「カッコいいライブ映像を撮っちゃおう!」の舞台裏
株式会社ディレクションズ




抜けるような6月の青空の下、風のように軽やかに、ときに鮮烈に弾けるウクレレの音色。日本を代表する若手ウクレレ奏者のRIOさんが、日比谷音楽祭2024で披露したライブの模様が、7月7日までの期間限定でU-NEXTにて配信されています。

このライブ映像を撮影したのは、なんと5人の子どもたち! 株式会社ディレクションズ(以下、ディレクションズ)が実施する子ども向けワークショップ「カッコいいライブ映像を撮っちゃおう!」の参加者です。音楽フェスの配信用公式動画を子どもたちが撮影する試みは、日本でも日比谷音楽祭だけでしょう。

本ストーリーでは、このワークショップが実施されることになった経緯や、日比谷音楽祭とディレクションズがそこにかける想いについて、ご紹介します。

「子どもたちの創造力の素晴らしさを伝えたい」という想いから生まれた、日比谷音楽祭×ディレクションズの子ども向けワークショップ

「カッコいいライブ映像を撮っちゃおう!」企画が誕生したきっかけは、ディレクションズ社内で実地されていた子ども向け音楽制作ワークショップでした。子どもたちがアプリを使って作った音楽を聴いたプロデューサーの吉田は、「自由奔放で解放感にあふれた音色と、想像以上の完成度に衝撃を受けた」と振り返ります。

「子どもたちが作るものの素晴らしさを、ワークショップに関わる人としか共有できないのは本当に惜しい、もっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。同じ時期に日比谷音楽祭2019の配信を見て、こんなふうに人が集まるオープンな空間でワークショップができたら、と思ったんです」

吉田 享史プロデューサー (左)と 内田ディレクター(右)

2020年、またとないチャンスが訪れます。ディレクションズが制作を担当する番組「スイッチインタビュー」(NHK)に、日比谷音楽祭の実行委員長を務める亀田誠治さんが出演されることになったのです。番組の収録当日にワークショップの提案を行い、後日プレゼンで亀田さんに想いをぶつけところ、「ぜひやりましょう!」というご回答が。

2020年はコロナ禍で音楽祭自体が中止となってしまいましたが、2021年はミュージシャンのGAKU-MCさんと6人の子どもたちが作り上げた素晴らしい楽曲をオンラインで配信することができました。

2022年からは、ディレクションズの強みをより生かせる取り組みをと、子どもたちがカメラマンとなってライブを撮影するワークショップを開催。2022年にはATSUSHI TAKAHASHIさん×辻コースケさんによる即興パフォーマンスを、2023年には再びGAKU-MCさんにご協力いただき、ライブ映像を撮影してきました。

ほんの数時間で一体感が生まれ、子どもたちの『やってやるぞ!』がひしひしと伝わる事前ワークショップ

「カッコいいライブ映像を撮っちゃおう!」の日程は、実は本番を含めてたったの2日間。事前ワークショップは1日だけなので、子どもたちには数時間でひと通りの知識と技術を身に付けてもらわなければなりません。ディレクションズではワークショップの回数を重ねるたびに、プログラムを磨き上げてきました。

2021年からワークショップを担当しているディレクターの内田に、事前ワークショップの様子を聞いてみました。

「今回参加したのは小学4年生から高校2年生までの男女5人です。最初はあまりしゃべらない子もいるのですが、いつも年齢の低い子たちが場の雰囲気を盛り上げてくれます。その奔放さに大人も振り回されながら、だんだんとみんなが打ち解けていく感じです」(内田)

そんな子どもたちが集中モードへ切り替わる瞬間が、プロが使う本物の機材を目にした時だといいます。機材の使い方の基本を学んだ後は、スタッフを被写体に撮影を行い、モニターで確認して子どもたち自身で改善点を見つけます。プロが撮った映像との違いを挙げてもらい、カッコいい映像を自由に撮ってもらうワンカメショーにも挑戦しました。

本物の撮影機材を前に気合が入る子どもたち

プログラムが進むにつれて、子どもたちが『やってやるぞ!』と前のめりになっていく様子がひしひしと伝わってくるんです」(内田)




事前ワークショップが一方的なレクチャーで終わらないよう常に心がけ、短い時間でも一体感を持てるよう一緒におやつを食べる時間を作るなど、プログラムにも工夫を凝らしています。

事前ワークショップも終盤に差し掛かった頃、いよいよRIOさんご本人が登場! 当日演奏する音楽の曲調や、どんな画が欲しいかなどをディスカッションした後、実際に演奏するRIOさんを撮影させていただきました。最後に、事前ワークショップで得たことを踏まえて、どうしたらもっとカッコいい映像が撮れるかを考える宿題を受け取った子どもたち。さて、本番の出来はどうだったのでしょうか。

事前ワークショップでRIOさんと一緒に。子どもたちのモチベーションも最高潮!

「正解を知る」大人には撮れないライブ映像は一見の価値アリ!

吉田は、「結果はまたしても僕たちの想像を超えるものでした」と語ります。

カメラを構える背中から真剣さが伝わってきます

「RIOさんのライブ映像は、そのままポストカードにできるんじゃないかと思うほど綺麗なシーンや、大人だったら絶対に思いつかないような遊び心いっぱいのカメラワークであふれていました。今の子どもたちはいろんなコンテンツに触れているせいか、もともと素晴らしい感性を持っているんですよね。子どもと接するとき、僕たちはつい無意識のうちに与えるものを選んだり、限界を線引きしたりしてしまいますが、ワークショップをするたびにそんな必要はないんだと感じさせられます」(吉田)

「何人かの子は、事前にさまざまな映像を見て撮りたい映像のプランを持ってきていました。撮り方のアドバイスをすると、あっという間に吸収して自分のものにしていくんです。その成長の早さには驚きました」(内田)

子どもたちの様子を間近で見ていた内田は、ライブ中にRIOさんから紹介された子どもたちが、順番にソロで撮影を行うパートが見どころだと言います。

素敵な笑顔でRIOさんの呼びかけに応えます

公式動画として配信するライブ映像を子どもたちが撮影するという、いわば突拍子もないアイデアを受け入れてくださった亀田さんは、このワークショップを日比谷音楽祭の中でどのように位置付けているのでしょうか。お話をお聞きしました。

日比谷音楽祭実行委員長の亀田誠治さんコメント
「子どもたちの感性から見える希望。ワークショップを人生体験に」

日比谷音楽祭の実行委員会は、僕を筆頭に「音楽を通じ、震えるような感動と人生体験を届けたい」という強い想いを持っています。しかも、誰もがアクセスできるように無料開催という形で、です。ワークショップは世代を超えて楽しめる音楽体験の入り口として欠かせない要素ですから、ライブステージと同じ位置付けと考えています。

ライブ映像を子どもが撮影するといったら、ほかの音楽フェスではリスクを考えてしまうかもしれません。でも、僕の想いに賛同してくださるアーティストたちがこの試みを拒むはずがないと思いましたし、提案してくださったのは数々の実績を積んでこられたディレクションズさんです。面白いものを作る人たちは、絶対にパッションを持っているものですから、まったく心配はしていませんでした。

ワークショップについて話してくださる日比谷音楽祭実行委員長の亀田誠治さん

何より子どもたちが本当にいい映像を撮ってくれました。僕は事前ワークショップにも参加したのですが、今の子どもたちの感性には目を見張るものがあります。コロナ禍などの危機を経て、人間自体が進化したのではないかと感じるほど。

映像を見ると、「未来はきっと大丈夫だ」という希望さえ感じます。

アーティストのパフォーマンスを発信するという体験は、子どもたちの日常生活の中でも置き換えられることがいっぱいあると思います。例えば、困っている人や、何かを伝えたがっている友達をチームで助けるようなこともそうです。人と人が力を合わせて何かを作り、発信し、受け取るという、人間が生きていく上で大切なコミュニケーションを学んでその後の人生に生かしてもらえれば、こんなにうれしいことはありません。そのためにも、日比谷音楽祭ではこのワークショップを続けていきたいと思っています。

子どもたちが撮影したライブ映像が7月7日までU-NEXTにて配信中!

プロデューサーの吉田も亀田さんと同じように、ワークショップを子どもたちにとって少しでも意味のあるものにしたいという想いを抱いていました。それがすでに実現した例があります。一昨年のワークショップに参加した一人が、照明を学ぶための専門学校に進み、去年と今年の日比谷音楽祭でライブ収録を行うディレクションズチームのカメラマンとして参加してくれたのです。ディレクターの内田も、今後は地方在住の子どもたちにも体験を届けられるようにしたいと意気込みます。

ディレクションズでは今後も、体験だけにとどまらない、子どもたちの未来につながるワークショップを展開していく予定です。

未来のクリエイター(になるかも?)の子どもたち、本当に頑張ってくれました!

日比谷音楽祭2024で子どもたちが撮影したRIOさんのライブ映像は、7月7日(日)までU-NEXTにて期間限定で配信中です。子どもたちの目線で切り取ったRIOさんの魅力満載のライブ映像を、ぜひご覧ください!




【日比谷音楽祭2024 見逃し配信情報】

配信終了日時:2024年 7月7日(日)23:59

・配信プラットフォーム:U-NEXT

(U-NEXTの月額プラン会員の方ならどなたでもご視聴可能で、現在会員でない方も「31日間の無料トライアル」を活用してお楽しみいただけます。)

▼詳細はこちら▼

https://hibiyamusicfes.jp/2024/how_to_enjoy/livestreaming.html