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本当に美味しい日本茶を知る



平安時代より続く奥深い日本茶の世界日本茶とひと言で表しても、その種類は実に様々だ。緑茶はもちろん、茶葉が日本で作られていれば烏龍茶や紅茶もこれに該当する。歴史も古い。喫茶文化は平安時代から日本人の愉しみのひとつだった。そんな日本茶の最大の魅力は、美味しさと奥深さであろう。


旨味とまろやかさを併せもつ玉露、甘みと渋みのバランスが絶妙な普通煎茶、独特の香ばしさがあるほうじ茶や玄米茶。摘まれて加工されてもなお、お湯を注ぐことで味と香りが生まれるのである。


奥深さでいうなら、同じ茶葉で淹れても、一番茶と二番茶と三番茶では味が全く変わる。湯の温度や抽出時間、注ぎ方によっても同じことがいえる。知れば知るほど奥妙な日本茶の世界。その魅力についてご紹介しよう。



基礎知識1:日本茶の歴史とは

中国から3度にわたり伝わった茶の文化。大きく3つの時代に分類できる茶の伝来の歴史を一つひとつを簡単に説明しよう。




江戸時代・日本茶の代表「煎茶」が登場

中国の明から「煎茶」が伝わったのは1650年頃の江戸時代。齢60を過ぎた禅僧・柴山元昭が煎茶を売る「売茶翁(ばいさおう)」となる。その活動は当時の人々の共感を呼び、全国

に煎茶の文化が広まった。


鎌倉時代・仙薬として崇められた「抹茶」

鎌倉時代の1200年頃、中国の宋で臨済禅を学び帰国後に臨済宗を開祖した栄西が「抹茶」を日本へもたらす。その栄西が茶の薬用効果に注目して著した、日本で最初の茶の書が『喫茶養生記』である。


平安時代・中国から伝わる喫茶文化

新芽を乾燥し粉末状にして煮る「団茶」の一種が、800年頃日本に初めて伝わった茶とされている。唐の文人・陸羽(りくう)が著した世界最古の茶の書『茶経』には、それと似た製茶法も記されている。



基礎知識2:日本茶の種類を知ろう

ひとくくりに日本茶といっても多種多様である。そのなかでも代表的な茶を12種類挙げてみた。



普通煎茶日本茶を代表する茶。新芽を蒸して揉み乾燥させたもので、甘みや渋みのバランスの良さが特徴。


深蒸し煎茶:普通煎茶よりも蒸す時間を長くしたもの。香りは弱まるが、味が濃くなるうえ、甘みも強くなる。


玉露:旨味が詰まった高級茶。直射日光を遮断することで、旨味成分のアミノ酸を増加させている。


抹茶:玉露と同様に栽培した葉を揉まずに乾燥させ、石臼で挽いて微粉末にする。まろやかな甘みが特徴。


番茶:硬くなった新芽や茎などを原料にした茶。アミノ酸やカフェインが少なくすっきりした味わい。


ほうじ茶:下級煎茶や番茶や茎茶を強火で焙(ほう)じた茶。香ばしさが強く、脂っこい食事の後などにお勧め。


玄米茶:煎茶や番茶の葉に炒った玄米を混ぜたもの。あっさりとしたうえに米の香ばしさが広がる。


茎茶:煎茶や玉露などの仕上げで除かれた茎で作られる。爽やかな香りの中にほんのりとした甘みもある。


玉緑茶:普通煎茶のひとつに分類され、主に九州や静岡で作られる。渋みが少なく、さっぱりとした味。


烏龍茶:茶葉の発酵を途中で加熱して止めている。微量ながら国内でも生産している。独特の香りが特徴。


紅茶:茶葉を完全発酵させた茶。国産のものは苦みや渋みが少なく、甘くてマイルドなものが多い。


プーアル茶:茶葉を蒸してから揉み、微生物をつけて発酵させたもの。酸味のある香りでまろやかな味わい。



基礎知識3:普通煎茶の作り方を学ぶ

茶はどのような工程を経て飲まれているのか。知っているようで知らないお茶の作り方を紹介しよう。




基礎知識4:生産者たちから学ぶ 日本茶のこだわり

日本全国に数多ある茶園の中から、江戸時代より代々続く茶園にお茶作りの魅力を聞いてみた。


上嶋爽禄園 上嶋伯協さん

最適な環境に甘んじず常に美味しさを求める



江戸時代より約300年にわたって「和束茶」(宇治茶)を生産。五代目の上嶋伯協(のりやす)さんは、急峻な山々に囲まれた和束町がお茶作りの環境に適していると言う。「ここの土地は『茶源郷』と呼ばれています。


豊かな自然をはじめ、冷涼な気候や昼夜の寒暖差、通気性に優れた土壌など、美味しいお茶が育つ条件を満たしているのです」そんな理想的な場所に環境に優しい有機肥料を撒いたり、柔らかい生葉を揉みすぎて旨味を逃さないようさらなる工夫を凝らしている。妥協を許さない徹底したお茶作りの矜持は、旨味や甘みや渋みとなって多くの人に伝わっていることだろう。


天空の里 上ヶ流茶 内藤敬司さん

天空の茶畑で摘まれた最高級の一番茶



阜県揖斐川町に「日本のマチュピチュ」と呼ばれる茶畑がある。そこで安政4年(1857)から代々茶園を経営している内藤敬司さん。無農薬にこだわった自然栽培の茶畑のみずみずしさに圧倒される。


「私たちの特長は最高品質の一番茶しか摘採しないことです」そう、笑顔で話す内藤さんのお茶作りは丁寧のひと言。仕上げまで最小限の機械しか使わず、お茶という命と真剣に向き合う姿は日本茶の真髄に通じるものがあった。



基礎知識5:日本茶がもっと美味しくなる急須

急須は土地や陶芸家によって形も値段も千差万別だ。だからこそ自分だけの特別な物と出合いたい。




白磁【はくじ】 深蒸し茶の旨味を引き出し、目詰まりしにくい急須。モダンな白磁の色合いが美しい。


窯変【ようへん】伝統工芸士に認定された陶芸家のろくろ手挽き。「帯アミ」を装着しており、深蒸し茶に最適。


尾垂【おだれ】三重県四日市市の「土」にこだわった、精緻で美しい作品。道具としての完成度も高い。


東京深むし急須 網部分を外すことで、洗浄が難しい注ぎ口部分を丸ごと洗える。交換用の網も付属。


北斎【ほくさい】茶器本来の機能を備えた急須。裏側には、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が描かれている。



基礎知識6:美味しい日本茶の淹れ方~普通煎茶、玉露、冷茶編~

お湯の適温や抽出時間など、日本茶は種類によって美味しい淹れ方が大きく異なる。ここではその一例を簡単にレクチャーしよう。


普通煎茶



玉露



冷茶


※本記事の情報は2019年6月時点の情報です。