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男の隠れ家コンテンツ

  • DEEP 沖縄

    本土ではすでに夏が過ぎ去り、錦秋の彩りが南下する頃、沖縄はまだまだ夏の残照が煌めいている。沖縄は夏ばかりではなく、秋こそベストシーズン。ディープな沖縄を楽しめる季節となる。秋、ゆっくり「島」を歩けば、見たことのない沖縄に出会えるかもしれない。沖縄に行くなら〝出会いの秋〟がいい「沖縄に行くなら、いつがいいですか?」とよく聞かれる。僕は迷わず「秋がいいです」と答える。沖縄も秋が深まると、暑さもようやくやわらぎ過ごしやすくなる。晩秋ともなれば、台風が襲来することも少ない。それでいて冬の気配を感じる本土と違い、穏やかな暖かさは十分に堪能できる。観光客も比較的少なめで、落ち着いて周れる。だから沖縄を旅するなら、秋がいい。秋の沖縄で、何をしようか。気合いを入れれば泳げるが、沖縄の魅力は青い空と海だけではない。この快適な時期には、気ままに歩く「散歩の旅」を勧めたい。沖縄は歩くほどに、発見と出会いがある場所だ。夏の強烈な日差しも落ち着くこの時期は歩きやすい。だから歩いてほしい。街を歩こう。それも表通りから外れ、脇道へ。ガイドブックに載る名所や人気店は少ないが、そこでは予想もしない発見や出来事が、旅人を待っている。「飛び安里の碑←」。那覇市の隣、南風原町の脇道で聞き慣れない「飛び安里」の案内板が目に留まった。矢印に従い、丘に続く石段を上る。1、2、3……実に200段以上!息を切らし丘の上に着くと「飛び安里初飛翔記念碑」は立っていた。飛翔? 説明文を読む。かつてこの地に住んだ「安里さん」が、琉球時代の18世紀に飛行機を考案し、空を飛んだーーライト兄弟よりも早く? まさか! 頭上に広がる青空。この空を本当に飛んだのだろうか。学校では習わない歴史の片鱗に触れ、得した気分。歩いた甲斐があった。「あーら、お久しぶり」本島の住宅街で、以前たまたま寄った「パーラー」。以来、近くに行くと必ず寄る。そのたびに店の奥さんが、明るく迎えてくれる。先客は生ビールを飲むオジさんと、小学3年くらいの少年4人。ビールに泡盛、沖縄そばにコーヒーとジュース、お菓子までそろうのが沖縄のパーラーだ。ランドセルを放り投げ、1個20円のチロルチョコで盛り上がる少年たちを横目に、僕はアイスコーヒー。「ウナギ食べる?」と奥さん。コーヒーと一緒に? でもいただきます。ここで「こーんにちはー」と地元の婦人がご来店、ウナギを食べる僕を見て、すかさず言う。「アラ、ウナギあるの?」奥さん「(ヤバい、もうないのよね)今日は蒸すわねー」婦人「ねえウナギあるの?」奥さん「雨が降りそうねー」そそくさとウナギをかきこむ僕の横でチョコを頬張り「最近どう?」「まあね」と少年たち。何が「まあね」だか。緩い空気に身を任せ、自分が旅人であることすら忘れていく。老若男女も地元もヨソ者もゴチャまぜの午後のパーラーで「ああ、沖縄だ」と感じずにいられない。那覇から遠く、観光客もいない小集落。ブラブラ歩き、小学校のそばを通りかかった。すると、「オジさーん、何やってるの?」窓から子どもたちが顔を出し、大声で叫びながら僕に手を振る。「アンタたち、授業中よ!」と背後から女先生も現れて「ゴメンなさいねえ」と言いながら、僕を見て苦笑い。ああ、沖縄に来た。やはり観光客が少ない、別の小集落。散歩の途中、日陰のベンチで休んでいると、地元らしきオジさんが来て隣に座った。そして手元のビニール袋をガサゴソとまさぐり、取り出したのは缶ビール。「飲む?」と言い僕に差し出す。「いいんですか?」と言うと、再び「ほれ」とオジさん。いただきます。プシュッと栓を抜き乾杯。「こんな何もない所に、なんで来たの?」と、オジさんは笑った。夜も歩こう。沖縄は夜行性の人が多いから、夜は居酒屋やバーの明かりが煌々と灯り大にぎわい。ホテルに閉じこもっていてはもったいない。那覇の外れ、闇夜にポツンと灯る「BAR」の看板。「いらっしゃいませ」眼鏡、ヒゲのマスター。ジャック・ダニエルをロックでもらう。アメリカ統治の影響で、沖縄のウイスキーの主流はバーボンかテネシー。沖縄の長老は泡盛より、バーボンを好む人が多いとも聞く。客は僕ひとり。マスターが氷を削る音がシャリッ、シャリッと静かに響く。店内の隅でレコードが回り、ジャズが流れているーー。沖縄に秋が来た。歩くほど話すほどに、素顔の魅力を感じてやまない、沖縄の秋が来た。沖縄の奥深さを味わうなら秋がいい。出かけよう、秋の沖縄へ。もうひとつの那覇の顔 迷宮を彷徨うような裏通りのマチグアーえびす通りに立地するから「恵比寿珈琲」。しかしビール派が集う店。小径が複雑に交差する迷路のような商店街へ進入県庁前から延びる約1.6kmの道路に沿って、レストランや土産物屋がびっしりと軒を連ねる那覇の国際通り。ここは沖縄を訪れる観光客誰もが足を踏み入れる超メジャーな観光地だ。時期や時間帯によっては、まっすぐ歩くことも困難なほど人があふれているため、旅慣れたリピーターの中には、敬遠する人も少なくない。だがそんな国際通りには、一歩裏へ踏み込むとまるで迷宮のように入り組んだ商店街も存在する。地元の人ですら自分の居場所がわからなくなることがある、そんなスージグワー(路地)のマチグワー(商店街)を訪ねてみた。国際通りの入口へは、那覇空港からモノレールで約13分の「県庁前駅」で下車。駅の南側すぐの通りが国際通りだ。県庁北口の交差点から国際通りをプラプラと東へ向かう。「兄さんによく合うかりゆしウエアあるよー」など、威勢のいい呼び込みの誘惑に負けずに10分ほど歩くと、市場本通りという商店街の入口に至る。そのすぐ先にはむつみ橋通りという商店街もある。どちらの道を選んでも、奥で無数の路地と結ばれ、巨大なマチグァーを構成している。市場本通りの入口付近には、お土産物屋から各種総菜を扱う店、衣料品店、鮮魚店などが並ぶ。観光客の姿も多く、明るい南国の雰囲気あふれる通りという感じが漂っている。そして多くの観光客がそれらの店を覗き込んでいる。しかし市場本通りをさらに奥へと進んでいくと、次第に人通りが少なくなっていく。やがて平和通りと交差し、いつの間にか名前は市場中央通りに変わる。さらに迷路のような小径がたくさん交わってくる。面白がってそれらの道に入っていくと、だんだんと方向感覚が失われていってしまう。平和通りと市場中央通りが交差している辺りには、かつて観光客にも人気だった第一牧志公設市場があった。現在は改築中のため、店は全てシャッターが下ろされ、廃墟のようになっている。当然、観光客の姿などあるはずがない。市場中央通りと並行するパラソル通りに入ってみると、シャッターを下ろしたままの店が増え、先ほどまでの明るい雰囲気はなくなった。その代わりに、東南アジア風の空気が漂っている。衣料品を扱う店が目につくが、商品を無造作に積み上げているかと思えば、公共の通路の手すりに引っ掛けるという荒技ディスプレイを見せてくれる。テーゲー(いい加減)なところが実にいい。どこの道に足を踏み入れても面白い光景ばかりに出くわすので、ついつい通りを右へ行ったり左に折れたりしてしまう。そうこうしているうちに足は疲れてくるし、喉も乾いてくる。ふと路地の先に目をやると、えびす通りの看板下にカウンターのカフェらしき店があるのが目に入った。そこは店名が「恵比寿珈琲」というのに、先客はみんなビールを呑んでいる。「コーヒーもありますけど、どうします?」と、店を切り盛りしていた青年。沖縄はまだまだ夏が続いていたので、明るい時間であったが、オリオンの生をいただくことにした。青年は沖縄のゆる~い時間が気に入り韓国から来沖。そのまま住み着いてしまったという。その彼に店名の由来を尋ねると「えびす通りにあるからっしょ!」と笑われた。ひと息ついたところで、さらに探索を続けた。再び市場中央通りに戻り、そこから薄暗い路地へと足を踏み入れた。すでに夜の雰囲気が漂う路地奥には「足立屋」という大衆串揚げ居酒屋が、早くも大勢の吞ん兵衛たちを引き寄せているではないか。「“千ベロ”いかがっすか。つまみ1品にビールやサワーが3杯呑めますよ。つまみは串カツ4本か、もつ煮込みのいずれか。味は保証しまっせ」なんだか大阪新世界界隈にでも迷い込んだ気分。店はけっこう混んで賑やかだったが、時間はまだおやつ時の3時。いいのか!?ディープな店が多い歓楽街は今も元気に営業①路地を歩いていると「金玉」という文字が目に飛び込んできた。どうやら占いの専門用語のようだが、なかなか見かけない看板だろう。②アーケードの商店街は筋ごとに名前が変わる。③那覇最大の買い物スポット、国際通りの裏手とは思えない鄙びた雰囲気がいい。④小さな路地ほど面白い店が見つかる。市場中央通りを核とする迷宮のような路地に隣接し、戦後に歓楽街として発展した所が桜坂通りだ。最盛期には数百もの飲食店が軒を連ね、夜な夜な怪しげなネオンに多くの人たちが吸い寄せられていたエリアだ。現在も当時の面影をわずかに残す店と、新たに開発されたホテルや店が混在し、不思議な匂いを醸し出している。この通りが開発されたのは1951年。現在の桜坂劇場と、西にあるアーケード街の平和通りまでの小高い丘を越える道路として造られた。坂の頂上付近に、桜坂劇場の前身である芝居小屋の珊瑚座が建築された。1952年にこの小屋が営業を開始し、坂に桜を植樹したことが、名前の由来だという。だが桜は、たった2年で伐採され、道路となってしまう。日中の桜坂通りは人通りが少なく、通りに面したカフェのテラス席には、地元のおじぃとおばぁがゆんたく(おしゃべり)に興じていた。そんな光景を楽しみつつ、ゆっくりと散策する。昼間からさらに呑むのは気が引けたので、沖縄の郷土玩具の琉球張子作家が営む「玩具ロードワークス」に入ってみた。こんな個性的な店と出会えるのも路地裏の面白さだろう。桜坂通りの東北側に続く路地が、一帯を米軍に接収されていた時代、沖縄随一の歓楽街であった竜宮通り社交街である。社交という言葉には、かつてはいろいろと深い意味があったようだ。今は150mほどの細い路地に、小さなスナックや飲食店がひしめいている。常連客ばかりが集いそうな、小さくディープな印象の店が多く、何となく敷居が高く感じられてしまう。しかし実際に訪れてみると、観光地の店よりも居心地が良く、案外値段も安いみたい。ウチナーンチュとの一期一会を期待するなら、こうした場所がいいかも。戦後復興期の風景を残す地元民に愛され続けた市場桜坂・竜宮通り界隈。国際通りの店は観光地価格なので、地元の人は足を向けないようだ。だが昔から変わらない風情を残す竜宮通り社交街は、地元の人で賑わう。最近ではわざわざ足を延ばす観光客も増えてきているという。そして戦後の復興期に誕生し、今もなおその当時の姿をとどめている栄町市場へと向かった。そこは国際通りから近いモノレールの「牧志駅」の次の「安里駅」前という一等地にありながら、日本に唯一残された歴史の生き証人といっても過言ではない、戦後のカオス感をまとっているのだ。市場内はご多分に漏れず入り組んだ迷路のような路地で構成されている。日中は地元産の野菜や精肉などの生鮮食品、それに手作りの総菜を扱う店が路地のあちらこちらで営業している。どの店からも、威勢のいいおばぁのかけ声と笑い声が聞こえてくる。そして店の前には買い物ついでにお店の人と話し込む客の姿があった。戦後復興期にできた建物が昔を感じさせるだけでなく、ここには人の温かさや優しさも残っているのだ。市場のほぼ中央にあり、買い物客や店の人たちの鼻孔をくすぐり、引き寄せてしまう憩いのスペースが「コーヒー ポトホト」だ。カウンターに2人座ると満席だが、その周囲で立ち飲みする人が後を絶たない。そこでおすすめのコーヒーの情報交換が始まるのも、人との距離が近い路地ならでは。ここは地元のコーヒー通だけでなく、県内のカフェが豆を求めにやって来るほど、その美味しさは評判だ。夕刻が近づいてくると、日中シャッターを閉じていた店が次々にシャッターを開いていく。そして赤提灯に火が灯ると、行列ができる餃子屋や古酒や琉球料理が味わえる居酒屋、さらにはエビだけしか置いていない店、貝料理専門店など、とにかく個性的な店が開店時間を迎える。こうして市場は、昼間と違った顔となった。何かが焼ける美味しそうな香りにお酒のグラスの中の氷の音が交ざり、身体の中はガス欠状態になってくる。そこで栄町市場のシメとして、居酒屋なのに沖縄そばがめっぽう旨いという「栄町ボトルネック」へ。酒や肴も言うことなしなのだが、肉や魚の缶詰の食べ比べもできるユニークな店だ。那覇には浮島通りやニューパラダイス通りといったスージグワーがまだたくさんある。一歩足を踏み入れて、ディープな“伝統の顔”を探ってみるのも旅の醍醐味だ。※こちらは男の隠れ家2019年11月号より一部抜粋しております

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  • 自宅で本格的な炉端焼きを楽しもう【伊賀焼 あぶり名人】

    伊賀焼の美学と工芸の粋を結集伊賀焼 「あぶり名人」は、伊賀焼の美学と工芸の粋を結集した、本格的なあぶり焼きが楽しめる逸品です。素朴でありながらも高度な技術が込められています。「あぶり名人」の特徴は何と言っても、そのメカニズム。熱源にはシーズヒーターを使用し、輻射熱の特性を最大限に引き出しています。高性能ヒーターの火力を、伊賀焼の保温性と遠赤外線効果によって増幅。本格的な炙り焼きができるメカニズムを支えていますよ。高性能なヒーターと伊賀焼の陶器が創り出す焼き物は、まさに芸術。豪快に焼くもよし、じっくりと焼くもよし。熱の調節は自在に、料理の幅がぐっと広がります。魚焼きグリルのイライラを解消!この「あぶり名人」は、多種多様な食材を一つの器で手軽に調理できるのが魅力です。あぶりながら、焼きながら、余分な脂を落とし、食材の一番美味しい瞬間を逃さずに捉えることが可能。焼き鳥、田楽にも最適で、秋刀魚もまるまる1本焼くことができますよ。真骨頂は、その均一な熱伝導にあります。高性能なシーズヒーターと伊賀焼の陶器の組み合わせにより、食材の表面はパリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに仕上がります。調理過程を見ながら、食材の状態を確認できるため、料理の結果に対する満足感も一層高まります。さらに使いやすさも格別。つまみ一つで温度調節が可能で、難しい操作は一切不要。受け皿に水を張るだけで、焼き物から落ちる油を受け止め、煙を少なくし、短熱の影響も抑えることができます。使い終わった後は外して洗うだけなので、嫌なニオイもベタベタ油汚れも簡単に落とすことができますよ。自宅の魚焼きグリルの手入れや火力調整が苦手だった方の救世主となってくれるはずです。シンプルで美しいデザインは、食卓に置いても風格があり、どんなインテリアにもマッチします。思わず「今日は何を焼こうか?」と考えてしまう、そんな時間を過ごすのはいかがでしょうか。商品名:伊賀焼 あぶり名人価格:44,000円(税込)商品の詳細はこちら

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  • 伝統と革新の融合を体験【伊賀焼 いぶしぎん】

    自宅で手軽にスモーク料理を楽しもう。伝統の匠の技が現代のニーズに応える「伊賀焼 いぶしぎん」。伝統的な文化と、新しい時代の融合が生み出したこの製品は、あなたのライフスタイルに新しい風を吹き込む、これまでとは一線を画す革新的な発見となることでしょう。江戸時代後期、1832年に開窯した長谷園は、伊賀焼きの伝統と技術を守りつつ、現代のライフスタイルに適した製品を生み出すために、伊賀の粗土の特性を最大限に活かしました。新たな時代に溶け込む伝統的な焼き物をぜひ、ご覧ください。「いぶしぎん」は伝統的な伊賀焼きの技法を応用し、約30分で本格的な燻製料理を家庭で楽しめるという画期的なアイテム。シーリング効果を利用して煙が外に漏れないように作られ、ご自宅で気軽にスモーク料理が楽しめます。ロースト料理から、味噌や醤油などの調味料の香りづけまで、多様な調理に対応。様々な食材の旨味を引き出し、独自の風味を再現してくれますよ。さらに、ポーラス(多気孔)により急激な温度変化を抑え、食材の酵素が活動する温度を保つことが可能。遠赤外線調理も可能で、遠赤外線効果により食材の芯から熱を伝え、ふっくらとした柔らかさを作り出すことができます。余計な水分を逃さずに、じっくりと調理することができるため、独特の甘味と旨味を味わうことができます。焼き物初心者にもおすすめ 焼き物と言われるだけで、独特の使い方があるのではないかと警戒する方も多いはず。ですが、安心してください。初めての方でも問題なく使えるのがこの製品のポイント。「いぶしぎん」は使用方法も簡単です。土鍋に食材と調味料を全て入れ、中強火で煮込むだけ。沸騰したら火を消し、余熱で料理を完成させる。そんなシンプルな使い方ができるのです。 多機能性と使いやすさを兼ね備えているため、一度使うと手放せなくなりますよ。 どんな家庭でも新しい料理体験ができること間違いなし。伝統と現代が融合したこの逸品を手にすれば、あなたのキッチンがスモーク料理を提供するレストランのような香りで包まれることでしょう。 伊賀焼きの長い歴史と技術を感じられる「伊賀焼 いぶしぎん」をぜひ手に取ってみて。 【商品詳細】 商品名:伊賀焼 いぶしぎん 価格:11,000円 ~ 16,500円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • 鮮烈なカラーと浮世絵の繊細さの融合【ルパン三世浮世絵】

    アニメ「ルパン三世」の50周年記念として生まれたこの作品は、現代と伝統が見事に交錯する一方で、ルパン三世というキャラクターの魅力を最大限に引き立てています。名作アニメの名場面が、日本古来の美術様式を通じて新たな命が吹き込まれ、視覚的にも感情的にも未知の体験をもたらす作品と言えるでしょう。この「ルパン三世浮世絵」は、「スター・ウォーズ」などの現代浮世絵でその才能を輝かせる永井沙絵子の彫りと、歌川広重の「名所江戸百景」などの作品で70年にわたり様々な木版画を手掛けた松崎啓三郎の摺り、という熟練の職人2名の技によって作り上げられた逸品。その2人の絶妙なコラボレーションにより、「ルパン三世」の世界が独特の表現で紡ぎ出されてます。加えて、それぞれの絵に合わせて作られた特製の額によって、一枚のアートとしての魅力が最大限に引き出されているのです。なお、各浮世絵は限定70枚での販売という限定感もポイント。シリアル番号入りのプレートと証明書が付属し、アート作品としての価値も申し分ありません。あの頃の感動がいつでも味わえる。ルパン三世の世界を描いた浮世絵は全三種類。アニメの名シーンがそれぞれ見事に描き出されています。第1弾の「カリオストロの城」。ルパンとクラリスの印象的なシーンを浮世絵で再現しており、その繊細な表現は見る者を惹きつけます。また、第2弾の「不二子」では、作中のヒロイン峰不二子に焦点を当て、不二子の魅力的なセクシーカットが描かれています。そして、第3弾の「PART4オープニング」では、ルパン三世のオープニングカットのルパン、次元、五エ門の印象的なシーンが浮世絵で再現されており、アニメを知っている誰しもがあの頃のワクワクを思い出すでしょう。「ルパン三世浮世絵」は自宅やオフィスなどのインテリアとして楽しむのがおすすめです。その美しい色彩と独特の雰囲気は、空間に一風変わった華やかさと落ち着きをもたらしてくれます。手に入れた人だけが感じることができる特別な存在感は、この作品たちならではの魅力です。アートを楽しむ全ての人々に向けた最高の作品「ルパン三世浮世絵」。鮮烈なビジュアルと限定感、そしてアニメ「ルパン三世」の魅力を最大限に引き立てるこの作品は、一生の財産になること間違いなしです。浮世絵好きはもちろん、アートを楽しむ全ての人は、ぜひ一度手に取ってその魅力を確かめてください。そして、それが新たな楽しみとなり、日々の生活に豊かな彩りを加えてくれるはずです。【商品詳細】商品名:【数量限定】ルパン三世浮世絵価格:52,800円 ~ 231,000円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • ”食の隠れ家”イベントレポート

    日本人にとって欠かせない食材であるお米。その魅力を最大限に引き出すイベントが開催された。そこで得られた貴重な体験から、新たな商品開発の期待が膨らんだことを、まずはご報告。併せて日本の伝統工芸が持つ卓越した技から生まれた、秀逸な商品を2点紹介したい。イベントレポート当日のイベントの様子。次々に提供された料理の美味しさに、参加者たちの会話も弾む。多くの人がお米の美味しさに驚いていた。「食料自給率」という言葉は、誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。これは食料供給に対する国内生産の割合を示す指標のことで、単純に重量で計算することができる「品目別自給率」と、食料全体について共通のものさしで単位を揃え計算する「総合食料自給率」の2種類がある。さらに総合食料自給率は、人が生きていくのに必要なエネルギー量で換算するカロリーベースと、経済的な面で換算する生産額ベースとがある。2021年度のカロリーベースの食料自給率はわずか38%。特にカロリー優等生の米消費量の減少が著しいことが、それを助長している。国民ひとりが1年間に食べるお米の量は、1962年度の118.3kgをピークにして1970年度は95.1kg、1990年度は70kg、2020年度は50.3kg(1日0.9合)と、減少の一途をたどっている。しかも過程で炊飯する割合も低下している。今回のイベントは、日本が抱える食料問題に想いを馳せつつ、日本食の素晴らしさを再認識する、という試み。そして『男の隠れ家プレミアム』では、食料事情改善に少しでも手助けになるよう商品を、見極めようと心がけた。素晴らしき食材の数々が教えてくれた”食べる”という喜びお米をはじめとして、全国から集められた数々の秀逸な食材は、順次『男の隠れ家プレミアム』で扱っていく予定。左/ごはん(ゆきさやか)とマロンポークの豚汁、右/調理中の小田野さんと長谷川さん。希少で美味しいお米と味を引き立てる器に着目その日の夕刻、都内にある某キッチンスタジオは、食欲をかきたてる香りが充満していた。茨城県水戸市で食と農に関する人材教育を行う「鯉淵学園農業栄養専門学校」の学園長・長谷川量平さんと、食育インストラクターの小田野仁美さんが、日本各地から集められた食材を次々に調理していく。前ページで触れた通り、米の国内消費量は1962年をピークに減り続けている。同時に日本食には欠かせない魚介類、味噌や醤油などの発酵食品の消費も減少。にも関わらず、フードロスが社会問題化。今回採用した21品目の食材のうち、14品目がフードロスに該当している。そこで今回のイベントは、日本の米や伝統的な献立の魅力を再認識しつつ、フードロスに思いを巡らす狙いもあった。選ばれたお米は、北海道の希少品種「ゆきさやか」。これは北海道内の作付面積中、わずか1%未満しか栽培されていないという超レア品種である。北海道のブランド米選出の際、「ゆめぴりか」と最終選考まで競った品種だ。しかも味や甘味の質、食感では「ゆきさやか」の方が上回った。だが、栽培が難しく収穫量が少ないために選ばれなかったのである。一般市場ではなかなかお目にかかれない「ゆきさやか」は、来場者にも大変好評であった。たくさんのおかずが並んだにもかかわらず、「一番印象に残ったのはごはん」と答えた人が多かったほど。今後『男の隠れ家プレミアム』で販売予定。お米が美味しく感じられる器が用意されたことも好評であった。茶碗はすべて丸利玉樹利喜蔵商店提供の美濃焼で、手に取ったときの質感やごはんの湯気が立ち昇った際の様子など、美味しさを増す効果を演出する。こちらも今後の展開を、大いに期待してほしい。今月のPICK UP日本の伝統工芸の技術を今に生かした2つの逸品。有田焼セラフィルター飲み物の味わいがまろやかに。伝統の技が生んだハイテク商品16世紀末、豊臣秀吉が朝鮮への出兵を全国の大名に命じた。それに従い、朝鮮半島に渡った肥前(佐賀)領主・鍋島直茂は、朝鮮人陶工を佐賀の地に連れ帰る。そのうちのひとりである李参平が、元和2年(1616)に有田東部の泉山で白磁鉱発見し、日本で初めて磁器の製造に成功。以来、江戸時代後期になるまで、有田は日本で唯一の磁器生産地であった。そんな歴史を誇る伝統工芸有田焼の技術を取り入れ、飲み物の味を劇的に美味しく変える陶器製フィルター「セラフィルター」が誕生。これでコーヒーを淹れた場合、紙フィルターでは不可能であったコーヒーの雑味をブロックし、旨味成分である豆の油は通す。おかげで、誰もが一流バリスタに近づけたと思うほど、コーヒー豆が持つ本来の旨味が味わえるのだ。このフィルターは、数ミクロンという穴が無数にある多孔質セラミックで作られていて、遠赤外線効果とセラミックスの力で水のカルキ臭や飲み物に含まれる不純物を取り除く。安いワインやお茶、水道水も劇的に旨くしてくれる。【商品詳細】商品名:有田焼 セラフィルター価格:3,300円 ~ 4,950円(税込) 商品の詳細はこちらマネークリップ使い込むほど風合いが増し自分だけのお洒落も演出できる逸品神社仏閣や仏壇、神輿などに装飾と補強を目的として取り付ける金物を錺金具と呼ぶ。その歴史は古く、飛鳥時代に建てられた法隆寺金堂にも使用されている。神の世界や極楽浄土を表現し、長い歴史の中で人々の心を癒してきた。その技術を生かし、暮らしの中に飾る楽しみをプラスするブランドとして誕生したのが「錺之-KAZARINO-」だ。錺之は、京都で約50年間、錺金具を作り続けてきた。その確かな技が、この「マネークリップ」でも随所に発揮。まず着目したいのが、日本の伝統柄を取り入れた意匠。長く使うほど表面が酸化し、この意匠を引き立て味が出る。使いやすさを追求した幅広い形や、お札の出し入れがスムーズになるよう反り返り部分を曲線にするなど、細部まで匠の技が光っている。【商品詳細】商品名:マネークリップ価格:9,900円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • 酒器を変えれば晩酌も楽しみになる【伊賀焼 「粋」シリーズ酒器】

    手に馴染むろくろ成形の温かみ400万年の時を超えた土と、時代を超越した技術の産物。伊賀焼 「粋」シリーズはその名の通り、洗練された美意識を表現した伊賀焼の焼酎カップであり、炭焼タンブラーです。繊細でありながらも温もりのある手触り、手になじむ形状は、一度手にすればもう離せなくなることでしょう。「粋」シリーズは、選び抜かれた素材と職人の熟練の技によって一つ一つ丁寧に作られています。底面の工夫により、水滴で卓上を濡らさない設計は酒飲みの気持ちに寄り添うポイントです。伊賀の粗土は、400万年前の古琵琶湖層から産出される陶土で、日本で採れる陶土の中でもその耐火度と蓄熱性は非常に高いと言われています。その土を使うことで、保温・保冷性の高さと、丈夫さを実現しました。それが一番活躍するのはやはり「飲み物を楽しむ時間」です。日常の飲み物を一層美味しく、また一層特別なものに変えてくれますよ。その高い蓄熱性と保湿性が、飲み物の温度を一定に保ち、飲み物本来の味わいを最大限に引き出します。普段何気なく使っているグラスを、この酒器に変えるだけで、格段と美味しいお酒を味わえることでしょう。自分の時間をレベルアップしようお酒を楽しむ何気ない時間。それが、この酒器によって贅沢な時間へ変わります。あなたが飲む焼酎やウィスキーが、伊賀焼の「粋」で一層深い味わいとなるでしょう。一人で楽しむもよし、夫婦で楽しむのもまた一興です。一つ一つ手作りであるため、自分だけの特別な一品を手にすることができますよ。この酒器は全2種類。日替わりで使うために2種類用意してみるのも面白いですね。お二人で使う場合には、それぞれ専用のグラスを用意できるので、思い出を育みつつ愛用できますよ。一日の終わりに自分へのご褒美として、また大切な人へのプレゼントとして、様々なシーンで活躍します。日々の生活をちょっと特別なものに変えてくれる、そんな「伊賀焼 「粋」」を、ぜひあなたの手に。【商品詳細】商品名:伊賀焼 「粋」シリーズ 酒器価格:7,700円 ~ 8,800円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • アウトドアでも防災でも大活躍!持ち運びに便利なリュック型ソーラーパネル

    今回、男の隠れ家PREMIUMからご紹介するのは、ソーラー充電可能なパネルを備えたバッグ「リュック型ソーラーパネル」です。その名が示す通り、日常からアウトドアまで幅広く活躍するエネルギーハブで、太陽光を電気へと変えるその姿は未来感が溢れる便利な一品です。一見するとただのリュックサックですが、その背面には発電力に優れたソーラーパネルが4枚搭載されており、1枚から使えるので、限られたスペースでも最大限の発電が可能。キャンプ用の大容量バッテリーは重くて持ち運びに不向きなものばかり。この「リュック型ソーラーパネル」は、お子様や女性でも持ち運びやすいよう、人間工学に基づいたデザインを採用し、重さを感じにくく、揺れを抑える設計を実現しました。移動の際はリュックサックが体にフィットし、重心が安定。背面パッドはメッシュ加工で通気性・速乾性に優れており、いつでも快適に持ち運びができますよ。アウトドア以外のシーンでも大活躍間違いなし。「アウトドアで電気を使うシーンって、キャンプとかBBQぐらいでしょ?」と思っている方も多いはず。今の日本において、最も有用な使い道があります。それは、「防災用品」としての可能性です。地震や大雨などの災害時には、インフラが機能しておらず、ガスや水道はおろか電気もまともに使えないこともしばしば。防災グッズに忍ばせていたモバイルバッテリーや乾電池式の携帯充電器も、すぐに力尽きてしまうことでしょう。そんな時にこの「リュック型ソーラーパネル」があれば、晴れ間を見つけて充電しておくことで、スマホの充電から、明りを維持したり、季節によっては暖を取ることも可能になります。大型の充電器は避難の際に邪魔になってしまいますが、リュックサック型であれば全く問題なし。防災グッズとして、一家に一台おいておくのもおすすめですよ。丈夫で長持ちだから、コスパ良し。3万円を超えてくると充電器としては高く感じてしまうかもしれません。ですが、リュック全体に水や汚れに強いブルーナイロンを採用。耐久性に優れており、長時間の使用にも負けない耐久性を実現しています。さらに「止水ファスナー」や「断熱素材」を用いており、雨天や直射日光の下でも耐久性を発揮してくれますよ。長く使えて、防災グッズとしての備えにもなる、コスパ最強のソーラー充電器です。キャンプ用の電源としてはもちろん、いざという時のアイテムとして手にとってみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:リュック型ソーラーパネル価格:35,980円 (税込)商品の詳細はこちら

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  • 大人ひとり飯を極める -食へのこだわり-

    味わい深い一人時間の極致 - 食材と食器にこだわる「一人時間」は、日々の喧噪から解放され、深い自己対話や静謐なリラクゼーションを追求できる穏やかな瞬間。このような時間を過ごすとき、何を食べるか、どのように食べるかは非常に重要です。食材はもちろん、食器にもこだわることで、食事の時間はただの栄養補給から、自分自身への贅沢なご褒美へと変わります。これらの要素が一体となり、感覚的な満足と共に心身の安らぎをもたらしてくれますよ。今回は、そんな一人時間をより豊かに過ごすための選りすぐりの食材と食器をご紹介。それぞれが、独自の物語とこだわりを持つ、あなたの一人時間を豊かに彩るアイテムです。贅沢なひとときを味わう - お酒のアテは妥協しない大人のひとり飯に欠かせないお酒。合わせるおつまみにもこだわりたいところです。馬刺しは、食事としてはもちろん、お酒のアテにも抜群の一品です。豊かな風味とヘルシーさから、大好きな人も多いはず。ここで紹介する「【吟撰】3種の純国産馬刺しセット」は、その中でも特に質の高い馬肉を厳選。肩ロース、モモ、レバーといった異なる部位から選ばれた馬刺しは、部位ごとに異なる食感と味わいを持ち、馬肉のさまざまな魅力を堪能できますよ。また、たっぷりと冷蔵庫で冷やしてから食べると、肉の旨味が一段と引き立ち、味わいが深まります。ひとり飯の選択肢にいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:【吟撰】3種の純国産馬刺しセット価格:6,372円(税込) 商品の詳細はこちら伊賀焼「粋」シリーズ酒器で楽しむ - 馬刺しと焼酎の極上マリアージュ馬刺しをさらに美味しくするためには、適した酒器を選ぶことも重要。伊賀焼の「粋」シリーズの酒器は、その端正なデザインと質感が馬刺しとのマリアージュを最高のものにしてくれますよ。伊賀焼特有の土を使用した質感は、手になじむ温もりを感じさせ、味わい深い一人時間を演出。職人さんによる手作りならではの温もりと、伊賀焼特有の質感が醸し出す落ち着いた雰囲気が特徴で、馬刺しと一緒に焼酎をゆっくりと味わうことで、一人時間がより感慨深いものに変わっていきます。底面を削り出すことで、水滴によって卓上を濡らさない工夫が施されていて、見た目だけでなく機能性にも優れていますよ。長い歴史を誇る伊賀焼の魅力を感じてほしい。そんな魅力を感じさせる最高の酒器です。せっかくアテにこだわったなら、器もこだわってみてくださいね。【商品詳細】商品名:伊賀焼 「粋」シリーズ 酒器 全2種類価格:7,700円 ~ 8,800円(税込) 商品の詳細はこちら多彩な有田焼ダブルウォールカップ - そばちょことしても活躍焼酎以外を楽しみたい方には、有田焼の「ダブルウォールカップ」がおすすめ。色とりどりの美しい見た目だけでなく、機能性にも優れています。このカップは、二重構造により保温性が高く、飲み物が冷めにくい特徴を持っています。ハイボールやビールなどの焼酎以外のお酒から、お茶やお水といったソフトドリンクを飲む際にも活躍しますよ。また、その美しい形状と色合いから、そばちょことして使用することも可能で、そばの香りと共に日本の伝統を感じることができます。蕎麦つゆのひんやり感をキープしてくれるダブルウォールカップで、締めのそばを楽しむのも一興です。保温性に優れているため、温かいつゆにするのもおすすめです。夏だけでなく、冬にも使える素晴らしい器を用意して、ひとり飯のクオリティを高めてみてはどうでしょうか。【商品詳細】商品名:有田焼 ダブルウォールカップ 全6色価格:3,300円(税込) 商品の詳細はこちらふなくらのそば - 素朴な味わいと心地よい香りで至福のひと時をアテと酒器にこだわり、締めのそばちょこを用意できたら、美味しい蕎麦も必須ですよね。最後に、富山県産の農薬、肥料不使用の「ふなくらのそば」をご紹介します。このそばは、つるつるとした食感と素朴な味わいが特徴で、一人でゆっくりと味わうのに最適です。満腹が近づいてきた瞬間でも、スルスル入ってくるくらい美味しい蕎麦ですよ。また、このそばは自然を大切にし、地域の若者たちが一丸となって栽培から製粉までを行っています。生産者の顔を思いつつ食べるそばは、極上のものになること間違いなし。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。【商品詳細】商品名:ふなくらのそば価格:6,000円(税込)商品の詳細はこちらひとり飯はあなただけの時間。思う存分、堪能しよう。一人時間は、自己と向き合い、心身のバランスを取る重要な時間です。おいしい食材と美しい食器は、そんな一人時間は特別なものになり、心地よい時間を過ごしながら、自分自身への投資になって返ってきます。寂しいと思われがちなひとり飯を、誰もが羨む最高の時間に変えてみてくださいね。

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  • 【伊賀焼特集】その魅力と伝統を探る

    せっかく家にいるのなら、有意義な時間を過ごしたいはず。毎日の食事を彩る食器や、調理器具として優秀な伊賀焼シリーズを紹介します。伊賀焼は400年以上の歴史を持つ伝統工芸。歴史と技術を現代に受け継ぎつつ、新たな形で伝統を発展させています。そんな伊賀焼の魅力をお伝えしましょう。伊賀焼とは、日本の三重県伊賀市で生産される陶器のこと。400万年前の古琵琶湖層から採取された伊賀の粗土を素材に使っている点が最大の特徴です。生物や植物の化石が豊富に含まれる伊賀の土は吸湿性と蓄熱性に優れていて、伊賀焼の土鍋やグラスは保温性があり、料理や飲み物の美味しさを最大限に引き立てます。ぜひ持っておきたいアイテムを、3つ紹介します。家庭で本格燻製:「伊賀焼 いぶしぎん」の魅力1つ目は「伊賀焼 いぶしぎん」。その名の通り、伊賀焼の技術を活かした燻製器です。独特の陶土の特性により、均一に熱を通すことができ、煙も逃がさずに食材をじっくりと燻してくれます。肉や魚、野菜、ドライフルーツなど、幅広い食材を自宅で本格的に燻製にすることができ、お酒のお供が手軽に作れますよ。さらに、丸みを帯びたデザインは、どんなキッチンにも馴染む美しさ。焼き物という和風のイメージを覆す、おしゃれアイテム。使用後のメンテナンスも簡単で初心者の方でもすぐに使えるため、伊賀焼を初めて手にする方にもおすすめです。家庭で本格的な燻製料理が楽しめる「伊賀焼 いぶしぎん」は、料理の幅を広げる素晴らしいパートナーになってくれるはずです。【商品詳細】商品名:伊賀焼 いぶしぎん 全2種価格:11,000円 ~ 16,500円(税込) 商品の詳細はこちらあぶり焼きの名手:「伊賀焼 あぶり名人」で焼き物を楽しむ2つ目は、シーズヒーターを熱源にした本格あぶり焼き器で、自宅で手軽に焼き物を楽しみたい方は必見のアイテムです。「伊賀焼 あぶり名人」は、陶器ならではのデザインと優れた機能性を兼ね備えていて、普段は面倒なお料理のプロセスも楽しむことができますよ。焼き鳥、田楽、魚など、色々な食材を焼くことができ、気分に合わせて食材をチョイスしたり、季節に合わせて焼くものを変えて楽しめます。特に、秋刀魚をまるまる1本焼くことができるのは、このあぶり焼き器の大きな魅力の一つです。余分な脂を落とすことで、食材の旨みを引き立ててくれる上に、温度調節も簡単で、料理初心者にも安心して美味しい焼き物が作れます。自宅で本格的な焼き物を楽しみたいという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。【商品詳細】商品名:伊賀焼 あぶり名人価格:44,000円(税込)商品の詳細はこちら焼酎を引き立てる酒器: 「粋」シリーズ「粋」シリーズは、酒を楽しむ「呑んべえ」のための1杯として、焼酎を楽しむために特別に作られた伊賀焼の酒器で、「炭焼タンブラー」と「焼酎カップ(大)」の2種類があります。底面を削り出すことで、水滴によって卓上を濡らさない工夫が施されていて、見た目だけでなく機能性にも優れています。また、職人さんによる手作りならではの温もりと、伊賀焼特有の質感が醸し出す落ち着いた雰囲気は、一つのグラスながら日常を豊かにしてくれます。「粋」シリーズは、伊賀焼が持つ伝統と現代のライフスタイルを絶妙に融合させ、酒器としての極致を体現。製作背景には、茶の湯の精神と日常を融合したいという、伊賀焼の源流に立つ思いがあります。長い歴史を誇る伊賀焼の魅力を、手に取れるいい機会です。お気に入りのお酒の相棒として選んでみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:伊賀焼 「粋」シリーズ 酒器 全2種類価格:7,700円 ~ 8,800円(税込)商品の詳細はこちら伊賀焼と共に:極上の時間を過ごす自宅で使う食器や調理器具に伊賀焼を取り入れることで、非日常を感じてリラックスしつつ、自分だけの特別な時間を過ごすことができます。美味しい飲み物や料理が一段と引き立つだけでなく、その深い歴史と伝統も感じることができますよ。「いぶしぎん」で燻製を作り、焼き鳥を「あぶり名人」で手作り。そして、「粋」シリーズの焼酎カップで一杯の焼酎を煽る。伊賀焼3つの逸品が、あなたの自宅時間を特別で価値あるものに変えてくれます。いつもとは違う、素敵な時間を過ごすことができるはずですよ。

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  • 夏バテの体によく効く夏の冷泉 ぬる湯宿。Vol.2

    温泉のべストシーズンは冬ばかりではない。「冷泉&ぬる湯」の魅力を知れば夏の暑い時期でも温泉を十分楽しめる。ぬる湯に、いつもより長い時間浸かって夏の緑の景色を眺めるも良し。気合い一発冷泉に浸かるのも良し。風呂上がりの体に心地良い爽快な風が吹き抜ける。微温湯温泉旅館二階堂《福島県福島市/微温湯温泉》享保年間から滾々と湧き出す良泉ひんやりと心地良い湯に浸かる200年以上の歴史を誇る標高920mの温泉歴史を感じさせる木造の佇まいに、良泉の予感が高まる。車を降りてから「微温湯温泉旅館二階堂」へは、両脇にオオヤマザクラの木が並ぶ小径を行くことになる。そこで、ひと夏の命を惜しむかのようなおびただしいセミの声に包み込まれるだろう。見上げれば、磐梯朝日国立公園にある吾妻小富士の頂。宿はその東麓の標高920mの台地にあるのだ。ほどなく目の前に現れたのが、歴史を感じさせる宿である。微温湯温泉旅館二階堂は五棟からなる。一番奥が明治5年(1872)に建てられた茅葺きの建物で、手前が大正初期、さらに昭和の建物と続いている。そのうち三棟が国登録有形文化財の認定を受けている。温泉の存在が知られたのは享保年間(1716~1735)だという。九代目で現主人の二階堂哲朗さんによると「はっきりした歴史がわかっているのは享和3年(1803)。当家の初代が桜本村(現・福島市)から温泉の権利を譲り受けて、湯治客を受け入れたのが微温湯温泉のはじまりです。四代目の時に起きたのが戊辰戦争。戦後まもなく官軍はこの山の中腹まで巡視にきて、その時に宿は焼かれてしまいました」それから、時代が変わるごとに一棟一棟、建て増していったわけだが、その歴史の重みは宿の中を歩くと実感させられる。玄関を入ると右手に帳場と厨房があり、奥に食堂。2階の奥が客室で、外れの茅葺き屋根の建物は主に湯治客用に使われている。さらに細かく見れば、杉を渡した長い廊下は歩くたびにギシギシと鳴り、交換手を呼び出してかけた昔の電話器が柱に掛けられている。心落ち着く客室の天井が低いのは屋内で日本刀を振りまわさせぬ設計だからだ。引き戸のガラスは波打つ波紋を帯びていて、今では作ることのできない昔のガラスが大切に使われていた。それら全ての渋さが心に染みる。旅館は昔と変わらぬ佇まいを残しているが、温泉もまた昔のまま、滔々と湧き出ている。母屋から別棟へ続く長い廊下を渡っていくと、途中に湯治客用の炊事場があり、その突き当たりが男女別の浴室だ。大きな浴槽は源泉掛け流しのぬる湯で満たされ、ザアザアと音を立てて流れていた。その脇には温泉ではない沸かした上がり湯がある。つまり、秋口や春先はぬる湯の温泉だけでは寒いため、体を温めるのに沸かし湯が用意されているのである。壮快感を感じさせる温泉と心に染みるもてなし湯上がりには、やっぱりビールだろう。鬱蒼とした木立や吾妻小富士の頂を肴に、喉を潤す。その壮快感がたまらない。さて、二階堂さんが、31.8°Cからプラスマイナス0.2°Cほどと言い、日本ぬる湯番付で「東の横綱」とされている温泉に浸かってみた。確かにぬる湯ではあるものの、夏だけにその冷たさがとても快適に感じられる。窓からは木々の緑を眺めることができた。熱い温泉はせいぜい5分ぐらいしか入っていられないのだが、ここの湯には1時間以上、平気で浸かっていられた。読書でもしてみようかと思ったほどである。夏の木洩れ日を感じながら、冷泉に長い時間浸かる。次に入った時は読書も楽しんだのだった。湯船に浸かりながら水を飲んでいると、ふと宿までの道すがら見た光景が思い出された。いつしか対向車とすれ違えないほどの狭さの山道を登ってきたが、林の切れ間から見下ろす福島市内の風景はとても美しかった。もちろん、宿の周囲に人家はないのだが、高原の空気が爽やかに透き通っていて、その壮快感はこの温泉に通じるもののようだ。ただ、ぬるい温泉を温める宿も多い中、それをしないのはなぜなのだろう。二階堂さんによると、「来てくださった方に源泉をそのままに楽しんでほしいという思いがあります。また、鉄分が多いために、温めた温泉が冷めてしまった場合、再加熱すると真っ赤になってしまう。この湯の管理は難しいんですよ」と言った。含アルミニウム泉の泉質は結膜炎や白内障などの眼病に効くとされている。江戸時代から明治、大正、昭和にかけては、多くの眼病治療を目的とする湯治客で賑わったそうだ。そんな話を聞いていると、いわき市からよく通ってくるという60歳代の客が、「長いこと腰痛に苦しんでいましたが、ここの湯口から出る温泉を腰に当てる方法を繰り返していたら、痛みが軽くなりましてね」と言った。私はいつも疲れ目なので目を洗ってみたい。それでやり方を聞くと、「湯船内で温泉に顔をつけて何度も目をパチパチして洗うのです」と言う。しかし、温泉の成分のためだろう、最初はジリジリと染みたが、次第に収まって心地良くなっていく。これはいいと何度も洗ったのだった。宿はご夫婦とご主人のお母さんの3人で切り盛りしている。その女性お二人の肌がツヤツヤしていて、とてもお若く見えるのも、やはり温泉の効用だろうかと尋ねると、予想にたがわず、毎晩欠かさずこの湯に入るのだそうだ。左/夕食。岩魚の味噌焼き、レモンが添えられた相鴨の陶板焼き、ふきとクルミの和え物、れん根・鳥肉の煮物など。どれも美味しかったが、なかでも、わらびのお浸しは絶品。右/朝食。アジの干物の焼き物のほかに、山菜の小鉢など。夕朝食とも内容はほぼ変わらない。夕刻、食事は個室の食事処に用意してくれた。メイン料理は相鴨の陶板焼きで、岩魚の味噌焼きも、山菜料理もどれもが美味しかった。見た目は決して豪華ではないが、客人をもてなそうという作り手の温かい気持ちが直に伝わってくる。その心遣いも肴に日本酒がすいすい入ってしまった。だが、まだすることがある。外に出て、星を見てみようと思っていたのだ。すると降るような星空で、とても星が近くに感じられた。おそらく空気が澄み切っているからなのだろうが、この“澄み切る”という言葉に誘われて、また温泉に浸かった。後は心和む和室の客間へ戻るだけである。ひんやりと心地良い湯加減は、熟睡を保証してくれているかのようだった。ぬるゆおんせんりょかんにかいどう福島県福島市桜本字温湯11※こちらは男の隠れ家2019年9月号より一部抜粋しております

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  • ローカル線 海、山、川の旅。-海・JR五能線-

    夏、ローカル列車に乗ると遠い昔を思い出す。網と籠を手に虫を追って、草の匂いあふれる原っぱを走り回ったあの頃。スイカを頬張りながら花火を見ていた少年時代。一日がとても長く、夏休みは永遠に続くものだと思っていた。ローカル列車の向かい合わせボックスシート。目の前には海、山、川が行き交う車窓を見つめるあの頃の自分が座っていた。海:JR五能線秋田県・青森県/東能代駅~川部駅波打ち際の列車から海岸線と水平線を眺めるあきた白神駅~岩館駅間の第二小入川橋梁。高さは23.4m、長さ174m。海が見たい。美しい砂浜と波打ち際の白波。緩やかな曲線を描く海岸線と彼方に霞む水平線。どこまでも続く海の風景を眺めていたい。人間とは時折、無性に海を見たくなる生き物らしい。そんな時に真っ先に思い浮かぶのがJR五能線だ。秋田県から青森県へ。4時間以上をかけて、日本海沿いをひたすら走るローカル線である。始発駅は秋田県の「東能代駅」。朝7時23分発の列車通学の高校生で賑わっていた。しかし隣の「能代駅」、次の「向能代駅」で全ての学生が下車。2駅目で早くもひとりぼっちになってしまった。唖然としていると、発車間際に麦わら帽子をかぶったお婆さんがひとり乗り込んできた。やれやれと安堵したのも束の間、お婆さんも次の駅で降りてしまった。地元の人たちこそ少ないが、途中からは少しずつ観光客が乗り込んでくる。今や五能線は観光客が支えているといってよい。4人組の女性観光客が語る。「テレビで五能線を紹介しているので、観光客で混雑していると思ったんですが、朝早い時間はやはり空いているんですね」東能代駅からしばらくは内陸部を走り、車窓には田園地帯が続く。日本海に出合う本番までの助走区間のようで「海はまだか」と期待感が高まってくる。鯵ヶ沢を目指して荒々しい海岸段丘を進む日本海の絶景を車窓から眺める乗客たち。それは突然やってきた。「東八森駅」を出て、しばらく田園風景が続いていたが、左手の家々の向こうに海がちらちらと見えてきた。小さな丘陵の裾野を縫うように左にカーブしながら進むと、いきなり視界が開けて、左手に大きな日本海が現れたのである。夏の日差しを浴びて、凪ないだ海はきらりきらきら光っている。波打ち際の明るいコバルトブルーのような海水の色が沖合に行くにしたがって群青色へ、藍色へと変わっていく。夏の五能線は冬の荒れた海とは別の顔を持っていた。しばらく海岸線沿いを走った後、列車は海岸段丘を駆け上がる。五能線沿いには「八森駅」辺りから「鯵ケ沢駅」まで海岸段丘が続いている。列車が段丘の一番下を走る時には波打ち際ギリギリを通るため、車内から海の底までのぞき込める。段丘の上を走る時には、眼下に水が張られた美しい水田と遠くの日本海を俯瞰することができる。海との距離感が刻々と変わっていき、飽きることがない。「岩館駅」を過ぎたところで、女性車掌のアナウンスがあった。「これより速度を落としてまいります。日本海の荒々しい景色をお楽しみください」波が大小の岩々にぶつかっては白く小さな波しぶきを上げる、荒々しい風景が続いている。海沿いを走るローカル線は多いが、この荒涼とした景色は五能線ならではのもの。心にしかと刻みたくなる印象的な風景だ。「十二湖駅」に到着。観光客がぞろぞろと降りるので、気まぐれに下車してみた。駅前はバスも発着して賑やかだ。白神山地山麓に湖が点在する十二湖や日本キャニオンというU字谷大断崖などの観光地の拠点になっている。歩いて行くなら森山海岸だ。五能線の線路のすぐ近くに、日本海の荒波が造り上げた大小の奇岩がある。大昔に火山が噴火、マグマが冷えたことによりできた十二湖凝灰岩だ。この森山海岸の風景は車窓からも眺めることができる。五能線沿いの海岸では多彩な岩を見られるのも面白い。再び列車に乗って、漁港のある「陸奥岩崎駅」を過ぎると右にカーブして、日本海に突き出した小さな半島を海岸沿いに走る。海辺の露天風呂で夕暮れの絶景を堪能露天風呂は混浴と女性専用の2種。塩化物泉で鉄分を含んだ温泉は茶色く濁っている。殺菌効果や美肌効果があり、皮膚病によく効くといわれる。途中の「ウェスパ椿山駅」で下車した。本日の列車旅はここまで。どうしても見たい風景があった。露天風呂から見る、日本海に沈む夕陽だ。「黄金崎不老ふ死温泉」である。宿泊客のみが夕方以降の露天風呂に入浴できるので、今宵はここに宿泊することに決めていた。夕暮れ前に露天風呂へ。建物から屋外の通路を歩いていくと、岩がごろごろと続く海岸に、豪快な露天風呂があった。茶色く濁った湯にゆっくりと入ると、ざばー、ざばーと波の音だけが聞こえてくる。湯を嘗なめたらしょっぱかった。さて、肝心の夕陽はというと、残念ながら水平線の上が雲に覆われ隠れてしまった。しかし諦めかけたところで、徐々に雲が切れ始めた。薄く雲がかかってぼわっとした太陽が、今まさに日本海に沈まんとしている。日輪は海上を黄金色に染めて、こちらに向かって黄金の道をつくっている。初めて見る雄大な大自然に見とれているうちに、太陽はあっけなく海に沈んでいった。後には美しい夕焼けが残るだけ。静かに絶景の余韻に浸った。2日目。列車は高台から「深浦駅」へと下りて行く。深浦は北前船の風待ち湊として栄えた町だ。北前船は江戸時代に、大坂(阪)から日本海を通って蝦夷地まで通った「動く総合商社」。日本海交易の拠点だった深浦の町には京、大坂から様々な文化が流入した。北前船は明治時代半ばまで活躍したが、その後は鉄道や車に移行した。海運・陸運の栄枯盛衰は、深浦の歴史そのものだ。カモメが飛来する千畳敷海岸を散策する広戸駅~深浦駅間を走る列車。夏の五能線は青い空と海を堪能できる。深浦駅で発車を待っていると、急に車内が賑やかになった。旅行会社の旗を持ったガイドを先頭に、団体客が乗ってきたのだ。「ここからが五能線のハイライトですよ。日本海の絶景を車窓からじっくり堪能してくださいね」ガイドの言葉に、乗客が窓際の席へと散らばった。五能線には快速列車「リゾートしらかみ」があるが、最も景色の良い区間だけ各駅停車に乗るのも、なかなか賢い乗車方法だ。深浦駅を過ぎると、広戸、追良瀬、驫木、風合瀬、大戸瀬......。名を聞いただけで日本海の風景が浮かんでくるような、風情ある駅名が続く。海沿いを走る列車から見えるのは、雲ひとつない青い空と穏やかな日本海。誰もいない砂浜。夏の日本海の佇まいは爽やかでいながら、どこか陰りを帯びて、旅人へ語りかけてくる。列車は砂浜に沿って緩やかなカーブを描いて走る。点在している岩礁の岩がだんだん大きく広くなってきたら千畳敷海岸だ。千畳敷は寛政4年(1792)の地震で、緑色凝灰岩の海食台地が隆起した。車窓からも見えるが、できるなら下車して、カモメが飛び交う千畳敷の岩の上を歩いてみたい。千畳敷を過ぎると右に大きくカーブする。海の向こうに津軽半島の小泊付近の陸地が見えてくる。晴れた日には北海道もうっすらと見える。やがて「鯵ケ沢駅」だ。鯵ヶ沢湊は江戸時代、弘前藩の藩米を大坂へと積み出す御用港だった。漁港の近くにはイカ焼きの店が並んでいる。最近の名物は「ヒラメの漬け丼」だ。鯵ケ沢駅を出て右に大きくカーブすると、あっという間もなく海が見えなくなってしまった。海の残像が宿る目には、津軽平野の真ん中にそびえる岩木山が見えてくる。津軽富士の稜線が、すっきりと秀麗な姿に変わると、そろそろ五能線の旅も終わりである。※こちらは男の隠れ家2018年8月号より一部抜粋しております

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  • 自然と共存する高級グランピングテント【オクタフ】

    男の隠れ家PREMIUMから、「グランピングテント オクタフ」を紹介します。大量生産のテントとは一線を画し、日本の自然と共存するためにデザインされた高級グランピングテント。まさに、男心をくすぐる逸品です。こだわりがもたらす自然との調和。「グランピングテント オクタフ」は、その構造と素材にこだわりが秘められています。テントといえばチャックやマジックテープでの簡易的な開け閉めがオーソドックスです。オクタフの場合は、大型のグランピングテントでありながら、テント入口の開け閉めの手軽さを残しつつ、内外から開けることができる便利さを兼ね備えています。そして、二重構造の生地で虫の侵入を防ぎつつ、通気性を保ち、快適に過ごすことが可能。夏場に特に気になる暑さや虫の影響を受けません。フレームには、全国平均を上回る強度を持つ埼玉県飯能産の杉材を使用しており、安心感と共に、日本ならではの風格を感じさせるまさにプレミアムなグランピングテントに仕上がっています。塗料には亜麻仁油を主成分とした自然塗料を用い、ケミカルな接着剤を使わずに組み上げることが可能なのも、自然と人間に優しいメーカーのこだわりが隠されています。フレームの素材から塗料に至るまで、全てが自然と調和しつつ、高級感のあるデザインの支えとなっているのです。忘れてはならないのが、その美しいデザイン。15㎡(約9畳)の広さを持ったバランスの良い八角形が、見た目の良さと快適性を両立できる理由。側面から見た時にはベル型で、頂点で交わる木材全てが直角にぶつかる設計により、強度を確保するとともに施工の簡素化にも貢献しているというわけ。グランピング初心者にもおすすめ。このグランピングテントは、日曜大工程度のレベルで木工の経験があれば、自力で組み立てられてしまいます。もちろん、組み立ての代行サービスも行っているので、自信がないという方はお願いすることも可能ですよ。基本的には「テント」として造られているものの、建築基準法に則って基礎を作り、木造平屋の建築として確認申請をすることも可能です。あなたの土地や環境に合わせた設置方法を選べるのも、魅力的です。いつもの何気ないひと時を、最高の時間にしてみませんか?豊かな自然の中で過ごす時間を、ただのアウトドアから、あなただけの特別なものに変えてくれる。それが「グランピングテント オクタフ」。山の中に自分だけの領域を築き、四季折々の風景を楽しみながらグラスを傾ける。そんな豊かな時間は、これまでのアウトドアの経験を遥かに超えるものになるでしょう。ぜひ、ご検討ください。【商品詳細】商品名:グランピングテント オクタフ商品の詳細はこちら

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  • 厳選されたぶどうが織りなす贅沢なジュース【Pj珠】

    ただのジュースとは一線を画す、まさに極みとも言うべき「Pj珠」。"P"はプレミアム(Premium)を意味し、"j"はジュース(Juice)、そして"珠"はその品質と価値の高さを象徴します。「Pj珠」はその名の通り、まるで真珠や宝石のように価値ある、唯一無二のジュースです。今回はその「Pj珠」の魅力に迫ります。作り手とお客さまをつなぐ、工房のこだわり。Pj珠の魅力を支えているのは、一般的なジュースとは異なる「製法」に隠されています。一般的なぶどうジュースでは抽出できない、ぶどう本来の風味と香りを最大限に引き出すため、特別な製法が採用されているのです。山梨県産のワイン用ぶどう24銘柄を使用し、最も良質な粒だけを選び、手作業で一粒ずつ丁寧に抽出。熟練の職人が時間をかけてじっくりと醸造し、ぶどう本来の鮮やかな味わいを最大限に引き出して造られます。他の追随を許さない、深みと複雑さを持った味わいは、そういった努力の賜物です。そんな「Pj珠」には、「無添加」、「無加糖」、「無加水」、「無濃縮」、「無調整」の"5つの無"という工房のこだわりが秘められており、安心で美味しいぶどうジュースを探している私たちへの温かい想いが感じられます。厳選されたぶどうが織りなす贅沢な味わい。「Pj珠」は、日々のくつろぎ時間をより特別なものにしてくれます。一般的なジュースでは考えられませんが、様々なチーズと合わせることも可能。予想外の風味の変化を楽しむことができ、今まで感じたことのないマリアージュを楽しめます。ワインさながら、普段の食事も引き立てつつ、ワインが苦手な方でも新たな楽しみ方ができるのは嬉しいポイントです。添加物も一切使用していないので、ぶどう本来の美味しさを感じられるため、ぶどうの豊かな風味と甘みを驚くほどダイレクトに感じることができます。そんな贅沢な味わいを楽しめるのは、この「Pj珠」だけ、というわけ。いつもの時間を特別なものに。自宅で過ごす時間に刺激を求めている方へ。「Pj珠」は、そんな日常を特別なものに変えてくれます。ご自宅での読書や映画鑑賞の時間、はたまたご友人との会話を楽しみながらこのぶどうジュースを口にすれば、格別な時間を演出できますよ。自分へのご褒美としてはもちろん、大切な人への贈り物としても最適です。贈り手の厳選されたセンスが伝わる一品となり、きっと喜ばれることでしょう。この機会に、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:PJ珠ジュース価格:2,160円~10,800円(税込) 種類:シャインマスカットキング、巨峰マリアージュ、フルーティ甲州、ベーリーA25、フルーティとまと商品の詳細はこちら

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  • 「男の隠れ家」厳選・匠の技が生んだ逸品特集! -グランピングテント・浮世絵-

    戦後の高度成長期はメイド・イン・ジャパンが世界を席巻。瞬く間にクルマや家電品に代表される日本製品が、地球上を駆け巡った。この時は、最先端技術こそが一番と持て囃され、伝統技術が顧みられなくなってしまう。その後、日本は長い不況から抜け出せず、次第に自信を失っていった。だがそれは、忘れかけられていた日本の伝統技術が再び見直されるきっかけにもなる。そして今、他国が真似のできない文化、豊かな自然とともに育まれた製品などに注目が集まると同時に、それらの素晴らしいモノを生み出す匠たちにも目が向けられている。今回は、そんな作り手の思いが感じられるモノを集めた。埼玉県飯能市の4社が開発した完全国産のグランピングテントは、まるでロッジにいるような快適な室内空間が特徴。しかもフレームには地元の木材が使われているので、頑丈で安心感があるうえ、温もりも感じられる。まさにモノ作り日本の面目躍如たる製品だ。そして浮世絵とアニメという、日本が世界に誇るコンテンツを融合した作品も紹介。その道の達人たちが丁寧に仕上げた、他では真似のできない逸品をご紹介しよう。丁寧な仕事が実感できる木造グランピングテント埼玉県飯能市が育んだ材木と技術が具現化テント幕は『男の隠れ家PREMIUM』のために用意された特別色。落ち着いた雰囲気を醸し出す。木の温もりと自由度を満喫できる完全国産テント森に覆われた山々が、いたる所に残る埼玉県飯能市。そんな自然豊かな土地から、純国産のグランピングテント『オクタフ』が誕生した。しかも人、材料ともに地元飯能産だというから驚かされる。「グランピング用テントは、以前から使っていました。簡易宿泊施設として、店の屋上に常設していたのです。ただほとんどが海外製でした。それで、もう少し耐久性のあるものが欲しいと思って」と、発案者の吉田英樹さんは語る。吉田さんは飯能市名栗で、バーベキュー&キャンプ料理を提供するレストラン『ブルータープ』のオーナーを務めているので、キャンプ関連の道具に精通。自分が満足できるものが見当たらないならば、作ってしまおうと考えたわけだ。そこで声をかけたのが建築家の双木洋介さんである。「従来のグランピングテントは、ワンポールテントでセンターにポールが立っているものがほとんど。そこで設計はロッジに近づけ、フレーム素材は木材を選びました。ただフレーム、テント、幕ともに簡単に取り外し移動できるので、建築基準法ではテント扱いです」左/フレームだけを組んだ様子。木材は9cm角の杉材。右/メッシュのベンチレーション用窓が常設。採光用の窓が2か所に標準装備。選んだ木材は西川材の杉。これは江戸から見て西に位置する飯能周辺で伐採され、荒川を使い江戸に運ばれた木材の総称で、江戸の町を作り上げた優れた材だ。そして、木材の加工を担当したのは『名栗カヌー工房』の副工房長の山田和さん。「テントのフレームは初めてです。普段は複雑な形のカヌーを手掛けているので、加工自体は単純ですね。逆に木の良さを活かし、フレームに棚を付けたり、装飾で個性を際立たせることもできます」木造フレームは好みの色に塗ることもできる。オプションで内幕が設置できるので、柱を隠す仕様も可能だ。さらに、この内幕も含めテント幕は、生地を縫い合わせ空気で膨らませるエアー遊具やバルーン造形を手がける『ピア21』が担当。こちらも飯能のメーカーである。期せずして飯能市内の4社で、プロジェクトがスタート。全ての工程を国内で行なっているので窓の数、ウッドデッキ有無、サウナ室の設置などの豊富なオプションも選択可能。建築基準法に合う建造物としての申請も可能だ。【商品詳細】商品名:グランピングテント オクタフ価格:1,650,000円(税込)商品の詳細はこちらスペシャルな「ルパン三世」が誕生!アニメ化50周年を記念カリオストロの城 3点セット。人気投票でつねにトップ争いに名を連ねる名作。ストーリー展開も秀逸だが、ルパンやクラリスのちょっとした表情も素晴らしい。伝統の技により新たな生命を宿した珠玉のルパン画1971(昭和46)年10月24日、誰もが知る人気アニメ『ルパン三世』の、記念すべきファースト・テレビシリーズの放映が始まった。その後、テレビシリーズ6作をはじめテレビスペシャル、映画、OVAなど数多くの作品をリリース。断続的ではあるが、現在も制作が続けられている長寿アニメだ。今回、『ルパン三世』アニメ化50周年を記念して、ファンならば見逃すことのできない、プレミアムな作品登場。日本が世界に誇る伝統技術である浮世絵で蘇らせた、ルパンをはじめとする登場人物の印象的な姿が描かれている。第一弾は今なお高い人気を誇る1979年公開の劇場版アニメ『ルパン三世カリオストロの城』から。塔に幽閉されたヒロインのクラリスが、初めてルパンと心を通わせる印象的な名シーンを、3枚の浮世絵に仕上げた。彫りはロックバンドKISSやスターウォーズ、アニメを題材とした現代浮世絵や葛飾北斎、川瀬巴水の復刻版を手がけた永井紗絵子。擦りは70年に渡り様々な作品を手掛けてきた、荒川区指定無形文化財保持者の松崎啓三郎が手掛けている。不二子の魅力が存分に楽しめる「不二子3点セット」や、ルパン、次元、五ヱ門が揃う「PART4オープニング3点セット」も。いずれもシリアルナンバーが入ったプレートが付いているのに加え、木製版画である事や、彫師や摺師の名前が入った証明書を発行。峰不二子にフォーカスし、その印象的なシーンを3枚の浮世絵に仕上げたシリーズと、イタリアを舞台にしたテレビシリーズPART4のオープニングシーンから、ルパン、次元、五ヱ門をフォーカスしたシリーズも見逃せない。【商品詳細】商品名:【数量限定】ルパン三世浮世絵価格:52,800円 ~ 231,000円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • 京都の路地裏ひるごはん。Vol.2

    京都の雰囲気や味を堪能したいけれど夜の名店はなかなか暖簾をくぐれない。それならお昼ご飯時に訪ねてみよう。気軽に敷居をまたぐことができ、京都の味も佇まいも十分堪能できる。昼に京料理が愉しめる路地裏の名店をご紹介。屋形船を模したお座敷で愉しむ三百年の歴史を誇る「古都の味」いもぼう 平野家本店〈東山〉「いもぼう御膳」(2500円)はメインのいもぼうのほか、付出し、祇園どうふ、お吸い物、ご飯、香の物という組み合わせ。付出しはひと口胡麻豆腐であった。お昼ご飯では祇園豆腐の代わりにとろろのり巻きが付いている「月御膳」(2700円)や、両方とも付いている「雪御膳」(3000円)なども人気である。山と海の幸が鍋で出合い奇跡の旨味を醸し出した逸品八坂神社を抜け、円山公園や知恩院へと続く石畳の小径をたどると、知恩院南門手前に「いもぼう平野家本店」の看板が見えてくる。落ち着いた雰囲気の竹穂垣に囲まれた門を潜ると、左手に入り口がある。中に入ると左右に障子が続き、通路や部屋が途中で湾曲しているという、不思議な光景が目に飛び込んでくる。「いもぼう」という料理の歴史は遥か昔、徳川吉宗が将軍だった享保の頃(1716~36)まで遡る。粟田の青蓮院に仕えていた平野権太夫は、御用のかたわら御料菊園、蔬菜の栽培に携わっていた。ある年、青蓮院の宮が九州行脚の折に唐の芋を持ち帰ってきた。これを円山山麓に植えると、姿が海老に似た良質な芋が育ったので、海老芋と名付けた。「今のように流通が発達していない時代、海から離れた京では海産物は珍重されていました。もちろん生魚などではなく、カチカチに乾いた乾物の魚でした。だから御所にも献上されていた棒鱈を、柔らかく戻す工夫があれこれとなされていたのです。そこで権太夫は円山で育った海老芋と抱き合わせて炊き上げる、独特の調理法を編み出しました」と、その成り立ちを語ってくれた若女将の北村佳苗さん。すると海老芋が棒鱈を柔らかくし、棒鱈が海老芋の煮崩れを防いでくれた。両者はまさに奇跡のような相性の良さを見せたのだ。以来「いもぼう」は、山のものと海のものが出合い、一緒の鍋で美味しく炊き上がった、お目出たい縁結びの料理とされた。そのため誕生以来ずっと、ハレの日のご馳走として人気を博している。「ところで、通路や部屋が曲がっているのは?」と尋ねると「屋形船を模した形なのです」という答えが返ってきた。部屋から見える景色を、舟遊びに置き換えてしまうあたり、いかにも都人の粋を感じさせる。粋な部屋でいただいたのは、店自慢のお昼ご飯「いもぼう御膳」。女性の拳ほどもある大きな海老芋がごろりと入った「いもぼう」は、やはり存在感抜群。横にはしっかり鱈もいる。海老芋は中までしっかり鱈の味が染み込んでおり、口に含むとしっとりとした旨味が広がる。見た目のインパクトとは裏腹に、間違いなく繊細な京料理そのものだ。さいの目に刻まれた豆腐があんとよく絡み、五感をほっこりさせる「祇園どうふ」や、湯葉や卵焼きの入ったお吸い物なども、膳を華やかにしてくれる名脇役である。いもぼう ひらのけほんてん京都市東山区円山公園内知恩院南門前黄金の出汁が奏でる見事な味名店で愉しむ和食の真髄直心房 さいき〈祇園〉右2点/「強肴(しいざかな)」は長芋、ズッキーニ、たらの芽、それにネギ味噌と辛子と共に牛肉の味噌漬けが盛られていた。奥は山芋そうめんに鯛の白子、いわ茸などを盛り合わせた、口当たりが爽やかな一品。左2点/すっぽん鍋は耐熱性に優れ余熱でおこげができる。ご飯の旨さを再認識させられる。食材の特性を見極めて一番美味しい状態で提供昭和7年(1932)に創業した料亭「さいき家」の三代目、才木充さんは「実は料理人にはなりたくなかった」と語る。子供の頃は店と自宅が同じ場所にあったから、父は仕事着のまま家に帰ってきた。それを支える母の苦労を見ているうちに、そんな思いに捉とらわれたのだという。しかし全寮制の高校に進学した頃、考えに変化が生じる。三代目としての道を歩む決意を固め、他の店で修業することを申し出ると、父親からは大学進学を勧められた。大学時代は様々な飲食店でアルバイトをしたおかげで、色々な人と接し、お客様に喜んでもらうにはどうするのか、という姿勢を身に付けた。大学卒業後は関西一円の和食、割烹、ホテルなどで経験を重ねた。なかでも日本料理の第一線で活躍していた村上一氏の下で修業できたのは、何よりの糧になったという。そして29歳の時、実家に戻っている。だが大箱料亭だった「さいき家」は、冠婚葬祭や催事の仕出しなどがメインだった。そのスタイルに違和感を覚えていたタイミングで、建物の老朽化などもあり、店をリニューアルすることになった。そこで平成21年(2009)、店を東山の高台寺にほど近い、静かな小径の奥に移転し、店名も「直心房さいき」とした。平成23年(2011)からは7年連続でミシュラン一つ星を獲得。「全ての食材にこだわるのはもちろん、それぞれの食材が持つ旨味を最大限に引き出すように、下ごしらえや温度などに気を配り料理を仕上げす。なかでも日本料理の骨格である出汁にはこだわっています」利尻昆布と鮪節を贅沢に使用し、毎朝5時から4時間も火にかけ仕上げている。黄金色に輝く美しい出汁は、そのまま飲めば濃密な旨味が口いっぱいに広がる。それでいて濁りは一切感じない極上のものだ。魚は本来の美味しさを味わえるように、和紙で包み軽く塩をする「紙塩」を施す。それにより魚の生臭さが消える。お造りは一番美味しい瞬間を逃さず提供してくれるのだ。野菜は種類ごとに違う契約農家から直接仕入れている。自ら畑に出向いて状態を目で確かめ、その日使う分量だけを分けてもらうので、鮮度は抜群で味も濃い。もう一品、必ず供されるのは牛肉の味噌漬けだ。これはほのかな八丁味噌の香りが、牛肉の甘みをより増してくれる逸品。そしてお昼ご飯でも必ず出される人気メニューが、島根県の棚田で栽培された「仁多米」である。それをすっぽん鍋用の土鍋を使って、ひとつずつ炊き上げている。才木さんが「ご飯だけ食べたいとおっしゃる常連さんも多いです」と話してくれた通り、炊きたてのご飯は甘みが強く、おかずなどは一切不要といっても過言ではない。季節によって、様々な具材を使った炊き込みご飯も提供してくれる。火を止めしばらく置いておくと、鍋の余熱でおこげができ、それがまた最高に美味なのである。じきしんぼう さいき京都市東山区八坂鳥居前下ル上弁天町443-1東山の喧騒とは無縁の静かな空間で茶粥を食す高台寺 松葉亭〈東山〉右/料理の説明をしてくれた女将の畦地真澄さん。店は家族だけで切り盛りしており、おもてなしの心を旅館時代から引き継いでいる。左上/湯豆腐やだし巻き、自家製のつくだ煮などが付く茶粥セット(2000円)。左下/発芽玄米の番茶で炊いた香り豊かな茶粥。香ばしさが口中に広がる。さらりとした口当たりと番茶の香りが引き立つ茶粥青葉が累々と連なる東山の山稜。その山麓には清水寺、高台寺、知恩院をはじめ名だたる古刹が南北に数多く点在し、京都きっての観光エリアとして国内外に広く知られている。「松葉亭」は店名にも冠してあるように、その「高台寺」の近くに暖簾を掲げる料理処である。高台寺は豊臣秀吉の正室・北政所ねね様が、秀吉の冥福を祈るために建立した寺院で、寺の前の散策路は“ねねの道”と呼ばれて親しまれている。近年は産寧坂、二寧坂から続くこの界隈は“喧騒”とも例えたくなるほどの賑わいを見せているが、「松葉亭」はその人波から少し離れた路地に町家の情緒をたたえて静かに佇んでいる。格子戸の入り口から暖簾をくぐり、細長い通路を抜けて中庭へ。明るく開けたそこには苔の色も鮮やかな京都らしい小さな坪庭が設えられ、客はそのまま玄関へと導かれる。「おこしやす」のはんなりとした出迎えと共に通されるのは、床の間のある数寄屋造りの落ち着いた座敷。店というより町家のお宅にお邪魔したような空間に心が和む。「創業は大正元年(1912)ですが、昭和30年(1955)には旅館業も始め、8年前までは“片泊まり”の宿としても営業しておりました。夜は懐石料理、お昼は茶粥や湯豆腐、ひょうたん弁当などをご提供しています」と話す女将の畦地真澄さん。ランチの後の喫茶タイムには、あんみつやぜんざいなどの甘味も愉しめる。わずか10席のみだが、客一人ひとりに目が行き届き、おもてなしするにはちょうどいい規模の席数だという。お昼にいただけるこの店の名物はなんといっても茶粥セット。番茶で炊いた茶粥、だし巻き、湯豆腐、生湯葉の田楽味噌、そして自家製のちりめん山椒、湯葉のつくだに、しいたけ昆布などが添えられる優しい味わいだ。番茶は発芽玄米の宇治茶を使用。生米からことこと炊き上げた茶粥は、香ばしい風味と、胃に染み入るさらりとした口当たり。さらに山椒の利いたちりめんを載せると、また違う味わいを愉しめる。実に美味だ。また、湯豆腐は三条白川にある山崎豆腐店の豆腐を使っている。「毎朝、お豆腐屋さんまで歩いて買いに行ってます。運動にもなるし、私の日課なんでよ」と笑顔を見せる畦地さん。こちらも豆の味が濃い滑らかな豆腐が舌を愉しませてくれる。一方で、予約制(2名以上)の夜のコース料理は本格的な懐石料理。八寸から始まり、お造りや焼き物などが彩りよく供されるが、茶粥をしみじみ味わううち、次はぜひこちらも味わってみたいと思わせてくれた。奈良や京都宇治の朝ご飯としても知られる茶粥だが、京都で本格的に茶粥が食べられる店はそう多くはない。隠れ家的な雰囲気といい、茶粥といい、ちょっと秘密にしておきたくなる、でも、人に教えたくなるそんな貴重な一軒である。こうだいじ まつばてい京都市東山区金園町407※こちらは男の隠れ家2019年6月号より一部抜粋しております

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