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陶器の魅力にふれる -素朴で温かい 生活を潤す〝用の美〟-


備前焼とは


自然の力で生み出される備前焼は古窯のなかで最も古い歴史を有する。

その素朴な味わいは飽きることがなく、長く愛用できることでも人気が高い。

誕生以来、変わらずに守られてきた、備前焼の真髄に迫る。




土と炎という自然の力が 味わい深い作品を生み出す


「備前焼の特徴、そして最大の魅力は、ほかのやきものと違い釉薬を一切使わず、焼き締めただけの作品という点。作家は絵付けの代わりに、土と炎と灰による自然の力、炎の力で起こる窯ようへん変の偶然性をいかにして捉え、それを自らの技とするかに苦心しています。完成した作品はひとつとして同じものがないというのも惹かれる所以んでしょう。またその魅力に惹きつけられた個人作家も多くいます」

自らも備前焼の作家である岡山県備前焼陶友会の木村茂夫さんは、作品には作家の人となりすら表れる、とも教えてくれた。備前焼は六古窯最古のやきものゆえ、その歴史はゆうに千年を超えている。そのルーツは古墳時代に伝来した、須恵器系の焼き物なのだ。その頃に造られた窯の跡も多数発見されている。

そんな長い歴史を支えているのは釉薬を使わずとも素晴らしいやきものができる、良質な陶土の存在抜きには語れない。原土は伊部の集落の底にあるヒヨセ(干寄せ)と呼ばれる粘土層だ。その土に、近くの長船町の黒土を混ぜて陶土を作る。これは陶土としては鉄分が多く含まれている。鉄分は釉薬の効果を妨げるので敬遠されるが、釉薬を使わない備前焼ではむしろ酸化鉄による独特な発色を、窯変に利用している。

そして成形を終えたものは昔ながらの登り窯に収め、松の割り木を燃料として7~10昼夜、大きなものは2週間ほどかけて焼き締めるのだ。



市街地にこれだけ多くの窯が存在する。ただし今は町中に新しい窯は築けない


「焼き上がった作品は色、艶、文様などが千差万別。そんな中、備前焼の代表的窯変とされるのが次の3つ。窯で焚いている最中に、薪の灰が融けて生地に付着したことでできる『ゴマ(胡麻)』、燃料が燃え尽きた後に残った炭火に、作品の一部が覆われることで金、青、暗灰色などの様々な文様となる『サンギリ(桟切り)』、藁を巻くことで、藁に含まれるカリウムなどの化学作用により赤や茶の線が描かれた『ヒダスキ(火襷き)』です」と木村さんは話す。



頑なに伝統を守り続け、「六古窯」の代表的存在となる

平成29年(2017)4月、備前焼、越前焼、瀬戸焼、常滑焼、信楽焼、丹羽焼が日本六古窯として日本遺産に認定された。その中でも備前焼は、千年を超える歴史の中で一度も途切れず、ほかの産地の真似をすることもなく続いている希有な存在として注目されている。


※こちらは男の隠れ家2018年10月号より一部抜粋しております

※記事コンテンツ以外は2023年2月27日プレオープン予定となります

※他ページへの遷移はプレオープン日までできかねますため、予めご了承いただければと思います