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男の隠れ家コンテンツ

  • 【3大グルメ企画】 第五章「カリーライス専門店 エチオピア」編

    【3 大グルメ】は、日本人が大好きな人気グルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する、こだわりの飲食店を紹介していきます。セレクトのポイントは「老舗」と「老舗店主のおすすめ店」。今回は神保町で 40 年のカレー専門店をピックアップ!街に愛されるスパイシーカレーの味とは?!コーヒー屋から始まった、“スパイシーカレー”専門店?!カレー激戦区・神保町で、40 年近く続くカリーライス専門店「エチオピア」。もともとはコーヒーを出す喫茶店だったというこのお店、あまりにもカレーが人気だったことからカレー専門店へとシフトしたというから驚き。店名の由来はコーヒー豆発祥の地・エチオピアだが、今やこの名前で思い浮かぶのはスパイス香るあのカレーという人も多いだろう。昭和 63(1988)年からこの地で営業を続ける神保町本店。平日はビジネスマンや学生、観光客が次々と訪れ、ピークタイムには 100 食以上が注文されるほどの盛況ぶりだ。10〜100 倍まで OK!「辛さ」が選べる無限スパイスワールドエチオピア名物といえば、注文時に選べる“辛さのレベル”。0 倍(辛くない)から始まり、上限はなんと 100 倍まで!常連の中には、裏メニュー的に 100 倍カレーを頼む強者も。店員さん曰く、「表に出していないけど、言ってくれたら OK」とのこと。この辛さはただ単に唐辛子の量を増やしたものではなく、スパイスのブレンドで調整されているため、辛いだけでなく奥深い旨みと香りが広がるのが特徴。口の中が燃えるようでいて、後味は意外にもスッキリ。クセになる味わいで、リピーター続出中だ。野菜・豆・チキンが三大人気!迷ったらまずこの3 種をメニューはビーフ、チキン、野菜、豆など多彩。中でも人気が高いのが「豆カレー」「ビーフカレー」「野菜カレー」の 3 つ。豆カレーは、スパイスと豆の相性が抜群で、滋味深さにほっこり。ビーフカレーは王道ながら、ルーとの一体感が秀逸で、食べ応えもバッチリ!野菜カレーはごろっとした具材の存在感があり、ヘルシー志向の方にも好評だ。胃の調子を整えてくれる、スパイスが効いた、体が「元気になる」と評判のエエチオピアのカレー。まさに“エナジー系”カレーといえる一皿だ。カレーの後のマンゴープリンの優しい甘さがたまらない!カレー激戦区・神保町で生き残る理由とは?エチオピアがここまで長く愛され続ける理由は、スパイスや調味料の辛さと細部まで作り込まれたバランスの良さにある。素材の選定、調理のタイミング、盛り付け…そのすべてが「うまさ」に直結している。店主曰く、エチオピアは特に”スピード重視”なのがポイントなのだという。混雑するランチタイムでも驚くほどスムーズにカレーが提供されるのは、厨房内の連携と段取りの良さのたまもの。席数は 1 階が 10 席、2 階が 24 席。回転の早さも、リピーターが多い理由のひとつだろう。エチオピアは、テイクアウトも可能で、レトルトカレーも販売中!スパイスの効能まで明記されているのもありがたい。スパイスと人が交差する場所で、記憶に残る一皿を。インタビューの最後、「これまでで一番うれしかったことは?」という問いに、「この味でお客さんがまた来てくれること」と答えてくれた店主さん。仕込みから営業まで、決して楽ではない日々。それでもお客さまから「また来たい」と言ってもらえることが、何よりの励みになっているという。ひと皿のカレーに、40 年分の工夫と誇りが詰まっているエチオピア。今日もまた、神保町の街角でスパイスの香りが漂っている。-----------------------------------Shop dataカリーライス専門店 エチオピア 東京都千代田区神田小川町 3-10-6電話/03-3295-4310営業時間/月〜土 1F 11:00〜22:30(ラストオーダー22:00)、2F 11:00〜21:30(ラストオーダー21:00)日・祝日 1F 11:00〜21:00(ラストオーダー20:30)、2F 11:00〜20:30(ラストオーダー20:00)年中無休アクセス/JR 中央線お茶の水駅より徒歩 5 分、東京メトロ神保町駅より徒歩 5分

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  • ケトルがくれる、静かな時間。

    キャンプでの湯沸かしにおいて、ケトルは非常に重要な道具だ。自然の中で過ごすキャンプでは、限られた道具と資源の中で効率よく行動する必要がある。そうした中で、ケトルはお湯をすばやく、安全に、そして多用途に使えるため、とても重宝するアイテムだ。キャンプ中にお湯を使う場面は多い。朝のコーヒーや紅茶、カップラーメン、インスタントスープの調理、食器の洗浄、寒い時期には湯たんぽ用のお湯も必要になる。そのたびに鍋やフライパンを使うのは効率が悪く、ケトルがあればその役割を一手に引き受けてくれる。素材によっては、ケトルは焚き火の直火にも対応できる。アルミ製やステンレス製のものは耐久性が高く、軽量で持ち運びもしやすいため、ソロキャンプや登山にも向いている。道具としての信頼性も高い。さらに、注ぎやすい構造のケトルであれば、コーヒーのドリップにも適している。湯量のコントロールがしやすく、自宅と変わらないクオリティのコーヒーを自然の中でも楽しめる。これはキャンプの満足度を大きく引き上げる要素だ。本日は、友達のように毎日に寄り添ってくれるケトルをご紹介。一緒に旅に出て、エイジングを楽しもう。真鍮のクラシカルさが頼もしく美しい。「エニーケトル」。職人の手作業でつくられた精巧な逸品、「1.8L エニーケトル」は、新潟県製の銅(内側ニッケルメッキ)と真鍮で構成されている。純度99.99…%の銅が優れた熱伝導を実現し、効率よくお湯を沸かせる。ススや灰を防ぐフタ付き口、注ぎやすいシャープな注ぎ口、使い込むほど手に馴染む真鍮取手、吊り下げ用ステンレスハンドルなど、使い勝手も抜群だ。焚き火のそばで静かに湯を沸かす時間は、心の豊かさそのもの。野外でも日常でも寄り添ってくれる、上質な相棒だ。世界へ旅する小さなケトル。「トリップケトル」。新潟県製の「1.0Lトリップケトル」は、ステンレス本体に真鍮とナラ材を組み合わせた上質なケトルだ。約400gと軽量で、コンパクトな設計は旅やソロキャンプに最適。日本の急須を思わせる美しいフォルムと、湯切れの良い注ぎ口が魅力。湯量や注ぐ軌道を自在にコントロールできるため、コーヒーのドリップにもぴったり。デザインと実用性を両立した、自然の中でも日常でも心に寄り添う逸品である。古き佳き19世紀のデザイン。「グランマーコッパーケトル」。越後・燕三条の職人技が息づく「グランマーコッパーケトル」は、銅(内側スズメッキ)と真鍮を用い、日本の伝統溢れる手仕事で作られる逸品だ。底広の形状と銅素材の高い熱伝導性により、お湯は素早く沸く。使い込むほどに、赤銅色から飴色・漆黒へと変化し、自身の暮らしとともに育てていける色艶の移ろいが楽しめる。さらに、銅に備わる自然な殺菌作用も魅力。アウトドアはもちろん、日常にも心豊かなゆとりを与えてくれる、育てる道具でもある逸品だ。お湯を沸かす。心が整う。ケトルは、静かな時間をくれる道具。このように、ケトルは単なる湯沸かし道具ではない。キャンプ全体の快適さや効率を底上げしてくれる、非常に頼りになる存在だ。荷物に余裕があるなら、ぜひケトルを1つ持って行こう。それだけでキャンプの質が大きく変わるはず。--------------------------------------------------商品詳細1.8L エニーケトル30,800円 (税込)>>商品をチェック1.0Lトリップケトル14,850円 ~ 24,200円 (税込)>>商品をチェックグランマーコッパーケトル35,200円 ~ 41,580円 (税込)>>商品をチェック

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  • 絵画のカラーで楽しむインテリア

    インテリアにおいて、家具や照明、テキスタイルに気を配る人は多い。しかし、空間に深みと個性をもたらす決定打となるのは、意外にも一枚の絵画だったりする。中でも「色彩」は、空間の印象を大きく左右する力を持っている。絵画のカラーは、単に美しさを添えるだけではない。そこには感情の起伏や時間の流れ、季節の空気までもが宿る。色が持つ力を意識して取り入れれば、部屋の雰囲気は一変する。整然とした白を基調とした空間に、深いブルーやフォレストグリーンの絵画を飾ると、静謐な落ち着きが生まれる。対して、赤やオレンジのような鮮烈な色を用いた作品は、部屋にエネルギーと生命感を吹き込む。色には、心を動かす作用がある。ブルーは思考を静め、集中を促す。書斎や寝室にふさわしい選択だ。オレンジやイエローは、光を集め、温かみを演出する。リビングやダイニングに彩りを加えるには最適だろう。グリーンは調和と癒しをもたらす色。自然素材の家具や観葉植物と呼応し、空間に深い安心感を与える。ときに、空間に張りをもたせるために、絵画をアクセントとして使うこともある。全体をベージュやグレイッシュなトーンでまとめた上で、一枚だけ鮮やかなアートを飾る。すると、絵画が空間の「核」となり、他の要素すべてが引き立ってくる。静かだが強い、そんな存在感がそこにはある。また、絵画は季節の移ろいとともに楽しむこともできる。春には淡いパステルカラー、夏には涼やかなブルー、秋には深いボルドーやブラウン、冬には凛としたモノトーンやゴールド。たとえ外の景色が変わらなくとも、一枚の絵が季節の空気を運んでくる。今回はインテリアのアクセントにおすすめの、ポップな絵画をご紹介。直筆サイン、シリアルNo.入り。独特の色使いとポップな作風に見惚れる。イタリア・トリノ在住の双子のアーティストによるジブリ映画のオマージュ作品。独特の色使いとポップな作風が特徴で、主なクライアントに、メルセデスベンツ、アルマーニ、ワーナーブラザーズ、レイバン、など、有名企業多数。直筆原画、複製原画ともにうっとりするようなクオリティで、お部屋にぱっと華を与えてくれる。「紅の豚」ポルコ・ロッソをはじめ、「もののけ姫」アシタカ、「もののけ姫」サン、「ハウルの動く城」と、ジブリの中でも人気のキャラクターの絵画作品。インテリアとしては、カラフルで独創的な色合いを絵画から拾い、家具の色を合わせる遊びを持たせてみるのがおすすめ。統一感と洒落っ気が絶妙に合わさったお部屋にしてくれること間違いなし。どこかレトロな色合いが切なく美しい。熟練職人の手による至極の逸品。「ルパン三世」アニメ化50周年記念として制作された浮世絵を男の隠れ家PREMIUMでも限定販売。「カリオストロの城」はブルーを基調とした落ち着いた印象。グレーやブルーのインテリアによく似合う。心を落ち着けたいときにもおすすめの色合わせだ。「不二子」シリーズは峰不二子のキュートでセクシーな魅力が、近年リバイバルで話題のY2Kを思わせる。打ちっぱなしの壁など、シティでポップな部屋に仕上げたいときにはぴったりと言えよう。「PART4オープニング」シリーズは、次元、ルパン、五右衛門の浮世絵。和風の部屋にも、モダンな印象の部屋にも合う絵画だ。アニメと絵画の融合で、全体的に重すぎず軽やかな印象に仕上げてくれるのも良いところ。お気に入りの絵画で部屋を飾り、気分に合ったインテリアを楽しもう。絵画の色彩で感性を育てよう。絵画の色彩とは、感性に語りかける静かな言葉だ。それは空間に詩を添え、日常に美を取り戻す。美しい色を選ぶことは、自分自身の内側と対話することでもある。そんなひとときを、日々の暮らしに取り入れてみたいものだ。--------------------------------------------------商品詳細【数量限定】ルパン三世浮世絵52,800円 ~ 231,000円 (税込)>>商品をチェック【複製原画・数量限定】 VAN ORTON165,000円 (税込)>>商品をチェック【直筆原画・受注生産】VAN ORTON858,000円 ~ 1,980,000円 (税込)>>商品をチェック

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  • 日本の中の外国を旅する「異国街」 -池袋編-

    日本にはたくさんの異国街がある。そこでは外国を旅しているかのように、食や人を通して、異文化と出会える。ふらりと行ける身近な異国の旅へ──、この週末出かけてみませんか。新華僑が住み、集う!中国の日常に出あえる街池袋 東京都豊島区チャイナタウンといえば横浜中華街や神戸の南京町が知られるが「今の中国」を最も肌で体感できる街こそ池袋駅旧北口。人や食を通じ、その魅力や成り立ちを識る。旧北口の繁華街に溶け込む赤地に黄色い字の看板「池袋駅旧※北口にチャイナタウンがある」と聞いても、どこかピンと来ないという方もおられよう。池袋といえば、サンシャインシティや西武百貨店の東口、東京芸術劇場、立教大学がある西口が有名だが旧北口をめざす人は少数派といえそうだ。東口にはアニメ好きの女性が集う「乙女ロード」もあるが、同様に知る人ぞ知る存在といえるのが旧北口の「池袋チャイナタウン」である。ただ、いざ駅前に出てみても横浜中華街のような楼門(牌楼)とか、チャイナタウンという街の入り口を示すような看板はない。飲食店や風俗店などが入り乱れ、雑居ビルが林立する、ごく普通の繁華街。よく見れば飲食店の看板には中国語の文字が躍り、スーツケースを転がして歩く人の姿もやけに多い。この街のランドマーク、あるいは入り口ともいえる役割を果たすのが「陽光城」という超級市場(スーパー)である。軒先には日本人には見慣れぬ包装紙にくるまれたスナック菓子やインスタント食品、飲料などがズラリ。店からあふれんばかりに陳列された品々は、まぎれもなくメイドイン・チャイナだ。路地を挟んだすぐ向かいに「吉野家」があり、反対側の隣がカラオケのチェーン店。日本の繁華街に完全に溶け込んでいる。そこから路地へ入れば「逸品飲茶」「小魏鴨脖店(シャオウエイヤーボーデェン)」など、いわゆるガチ中華の店が何軒か並んでいるが、それも限定的である。ここがチャイナタウンだと自然に認識できる人もいれば、あるいはできない人もいるに違いない。「陽光城のように路上に面していたり、独立した店舗として軒を構えたりしている店は多くありません。店の多くは雑居ビルの中に入っているからです。夕方以降にでも上を見ながら歩くと、そういう看板が目立つので、だいぶ風景が違って見えるでしょう」今回、世界各地のチャイナタウンを研究している山下清海さんに取材に同行いただいた。横浜・神戸の中華街と違うチャイナタウン命名の訳確かに、昼間は目立たないが、夜になると雑居ビルの壁面などに取り付けられた中国語のネオンが、くっきりと浮かび上がってくる。ある一角では、あたかも北京や南京あたりの夜の街でも歩いているような不思議な気分になる。山下さんによると、雑居ビルに店を構えるのであればコストが抑えられるという。そもそも現在の横浜中華街のように観光客を相手にしているわけではなく、池袋界隈の住人や勤め人、首都圏に住む華僑こそが店側の主要なターゲットなのである。なお「華僑」とは中国を離れて、海外に住む中国籍の人たちのことをいう。帰化した人たちは華人と呼ばれることが多い。日本では昭和47年(1972)の日中国交正常化後、日本に来た人たちを「新華僑」と呼び、それ以前から日本に住んでいた人たちを「老華僑」と呼び、その子や孫らは2世・3世と呼ばれる。「横浜中華街は日本に長く定住した老華僑たちによってつくられた街であるのに対し、池袋チャイナタウンは新華僑たちが同じ新華僑を相手に商売するためにつくった新しい街といえます」そう話す山下さんは、実は「池袋チャイナタウン」の名付け親でもある。横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街は「三大中華街」と呼ばれる、いわば老華僑による伝統的な街。そのため「中華街」というおなじみの名称は使わず「チャイナタウン」とした。「私が池袋北口の新華僑の調査を始めたのは1990年代前半です。学生たちに『本物の麻婆豆腐を食べに行きましょう』と誘われてきたのです。確かにそのとき食べたのは、日本人の舌に合わせた麻婆豆腐の味ではなく、本場そのものの痺れるような辛さでした。そうした体験や、その後の調査で2003年に『池袋チャイナタウン』の名前を提唱して研究対象にしたのです。その名前がインターネットの検索でヒットするようになる前は『なに寝言を言っているんだ』と叩かれたものです(笑)」この地に新華僑たちが住み始めたのは1980年代の終わり頃という。当時、池袋1丁目に老朽化したアパートがあり、そこでは1部屋に何人もの中国人が集まって集団生活をする光景が見られたそうだ。それから次第に住む人や店が増え始め、2000年代には本格的なチャイナタウンが形成されていったとみられる。なぜ北池袋かといえば、開発から取り残されて賃料が安く、周辺に日本語学校や飲食店も多いため、アルバイトに不自由しないという点も理由として考えられるという。「目的の多くが出稼ぎです。中国の1989年頃の月給は日本円で2千円程度でしたが、日本に来て働けば日給で1万円以上はもらえましたから。現地で中国人と話すと、よく初対面でも給料の金額を聞かれたものです。その腕時計はいくらだ、とか。値段を言うと『なんだ大したことないな!』などと言われるのは挨拶みたいなものでたね(笑)。当時は不法滞在者も多く、彼らはたくさん稼いでよくお金を使ったので街には活気がありました。それもピークは2000年代まで。日本の景気悪化にともなって渡航者は減る一方になっています」と山下さん。ここ池袋で「逸品火鍋」や「逸品飲茶」という飲食店やカラオケ店など複数の店舗を経営する綾川陽子さんにも話を聞いた。綾川さんは遼寧省大連生まれで帰化前の本名は穆華(ぼくか)という。平成9年(1997)に留学生として来日。学業の傍ら、ホテルの清掃員や飲食店のアルバイトを掛け持ちして学費を稼ぎ、両親へ仕送り。睡眠は2〜3時間。風邪をひいても休めず、看病する人もなく涙にくれた。「友達はワタシを『おしん』と呼んでいました(笑)」と、時給900円前後で働いた日々を振り返る。飲食店は平成19年(2007)に開業、年商6億7千万円を売り上げた年もあった。だが日本の景気悪化にコロナ禍も重なって飲食店の売り上げは落ち込んでいるそうだ。それでも「豊島区の暮らしの方が大連よりも長い。子どもたちも日本で生まれ育った。池袋は第二。日本に感謝しています」という。当初、帰化は商売のためでもあったが、できるなら綾川さんは、この先もずっと日本に住みたいという。商売のうまみは激減したとはいえ、それでも池袋チャイナタウンには新たな飲食店が次々と誕生している。アメリカやヨーロッパより渡航・滞在が比較的容易なこと、この池袋チャイナタウンという基盤があり、開業しやすいのが理由といえよう。鮮魚が泳ぐ水槽の脇に中華系食品がずらり駅前の雑居ビル(大和産業ビル)4階にあるのが、この街では老舗の部類に入る「友誼商店」だ。エレベータを降りると、もう本場さながらの超級市場である。「友誼食府」というフードコートを併設しているため、肉や魚、調味料が入り混じった独特の匂いが漂う。壁に貼られたビラの文字もすべて中国語であり、日本人客向けの店にはない空気感がある。超級市場の中で、ひときわ眼を惹くのが鮮魚の泳ぐ大きな水槽だろう。鯽や鯉、鰻などの川魚がすいすい泳いでいるが、もちろん観賞用ではない。注文すると網ですくってさばいてくれるという仕組みだ。中国でも、やはりこうした水槽が軒先にあって、生き物の名を伝えるか指さして注文すると、すぐ調理してくれる店がある。日本ではお目にかかれないと思っていたので、どこか新鮮だ。「私が研究を始めた頃は、戦後の闇市時代から池袋で商売をしている日本人には新しく来た新華僑を嫌う人が多く、またその逆もあったし、深い溝がありました。ただ日本側でも世代交代が進んで個人対個人での交流もでき、日本の正月の時期にも『新年快 』(新年おめでとう)の貼り紙が電柱に貼られるようになるなど、かなり変わったと思えます。生野コリアタウンが大阪コリアタウンになったように将来、池袋も『東京チャイナタウン』と呼ばれる日がくるのかもしれません」と、山下さんはこの街の趨勢を見守る。四川の辛さが身に沁みる逸品火鍋四川料理は「ガチ中華」の入り口にちょうど良いジャンルといえるが、そのうち、最もポピュラーなのは麻婆豆腐であろう。本場の麻婆豆腐は山椒の実の一種「花椒」が使われ、ただ辛いだけでなく痺れるような「麻辣」の味が特徴だ。この麻辣を鍋料理に転じたものが「麻辣火鍋」といえよう。汁に浸かった肉野菜を、うっかりズズッと吸い込むと咳き込んでしまうのがオチだ。フウフウと冷まし、大口を開いて味わうのがいい。2〜3口も食べればもう、体中がカッカと熱を帯びてくる。「辛いなあ」と思いながらもやめられない、この猛烈な後味が不思議と人を虜にする。豚・鶏・羊などの肉類に、チンゲンサイ・白菜・春菊など大量の野を麻辣のスープに投じて煮込む。このシンプルな料理は、まさに「中国四千年」といわれるとおり、殷や周の時代からあったとみられている。「鼎」という青銅器の鍋で肉などを煮たものが始まりといい、グツグツと煮えたぎる鍋を見ていると、その途方もない歴史に心を揺さぶられる。「火鍋」というと、それだけで辛口の味を連想するが、中国では辛くないものを含め、鍋料理全般がそう呼ばれている。そもそも唐辛子が中国で料理に使われるようになったのは19世紀からで、それまでは辛くない鍋の方が主流だった。とくに北方のモンゴル族が好んだのが辛くない白湯スープの火鍋であった。一方で辛い「麻辣火鍋」は、やはり重慶(四川省)発祥とされるが、辛いのが苦手な人向けに、白湯と麻辣の両方を食べられるセパレート式の火鍋が、すっかり定番となっている。「中国は『吃飯了嗎?』(ご飯たべた?)が挨拶。大勢で同じ鍋をつつく。一人で食事ちょっとサビシイ。それが中国人の文化です」人気店「逸品火鍋」のオーナーの綾川陽子さん。火鍋こそ最も原始的かつ、本場の熱気が伝わるもてなし料理かもしれない。串に通した羊肉を炭火で大陸の情熱を感じる料理日本で最もポピュラーな中華は広東料理や福建料理だろう。ただ、それらの料理は今や、半ば日本食としても親しまれ「町中華」として大衆的な店でも相応の味が楽しめる。たまには違うものが食べたい、そんなときのおすすめが中国東北料理だ。その東北料理で有名な「千里香」に入った。東北とは主に遼寧省・吉林省・黒竜江省の三州をいい、モンゴル平原やロシアに近く、南は朝鮮半島とも一部隣接し、中国の中でもまさに「北東」に位置する場所の料理。かつて「旧満州」と呼ばれた地域でもあり、吉林省中の延辺を指して「延辺料理」と呼ぶこともある。注文した「羊肉串」「麻辣串」「羊排串」などが運ばれてきた。いわゆるラム肉が中心だ。それをテーブル備え付けの専用のグリルで焼く。熱源は炭火で、これが気分を盛り上げる。グリルは二段に分かれていて、下段が焼き上げ用、上段が保温用といった具合に使い分けられるようになっている。実に理にかなった調理器具で、日本の串焼き店でも取り入れてほしいぐらいだ。肉にはクミンを中心に花椒・山椒・陳皮・八角などのスパイスがたっぷりまぶしてある。結構な辛味も効いており、これが奥の深い味につながっている。中国東北部の緯度は北海道と同じくらいにあり、非常に寒い所だ。冬にはマイナス35℃にもなる厳冬の地だけに、冬場は食料がとれない。よって、肉や野菜を塩漬けにしたり、乾燥させたりして、保存食にして貯蔵する。雪中で豆腐を冷凍保存し、うすく切って野菜を巻いて串焼きにする。そのようにして育まれた食文化が、この東北料理なのである。「両親が日本好きで、東京板橋で飲食店を始めるのをきっかけに、日本に来ました。9年も暮らしていますが、故郷と同じ味が食べられて元気が出やすいです」と話してくれたのは、ハルピン出身の鄭さん。今年から大学に進学し、料理店でアルバイトを続けながら学んでいきたいという。ひと昔前まで、東北料理を食べられる店はごくわずかだったが、今では急増し、横浜中華街などにもある。実に嬉しいことと思う。※当記事の内容は2023年時点のものです。----------------------------------Recommend 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  • 【3大グルメ企画】 第四章「味の萬楽」編

    秋葉原駅と御茶ノ水駅の中間あたりにある「味の萬楽」秋葉原駅と御茶ノ水駅の中間あたりにある「味の萬楽」はそれぞれ駅から徒歩 5 分程歩き、昌平橋交差点の角に位置している。大きな道路を挟んだ向かい側には「ぐろ亭」がある。周辺には秋葉原の電気街や神田明神があり、地元の人はもちろん、多くの人が訪れる東京のど真ん中だ。遠目から見ると赤と白の縞模様の店構えはメルヘンチック洋菓子店のようだが、明治 45(1912)年創業のラーメンと中華粥の老舗専門店だ。100 年超えの老舗店を現在切り盛りしているのが 4 代目の女将、古室さん。明治代に日本橋で開業した曽祖母から、変わらぬ味を受け継いでいる。祖母が身体をし、車いすで店に立てなくなったときに、祖母の孫にあたる古室さんが店を任されるようになった。なお古室さんの父親は神田小川町にある中華店をオープンさせ、こちらは弟が後継いでいるのだという。古室さんが店を切り盛りするようになり 15 年ほどが経ち今では近所の子どもからビジネスマン、ママさんまで店脇を通りかかる人皆が知り合いになるほど濃厚な付き合いをしている。平日 11~15 時のみ営業する創業 100 年超のラーメン・中華粥専門店大きな道路の角にあるこの店は中がオープンになっていてよく見え、初めてでも入りやすい雰囲気だ。店のインテリアや空気感は昭和レトロそのもの。カウンターがメインのこじんまりとした店内は、建物自体は歴史を感じさせるが、かなり清潔にされている。オーダーは、入口を入ってすぐ横にある現金専用の券売機で注文するスタイルだ。店外に代表的なメニューが写真付きで飾られていて明瞭簡潔。ここの代表的なメニューは中華粥としょうゆラーメン、そして季節限定でいただける冷やし中華。セットメニューはもちろん、チャーハンやアルコールメニューなどもラインナップしている。また土日祝日は店を開けておらず、平日の 11~15 時のランチタイムのみ営業をしている。4 代目女将、古室さんが一人で切り盛り厨房内はオープンキッチンで古室さんの丁寧な作業を窺える。「(おばあちゃん、ひいおばあちゃんは)料理が上手な人だったというのと、いい出会いがあったのかなって。おばあちゃんの時代は出版社さんたちもよく来ていたので」と話してくれた。古室さんが子どものころは祖母が中華料理屋を営んでいたそう。「祖母のころは夜だけ営業している期間もあって、手作りの腸詰めや中国酒でもてなしていました神田は出版社が多く、有名な作家さんたちがよく来ていました。」馳星周先生や北方健三先生などの有名作家さんや井崎脩五郎先生など著名人が足しげく通っていたのを中学生の時に記憶しているのだそう。今のラーメンと中華粥にメニューを絞ったのは祖母が病に倒れて父の代からで、華料理店から業態を変更させたのだという。古室さんが店を継いだのはその父が亡くなったタイミングだったそう。「最初は 2 人でやっていたのですがコロナで 1 人になりました。でも 1 人の方がラクですね。休まなければいけないときにすぐ休業できるので」仕込みのために平日は毎日朝 8 時に店に入り、15 時の閉店後は 18 時くらいまで次の日の仕込みや掃除をしているという。調理場横の小さな扉が開放されていて、そこから通学していく小学生たちや常連客たちに、挨拶を交わしているのが印象的。仕込みや調理をしながら、店外から常連客からの挨拶に答えるため、しばし手を休める。その頻度は 10 分に 1 回程度だから、なかなか頻回なのだ。これが日常なのだそうだが、地元の飲食店でちょっとした世間話をする様子はすっかり見かけなくなった光景でもある。この和やかなやり取りこそ、味の萬楽の魅力ともいえよう。昔懐かしいしょうゆラーメンラーメン 850 円そうこうしていくうちに、しょうゆラーメンが完成。ひとり分のスープを丼に綺麗に注いでくれる。具の乗せ方も均一でとても美しい。ラーメンは、よくある昔懐かしいしょうゆラーメンで、少し黒く染まったスープが特徴的。スープを口に運んでみると、鶏ガラベースの昔ながらの中華そばの味わいが口いっぱいに広がる。サッパリとした後味なのに独特のコクを感じられた。麺は、若干硬めでコシがあり食べ応えがある。食べやすいサイズにカットされたチャーシューは、とろけるほど絶品。ここのチャーシューを目当てにしている人も多いのだそうだが、これは納得できる。脂の臭みがないのは丁寧な仕込み故だろう。十分な量のメンマと香ばしい海苔。薬味の葱も少し多めと嬉しいバランスまで完璧。特別なものは入っておらず、ここまでオーソドックスでありながら、美味しい、また食べたいと思わせる昔懐かしいラーメンがここにある。丁寧な仕込みや火加減、盛り付けまでのこだわりが多くの人々から愛され続ける理由であり、これからもさらに多くのファンを惹きつけていくのだろう。元・中華料理店の祖母から受け継いだおかゆ小おかゆ 500 円お粥もいただこう。お粥はとてもシンプルに見えるが中華出汁の味がついている。「しっかりめに味がついているので、そのままでも美味しいですよ」と古室さん。こだわりはお粥を 3 回に分けて炊いていること。食感の違いを出しているのだそう。このレシピは、代々受け継がれてきたもので大きく変更しておらず、老舗の味を守り続けている。なお、お粥にトッピングされているのは、ワンタンの皮を揚げたもの。香ばしくて、食感も良い。シンプルでそれだけでも美味しさを堪能できるが、お粥とともに差し出される「味変調味料」で好みの味にアレンジしてみても。豆腐を発酵させたふにゅうやチリソースなどを入れるのもおすすめとのこと。また、卓上に常備されている「辣油」も、お粥によく合う。シンプルな味わいのお粥が、各調味料を吸い込んで、それぞれの味わいを引き立てていく。一番嬉しかったことを聞いてみると、「私に代わってからずっと来てくれているお客様がいるわけですが、『味がよくなったね』と言われるのは嬉しいです。始めたばかりでまだまだのころからずっと通ってきてくれる人もいらっしゃるので」辛かったことは「ちゃんとできないことです。思っているよりもできないときは自分の無力さを感じますね。数字は嘘をつかないのでバロメーターにはなる」3 月から提供される期間限定冷やし中華冷やし中華 1,300 円季節限定の冷やし中華も必食。初夏を告げる風物詩として中華屋等で見かける「冷やし中華はじめました」の看板だが、ここの冷やし中華は 3 月からはじまっているという。「冷やし中華がコンビニで売れるのは 4 月、3 月だとデータを持ってきてくれるお客さまがいて。早ければ早い方がいいと教えてくれたんです。実際、お客さまも早い時期から出してほしいようだったみたいでね」お客さんの希望で年々提供時期が早まっていたが、3 月から冷やし中華を提供するようになったのは 2021 年からだという。ここの冷やし中華は具沢山の酢醤油タイプ。お酢が甘めなのが特徴で、これは父親好みのレシピで譲り受けたものなのだそう。なるほど、食べてもツンとくるような冷やし中華特有の酸味は控えめで甘みを強く感じた。冷たく締められた中細のちぢれ麺はぷりっぷり。タレはサラッとしているけどちぢれた部分によく絡む。具材もきゅうりやチャーシュー、錦糸卵にアクセントの紅生姜もクセになる味で、どれもバランスがよく、あっという間に汁まで食べ切ってしまった。酸っぱくて冷やし中華を食べてこなかった人にこそ食べて欲しい 1 杯だと感じる。4 代目女将の夢「ヨボヨボになるまで働き続けること」一番人気のセットメニュー「ラーメンと小がゆセット」1,350 円この店の一番人気のセットメニューは「ラーメンと小がゆセット」1,350 円。このほか今あるおかゆメニューは「チャーシューおかゆ」「海鮮おかゆ」「とりおかゆ」「ピータンおかゆ」で各 1,000 円。ベーシックなおかゆはラーメンとセットで頼むか「小おかゆ」500円でいただくことができる。なお、以前は朝の時間帯に中華粥を提供していたがやめてしまったそう。「体力的なものを感じてね。そして、長くこのお店を続けるために、朝粥はやめたんです。」そんな古室さんの今後の夢は「ヨボヨボになるまでここで働き続けること」健康に気を付けながら一人で切り盛りしている以上、自分自身の身体が何よりも大切だ。店に立てなくなったらそれで店をたたむことになることがわかっているからこそ、ランチタイムのみで、ある限りの接客を続けている。暖かみのある女将との何気ない会話も楽しめて、折り紙つきの昔ながらのラーメンや、ほかでは味わえない中華粥を食しに是非、一度訪れてみては。Shop data味の萬楽東京都千代田区外神田 2-3-9電話/03-3251-0213営業時間/11:00~15:00定休日/土・日・祝アクセス/東京メトロ丸ノ内線 淡路町駅 徒歩 4 分/都営新宿線 小川町駅 徒歩 4 分/東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 徒歩 5 分

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  • やきものの里探訪―備前焼―

    自然の力で生み出される備前焼は古窯のなかで最も古い歴史を有する。その素朴な味わいは飽きることがなく、長く愛用できることでも人気が高い。誕生以来、変わらずに守られてきた、備前焼の真髄に迫る。土と炎という自然の力が味わい深い作品を生み出す「備前焼の特徴、そして最大の魅力は、ほかのやきものと違い釉薬を一切使わず、焼き締めただけの作品という点。作家は絵付けの代わりに、土と炎と灰による自然の力、炎の力で起こる窯変の偶然性をいかにして捉え、それを自らの技とするかに苦心しています。完成した作品はひとつとして同じものがないというのも惹かれる所以でしょう。またその魅力に惹きつけられた個人作家も多くいます」自らも備前焼の作家である岡山県備前焼陶友会の木村茂夫さんは、作品には作家の人となりすら表れる、とも教えてくれた。備前焼は六古窯最古のやきものゆえ、その歴史はゆうに千年を超えている。そのルーツは古墳時代に伝来した、須恵器系の焼き物なのだ。その頃に造られた窯の跡も多数発見されている。そんな長い歴史を支えているのは釉薬を使わずとも素晴らしいやきものができる、良質な陶土の存在抜きには語れない。原土は伊部の集落の底にあるヒヨセ(干寄せ)と呼ばれる粘土層だ。その土に、近くの長船町の黒土を混ぜて陶土を作る。これは陶土としては鉄分が多く含まれている。鉄分は釉薬の効果を妨げるので敬遠されるが、釉薬を使わない備前焼ではむしろ酸化鉄による独特な発色を、窯変に利用している。そして成形を終えたものは昔ながらの登り窯に収め、松の割り木を燃料として7~10昼夜、大きなもの2週間ほどかけて焼き締めるのだ。「焼き上がった作品は色、艶、文様などが千差万別。そんな中、備前焼の代表的窯変とされるのが次の3つ。窯で焚いている最中に、薪の灰が融けて生地に付着したことでできる『ゴマ(胡麻)』、燃料が燃え尽きた後に残った炭火に、作品の一部が覆われることで金、青、暗灰色などの様々な文様となる『サンギリ(桟切り)』、藁を巻くことで、藁に含まれるカリウムなどの化学作用により赤や茶の線が描かれた『ヒダスキ(火襷き)』です」と木村さんは話す。陽山窯自分らしい作品を求め日々丁寧な仕事に邁進する岡山県重要無形文化財保持者である伊勢﨑満氏の三男・創さんは、物心がついた時から土と親しんでいた。父だけでなく、兄や弟らも備前焼作家として活躍している。創さんは2001年に登り窯を築いて独立。ろくろ成形による花器、扁壷、茶道具、酒器など、幅広い作品を手がけている。創さんが生み出した作品では、まず鋭利な刃物で切り取ったような、稜線が効いた芸術性の高いものに目がいく。しかし次第に土が持つ温かみを感じさせてくれる、普段使いの食器が持つ飽きのこない意匠にも魅き込まれていく。「備前焼は土が持つ力、それに薪窯だからこそできる炎の力が生み出す偶然性が、作品に大きな影響を与えることは確かです。その偶然を必然に変える面白さを追求していくのが、作家の命題」築200年の古民家を移築したギャラリーも、並べられた作品群を大いに引き立てている。一陽窯長い歴史が培ってきた使われて喜ばれる器16世紀から江戸時代にかけ、窯株を独占した備前焼窯元六姓。そのうちのひとつである木村家十三代、長十郎友敬の次男・一陽が昭和22年に分家独立して設立した窯が一陽窯だ。工房を案内してくれた三代目の木村肇さんは「茶道具も食器も、単なるインテリアではなく、人に使ってもらって価値を生むもの。見て美しく使って楽しい作品を追求したい」と語る。一陽窯の作品は、土が持つ力強さが前面に押し出されている。圧倒的な存在感は持つ喜びも生む。陶月窯親子3人それぞれの持ち味が生かされた器名工と謳われた初代・原田陶月が礎を築いた窯で、現在は二代目の原田陶月さんと、二人の息子が窯の伝統を受け継いでいる。その作風は土味や焼け味が手に取る人に伝わるような柔らかい印象の仕上がり。ここでは今もそんな初代の技と変わらず、土の良さを存分に感じられる作品が制作され続けている。しかも昔ながらの素朴な形にもこだわっている。「私が大切にしているのは、見ただけで使ってみたいと思えてくる作品作り。発色の違う数種類の粘土を層ができるように混ぜるため、練り込みの技法を向上させようと日頃から精進しています。また、より素朴な味わいを出すために、鎌倉時代や室町時代に使われていた山の土を使っている作品もあります」と次男の圭二さんは話す。その言葉の通り、窯から出されたばかりの作品は、灰を磨き落とすと、しっとりと落ち着いた何とも言えない色合いを見せる。桃蹊堂海外からの観光客も積極的に受け入れている桃蹊堂は備前焼窯元六姓のひとつで、備前藩の御細工人であった木村清三郎の流れを汲む550年以上続く窯元。昭和の初めには宮内省御用達となり、昭和天皇、今上天皇即位の礼の際には瓶子を納めている。現在の当主は十八代目の桃山を襲名して間もない木村英昭さん。大学で英語を学び、スペイン留学も経験。備前焼と共に茶の湯を世界に広める活動も行っている。その作品は伝統的な技法を継承した器類から、斬新なオブジェまで幅広い。馬場隆志独創性に富んだ作品を創作して後世に遺す備前では個人の作家の活躍も目立ち、馬場さんもそのひとり。備前焼作家の父と違ったものを身に付けようと東京藝術大学で彫刻を学んだ。さらに卒業後、他産地の技法を学ぶため京都で研鑽を積む。こうした時間を通じ同時代を生きる様々な作家から刺激を受け、独自性に磨きをかけた。日々、備前の土が持つ個性と素直に向き合い、造形美に富んだ作品を生み出している。大石橋宏樹伝統を継承しつつ新たな可能性も探求東京出身の大石橋さんは、大学卒業後に人間国宝の藤原雄の長男・和の内弟子となる。独立後は藤原流の単純、明快、豪放な作風を守りつつ、現代の生活にマッチする新しい形も送り出している。独特な発色や美しい線が生かされた芸術性に富んだ作品は、高い評価を得ている。そればかりでなく、斬新なデザインを盛り込みつつ、普段使いにも最適な食器も人気が高い。※本記事の内容は雑誌掲載時の情報です。----------------------------------Recommend Contents 詳しくはバナーをクリック↓KAZARINO マネークリップ使い込むほど、あなただけの風合いに。時間が磨く、美の深み。詳しくはバナーをクリック↓ホームロースター機能は生真面目、デザインはクリエイティブな家庭用焙煎機。

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  • 【3大グルメ企画】 第三章「FUNGO 三宿店」編

    日本人が大好きな人気のグルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する飲食店をご案内していく【3大グルメ】。今回は、ハンバーガーショップの草分け、FUNGO 三宿店を、料理芸人としてバラエティ番組やラジオ等に出演し、YouTube でも人気を博している「藤井21」さんがご紹介します。地元ローカルにこよなく愛される味をどうぞ!都会の喧騒を離れてゆったり落ち着けるバーガーショップへようこそ。渋谷や三軒茶屋の喧騒を離れるだけで緩やかな時間の流れる住宅が建ち並び、遠くからテニスボールを打つ音が聞こえる公園には静かな緑が広がっている。ここには国道 246 を走る車の喧騒も聞こえてこない。池尻方面から世田谷公園を抜け、学芸大学方面向かう。「平日の午前中からテニスとは優雅ですな」と、誰に語るでもなく小さくつぶやきつつ午前中の涼しい風を感じ歩く。世田谷公園を抜けるとちょうど目の前の交差点を挟んで斜向かいに、真っ青な壁の建物が目に入る。鮮やかなオレンジ色の店名が、真っ青な壁にくっきりと映え、赤と白のストライプのサンシェードも相まって目のスクリーンにインパクトを残す。この地で“東京ハンバーガー御三家"のひとつ「FUNGO 三宿本店」は今年の12月で創業 30年を迎える。店前のテラス席にはスチール製の真っ赤な椅子と丸テーブルが数脚並び、店内に入ると木製のテーブルと椅子が綺麗に配列されている。壁は生成りの塗装に外装と同じ真っ青な腰壁の羽目板。和食店にはない色味にアメリカンを感じて少しだけワクワクしてくる。「せっかくだしテラス席で優雅にバーガーでも決めてやろうか」とテラス席に座る。少しだけ三宿の雰囲気にあてられたみたいだ。テーブル上にはカトラリーと紙ナプキン、使い切りのケチャップとマスタード、そして紙エプロンが置かれている。〜ハンバーガー?サンドイッチ?〜卓上のメニューを開くと先ずサンドイッチがずらりと幅を利かせている。「シュリンプとアボカド」「スモークサーモンとクリームチーズ」「自家製ベーコン・レタス・トマト」まあどれもワクワク感をそそられる具材だ。今でこそ定番の具材となったアボカドも創業当時は日本では扱っているお店は少なかったそうだ。オープン初期から人気のエビアボカドサンドウィッチ ¥1,350FUNGO 三宿本店は創業したオーナーがアメリカ留学時に食べたサンドイッチの味が忘れられないと、日本に帰ってきてからその味を再現して始めたお店らしい。つまりハンバーガー御三家の一角のルーツはサンドイッチにありということだ。…ん?ハンバーガーとサンドイッチって何が違うんだ?ふとなんとなく気になって違いを調べてみると、サンドイッチはパンに様々な具材を挟んだ料理で、ハンバーガーはバンズ(丸いパン)を切って肉類や野菜を挟み込んだものだという(※1)。どうやらハンバーガーはサンドイッチファミリーの一員らしい。ということは FUNGO のハンバーガーはサンド料理界の基礎をしっかりと押さえているということになるじゃないか。サンドイッチに少しだけ心惹かれつつも今日の目的はハンバーガーだとメニューをめくる。「クラシック」「アボカドタルタル」「自家製ベーコンチーズ」メニューに載っている写真も相まって香り立つようなラインナップにどれを選んでいいか考えこんでしまう。これは永遠に迷いかねないのでえいやと勢い一発「自家製ベーコンチーズバーガー」をチョイス。ご多分に漏れず“自家製”という言葉に惹かれてしまっている。自家製ベーコンが入った人気のベーコンチーズバーガー¥1,960カウンター越しにオープンキッチンを覗くと、鉄板の上でパティを焼きながらバンズを半分に切りつつフライヤーでポテトを揚げる。野菜やソースを準備し、流れるような手さばきで調理を進めている店長の関さんは27歳の若さでFUNGO 三宿の店長を任されている。「自家製ベーコンチーズバーガーです」と、関さんが爽やかな笑顔で出してくれた。〜大ご馳走の味〜白の丸皿にはデカデカとハンバーガーが立ち上がっている。茶褐色のバンズの間には下からゴツゴツした分厚いパティ、そしてとろけたチーズがパティを包み込み、その上にこれまた分厚い自家製ベーコンが折り重なっている。そして瑞々しいレタスにトマトの断面がチラリと顔をのぞかせる。そんなバーガーは脇には黄金色にカリッと揚がったポテトが寄り添っている。バーガーには「FUNGO」と書かれた小さな旗が誇らしげに立っている。まるでそれぞれの具材が主張しながらも“ちゃんと一緒に食べてくれよ”と言っているかのようなそんな出で立ちだ。シズル感のお手本のような見た目に、これはたまらんとばかりにテーブルの隅に置かれたナイフとフォークにガン無視を決め込んでハンバーガーを両手で持ち上げかぶりつく。もちっとしたバンズと共に具材も一緒に噛みしめる。レタスの歯触りが小気味よく、粗挽きの肉々しいパティからじゅわっと旨味が染み出してくる。直後にスモーキーな自家製ベーコンの香りとチーズの濃厚な味わいが広がり、トマトの瑞々しさが口の中をさっぱりとさせる。…あぁこれは笑っちゃうくらいに旨い。バンズやそれぞれの具がしっかりと存在感を示しながらも一つに調和している。ベーコンだけだと燻製感が前に出すぎるし、パティだけだと肉々しさが粗すぎる。でも、それらが一緒になると、不思議とハンバーガーというひとつの料理になる。これはちゃんと計算されている料理だ。FUNGO 三宿では毎朝開店前に野菜が届きグラム単位で量を調整して、その一口のための最適な分量になるよう切り分けられているらしい。もちろんパティも同じだ。粗挽きのミンチは噛むたびに肉感を感じられるように脂と赤身のバランスを見極めて特注していて、こね方から焼き方まで細やかな工夫が詰まっているのだとか。そして全体をふんわりと受け止めているのが特注しているというバンズだ。「峰や」さんに特別に焼いてもらっているというこのバンズは、もっちりとした弾力で甘味がありつつも香ばしい。試しにバンズだけ千切って食べてみたが美味しい、おいしいが確かにもっちりした食感が立ちすぎていて少しだけ重たい印象がある。しかしこれがハンバーガーになると不思議と調和している。“挟まれることを前提にしたパン”なのだろう。この料理は別々の具材が一つになって完成している。それを頭ではなく口の中から身体が納得させられているようなそんな理屈抜きで旨いと思える味だ。オーナー曰く「特別なことをやっているわけじゃないんです。100 年後も続くお店をやりたいんです」と。確かに奇をてらったような具材があるわけではないが、食材にこだわり突き詰める。FUNGO 三宿はサンドイッチというハンバーガーの基礎があり、ひとつひとつの食材にこだわり続けるからこそ、ここまで 30 年続きそしてきっとこの先 70 年、その先も続いていくのだろう。そんな完成されたハンバーガーでも個人的に唯一足りないものがあることに気づいてしまった。キンキンに冷えたビールだ。グラスの表面にはうっすらと細かい水滴が浮かんでいる。ハンバーガーの余韻が口の中に残るうちに生ビールを一気に流し込む。そうそうこれなんだよ…。パティの旨味、ベーコンの燻製香、そのすべてにビールがピタリと寄り添ってくる。かぶりついてはビールを一口、もう一口と手が止まらなくなる。これはもう“うれしい大ご馳走”だ。生ビール(ハイネケン) ¥700 とベーコンチーズバーガー¥1,960〜万人に愛される味〜ふと顔をあげると奥の窓際では、一人でやってきた様子の女性が、スマートフォン眺めながら提供を待っている。常連客に見えるやや年配の男性はハンバーグを黙々と頬張り、店の入り口にはテイクアウトを待っているであろう男性がいる。この店には三宿の穏やかな時間と空間がしっかりとあり、ふらりと立ち寄れる雰囲気を感じる。帰り際にレジの後ろに何十個も積み上げられたテイクアウト用の紙箱が気になって「この箱の量を一日で全部使うんですか?」と聞いてみた。「これは今日たくさんデリバリーの予約が入ってまして、常連さんがよく頼んでくれるんです」この大ご馳走はわざわざ食べにくる価値がありながら、どこでも楽しめる味でもあるんだな。オープン直後からぽつぽつとお客さんが入りだした店を後にする。キッチンの中では関さんが次々とパティを焼いている。もう少しだけこの三宿の緩やかな空気でも感じながら帰るかと歩き出す。もちろんテイクアウトの紙箱に入ったサンドイッチを持って。・コーラ ¥500 とカリフォルニアバーガー ¥1,900・コーラ ¥500 とクラシックハンバーガー ¥1,400※1:Weblio 英和辞書Shop dataFUNGO 三宿店東京都世田谷区下馬 1-40-10電話/03-3795-1144営業時間/11:00-21:00(last order 20:00)定休日/無休、年末年始(12/31〜1/2)

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  • 古民家でのんびり。自然と親しむ日。

    日々の喧騒から少し離れ、自然に囲まれた場所で過ごす一日は、心と身体をじんわりと癒してくれる特別な時間である。都会の生活ではなかなか味わえない、鳥のさえずり、風に揺れる木々の音、土や草の匂いに包まれるそのひとときは、人間が本来持っていた自然とのつながりを思い出させてくれる。古民家には、長い年月をかけて培われた落ち着きと、都会に慣れた人でも懐かしさを感じさせる空気がある。木のぬくもり、優しい質感、障子を通して差し込む柔らかな光――それらの要素が、知らず知らずのうちに心をほぐしてくれるのである。縁側でお茶を飲みながら、季節の移ろいを感じるだけでも、極上のひとときとなる。自然の中の古民家は、疲れやすい現代人へのよい影響も。自然の中で過ごすことには、科学的にも多くの効能がある。森林浴にはストレスホルモンの減少、免疫力の向上、血圧や心拍数の安定化といった効果が認められており、心身のバランスを整える働きがあるとされている。とりわけ、スマートフォンやパソコンから離れ、自然のリズムに身を委ねることで、脳が「休息モード」に入り、創造力や集中力が高まるという報告もある。古民家での一日は、特別なことをする必要はない。薪で火を焚き、ご飯を炊く。採れたての野菜を使って料理をする。昼下がりにはハンモックで読書にふける。そうした何気ない時間の積み重ねが、現代人の疲れた心をやさしく包み込んでくれるのである。自然の音を聞きながらゆっくりと深呼吸をすることで、自律神経の働きが整い、睡眠の質も向上する。夜には満天の星空を見上げ、静けさの中に身を置くことで、また明日への活力が湧いてくるはずだ。忙しい毎日だからこそ、「何もしない贅沢」を味わう時間が必要である。古民家で自然とともに過ごす一日は、忘れかけていた本当の豊かさを思い出させてくれる、かけがえのない体験となるであろう。「何もしない贅沢」を。古民家ゲストハウスで癒しのひととき。男の隠れ家PREMIUMより、古民家での素敵な体験をご提供。世界中をバックパックで旅して回ったオーナーの三髙菖吉さんが、「最初は適当にDIYが楽しめればと思って見に来たのですが、言葉に表せないほど素敵な梁をみた瞬間、すっかり惚れ込んでしまいました」という、築140年を越える古民家。そこで多くの人に快適な里山ライフを体験してもらおうと、ゲストハウスにリベーションし、「ゆる宿Voketto」として生まれ変わらせた。「ゆる宿Voketto」は、古民家の味わいを随所に生かしつつ、快適な一夜を過ごせる設備が充実。しかも清潔感にあふれているので、老若男女問わずに安心して利用できる。滞在しているだけでも、奥静岡の豊かな自然を堪能でき、「男の隠れ家限定プラン」には、ヨコザワテッパンポケット、川根本町産鹿肉ソーセージ、焚き火体験がセットされている。ちなみに食事は別料金で朝晩ともお願いすることもでき、キッチンを使って自分で楽しむことも可能。自由に過ごせるのも魅力。満天の星空や目に優しい焚き火体験が味わえる。泊まりたい人数に合わせて、8畳和室と16畳和室が選べるのもポイント。生まれた場所も年齢も違う人たちが集まって、お酒を飲みながら語り合う。そして、日々の喧騒から離れて本当の素直な自分に立ち返る。そんな場所をつくりたいと思い、生まれたゆる宿Voketto。ゲストハウスは木の温かみを感じる雰囲気で、オーナー手作りのテーブルやこだわりのものが飾られている。室内は昔ながらの雰囲気は残しながらも、快適に過ごすことが出来るようにリノベーションしてある。とにかくゆっくりと、心を開放して過ごせる。心をほどく、静かな時間。自然の中、古民家で過ごす一日は、自然と調和しながら自分自身を見つめ直すひととき。忙しさを手放し、本来の自分を取り戻す時間となるだろう。--------------------------------------------------商品詳細ゆる宿Voketto【男の隠れ家限定】古民家ゲストハウス利用権[16畳和室]28,000円 (税込)>>商品をチェックゆる宿Voketto【男の隠れ家限定】古民家ゲストハウス利用権[8畳和室]9,500円 ~ 26,000円 (税込)>>商品をチェック

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  • 竹富の緩やかな 南風(パイカジ)に吹かれて

    八重山諸島の宝石とも喩えたくなる竹富島。南国の自然と赤瓦の民家が織り成す沖縄の原風景を求め〝うつぐみ〞の心に育まれた八重山の美しき小島へ先人から受け継がれる島の営みに心奪われるエメラルド色に燦めく水面を心地良く渡っていくパイカジ(南風)。それに呼応するように白い帆が風をはらんで大きく膨らみ、舟は音も立てずに前へとスッーと進んでいく。舟の下でゆらゆら揺らめく白砂とサンゴ。時に小さな魚影が動くと、その度にわくわくと童心が呼び覚まされる。水平線の彼方に見える西表島の島影を眺めながら、舟は波の静かな珊瑚礁の端まで風に身を任せた。乗っていたのは“サバニ”と呼ばれる琉球の伝統的な木造船。サバニはかつて漁をしたり、島を行き来するための小さな帆船だが、今は八重山ブルーの海を体感できる観光用の舟として復活している。「西表島に自分の田んぼを持っていた私のおじぃも、昔はサバニに乗って農作業に通っていました」。櫂を操りながらそう話す船主の上勢頭輝さん。竹富島は珊瑚礁の隆起によって生まれた島だけに米が作れず、そのため西表島までサバニで通って稲作をした人が少なくなかったという。西表島への通耕は、琉球王朝時代に米での納税を求められたという歴史的背景もあるのだそうだ。そんな話を聞きながらサバニが行き交う昔の風景を想像し、海に漂うひととき。海の透明度は浮遊感ももたらし不思議な心持ちへと誘う。こんな緩やかな気分は久しぶりだ。沖縄県八重山諸島のひとつに数えられ、石垣島の6㎞南に浮かぶ周囲約9㎞の竹富島。先述のように珊瑚礁の隆起で生じた琉球石灰岩からなる平坦地で、遠浅のコンドイ浜や星砂で知られるカイジ浜など、八重山屈指の美しいビーチは訪れる人を魅了。全島が西表石垣国立公園に指定されている。石垣島からは高速船でわずか10分で到着するが、港に降り立った途端、時の流れが一気に穏やかにになるのを覚える。それは島の中心部へ足を運んでも変わることはなく、赤瓦屋根の木造民家と白砂の道、“グック”と呼ばれる琉球石灰岩を組んだ石塀、そこに鮮やかに色を添えるブーゲンビリアやハイビスカスなどの花々が目に眩しい。どこからか響いてきた三線の音色の方を目で追いかけると、グックの間を観光客を乗せた水牛車がゆっくりと通り過ぎていった。古きよき時代の沖縄の原風景が残る集落は、昭和62年(1987)に重要伝統的建造物群保存地区に選定。集落は東集落、西集落、仲筋集落の3つから成り、町並み保存には「竹富島憲章」なる原則がある。「売らない」「汚さない」「乱さない」「壊さない」という島を守る4原則、伝統文化と自然を観光資源に「生かす」を加えた5つの基本理念などが謳われている。その美しい家並みを少し俯瞰して眺めようと赤山公園の展望塔「なごみの塔」そばにある「HaaYa nagomi‒cafe」へ。なごみの塔はかつて竹富島で一番高い展望地だったが現在は老朽化で閉鎖。今はこの2階建てのカフェが眺望スポットとしても人気を集めている。窓辺に広がる赤瓦の家々を眺めながらのカフェタイム。改めて町の美観に心を奪われた。島人が先祖から受け継ぎ守り続けている美しい島は、“うつぐみ”の心、精神性で育まれている。うつぐみとは“協力一致”という意味で、皆で協力することが一番大事ということ。稲作ができないなど土地の生産性の低さ、台風や病虫害などの災いといった自然環境の厳しさがあったからこそ生まれた精神性だとも言われている。そして“うつぐみ”の心が最もひとつになるのが祭礼である。竹富島には数多くの祭事があるが、なかでも毎年秋に行われる「種子取祭」が島最大の祭り。10日間に渡って神に捧げる行事や多彩な芸能が繰り広げられ、島人はもちろん、訪れる島外の人たちとも心を通わせる。それは島全体が自然と人間の調和した劇場となるのだという。そんな祭事に合わせて島を訪れれば、忘れがたい思い出がまた紡がれることになるはずだ。島民として憩う空間星のや竹富島ずっと前からそこに存在していたかのようなもうひとつの〝離島の集落〞。赤瓦の美しい客室棟で、暮らすようにのんびりと過ごす贅沢な島時間。島の伝統をスタイリッシュに味わう大人のリゾート空間そこはまさに竹富島の4つ目の集落。そう錯覚してしまうほど、見事に竹富島の自然の中に溶け込んでいる。島の伝統の家並みで目にしたような赤瓦の家と白砂の道、琉球石灰岩の石塀“グック”、そして咲き誇る色鮮やかな南国の花々と緑濃い木々……。何の違和感もなく、古くからそこに存在している集落に迷い込んだような心持ちだ。実際、「星のや竹富島」のコンセプトは“離島の集落に滞在する”。それはリゾートでありながら島の暮らしを体感する他に類を見ないシチュエーションだろう。「星のや竹富島」の開業は2012年6月。竹富島の東海岸・アイヤル浜近くの約2万坪の広大な敷地を拓き、伝統建築に則った48棟の赤瓦民家の客室を配した。各棟は手積みしたグックで囲まれ、魔除けのための石の衝立(ヒンプン)が各客室の目隠しになっているのも沖縄の家屋を踏襲。赤瓦の上に鎮座するシーサーも表情豊かだ。星のや竹富島の島生活は、港に高速船が着いた時から始まる。日に焼けた笑顔のスタッフに出迎えられ車で施設に移動。レセプションを通って客棟に案内されると、そこはもう我が家のような自由で快適な空間だ。2泊以上からが星のやのお勧め滞在プランだが、暮らすように過ごすならやはりその日数は必要かもしれない。客棟の部屋は全室南向きの開放感のある造り。庭に面した縁側の大きな窓を開け放ち、さらに楕円形のバスタブを設えた裏手の窓を開けると、パイカジ(南風)がさぁーと吹き抜けた。裏手には防風林にも使われるフクギが植えられ、風がかすかに葉を揺らしている。まずは心地良い風を感じながら入浴を楽しむのも一興。いや、その前にプールでひと泳ぎしたり、ラウンジで島の命草茶(島のハーブティー)を味わいないがら読書に耽るのもいいかもしれない。そして、太陽が水平線にその姿を隠す頃、ダイニングはそろそろディナータイムを迎える。“琉球ヌーヴェル”と銘打ったコース料理は、沖縄の食材と島の食文化をフレンチの技で表現した逸品。車エビ、ミーバイ、赤マチなど地元の魚介類もふんだんに登場し、いずれもアーティスティックなひと皿に仕上げられている。料理に合わせるお酒はワインにしようか、泡盛のカクテルにしようか……。チョイスに迷うのもまた、贅沢で幸せな時間だろう。※本記事の内容は雑誌掲載時の情報です。----------------------------------Recommend Contents 詳しくはバナーをクリック↓灯AKARI(キャンドル) 2個セット日本古来の伝統、素材を活かし、桧のおちょこを反転させてロウを流し込んだろうそく。詳しくはバナーをクリック↓ホームロースター機能は生真面目、デザインはクリエイティブな家庭用焙煎機。

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  • 【3大グルメ企画】 第二章「スマトラカレー共栄堂」編

    【3大グルメ】企画は、日本人が大好きな人気のグルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する飲食店を、料理芸人としてバラエティ番組やラジオ等に出演し、YouTubeでも人気を博している「藤井21」さんが紹介していくコンテンツです。------------------------------------------------------いざスマトラ島へ靖国通りの走る神保町駅周辺には古本屋が各所に点在している。この古本の町で創業百年を超える老舗のカレー屋「スマトラカレー共栄堂」は今日も営業し続けている。 煉瓦造りのビルの入り口にアーチ状の立て看板が見える。鮮やかなグリーンの文字で「スマトラカレー共栄堂」の文字が踊り、ポーク・チキン・エビ・タンとシンプルなどカレーのメニューが書かれている。スマトラカレー共栄堂のカレーは、明治の末期〜大正時代に、東南アジアを広く見聞していた伊藤友治郎氏が、インドネシアのスマトラ島で食べたカレーの味に感銘を受け、現地のカレーのレシピを学び、「共栄堂」初代に伝えたのが始まりなのだそう。階段を降り地下一階の店舗に入ると艶やかな木のテーブルに赤い革張りの椅子、窓からは日の光が差し込み店内は明るい。 お店のインテリアや空気感は純喫茶のそれを思わせるが、ところどころに置かれたエキゾチックな置物や壁にかかった絵、そしてメニューには、カレーレシピのルーツとなった当時のスマトラ島をスケッチした絵が描かれている。なるほど、ここにはいまだ訪れたことのないスマトラ島がある…。「かかってこい!スマトラ!!」 百年の風景が溶け合うカレーチキンカレー 1400円(ソース大盛 1600円)卓上にはらっきょうと赤い福神漬けの瓶が並び、小さなレードルとカレースプーン2種類の銀食器が置かれるといよいよ気持ちは高まってくる。まず少し黄色みがかかった生成色のスープが入ったカップがでてくる。カレーには全てスープが付くらしい。ほんのりとコーンの香りと優しい甘味の野菜のポタージュスープ、これは嬉しいプチサプライズ。 続けて白い洋皿に盛られたご飯が出てくる。「これがうちは普通盛りね」と店主の宮川さん。これ大盛りだとしても多いですねと言いたくなる量のご飯だ。本の街、神保町で歴史を刻むカレー屋「最近はカレーの街なんて言われているけど神保町は本の街だよ。そこでやらせてもらっているという気持ちを常に持っているよ」と語る宮川さんの謙虚な姿勢が、先々代から続く百年という途方もなく長い歴史を繋ぎ、そして次の四代目の息子さんに受け継いでいるのかもしれない。 カレー屋か、レストランでステーキにソースをかけるときにしか見ない銀色の「アレ」に入ってこぼれんばかりになみなみと注がれたカレーが出てくる。黒々としたルゥに白いクリームがかかっていて、その見た目の色に一瞬これはカレーなんだろうかと猜疑心にかられる。そんな黒々としたルゥの中でもごろごろとした肉が見え隠れしていて存在感がすごい。 写真はチキンカレー 普通盛写真はタンカレー 普通盛 1950円 (ソース大盛 2250円)レードルでひとすくいすると黒いルゥと白いクリームが混ざりあって溶け合っていく。ドロドロの欧風カレーとさらさらのスパイスカレーのちょうど中間くらいの粘度で、白銀の米の上にかけると、無数の黒い粒々としたものが見える。これはもしかしてスパイス?カレーの香りのようなそうでないような、でもしっかりとスパイスの香りを感じながらご飯と一緒に口に入れると、初手先制ジャブとばかりに野菜の甘味を感じる。形こそないがここにはしっかりと野菜の甘味と旨味が溶け込んでいる。そこに追いかけてくるように香ばしいスパイスの香りが鼻腔を満たす。辛味はそこまで強くなく、複雑で幾重にも折り重なった多数のスパイスの香りがして味と香りの情報で口と鼻がいっぱいになるそしてメインにして唯一の具材の肉だ。ごろごろと主張するような大きい肉を一口で頬張ると、この肉がまるで口の中で崩れるのを待っていたかのようにさらさらとほどけていく。口の中で肉の繊維が崩れていく様はまるで淡雪の様で、どうしてここまでしっかりと肉の味と形を保ちながらほどけるほどに柔らかく煮込むことができるのか不思議になってくる。野菜の甘味、スパイスの香り、肉の旨味、それら全てが混然一体となってルゥに溶け込んでいる。そして最後にかけたクリームのおかげか味にまろみが出て全体的に穏やかな味わいになっている。甘くてスパイシーで香ばしくてお肉も柔らかくてスプーンのひとすくいごとに確実に旨い。時間をかけ丁寧に作っているのが伺える。「味の決め手は小麦粉不使用、カレーソースのほとんどは野菜だね、あとはスパイス」宮川さんはそう簡単に言うがシンプルな作り方だからこそ難しい。数年前に一度、カレーは煮込み続けたら旨くなるんじゃないかと思い、百時間かけて野菜や肉を煮込みカレーを作ったことがある。ひたすらに百時間煮込み続けたが、結果としては失敗だった。すべての具材の風味がとんで味も香りもぼやけたなんだかわからないものが出来上がってしまった。ただ手間暇をかけるだけじゃ旨いものはできない、そこにこの店が百年続いている理由があるのかもしれない。 スマトラカレーという料理でも果たしてこれはカレーなんだろうか。自分の中でのカレーという料理の概念が変わっていくのを感じる。これがスマトラスタンダード?「うちのカレーはダメな人はダメなの、好みが分かれる味だからね」と語る宮川さん。伊藤友治郎氏が現地で食べたカレーを日本人向けにアレンジしたと言っていた。つまりこの一皿はスマトラ島のカレーでもなく、当時の日本式のカレーでもなく“スマトラカレー”という料理なのだ。確かにそう思うと、自分が知っているどのカレーとも似ても似つかない唯一無二の味なのだと納得できる。「カレーだけどカレーじゃない…」つい口をついた言葉に「でもこれがうちのカレーなのよ」と優し気な笑顔で店主の宮川さんが語りかけてくる。「お客さんだって日々色んなものを食べて舌が肥えていくんだから、昔来てくれたお客さんがまた来た時に『こんなもんだったか」って言われたくないじゃない。」唯一無二のスマトラカレーの味は常に変化し続けている。ブイヨンを変えたり野菜の量を変えたり試行錯誤を続けていると。創業百年にしていまだ進化し続ける味、 それはまるでスマトラカレーという百年間成長し続けてきた大木に生える枝を選定し続ける作業のようなものかもしれない。スマトラカレーの味という大きな太い軸はあるが常に手入れすることで進化しさらに成長を続ける。きっとこの店では変化し続けるということが不変なのだろう。 焼きりんごと哲学スマトラカレー共栄堂には晩秋から初春にかけて期間限定の「焼きりんご」というメニューがある。皮付きのまま丸ごと1個のりんごを使って作られる焼きりんごはスプーンを入れるとその柔らかさにまず驚く、本当にりんごにスプーンを入れたのかと驚くほどの柔らかさで、口に入れると甘すぎず酸っぱすぎず絶妙な塩梅でりんごの爽やかな香りと自然な甘味がして口の中でとろけていく。そこにほんのりとシナモンの柔らかな香りが追いかけてきてさっき食べたカレーのスパイスの余韻を優しく包んでくれる。なんて優しいデザートなんだ。使用するりんごは紅玉にこだわっているので、紅玉が入手出来る晩秋から初春限定のメニューになるらしい。しかも作るのに実に三日かけているのだとか。「楽な方法を考えたらそこで終わりだから、面倒くさいことをやらないと。」と語る宮川さん。「内心面倒だなと思っていても面倒くさいことをまずやらないと、料理でも接客でも、そうするとそれをお客さんもわかってくれるんだから」とニカっと笑う。 あぁそうか、このお店はきっとこうやって今日まで続いてきたんだ。だからこそ百一年目があるんだ。お腹も心も満たされて少し見識も深まっちゃったな、なんて思いながら地下の階段を上り神保町の町に出る。そうだ、帰りは一駅いや二駅分歩いてみようか!ちょっとは大変な思いをしたら…いやそうゆうことじゃないか、なんてな。------------------------------------------------------Shop dataスマトラカレー共栄堂東京都千代田区神田神保町1-6 サンビルB1電話/03-3291-1475営業時間/11:00~20:00 (L.O.19時45分)定休日/日・祝(不定休)アクセス/都営三田線・都営新宿線・営団半蔵門線「神保町駅」A5 出口を出て靖国通りを左へ徒歩1分

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  • 今日は野外でスパイスカレー。

    野外やアウトドアで楽しむ料理は、自然の中で味わう開放感と非日常の体験が魅力。焚き火やバーベキューなど、調理そのものがイベントとなり、仲間と協力しながら作ることで絆も深まる。もちろん一人でも、食材の香りや音が五感を刺激し、普段の料理以上においしく感じられる。野外で楽しむのにぴったりのメニューは、バーベキューや鍋料理など様々なものが挙げられるが、中でもおすすめなのが近年人気の「スパイスカレー」だ。手軽なのに本格的。奥深い世界にどっぷり。スパイスカレーの良さは、何と言ってもその奥深い香りと味わいにある。数種類から十数種類のスパイスを組み合わせることで、辛さだけでなく、甘み、苦味、酸味、香ばしさといった多彩な風味を一皿に表現することができるのが特徴である。また、スパイスは薬効成分を多く含み、体を温めたり、胃腸の働きを助けたりと、健康面においても優れた効果が期待できる。自分好みにスパイスの配合を調整できる点も魅力の一つであり、料理を通じて創造性を発揮する楽しさがある。さらに、肉や魚、野菜、豆などさまざまな食材との相性がよく、バリエーションが豊富である点もスパイスカレーの魅力である。もとから日本らしいカレーはアウトドアの定番であるように、大まかに作っても、味を見ながら調整できるのもおすすめのポイント。調理中に立ち上るスパイスの香りは食欲を刺激し、アウトドアでも本格的な異国の風を感じることができる。食べるだけでなく作る過程も楽しめるスパイスカレーは、アウトドアライフに彩りと豊かさをもたらしてくれる。そこで今回は、アウトドアでスパイスカレーをするのにぴったりのアイテムの紹介と、おまけの基本スパイスカレーのレシピを紹介する。豊かなアウトドアライフの一助になれば幸いだ。インド料理食い尽くした男が作る、本格的なお手軽マサラセット。「マサラギフトセット」は日本一インド料理を食べた男が、日本人の口に合うように調合した本格的なマサラ。さっと混ぜるだけで簡単に5分でバターチキンカレーが作れるカレーの素、どんな料理にもふりかけるだけで使える塩マサラや辛マサラ、牛乳に混ぜるだけで作れるラッシーの素やチャイの素が入っている。さらに簡単にインド風炊き込みご飯が作れるビリヤニの素、インド風屋台チャーハンが作れるチャーハンの素など、スパイシーの中に旨味が凝縮されたオリジナルスパイスでアレンジは無限大。フレッシュトマトや玉ねぎ、ヨーグルトなどと合わせれば簡単においしいカレーが作れる。今話題のビリヤニや、カレーに欠かせないラッシーやチャイも作れるセットになっているのも嬉しいポイント。ハサミと包丁の二刀流。複雑な料理を簡単に。Daily Chef「オールステンレスキッチンバサミ」は、切れ味が大切な野外料理において、万能な性能を発揮するキッチンツール。韓国で販売されている主要なキッチンバサミより1cm〜2cm長く、刃渡りが長いことで大きな食材や肉を一度に効率的に切断することができ、調理効率が上がり時短にも。骨付きチキンなども綺麗に切れるため、チキンのダシがよく出たおいしいチキンカレー作りにもおすすめの逸品。ワイルドな調理には欠かせないアイテム。持ち運びもラクチン、水洗いも簡単で料理後のケアも簡単。じめじめした気候もカレーで吹き飛ばそう。湿気が多く蒸し暑い近年の日本には、香り豊かなスパイスカレーがぴったり。体の中から熱を生み出し、爽快な汗とともに気分もリフレッシュ。暑さをおいしく吹き飛ばそう。--------------------------------------------------基本の簡単スパイスカレー(2〜3人分)【材料】玉ねぎ:1個(みじん切り)トマト:1個(ざく切り or トマト缶100g)鶏もも肉:200g(食べやすい大きさにカット)にんにく:1片(みじん切り)しょうが:1片(みじん切り)サラダ油:大さじ2水:200ml塩:小さじ1〜1.5(調整)【基本のスパイス】クミンパウダー:小さじ1コリアンダーパウダー:小さじ1ターメリックパウダー:小さじ1/2チリパウダー:小さじ1/3〜1(好みで調整)※市販の調合カレー粉であれば適量で代替可能【作り方】1.フライパンに油を熱し、にんにく・しょうがを弱火で炒める。香りが立ったら玉ねぎを加え、あめ色になるまで中火でじっくり炒める(10分前後)。2.スパイス4種を加えて1分ほど炒め、香りを引き出す。3.トマトを加えてよく混ぜ、水分が飛ぶまで炒める。4.鶏肉を加えて軽く炒め、水を入れて煮立てる。5.弱めの中火で10〜15分ほど煮込み、塩で味を調える。6.好みで仕上げにヨーグルトやガラムマサラを加えると風味アップ。※辛くしたければチリパウダー追加。コクが欲しければココナッツミルクや牛乳などを入れても。肉は豆や野菜に変更することも可能。--------------------------------------------------商品詳細マサラギフトセット4,600円 (税込)>>商品をチェックDaily Chef オールステンレスキッチンバサミ9,900円 (税込)>>商品をチェック

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  • Man's craft 大人の工作。その1

    在宅ワークの時間が増えた昨今、趣味に多くの時間を割く人が増えている。今月の特集は模型、木彫り、ジオラマなどの工作に嵌まる人を紹介し、その作品を拝見して、熱中する理由や面白さを探ってみた。東京都 Randyさん自分の想ったように作ることこだわりを持たない模型作りが基本父親の影響もあって、小学3年生の頃からすでに旅客機模型を製作していたといRandyさん。高校生の時には釣りに嵌はまり、社会人になって某ルアーメーカーのフィールドスタッフの仕事に就いたものの、模型作りへの思いは継続し、手を止めることはなかったという。気がつけば、飛行機模型作りは自分の生活の一部になっていたと笑う。「模型作りは生涯の趣味とも言えますね。今は仕事がら飛行機に関わるという環境にも恵まれているため、色々なインスピレーションを受けられるのがありがたいですね」製作する上で何よりモットーとしているのが、〝自分の思ったように自由に作る〞こと。「私は模型製作において〝こだわり〞を持たないようにしています。もちろん細かなことを挙げればそれが〝こだわり〞になるのかもしれませんが。昨今の模型雑誌では〝このキットはここが本物と違う〞〝A型にはこのパネルは存在しない〞など作ることを躊躇してしまうような記事が多いような気がします。でも、本物の飛行機を知っている私からすると〝模型は本物〞ではないという結論にしか至らないので、細かな部分はこだわらないようにしてます」箱から出してそのまま作るStraightfrom the boxを基本にしているというが、それは、模型の設計者、メーカーコンセプトなど多くの要素が重なってモデラーのもとへ届くので、その製品プロセスも大事にしたいからなのだそうだ。「結局は作り手によって変わる部分もあるし。まぁ、プロに比べて工作技術が伴わないことへの言い訳でもありますけどね(笑)」作品の自慢すべき点を挙げてもらうと、どの作品もキャノピー(窓、風防)をピカピカに仕上げることだとか。安土城、姫路城、熊本城……眺めているだけで戦国武将たちの歴史の1ページを想起させ、城好きな人はもちろん、そうでない人でもワクワクと心躍る楽しい世界。緑の木々に抱かれ、石垣や天守など細部まで精巧に作れられた城郭模型は、それぞれの歴史ストーリーまでもが再現されているように美しい。「以前はドイツ艦や計画艦などの艦船模型が好きだったんですが、主だった船はだいたい作って満足したので、最近は、子どもの頃に好きだったお城作りにもう一度チャレンジしているところなんです」もともとジオラマやミニチュア、箱庭が好きだったと話すセラ箱さん。子どもの頃に比べて、今はもちろん技もお金もかけることができ、じっくり城郭模型と向き合う日々が一番の楽しみになっているという。制作する上での特に好きなプロセスは、石垣と樹木を植える緑化部分。特に石垣は手間をかけて一つひとつ筆で塗って本物に近づける。「8色くらいに色調を変え、モザイク状に塗っているんですが、ここは手間がかかる分、うまくいくととても満足感がありますね。集中していると時間が経つのもつい忘れてしまいますが」一方、緑化部分も模型用モスや木を使い、それらをどう配置するかで、全体的な表情が大きく変化する。主にYouTube、Twitterにて「鉄道模型ジオラマ」の「作り方や車両の改造・メンテナンス方法」など発信しているスティーブ青島さん。この空間はその撮影のためのスタジオとして、また購入した鉄道模型を走行させて遊ぶために造ったスペースだという。「実は現在のものは三代目。初代のジオラマは土台の板がガタついたので取り壊し、二代目はYouTubeの撮影を意識して作ったのです」しかし、今度は勾配がきつすぎて列車が坂を登る速度が落ちてしまったり、カーブが連続するので脱線の原因に。「今は次のジオラマ製作に取りかかっていて、試行錯誤を繰り返しています」。だが、基本的にはYouTubeの撮影が目的なので、カメラを置く位置などを考慮し、全体を360度どこからでも撮影・眺められるようにしている。「本来、ジオラマを作る時は建物などは土台に固定することが多いのですが、撮影の際に自由に動かせるよう固定はしていません。ザオーブロック面倒くさいけど作ってみる価値あり!面倒くさいを「価値あるもの」にしてみませんか。詳しくはバナーをクリック↓

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  • 自宅で楽しむ「キャンプ」スタイル実例

    理由は何だって構わない。キャンプをしたくなったら即その場で楽しめば良い。庭、ベランダ、屋上、ガレージ……といった絶好のキャンプフィールドが目の前にあるじゃないか。いつだって自由気ままに自分専用のサイトでのんびり過ごそう。晴れた春の昼に──Garden lunchでキャンプ気分。晴れた日曜日、庭に色々なキャンプギアを持ち出して、家族で家キャンプを。遠出しなくても大丈夫! 毎週末、アウトドアの雰囲気を自宅で楽しみませんか?いい天気なのにフィールドに行けない……特にアウトドア志向の皆さんはモヤモヤした週末を過ごしていらっしゃるかと思います。さて、今回の特集では街から近いグランピング施設、そして街でアウトドアの雰囲気が楽しめる飲食店、さらには自宅で手軽に楽しむ家キャンプをピックアップしています。この章ではそれぞれの家キャンプ実例をシーン別に分け、ご紹介していこうと思います。かく言う私も家キャンプを楽しんでいるそのひとり。都心から遠く離れた田舎に住んでいるので、晴れた週末には庭にキャンプギアを広げ、キャンプを想う午後を家族と過ごしたりしています。とはいえ、タープやチェア、そのほか小物を含め普段のキャンプで使っているものと同じものなので、そこはまさにキャンプ場。ギア以外にも料理や飲み物もアウトドア気分を盛り上げてくれます。いま様々なアウトドアメーカーから家キャンプに使えるギアがたくさん出ています。小さなテーブルを広げてコーヒーを飲むだけでもキャンプ気分は味わえます。本当はキャンプに行きたいけれど行けない、そんな方にはぜひ家キャンプをオススメしたいですね。ベランダから土間へと続く開放空間ロースタイルで楽しむリラックスキャンプ東京都 みつさんどこのシーンを切り取っても絵になる、みつさんのおしゃれな家キャンピングスタイル。セカンドリビング的に造った庭のウッドデッキがその定位置で、ここにお気に入りのキャンプギアをセッティングし、家にいながらも非日常の気分を堪能しているという。「外出自粛や子どもが生まれたことも重なって、なかなかキャンプに行くことができません。なので、少しでもキャンプ気分を味わいたい、気分転換をしたいと……」デッキには、ご主人自らペイントしたオルテガ柄のフェンスが設置されており、ここにウッドテーブル、ミリタリーのローバーチェア、ストライプのカーミットチェアなどを置くと、まさにセカンドリビングの中に家キャンプのシーンが出来上がる。そして、テーブルセッティングもコベアキューブのカセットコンロやデイツのランタン、琺瑯の食器などを並べ、もちろんここで珈琲や料理も野外キャンプと同じように楽しむのだ。この日のメニューは焼き鳥、夏野菜とパクチーのカレー、自家製バンズのハンバーガー、ホットドッグなど、なかなかの豪華番!「家キャンプなので、料理も少し凝ったものができますね。青空の下で食べると我が家の庭でも美味しさが増す気がします(笑)」みつさんのお宅は玄関ドアを開けると土間になっており、ここがキャンプ道具の収納場所。デッキにも窓からすぐに出られるようになっている。棚に整理されたキャンプギアは見せる収納を意識しているので、ディスプレイという言葉が相応しい。そして、雨の日などはこの土間がもうひとつの家キャンプの場所になる。ここで椅子に座ってくつろぐ時間が好きだと語るみつさん。仕事をしたり、珈琲を淹れたり。野外キャンプ同様に楽しんでいる。お気に入りのキャンプグッズに囲まれて家族と共にガレージでキャンプ埼玉県 daikichiさん天井から下がるカナディアン・カヌーが存在感を見せるガレージ空間。その下に家族5人が集い、月に2〜3度家キャンプを楽しんでいるというdaikichiさん。「最初は2階のベランダでやっていたんですが、肌寒くなってきた秋頃からガレージにセッティングするようになったんです」11年前に家を新築した際、愛車のレンジローバーが入るよう広めのガレージを施工。後に購入したカヌーもぴったり収まっている。キャンプを始めたのもちょうど11年前。長男が生まれた年だったが、赤ちゃん連れでも外遊びが楽しめるキャンプは最適のレジャーに。その後、次男、三男が生まれ、キャンプスタイルも外遊びも年々ブラッシュアップしていった。「車にカヌーを積んで、西湖や裏磐梯の方へ出かけることが多いですね。月に2〜3回は行ってましたが、昨年からはやはりコロナ禍の影響が……。でも道具は色々あるし、ならば家でやろう、と(笑)」気に入って買い集めた道具やグッはもちろん、自らが手を動かして作ったオリジナルも多種多彩。例えば、スノーピークのガスコンロに手造りのウッドテーブルを組み合わせたり、チェアのファブリックを革張りに変えてヌメ革の味わいで統一したりしている。「最初はアルミの道具が多かったんですが、今は木と革の雰囲気にこだわった道具が中心ですね」使いこなすほどに味わいが深くなる〝経年良化〞した道具が、daikichiさんのキャンプスタイルをより素敵にしている。四六時中アウトドアに浸りたい!!全天候型のガレージキャンプ場愛媛県 abeno_campさん四国の愛媛に暮らすabeno_campさんのキャンプ環境は恵まれている。車で30分の範囲に、瀬戸内海に面したキャンプ場や渓流・山にもキャンプ場が多く、様々なシチュエーションを楽しみながらキャンプができる環境だ。とはいえ、仕事が忙しかったり天気が悪かったりと、毎週末キャンプに行けるわけではなく、月に1回ほどがやっと。そこで自宅のガレージにたくさんあるキャンプギアをボックスに収納して、そこでいつでもガレージでキャンプをできるように改造したのだ。目指したのはアメリカの倉庫のようなヘビーな雰囲気。ここでのキャンプ用にテーブルも脚をカットしてロースタイルの椅子に合わせたりするなどした。お気に入りの場所に改造して、全天候型としたこの場所では、なかなかキャンプに行けない時はキャンプ仲間と共にコーヒーを淹れたりキャンプ料理を楽しんだりしている。新たにギアを入手した時もここで試してみたりすることもあるという。「キャンプに行くのは、野外の気持ちの良い雰囲気を楽しむことももちろんなのですが、そこでのんびりと過ごすことが心と体のリハビリなんですよ」とかたるabeno_campさん。ガレージキャンプは外に行けない分、リハビリの代わりなのだと言う。またガレージではキャンプギアの改造も楽しんでいる。カーミットチェアをオイルで色味を合わせて、ウレタン塗装&研磨の3度仕上げで統一感を意識。金具は全てブラックに変更。ネジも浮いていると思う所だけブラック塗装した凝りよう。「こうした作業もガレージキャンプをしながら、気ままに手を動かして楽しんでいるんです。次はこうしよう、ああしようと構想を練りながらが楽しいんです」※本記事の内容は雑誌掲載時の情報です。----------------------------------Recommend Contents 詳しくはバナーをクリック↓KABUTO(カブト)薪窯の性能をギュッとコンパクトにした可愛らしいピザオーブン。どこでも持ち運べて様々な場所でピザパーティーが楽しめます。詳しくはバナーをクリック↓冒険用品 ヨコザワテッパン ポケット小さくても万能なテッパン、元祖が作り上げた、これがもうひとつの究極。このサイズならではの使い勝手を追求した、小さな小さなアウトドアテッパン。

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  • 【3大グルメ企画】 第一章「萬福」編

    【3大グルメ】企画は、日本人が大好きな人気のグルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する飲食店を、料理芸人としてバラエティ番組やラジオ等に出演し、YouTubeでも人気を博している「藤井21」さんが紹介していくコンテンツです。------------------------------------------------------ 町に愛され100年続く中華屋の味  中央区銀座二丁目。銀座駅と築地駅のちょうど中間くらいに位置するこの地は、かつて江戸時代に江戸城の修理を担う木挽(こびき)職人※1が多く住んでいたことから「木挽町」と呼ばれた地域だ。今でも木挽町通りと言う名前が残っているのは当時の名残だ。この銀座木挽町で大正時代に屋台から創業した老舗の中華屋「萬福」は長年多くの人に愛され続けている。  昭和通りから一本路地へ。車通りの少ない路地に入るとすぐ目の前の角地に店が見える。真っ白で清廉な暖簾に白い看板。看板には「中華そば 萬福」の文字。店先には名入りの赤い提灯が下がりメニュー書きがある。いかにも中華屋然としたその店構えを見ているとそれだけでもう腹が減ってくる。 店内に入ると入口のすぐわきの帳場に黒電話が置かれ、天井から下がっているのは白くて丸い可愛らしいペンダントライト、壁には古時計があり、使い込まれた黒い木のテーブルとカウンターにアーチ状の窓にはフリルの白いカーテンがかかっていてテーブルには銀色の水差しが並ぶ。まるで昭和レトロの喫茶店に入ってきてしまったかと錯覚してしまう様な光景だが、卓上に置かれた醤油やお酢等の調味料を見るとやっぱりここは中華屋なんだと思い直す。  メニューには中華そば、ワンタンメン、チャシュウメン(※2)等の麺料理のほかに焼餃子や春巻き、レバーにら炒め等いわゆる町中華では定番の料理が並ぶ。  「僕の子ども頃はメニューも洋食と中華が半々くらいだったんですよ」と店主の久保さんは語る。創業者の祖父が洋食のコック出身だったらしく、西洋料理と支那料理(※3)を合わせて西支(せいし)料理として創業したらしい。そんなメニューも時代の移り変わりとともに色々なメニューが淘汰され無くなっていくなかで最後に残った洋食が「ポークライス」だそう。 「正解の中華そば」 萬福の中華そばはラーメンの正解だ。  縁にぐるりと雷紋が描かれた丼を見るだけで食欲が増してきて今からラーメンを食うぞ!という気持ちが沸き立ってくる。表面にうっすらと油が浮かぶスープは深くて濃い落ち着いた琥珀色のスープ。具材はシンプルに叉焼、しなちく、ほうれん草、なるとそして三角に切った薄い玉子焼きが特徴的だ。スープを一口すするとあっさりしているけど力強い醤油の味がキリッと立っている。醤油味がしっかりするが尖っていない優しい味だ。無駄なものを排除した正統派な味わいに思わずため息がもれる。この醤油味の優しいスープにのどごしの良い細めのちぢれ麺がよく合っていて麺をすする箸も勢いを増していく。そしてお楽しみの叉焼だ。この叉焼が旨い。しっかりと噛みしめるタイプの味の濃い叉焼。今時の柔らかくて口の中でとろける~なんて叉焼なんかに真っ向から反旗を翻して叉焼ってのはこうなんだと言わんばかりの肉感を感じるしっかりと主張してくる叉焼。やっぱり叉焼はこうでなくっちゃ。白地にピンクのうずまき、なるとってラーメンに入ってるとなんだか嬉しくなるんだ。  そうなんだよスープも麺も具材もこれが良いんだよ。子ども頃に伊丹十三監督の映画「たんぽぽ」を見てブラウン管の前で腹を減らしていたあの醤油ラーメンだ。俺はこんな醤油ラーメンが好きなんだ。俺はこれが食べたかったんだ。まるでラーメンの原体験のような味が俺にとっての正解の醤油ラーメンなんだ。飯ってのは自分にとっての正解こそが正しいのだから。   「土曜昼のポークライス」  あの頃の土曜の昼めしが脳裏をよぎる。  老舗の中華屋に唯一残った西洋料理は他では見た事ない「ポークライス」だ。   濃いオレンジ色でつやつやと光る米に粗めに刻んだ玉ねぎと角切りの肉がたっぷりと入っている、上に散らしたグリーンピースの緑も映える。そして甘酸っぱいケチャップの良い香りがふわっと漂ってくる。これは見た目と匂いですでに疑う余地もなく旨いのは確定だ。 一口食べた途端に食感と香りが口の中を支配する。炒めたケチャップの甘くてやさしい酸味が口の中にふわっと広がり口の中いっぱいにかきこみたい欲求にかられる。玉ねぎはシャキシャキとした食感を残してほんのり甘く、ここは中華屋だと主張する肉感ある角切りの叉焼もまた旨い。中華鍋で作るからだろうかほんのりと香ばしさも感じる。  そうだ…これはあの頃の土曜昼のごちそうだ。  土曜日学校が終わって半ドンで帰ってくると食卓に鎮座していたチキンライス。  オムライスじゃなくてチキンライスが定番だった。母親が作るあのケチャップ味のチキンライスが無性に好きだった。あの頃の土曜の昼に急に口の中の景色が巻き戻される。これはどうあがいたって懐かしい味だ。  「男の子ってケチャップ味が好きでしょ」そう語る店主の久保さん。ポークライスは懐かしさも一緒に食べている。きっと土曜昼のケチャップ味好きな同士が多いから必然的にこのポークライスだけがメニューに残ったんだろう。ふと思い出してたまに食べたくなる味、うちは常連さんが多いですねと語るのも納得だ。  「中華そばとポークライスの名コンビ」   「ある材料で出来る料理」中華屋にある材料で作る洋食は具材も同じだからどこか味にも共通する要素があるのかもしれない。  ケチャップ味のポークライスをスプーンで頬張り、ラーメンのスープをレンゲですする。そんなの口の中で味が渋滞しちまうだろうと思われるだろが、このコンビネーションが不思議とマッチする。炭水化物と炭水化物、似ても似つかない中華と洋食。おそらく萬福以外では出会うことはない二つの料理が今目の前で共演している。そしてこのふたつの味わいが見事に調和している。正解の醤油ラーメンとあの頃の土曜昼のポークライス、こんなコンビはおそらく萬福でしか生み出せないコンビだろう。  米の一粒も残さずスープも最後の一滴まで飲んで心も体も満ち足りてまさに「俺は‟萬福”じゃ!」とふと卓上に置かれたドリンクメニューを見ると「瓶ビール」の文字が。 あぁ…ここの料理で瓶ビールなんて呑めたら最高じゃないか。  白い暖簾をくぐり店を後にする。  次来た時には瓶ビールと焼餃子それに〆にワンタンメンだな。また銀座に来る楽しみが増えちゃったな。そう思いながら銀座の街を帰路に就く。  ※1:木材を加工して板材や柱材に加工する職人  ※2:メニュー準拠  ※3:中華料理 ------------------------------------------------------Shop data 萬福 まんぷく 東京都中央区銀座2-13-13 電話/03-3541-7210 営業時間/月火水木金11:30〜14:30(LO)・17:00〜22:00(LO)、土 11:30〜14:30(LO)・17:00〜21:00(LO) 定休日/日曜日・祝日である月曜日 アクセス/東京メトロ銀座線銀座駅徒歩4分、有楽町線 銀座一丁目駅 徒歩3分、東京メトロ日比谷線 東銀座駅徒歩4分、東京メトロ有楽町線 新富町(東京)駅 徒歩4分、都営浅草線東銀座駅徒歩2分

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  • 大人の嗜み。「育てる」雑貨。

    雑貨とは、単なる生活の道具にとどまらず、日常に彩りと個性をもたらす存在である。その中には、使い捨てられることを前提としたものも少なくないが、一方で「育てていく」ことを前提とした雑貨もまた、確かに存在する。経年劣化という言葉が、時の流れとともに価値が損なわれていく現象を指すのに対し、「育てる雑貨」は、時間の経過を価値の深化とみなす観点から生まれた概念である。「育てる雑貨」とは何か。それは、使い手の手によって、時とともに風合いや性質が変化し、独自の美しさを帯びていくもの。たとえば、革製品や真鍮、木工製品などは代表的な例である。新品の状態では均一で滑らかなそれらの素材は、使用による摩耗や変色、傷といった「痕跡」を受け入れることで、唯一無二の表情を帯びていく。これらは単なる劣化ではなく、使い手と物との対話の記録であり、日々の暮らしの積層である。育てる雑貨の本質は、時間との関係性にある。単なる所有物として扱われるのではなく、日々の使用と手入れを通して「関係性」が築かれていく。革靴にクリームを塗り込み、木の器に油を含ませ、真鍮の表面を磨きながらくすみを味わう。その行為の中に、使い手の愛着と手間暇が込められ、物は徐々に「自分のもの」となっていく。こうした雑貨は、購入した瞬間が完成ではなく、むしろスタートである。今回は男の隠れ家PREMIUMで買える「育てる雑貨」をご紹介。日々の暮らしに馴染んでいく様を慈しんでみよう。使い込むほど、あなただけの風合いに。「錺之-KAZARINO-」錺金具の装飾技術を活かした、日本ならではのデザインが魅力の「錺之-KAZARINO-」のマネークリップ。幅広い形とクリップの端の反り返り部分が曲線になっていることで、お札の出し入れもスムーズ。素材のリン青銅には抗菌効果もあり、ばね性に優れているため消耗による緩みが起こりにくいのも特徴。リン青銅は使い込むことで表面が酸化し独特の味わいが生まれる経年変化をする素材でもあるため、使いながらオンリーワンの色合いや色艶に育っていく。高級感あふれる金属の艶に、錺金具ならではの「飾り」を施した「錺之-KAZARINO-」のものづくりが目指すのは、目で楽しみ、使って親しみ、そして「飾り」の持つ力、気持ちを高めたり自信を生み出したりする力を使い手に授けること。職人技と時が育てる美しさを堪能できる逸品だ。手のひらに小惑星。「 JUSTE CHIRON」カード決済や電子マネーが増え、財布の概念が変化する今、時代にあった、無駄のないミニマリスト向けの財布。素材の細部にもこだわったシンプルで美しいフォルムに加え、優れた機能を備えている。手のひらに小惑星という名のウォレット。日本の最高技術で削り出したラビリンス(迷路)。18Kゴールドの球体を転がしながらゴールを目指す、デジタルのゲームとは一味違う「JUSTE」らしい遊び心あふれるウォレット。本体ラビリンスには丁寧な工程を踏み、寸分の狂いもない直線の美しさを表現しております。特に溝部分の加工と面取り技術は精密機器並み。ボールの転がるスムースさから、精度の高さと技術の粋を感じる逸品。スポーツカーを模したソリッド感や光沢感、発色を実現するために、塗装にもこだわり抜き、幾層も塗装を重ね、最終段階に焼付塗装をすることで、硬度が高く、傷が付きにくい技術を採用。長く使用することで、ジュラルミン表面を保護する加工のつやと色味が濃くなり、エイジングも楽しめる。美しいレザーがオーセンティックな印象。「JUSTE ADRIAⅡ」抗菌加工をほどこしたジュラルミンに、エイジングの楽しめる美しいレザーを合わせたミニマルなウォレット。タンニンで鞣された革を東京墨田にある染色工場でグレージング加工。顔料を一切使用せず、使い込むほどに馴染んでいく味わいを持った「カナメレザー」を埋め込み。さらに本体は落ち着いたアルマイトカラーを採用しています。モダンな中にもクラシックな印象を持つアイテムで、エイジングとの相性もぴったり。美しいレザーがオーセンティックなイメージを与えるカードウォレットだ。時の流れを美しさに変えていく、珠玉の一品をあなたに。時を重ねるごとに深まる風合い。使い込むほどに手になじみ、唯一無二の表情を纏う。時の流れを美しさに変える、珠玉の一品を是非あなたの日常に。------------------------------------------------------商品詳細マネークリップ 全5種9,900円 (税込)>>商品をチェックメタルカードウォレット JUSTE CHIRON264,000円 (税込)>>商品をチェックメタルカードウォレット JUSTE ADRIAⅡ18,150円 (税込)>>商品をチェック

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