2024年6月26日 20時43分 株式会社いにしえ
このストーリーでは、「あらゆる生きものと共生する農業の仕組みをつくり育てる」と考える、株式会社いにしえ代表取締役の井形誠が、創業からの歩みを振り返りながら、農業や食にまつわる様々な課題と、それぞれの問題に向き合い事業を進めるいにしえの取り組みについてお話しします。
自然と人の健康と農業を包括して健康に貢献する商品開発と提供に取り組む。
いにしえがお届けしている商品は、「薬の代わりになる食」というコンセプトを軸に、主な原材料を自然栽培作物に、製造過程において日本の食文化や技術を尊重し、添加物に頼ることなく作られたお味噌などの調味料のほか、野菜を豊富に採れるパンやピザなどを製造販売しています。また地域の自然に調和し、「飲むほどに自然が豊かになるお酒」というコンセプトのもと、ワインや日本酒、黒糖焼酎などのお酒を造っています。
自然・健康・食を包括した商品づくりがいにしえの取り組みです。
ここ数年、熊の出没や被害などが増加し、農作物への被害が増えているという話題が多くあるように思いますが、これは自然環境を人が変えてしまったツケが回ってきたのではないかと考えています。温室効果ガスに対する世界的な取り組みが進む中、SDGsのように世界的な課題を身近なところから取り組むことが広まったことで、世論の意識は地球や自然の環境に目が向けられるようになりました。農業による温室効果ガスの問題が大きく、近年顕在化し、多くのメディアで取り上げられるようになりました。より地球に良い農業を、と有機栽培を推進する流れができたのですが、その一方で、日本の農業人口は120万人と20年前と比べると100万人も減っており、新規就農者が毎年5万人ほどしかいない状況から大規模化、機械化を推進せざるを得ない状況にあります。
また農業界だけでなく、広く一般的にも農薬、化学肥料、遺伝子組み換え、添加物など、新たな生産技術や食の安定と安全のために取り入れたものに対して、恩恵と不安が対立する構造が顕著になり、「健康」に対する考え方が複雑になりつつあるように見えます。
そんな健康面では、日本の年間医療費は、約45兆円と上がり続け、健康を取り巻く問題は、国や経済を圧迫する要因へと拡大しています。50年前にはほとんどなかったと言われるアレルギーは、3人に1人は持つとされ、生活習慣病など食生活が要因となって体を蝕む病気が増えています。
本来、命を繋ぐはずの食が、命を削るようなものになってしまっているという矛盾を感じざるを得ません。
日本古来から伝える技術や伝統を現代にアップデート
この会社を立ち上げた当初は、「自然栽培の作物がもっと普及するために」「病気と健康の間にある“未病”に効果のある食を作る」という想いから情報集めやコンセプト設計を始めました。
もともと「あらゆる生きものとの共生する農業」に取り組みたいと考えていたところ、その農業のあり方は、自然環境をより改善できるものになるし、人の健康にも貢献できるものにもなると気づき、『プラネタリーヘルス』という概念に出会ったことでより明確に捉えることとなりました。
そして、自然・健康・農業の課題解決を会社の目的とし、「あらゆるいのちの生きる喜びを想像する」ことを理念として定めました。
代表の井形は、この会社を立ち上げる6年ほど前に青森県のりんご農家で「奇跡のリンゴ」という映画や書籍で有名な木村秋則氏から自然栽培を学びました。その本質は、自然と向き合い、そこからヒントを得て作物を育てる術を見つけることなのですが、それが自然を慈しみ尊重する日本の文化とおなじであることを感じていました。
日本の食文化には、自然と調和することで、健康を維持増進する秘訣があるように思い、私たちが取り組みは、日本古来から伝える技術や伝統を現代にアップデートすることで社会に貢献できると思い、2023年に社名を現在の「株式会社いにしえ」に改めました。
「食べるほどに人も地球も健康になる」そんな食を提供したい。
我々の取り組みとは真逆のものですが、添加物や農薬、化学肥料の偉大さを痛感しています。これがあることで今の便利で美味しいものがいつでもどこでも食べられるのだと改めて思い知らされます。どの商品をつくるにしても、どの作物を育てるにしても不具合が出てきます。価格、消費期限、色合い、形、食感・、量、効率性、安全性・・・とキリがありません。健康を害すると言われがちですが、これら多くの人が求めた便利を具現化し、今もなお進化しているものなので、これらを批判することは、自分の視野を狭めてしまい、成長にも好ましいことではないと感じています。
私は、それらを使うかどうかは「役割の違い」と考えており、目的と手段が違うだけで、どちらが良いということもなく、その違いをお客様が判断して選択できればいいと考えています。
私たちの事業は、「やればやるほど人と地球の健康に貢献できる」ことを目指しています。
私たちは、微生物や虫、動物のほか、植物たちとも共生することを目的としています。美味しくて、見た目が綺麗で、生産の効率を良くしてくれる農薬・化学肥料ですが、それらを使うことは「いただかない命」まで奪ってしまうことになります。だからあらゆる生きものたちの生態系や多様性などの自然の力を活かすことで農薬や肥料が不要になるような農業のあり方を探求しています。それを私たちは、生態適合農業(JapanEco-FriendryAgriculture)と呼んでいます。
人の健康を考えた際、例えば健康的な田畑の土壌が食べ物を通じて腸内細菌を健康に保っているということがわかってきた今、製造において、防腐剤や殺菌剤で弱めてしまうことなく、腸内に送り届けることが重要になります。それらを伝統的な技術を継承する職人などがもつ、保存料や添加物に頼らず、美味しく仕上げる力をお借りして、自然から受け取った恩恵をお客様の食卓にお届けしたいと考えます。
薬に代わる食 = 「食薬(しょくすり)※」
そうして私たちが提供する普段から食べるものが、薬のように人の健康を改善するものになるようにと「食薬(しょくすり)※」というコンセプトを開発しました。
あらゆる生きものと共生する農業で育てられた作物で薬の代わりになる食としてご提供し、
そうやって人が自然に近づき、より健康になれる商品づくりを進めています。
※食薬は、株式会社いにしえの商標登録です。
現在の主なラインナップは、
・飲むほどに自然が豊かになる『ワイン』(ぶどうから醸造まで自社生産)
・酒蔵の周りに生きものと人と活気を取り戻し、地域創生を支える『日本酒」
・奄美大島の自然と伝統文化を未来につなぐ『黒糖焼酎』
・日本の食卓を健康で豊かにする伝統の『天然醸造の生のお味噌』
・子供たちが野菜をたくさん食べたくなる健康で安心な『ベーカリー』
・食料安全保障にベクトルを合わせた委託契約による『大豆生産』
ひとつひとつの商品に、原材料を作る生産者、加工する職人さんや料理人さんに深く関わりながら、人と地球の健康につながる要素を引き出すことを心がけています。
プラネタリーヘルスな食をお届け
人が住む都市と自然との距離が生まれ、自然なままの食が薄れ、また農業のような生産現場とも分断されてしまったいまの社会。 私たち人類は、地球の一部であり、自然の一部です。自然から離れてしまった生活に身を置くことで、健康を害し、病気を増やしているのではないでしょうか?
すべてがプラネタリーヘルス(人と地球の健康)な商品となり、お客様が自然に近づけるようにしたい。
そうやって私たちは、事業をやればやるほど人と地球の健康がますます改善されていく、そんな仕組みを作り上げ、多くの方々との関わりを持ちながら事業を進めてまいります。
◾️きほんのごはんセットについて
毎日食べるものだから体に良いものを選んで取り寄せたいという方が多いと思います。でも買い忘れてしまうことがあり、ついつい近くで買えるものに落ち着いてしまう。
そんな方のために、「せめてお米と味噌だけでも良いものを」という方のための定期便をご用意しています。
自然栽培のお米とお味噌のセット「きほんのごはんセット」をおすすめします。
▼商品情報