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男の隠れ家コンテンツ

  • 大注目の国産地ウイスキー

    ※本記事の内容は雑誌掲載時点の情報です。2014年後半に放送されたNHK連続テレビ小説「マッサン」。ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝と妻・リタの物語だ。その影響で空前のウイスキー・ブームに沸いてから早1年。現在のジャパニーズウイスキーの「トレンド」を探る。ウイスキーファンを魅了する地ウイスキーとはNHK連続テレビ小説「マッサン」の影響や、近年のハイボール人気に後押しされ、ジャパニーズウイスキーの評価の高さが広く知られるようになった。そんな中、地方の酒造メーカーが造る"地ウイスキー"が今とても元気なのである。地ウイスキーの歴史は古く、福島県の笹の川酒造は昭和21年(1946)にウイスキーの製造免許を取得している。また鹿児島県に本社を置く本坊酒造は、戦後間もない昭和24年(1949)からマルスウイスキーの製造を開始した。その後、昭和60年(1985)には長野県伊那郡に信州マルス蒸留所を竣工し、中央アルプスの水を活かしたウイスキー製造を開始した。そして近年、世界中のウイスキーファンが注目しているのが、埼玉県秩父に蒸溜所を構えるベンチャーウイスキーだ。平成16年(2004)の創業で、酒造メーカーとしては若く規模も小さい会社である。しかし、この小規模蒸溜所から生み出される「イチローズモルト」は、サントリーの「山崎」や、ニッカウヰスキーの「竹鶴」と並び世界的な賞を数々と受賞。世界五大ウイスキーと称されるジャパニーズウイスキーのブランド力を担う一翼である。ウイスキーはその製造の難しさや貯蔵に要する年月から、酒造免許を取得していても商品化を諦める酒造メーカーが多かった。日本酒や焼酎といった繊細な酒造りを得意とする日本人。その職人たちや、日本人ブレンダーが手がけるウイスキーへの期待感は高まっている。そうした機運の高まりが後押しする形で蒸溜所を開設する動きが活発化している。輸入販売業のガイアフロー社が静岡市玉川地区に「静岡蒸溜所」を開設。2016年春の稼働開始を目指す。また同じく2016年秋の蒸溜開始を目指し、北海道厚岸町には堅展実業が「厚あっけし岸蒸溜所」を開設する予定である。早ければ2019年頃には、今までにない"新たな地ウイスキー"を味わえることだろう。世界に誇る、ジャパニーズウイスキーの歴史明治12年(1879) サントリーの創業、鳥井信治郎誕生。明治32年(1899) 鳥井信治郎(当時20歳)「鳥井商店」を創業。輸入ワインや缶詰を取り扱うが、商売はなかなか軌道に乗らず。明治39年(1906) 「寿屋(ことぶきや)」に社名を変更。明治40年(1907) 甘味料や香料をブレンドした甘味葡萄酒「赤玉ポートワイン」が誕生、人気となる。大正7年(1918) 寿屋の従業員・竹鶴政孝がウイスキー造りを学ぶため、スコットランドへ留学。大正12年(1923) 日本初のウイスキー蒸溜所「山崎蒸溜所」の建設が開始される。竹鶴政孝が設計を担当。昭和4年(1929) 初の国産ウイスキー「サントリー白札」の販売を開始。「焦げ臭くて飲めない」と評判は良くなかった。昭和5年(1930) 「サントリーウイスキー赤札」発売。昭和9年(1934) アメリカへサントリーウイスキーを初輸出。竹鶴政孝が「大日本果汁」を設立。北海道余市に「余市蒸溜所」を開設。昭和12年(1937) 「サントリーウイスキー角瓶」発売。脇田酒造が「東洋醸造」と社名変更し「トミーウイスキー」を発売。昭和13年(1938) ニッカアップルワインが発売開始。昭和15年(1940) 大日本果汁が「ニッカウヰスキー」「ニッカブランデー」第1号をそれぞれ発売。昭和20年(1945) 東洋醸造「45ウイスキー」発売。昭和21年(1946) 寿屋から「トリスウイスキー」、大黒葡萄酒からは「オーシャンウイスキー」が発売される。昭和27年(1952) 大日本果汁が「ニッカウヰスキー株式会社」へ社名変更。昭和30年(1955) 大黒葡萄酒が軽井沢蒸溜所を開設。昭和31年(1956) ブラックニッカ(特級)が誕生。昭和38年(1963) 寿屋が「サントリー株式会社」へ社名変更。昭和44年(1969) ニッカウヰスキーの宮城峡蒸留所が始動。昭和48年(1973) サントリーが白州蒸溜所での製造を開始。昭和49年(1974) キリン・シーグラムが富士御殿場蒸溜所で第一号となるウイスキー「ロバート・ブラウン」を発売。昭和59年(1984) サントリー「シングルモルトウイスキー山崎」が誕生。平成元年(1989) ニッカより「シングルモルト余市」「シングルモルト仙台宮城峡」が発売される。平成13年(2001) ニッカがアサヒビール株式会社と営業統合。「シングルカスク余市10年」が「BEST OF THEBEST 2001」で最高得点を獲得。平成16年(2004) 東亜酒造のウイスキー原酒を守った肥土(あくと)伊知郎によりベンチャーウイスキーが設立。埼玉県秩父市にて秩父蒸溜所が始動。平成19年(2007) WWA2007で「竹鶴21年ピュアモルト」がブレンデットモルトウイスキー部門で世界最高賞。平成17年(2005) キリンウイスキー「富士山麓シングルモルト18年」を発売。平成22年(2010) サントリーは「アイコンズ オブ ウイスキー 2010」の世界部門で、ウイスキー ディスティラー オブ ザ イヤーを受賞。日本企業として初の快挙。地方の多彩さを味わう日本各地の地ウイスキーカタログジャパニーズウイスキーは大手メーカーのものだけではない。それぞれ、製造する土地の気候や特徴を活かし、今日も造られている地ウイスキー。広く一般的には知られていないかも知れないが、これからのトレンドとして知っておきたい地ウイスキーの銘柄と、酒造メーカーについてここでは紹介したい。多くのメーカーはウイスキー以外に、日本酒や焼酎などの製造も手がける。一升瓶に詰められていたり、地の利や所有する設備を活かし商品化される個性豊かなウイスキーたち。これをきっかけに、気になる1本をぜひ見つけてほしい。イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル秩父ブレンデットウイスキー 3780 円( 700ml )秩父蒸溜所の貯蔵庫で熟成された原酒をブ㆑ンド。華やかで柑橘系の果物を感じる仕上がりとなっている。イチローズモルトMWR(ミズナラウッドリザーブ)6480 円( 700ml )羽生蒸留所の原酒を中心に数種類のモルトをブ㆑ンドし、ミズナラ樽で再熟成した人気商品。最初の口当たりは奥深い甘みが特徴だが、次第に複雑な味わいとピート感が口の中に広がる。ホワイトオークレッド 2060 円( 1800ml )オーク樽で3年以上貯蔵熟成させた原酒を使用。価格の安さが魅力的でもある。ウッディなピートと、スト㆑ートなアルコールを感じさせる。ハイボールで味わうとより一層楽しめる。ホワイトオーク 地ウイスキーあかし 1180 円( 500ml )英国産麦芽を 100% 使用したスコッチタイプのブ㆑ンデッドウイスキー。淡麗でやや辛口な味わいは、ロックやハイボールによく合う。すっきりとした飲みやすさと後味が特徴だ。サンシャイン・ウイスキー2376 円( 1800ml )20 年以上蔵に眠っていた原酒を使用したブ㆑ンデッドウイスキー。度数は 37度と控えめながらハイボールで味わうと昔懐かしい、昭和期に親しんだ風味を感じることができる。ザ リバイバル 2011シングルモルト駒ヶ岳1 万800 円( 700ml )1992年から蒸留を休止していたが2011年、19年ぶりに再開した。以来、バーボン樽で 3年間熟成させたモルト原酒は若々しく甘い香りで、新時代の幕開けを期待させる仕上がり。ツイン アルプス1580 円( 750ml )蒸留所を取り囲む中央アルプスと南アルプスをデザインしたボトル。ナッツのような風味と、ウッディ香が特徴的なブ㆑ンデッドウイスキー。ロックにするとコクと甘みが際立つ。岩井トラディション※岩井の会限定1762 円( 750ml )ジャパニーズウイスキー創生の一翼を担った岩井喜一郎氏の姓を冠する。岩井氏設計のポットスティルで蒸留した原酒をベースとし、上品な口当たりと柔らかさを味わうことができる。マルス モルテージ 越百モルトセレクション4536 円( 700ml  )ハチミツやキャラメルを連想させる甘い香りと、ほのかに感じるスモーキーフ㆑ーバー。口当たりは丸く優しい余韻を残す。中央アルプス「越百山」から越百(コスモ)と名付けられた。チェリーウィスキーEX1188 円( 500ml )中央のチェリーウイスキーよりも原酒の混和率が高い、旧一級規格のブ㆑ンデッドウイスキー。スコッチに似た風味も感じられ、ほのかな甘さはスト㆑ートで味わうとより際立つ。ヤマザクラ2268 円( 700ml )チェリーウイスキーの後継商品として開発された。柔らかな口当たりだが、ピート香がしっかりと感じられる。後から青リンゴの香りがついてくる、独自ブ㆑ンドらしい複雑な味わい。チェリーウイスキー2700 円( 1800ml )1.8 リットルの一升瓶サイズ。旧二級規格で、手軽に楽しめる値段が嬉しい。ライトでスムーズな口当たりで日常的に愉しむにはちょうど良い。稀少なため見つけたら即買いしたい。ピークウイスキーオープン価格( 720ml )昭和 50 年代から 60 年代にかけて一世を風靡した銘柄のスペシャルタイプ。シェリー樽で熟成したモルトを使用しブ㆑ンド。ほのかに香るシェリーとまろやかな旨味が格別である。地ウイスキーを心ゆくまで愉しみたい疲れて帰宅した夜は、自宅でじっくりと心ゆくまで地ウイスキーを味わいたい。それぞれ銘柄の特徴を活かし、自分の好みに合わせて飲み方を変更できるのがウイスキーの面白いところ。一般的な飲み方としてストレート、ロック、ハイボールなどが広く知られている。ベーシックな飲み方もいいが、炭酸ではなくジンジャーエールやコーラで割ると普段とは違うテイストのハイボールが愉しめる。他にもロックが好みならばメイプルシロップを少量垂らしてみると、ほのかに甘みが加わり思いのほか愉しめるだろう。寒い夜ならば温かい紅茶に混ぜ、ゆっくり飲めば心も体も芯から温まる。これからの季節に向け、自宅で楽しむ地ウイスキー。自分好みにアレンジして愉しんでみたい。----------------------------------Recommend Contents 詳しくはバナーをクリック↓R.O.C.K.S.溶けない氷 魔法の天然石ROCKS 天然石アイスキューブ輝く美しい天然石で瞬間的な冷却を行い、キンキンに冷えたドリンクがすぐに出来上がり。冷たさをキープしたまま、味を薄めることなくドリンクを楽しめます。詳しくはバナーをクリック↓伊賀焼 あぶり名人あぶりながら、焼きながら、余分な脂をカットしてくれ、食材の一番うまい食べごろを逃さず味わう喜びをご堪能下さい。

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  • 魔法の天然石「ROCKS」で氷いらずのキンキンドリンクを楽しもう!

    天然石アイスキューブ「ROCKS」が日本上陸!輝く美しい天然石で瞬間的な冷却を行い、キンキンに冷えたドリンクがすぐに出来上がり。冷たさをキープしたまま、味を薄めることなくドリンクを楽しめる「天然石アイスキューブROCKS」が、クラウドファンディングで大人気となり、ついに日本に上陸しました!これまでのアイスキューブには、アルコールの匂い移りや冷却持続時間の短さなどの問題がありました。しかし、一つ一つ丹精込めて磨き上げられた天然石の「ROCKS」なら、そんな悩みはもう過去の話。石自体が冷えることで長時間の冷却効果を発揮し、グラスに入れるだけでキンキンに冷えたドリンクがすぐに完成します。高級感溢れる天然石の魅力プロの石職人による繊細な職人技と、厳選された高品質の花崗岩が生み出す「ROCKS」は、見た目の美しさも格別。6つのストーンはそれぞれ異なる色と模様を持ち、うっとりするような手触りは、まさに一級品の証です。ドリンクを飲むだけでなく、天然石そのものの魅力も存分に味わえるのが魅力です。丸みを帯びた形状は、グラスを傷つけないよう配慮された職人のこだわり。使い勝手の良さと美しさを兼ね備えた「ROCKS」は、ワインやウイスキーをはじめ、日本酒、ビール、ジュースなど、あらゆるドリンクにマッチします。使い方は実に簡単。①冷蔵庫でストーンを冷やす、②軽く水洗いしてドリンクに入れる、③使用後は洗って冷蔵庫で保管。たったこれだけで、いつでもどこでも、溶けない氷によるキンキンドリンクが楽しめるのです。冷やした日本酒でまろやかな味わいを特に日本酒との相性は抜群。温度を下げることで香りが引き立ち、スッキリとした飲み口に。冷酒との組み合わせなら、料理の味わいを最大限に引き出してくれること間違いなしです。仕事終わりの一杯も、アウトドアで楽しむ乾杯も。大切な人への贈り物にもぴったりな「ROCKS」で、特別な時間をもっと素敵に演出してみませんか?溶けない氷の魔法を、ぜひその手で体験してください。商品名:R.O.C.K.S. 溶けない氷 魔法の天然石ROCKS 天然石アイスキューブ価格:16,760円 ~ 21,000円 (税込)商品の詳細はこちら

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  • TOKYO BAR STORY【銀座編】

    TOKYOには星の数ほどBARがあり、客にサーブするバーテンダーがいる。そして、そこにはやはり星の数ほどの語り尽くせない素敵な物語があるのだ。1.ジャパニーズバーテンディングの技術を世界に知らしめる名門銀座1丁目 【 STAR BAR GINZA 】重厚感あふれる店内はマスターの岸氏がヨーロッパのパブをイメージして部材を見つけてきた。装飾を施した天井がゴージャスな雰囲気に。テーブル席も落ち着いた印象だ。日本のバーテンディングのレベルの高さを世界に知らしめるバーである。接客の洗練さ、軒数、客質。その何を取っても〝日本一のバーの街〟といわれる銀座においても、名バーとしての要素を何ひとつ欠くことがない一軒だろう。オーナーバーテンダーの岸久氏が築いてきた功績が、その理由を物語っている。平成8年(1996)には国際バーテンダー協会(IBA)が催す世界カクテルコンクールにおいて、日本人で初めて優勝。平成20年(2008)には厚生労働大臣によって卓越した技術者のみが表彰される「現代の名工」を、バーテンダ―として初めて受賞。長い間日本バーテンダー協会(NBA)の会長を務め、平成26年(2014)には、各功績を認められ黄綬褒章を受章した。カウンターの正面、バックバーの真ん中に目をやれば、岸氏が、アイラ島の親善大使「アンバサダー・オブ・アイラ」であることを表した額装が飾られている。国内のみならず、海外からこのバーを目指してくる客も多い。彼らがまず一様に驚愕するのが、あまりにも透明すぎる「氷」だ。カウンター内には温度を微妙に変えた3台の冷凍庫を揃え、氷屋から仕入れた純氷の貫目氷を、緩める、締めるを繰り返し、まさに一点の曇もない透き通った氷に仕上げる。店長の吉田達也氏が「仕入れてから3日目でやっとお客様のグラスに届きます」と、さらりと言うその氷は、カクテルを提供する直前によく研がれた包丁で形を整えられピタリとグラスに収められる。液体を注ぐとその透明さゆえに、まるで何も入っていないかのようにフォルムは消え失せ、カクテルを飲んで液体が減っていくにつれ、再び姿を現す。それは〝ニンジャ・アイス〟と呼ばれ、今や海外のバーラヴァーにも知られることとなっている。これだけでも、このバーの良さがわかるというもの。現在、「スタア・バー」は全4店舗を構える。銀座タイズ、京都、東京ミッドタウン日比谷。その中でも本店である銀座は〝芯〟の部分を担うべく、岸氏の教えがひときわ純粋に行き届いているといえよう。入社8年目になるという吉田氏に、マスターからの教えの中で、特に心がけていることを尋ねてみた。「実は、カクテルの技術より何より、一番大事なのは〝差配する〟ことが真髄だと感じています」差配する。それは、迎え入れた客のもてなしであると同時に、バーという限られた空間の空気を守るべく制御の要素も求められるという。例えば、と過去のエピソードを吉田氏が教えてくれた。多くのバーでそうであるように、スタア・バーでは隣客に話しかけることは歓迎されない。ある男女のカップルが来店した時、女性の方が隣席の外国人客と盛り上がってしまい、エスコートしてきた男性が取り残されてしまう状況。当時の先輩バーテンダーが女性客をたしなめるも、状況はむしろエスカレートする一方。やむを得ず、先輩バーテンダーが女性客にかけたのは、「今日はそろそろお引き取りください」という言葉だった。女性客は大層立腹し、バーテンダーに、なんとコップの水をかけて席を後にした。だが、この時、岸氏が弟子にかけた言葉は「それでいい」だった。2人で来たなら、ここでは2人のバーの時間を楽しんでほしい。スタア・バーがたとえ満席でも凛としたバー空間が保たれているのは、そんな差配のおかげであり、それがこのバーの真意というわけだ。「まだまだ経験の浅かった私は、スタア・バーであることはこんなところから気を配るべきなのか、と感じ入りました」と吉田氏は振り返る。岸氏が弟子たちに言う言葉があるというので教えてもらった。「きっちりできないなら、やらない方がまし。だから、やるならしっかりやろう」気も時間も使って、そこそこならやらない方がましだ。だから、やるなら高みを求めて完璧にやりきる。それには、いかに前もって準備をするか。いかに効率的に動くか。いかに頭を使うかということだ。ニンジャ・アイスは、スタア・バーの目指す精神性の高さを物語る、それこそ氷山の一角でしかない。ここに、カクテルごとに使う氷の冷凍庫3台を使い分けていることもさらに付記しておこう。例えばジントニック用の氷、ショートカクテルを作るためのシェイク用の氷、まだ仕入れたばかりの堅さを緩めるために寝かせている氷。でもこれも彼らにとっては日常のこと。聞かない限り、雄弁に語られることはないだろう。慎ましくも、極められし技。氷ひとつからそこに宿るバーテンダーの心意気をくみ取るのも、バーを訪れる愉しみではないだろうか。2.バーテンダー協会の理事長が創業 半世紀以上続く歴史と往年のもてなし銀座5丁目 【 JBA BAR SUZUKI 】長いカウンターを照らす照明は、創業時からのもの。古き良き時代のオーセンティックバーと聞いて浮かぶシーンに、そのまま入り込んだようである。温かみのある明かり。年季の入ったカウンターの手触り。バーテンダーの真摯なもてなし。半世紀以上紡がれてきた歴史がこの空間にある。昭和42年(1967)創業。開いたのはJBAの理事長を務めていたバーテンダー、鈴木昇氏だ。JBAとは、日本最大のバーテンダーの協会である日本バーテンダー協会(NBA)の礎となった団体のこと。「お酒の先生のような存在でした」。鈴木氏のことをそう振り返るのは、現オーナーの吉田奉敬氏である。吉田氏はかつて客として通っていたひとり。昭和46年(1971)の洋酒の輸入自由化解禁の折、自身も輸入を手がけるようになり、右も左もわからない洋酒の手ほどきをしてくれたのが鈴木氏だった。「穏やかで知的で、本を書くのが好きでね。一般者向けのカクテル教室の先生もやっていましたよ」。そんな人柄を慕って、このバーには、多くのインポーターが客として集った。鈴木氏は、彼らの酒を客に紹介し、時に互いの酒を試飲させ、「この酒はこう売ったらいい」なんて講義もしてくれた。だが、64歳で食道がんのために他界してしまう。常連だった吉田氏に「バーと妻を頼むよ」と言い遺した。その後、ひとりで店を切り盛りしていた妻の君子さんから「店をたたもうと思う」と聞いたのは、鈴木氏の死から2年経た頃だった。吉田氏はマスターの遺志を継ぐべく自身がオーナーとなり、バーを移転。今も守り続けている。店長を務める久野修平氏は言う。「ある時代には、バーテンダーが見習いで来るようなバーでした。ここで学んだのは、お客様の状況をくみ取る温かい接客です」。往年の雰囲気をたたえるこのバーも、今年4月には老朽した部分をリニューアルするという。とはいえ、肩肘張らずに過ごせるもてなしが、変わることはない。3.゛銀座のバー”の正統を守る 名店の矜持に満ちた一杯銀座6丁目 【 BAR 保志 】ビルの8階が店舗。正統を味わうにはこの店の扉を開けよう。バーテンダー・保志雄一氏がカクテルと出会ったのは学生時代にアルバイトをしていた宇都宮の名店「パイプのけむり」。酒といえばビールかウイスキーくらいしかなかった当時、色鮮やかなカクテルに魅了された。同時に世界のカクテルコンペティションで活躍するオーナーバーテンダー・大塚徹氏の活躍を間近で見て、〝酒で世界に挑戦できるのか〟と衝撃を受けた。以来42年間カウンターに立ち、自身も国内外のコンペティションでの受賞を重ねてきた。基本に忠実に、そして先駆的に。氏のもとでそんな〝保志イズム〟を学んだ後進たちが今、銀座のいたる所で店を構える。伝えたいのは確かなプロの技術、そして気遣いだ。「間違いのない本物を提供すること。それが銀座という街が持つ伝統です」。銀座が家なら後進の一人ひとりは家族だと、保志氏は続ける。街と酒と人を愛する氏が作るカクテルが、今夜もカウンターを彩る。※こちらは男の隠れ家2019年4月号より一部抜粋しております

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  • NFTと樽資産

    ブロックチェーンとはもしかすると「仮想通貨=ブロックチェーン」と思われているかもしれない。そもそもブロックチェーンとは取引情報などのデータをデジタルに記録する仕組みである。一定期間の取引データをブロック単位でまとめ、チェーンのように繋いで記録することからブロックチェーンと呼ばれる。特殊な暗号を使い、過去から現在までの取引データが全てオープンな形で残されるため、データ改ざんが困難であり、自動で敏速に行われるため取引コストを大きく削減できるメリットもある。当初は仮想通貨のトランザクション履歴の記録に用いられていたが、現在では金融全般や不動産、医療、投票など多様な分野で活用されている。UniCaskの想い|ブロックチェーンを大衆のもとに蒸留所から直接樽を購入できるため安心。複数種類の中から自分で選ぶことができる。ブロックチェーンを使ったビジネスモデルを利用したのは、“実際のモノ”の売買には課題があり、この課題が大衆化していないと感じたことがきっかけである。デジタルで記録されるデータやNFTの偽造は困難だが、それらに紐づく“実際のモノ”については物理的な改ざんが可能で、人と人を伝っていく間で偽造されたモノにすり替えられている可能性もある。一方でウィスキー樽の場合、そのほとんどが蒸留所の信頼によってすり替えられるリスク軽減は担保できる。また、ウィスキーには熟成という時間的な価値があるが、そのような価値の記録にブロックチェーンが適している。原酒や樽のスペック、樽詰めされた日付などをブロックチェーンに書き込めば世界中の誰もが閲覧できる正確な台帳を簡単に作ることができる。加えてNFTの技術でオーナーシップを発行すれば、24時間世界中でデジタル取引を行うことが可能。例えば、海外在住の方が日本の蒸留所に連絡して樽を購入することにはさまざまなハードルがあるが、この仕組みにより容易に売買ができるようになる。蒸留所側もウィスキーを樽に詰めた瞬間から売買できるため、キャッシュフローがクイックネスになる上、グローバル化が安易に推進できるメリットもある。もちろん、樽のオーナーシップ管理はUniCaskが行うので、樽の売買に関する面倒な記録などの処理も大幅に削減することが可能。また、UniCaskは埼玉県北東部にある羽生蒸留所の復活にも深く関わっている。利根川の水運に恵まれたこの土地で約20年ぶりの日本蒸留所の一角が復活。Made in JAPANを掲げ、海外業者のみを対象に2021年春から販売開始。現在では全世界の愛好家や投資家に向けて、スコットランドのボトラーであるキングスバリーや、コニャックのボールジローなどを公開する予定だ。UniCaskの想い|樽資産を持つ愉しみ高価な樽でも「小口」単位で所有することで樽の購入費用を抑えることができる。樽購入者は、アプリでいつでもサンプルリクエストやボトリングオーダーが可能。個人で購入するには高価な一樽を100分の1に小口化し購入ハードルを下げたこともUniCaskの特徴で、小口樽は予めボトリングの日程を決定した上での販売を行なっている。例として、容量約200リットルのバーボン樽の100分の1換算。いわばウィスキー愛好家たちが行なっているカスクシェアの様なイメージである。また、アプリを実装したことで、ゲームコミュニケーションの要素もあり、保有者同士がウィスキーを見せ合う「大人の遊び場」としてファンを中心に投資家などが集まりやすい環境を構築している。 これまで、ウィスキー樽は投資商品としても“非公開”の様な存在であったが、NFT上場させることで公開株のように誰もが購入できる環境を整備したUniCask。誰もが持つことができる権利の様な存在になれば、ウィスキー人気は一気に世の中に広がり、結果的にウィスキー好き人口も増加する。また、これまで知る人ぞ知る“ウィスキー樽の売買”が一般化することで、ウィスキーとの向き合い方も単なる嗜好性から、ビジネスを産むなど多角的な捉え方もできる。つまりウィスキー樽とデジタル技術を掛け合わせることで、新たなエコシステムや新たな経済圏が生まれるきっかけになる可能性もある。株式会社UniCaskhttps://unicask.jp/クリス ダイ株式会社UniCask共同創業者。Accentureのコンサルタント、BitcoinとEthereumの初期の投資家の一人。ウィスキー好き。ブロックチェーンや分散型ビジネスの研究プロジェクトに参加。「ネクストブロックチェーン」(日本経済新聞社)の共著者。「Blockchain and Crypto Currency」(Springer)の共著者。2004年にスタンフォード大学で管理科学と工学を専攻し、B.S.を取得。

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