中川政七商店の工芸コンサルティング × TENTデザインの初タッグ
株式会社中川政七商店
全国一の生産量を誇り、福岡県八女の地で約200年の伝統を受け継ぐ盆提灯「八女提灯」。仏具・提灯業界の衰退により作り手がこの20年で約1/3に減少(※1)する中、八女提灯を未来へ継承していくため、盆提灯の市場を超え同社初となるインテリアカテゴリの商品を発表いたします。中川政七商店によるコンサルティングおよびプロデュースのもと、初タッグを組んだのはクリエイティブユニット・TENT。
提灯という日本的なモチーフを土台にしながら、和洋問わず様々な空間に合う幾何学的なデザインへと進化させました。また提灯史上初(※2)のバッテリー駆動により、食卓や寝室等あらゆる場所へ持ち運べることも特徴。和紙から零れるあたたかい光はそのままに、家族や友人と食卓を囲んだり、読書やヨガに集中したり、暮らしの中で様々に活躍する、現代の新しい提灯の誕生です。
- 幾何学的なデザインで、和洋問わずどんな空間にも
ケーブルレス・バッテリー充電式で、家中どこへでも持ち運べます。SQUARE(四角)、BELL(鈴)、OVAL(楕円形)、VERTICAL(垂直)、CIRCLE(円)と名付けられた5型の幾何学的なデザインは、提灯という日本的なモチーフを土台にしながらも、和洋問わず様々な空間に馴染みます。
またトーチのように持ち運びやすい形状も特徴。和紙から作られた提灯の軽量さを活かし、大きいライト部分×小さい設置面積でも低重心で安心して置くことができます。
- 和紙を通した光が、食卓や枕元をやさしく照らす
点灯方法は、ライトの頂部をタッチするだけ。空間やシーンに合わせて3段階の調光が可能です。食卓で灯せば料理をあたたかく引き立て、読書には集中とリラックスを。寝室では眠るまでの時間を心地よいひとときへと導いてくれます。
また手漉き和紙を通した光は均一に拡散し、まるで自然光のようにあたたかい空間を演出。約170ルーメンと十分な明るさはありながらも、目に優しく穏やかなあかりが、強い光にあふれた現代の暮らしに安らかな時間をもたらします。
▶三段階調光のイメージ
- 職人の手仕事とテクノロジーの融合
和紙から零れるやさしいあかりは、福岡の伝統工芸・八女提灯によるもの。一枚一枚作られる八女手漉き和紙を用い、伝統技法「一条螺旋式」によって仕上げています。ライトの点灯はUSB-TypeC-TypeAによる充電式。職人の手仕事とテクノロジーが融合した、現代の新しい提灯です。
▶八女手漉き和紙
特徴は、その丈夫さ。八女地域特有の長い繊維の楮を主な材料とし、他産地にはない、繊維が太く腰が強い強靭な和紙ができあがります。
▶一条螺旋式
八女手漉き和紙を貼りつけ、提灯の形にしていく伝統技法。細く割った竹を螺旋状に巻き、縦に糸をかけ、和紙を手作業で張り合わせていきます。機械化することのできない精緻な工程が、提灯に温もりをもたらしています。
- SPEC
商品名:TORCHIN 価格:(写真左から)SQUARE 24,200円、BELL 24,200円、OVAL 28,600円 VERTICAL 28,600円、CIRCLE 33,000円(すべて税込) カラー:WHITE(2025年春頃にカラーバリエーションも発売予定) サイズ:W100~160×H200~280mm、重量:約150g 光源:光源LED・3段階調光、色温度:2700K、演色性:Ra90、全光束:約168 lm 電源:充電式リチウムイオンバッテリー、動作電流:200mA(明るさ最大時) 連続点灯時間:4~36時間(明るさによって変動) 充電方式:USB C-A 約2時間(急速充電・USB PD非対応) 充電時間:約2時間(フル充電までにかかる時間) |
- 【ご参考】
仏具市場向け商品も販売中
仏具市場向け商品として、TORCHINの火袋部に絵付けを施した盆提灯「tocco(トッコ)」を、現代仏壇専門店「ギャラリーメモリア」を中心に全国約100店舗にて販売中です。絵柄は全3種で、空間を華やかに彩る「桜」、落ち着いた雰囲気の「ハス」、お盆に飾るナスとキュウリのお供え物を表現した「精霊馬」をラインアップ。八女提灯の伝統技術を受け継いだ若い職人が一つ一つ絵付けを行います。
▶tocco 各28,600円(税込)
企業別注について
TORCHINは、企業別注モデルも受け付けています。火袋にロゴやメッセージを入れるほか、カラーバリエーションなども柔軟に対応可能。小売用の別注品だけでなく、店舗の什器やホテルを彩るインテリアとしてもご活用いただけます。
シラキ工芸
八女提灯の「火袋」メーカーとして1980年に八女市立花町白木で創業。豊かな自然に恵まれ、九州最大の伝統工芸集積産地である八女の地において、提灯を作り続けています。「技」を伝統として正しく受け継ぎながら、未経験の社員を雇い職人に育て技術を継承するとともに、自社ブランド商品を展開する。現代のライフスタイルに溶け込んだ商品を、これまでの価値観にとらわれることなく提案していくことで、八女の伝統工芸を継承し世界へ発信しています。
約20年前、八女提灯業界は、職人の高齢化などによる作り手不足という問題に直面していました。そんな中シラキ工芸は、リスクを抱えてでも職人を育て、技術継承していくことを決意。
提灯作りの職人を一人育てるためには、およそ3年が必要とされており、それまで、一から育成するリスクを取る提灯メーカーはありませんでした。同社はその通例を打ち破り、職人を自社で雇用することを始めました。職人の育成も軌道に乗り、今は若い職人を中心に7名の社員を雇用し、ものづくりに取り組んでいます。
TENT
TENTは2011年に治田将之と青木亮作の2人によって結成され活動を開始したクリエイティブユニットです。高層ビルのような固定された強さではなく、テントのように自由で風通しの良い強さを目指して、創作活動を行っています。
中川政七商店(なかがわまさしちしょうてん)
1716年(享保元年)に創業し、手績み手織りの麻織物を扱い続ける奈良の老舗。近年は「日本の工芸を元気にする!」 をビジョンに掲げ、工芸をベースにした生活雑貨のSPA( 製造小売り ) 業態を確立し、全国に約60の直営店を展開。コンサルティングや流通サポート事業、産地単位での地域振興にも取り組む。
TORCHINの開発は、福岡県による事業「福岡県伝統的工芸品リーディングカンパニー創出事業」(※3)にシラキ工芸が採択され、業務委託契約を受けた株式会社中川政七商店のコンサルティングの元実施いたしました。中川政七商店は「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、2009年より経営コンサルティングを始動、これまでに60社以上の支援を行ってきました。同社がSPA事業で培ってきた「ものを売る」ではなく「ブランドをつくる」という視点を活かし、結果に責任をもつ(決算書を良くする)ことをモットーとしてコンサルティングを実施しています。
※1…シラキ工芸調べ(八女提灯関連製造者数は2005年29社→2024年11社まで減少)
※2…シラキ工芸調べ(バッテリー充電式+火袋部分へのタッチセンサースイッチは提灯業界では初)
※3…※県内の伝統的工芸品生産事業者(以下、事業者)を対象に、経営診断・改善、ブランド構築、商品開発、流通・販売、情報発信に至るまでの一貫したコンサルティングを実施し、産地再生の先頭を走る一番星となる事業者を創出することを目的とした事業