品は周囲のエリアと共鳴することが期待されています。2023年には、ジャカルタに美術館の準備室が開設されました。ミュージアムには、カフェやステイ、アーティストの活動に関する豊富な資料を含むライブラリが含まれる予定です。建築は既存の木々を切らずに保護するように設計されており、数多くの教育ワークショップが美術館の社会活動の一環として行われる予定です。

アジアから生まれるこの常設美術館は、アジア地域およびそれ以外のさまざまな地域を巻き込むハブを目指しています。”

*バリ州の文化的景観 「トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑システム」


スタジオより、まずは作品や個展を契機に、常設の美術館を構想くださり、尽力くださった方々に心より御礼を申し上げます。 私ども単独では考えが及ばなかった、巡回展とはまた異なる素敵な形式のアイデアに当初は驚くと同時に、作品が生み出すつながりの力を感じました。約2年後の一般開館に向けて日々、インドネシアの建築家との協働や、過去シリーズに加え新作を含めた制作をアトリエで行っております。

開館まで年月がありますが、本美術館が子どもから様々な世代に、そして多様な国々の方にひらかれた存在になればと願っております。この美術館は、寒川裕人/ユージーン・スタジオの”新しい海”の続きであり、少し新しい美術館の形、社会実践的な場であると考えています

Eugene Museum Bali, Initial sketch of the museum entrance
© 2024 Eugene Museum Bali © 2023 Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO Rendering: © KDH
Image of the work and architecture facing the direction of the South Pole star. © 2024 Eugene Museum Bali © 2023 Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO




Preparatory room for EUGENE MUSEUM(美術館準備室、ジャカルタ), 2023 © Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO
Infographic of the art museum layout. © 2024 Eugene Museum Bali

 


EUGENE Atelier iii(Japan)のご案内

 

2023年より行われている日本のアトリエ(EUGENE Atelier iii)のプログラムでは、700㎡を超える空間が、寒川不在時に組数限定で公開されるプログラムを行っています。インスタレーション作品《Goldrain》の展示や、新たな夜間プログラムのほか、新作やEugene Musuem in Baliの模型などを鑑賞できる機会を設けています。

 

EUGENE STUDIO Atelier iii
© 2024 Eugene Kangawa / EUGENE STUDIO

 

*プログラムの一般公開枠(事前予約制)はインスタグラムにて随時公開しています。

https://www.instagram.com/eugene_studio_official

 

*プログラム詳細は下記よりご覧ください。

https://the-eugene-studio.com/studio-iii-limited-visit/