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男の隠れ家コンテンツ

  • 【伊賀焼特集】その魅力と伝統を探る

    せっかく家にいるのなら、有意義な時間を過ごしたいはず。毎日の食事を彩る食器や、調理器具として優秀な伊賀焼シリーズを紹介します。伊賀焼は400年以上の歴史を持つ伝統工芸。歴史と技術を現代に受け継ぎつつ、新たな形で伝統を発展させています。そんな伊賀焼の魅力をお伝えしましょう。伊賀焼とは、日本の三重県伊賀市で生産される陶器のこと。400万年前の古琵琶湖層から採取された伊賀の粗土を素材に使っている点が最大の特徴です。生物や植物の化石が豊富に含まれる伊賀の土は吸湿性と蓄熱性に優れていて、伊賀焼の土鍋やグラスは保温性があり、料理や飲み物の美味しさを最大限に引き立てます。ぜひ持っておきたいアイテムを、3つ紹介します。家庭で本格燻製:「伊賀焼 いぶしぎん」の魅力1つ目は「伊賀焼 いぶしぎん」。その名の通り、伊賀焼の技術を活かした燻製器です。独特の陶土の特性により、均一に熱を通すことができ、煙も逃がさずに食材をじっくりと燻してくれます。肉や魚、野菜、ドライフルーツなど、幅広い食材を自宅で本格的に燻製にすることができ、お酒のお供が手軽に作れますよ。さらに、丸みを帯びたデザインは、どんなキッチンにも馴染む美しさ。焼き物という和風のイメージを覆す、おしゃれアイテム。使用後のメンテナンスも簡単で初心者の方でもすぐに使えるため、伊賀焼を初めて手にする方にもおすすめです。家庭で本格的な燻製料理が楽しめる「伊賀焼 いぶしぎん」は、料理の幅を広げる素晴らしいパートナーになってくれるはずです。【商品詳細】商品名:伊賀焼 いぶしぎん 全2種価格:11,000円 ~ 16,500円(税込) 商品の詳細はこちらあぶり焼きの名手:「伊賀焼 あぶり名人」で焼き物を楽しむ2つ目は、シーズヒーターを熱源にした本格あぶり焼き器で、自宅で手軽に焼き物を楽しみたい方は必見のアイテムです。「伊賀焼 あぶり名人」は、陶器ならではのデザインと優れた機能性を兼ね備えていて、普段は面倒なお料理のプロセスも楽しむことができますよ。焼き鳥、田楽、魚など、色々な食材を焼くことができ、気分に合わせて食材をチョイスしたり、季節に合わせて焼くものを変えて楽しめます。特に、秋刀魚をまるまる1本焼くことができるのは、このあぶり焼き器の大きな魅力の一つです。余分な脂を落とすことで、食材の旨みを引き立ててくれる上に、温度調節も簡単で、料理初心者にも安心して美味しい焼き物が作れます。自宅で本格的な焼き物を楽しみたいという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。【商品詳細】商品名:伊賀焼 あぶり名人価格:44,000円(税込)商品の詳細はこちら焼酎を引き立てる酒器: 「粋」シリーズ「粋」シリーズは、酒を楽しむ「呑んべえ」のための1杯として、焼酎を楽しむために特別に作られた伊賀焼の酒器で、「炭焼タンブラー」と「焼酎カップ(大)」の2種類があります。底面を削り出すことで、水滴によって卓上を濡らさない工夫が施されていて、見た目だけでなく機能性にも優れています。また、職人さんによる手作りならではの温もりと、伊賀焼特有の質感が醸し出す落ち着いた雰囲気は、一つのグラスながら日常を豊かにしてくれます。「粋」シリーズは、伊賀焼が持つ伝統と現代のライフスタイルを絶妙に融合させ、酒器としての極致を体現。製作背景には、茶の湯の精神と日常を融合したいという、伊賀焼の源流に立つ思いがあります。長い歴史を誇る伊賀焼の魅力を、手に取れるいい機会です。お気に入りのお酒の相棒として選んでみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:伊賀焼 「粋」シリーズ 酒器 全2種類価格:7,700円 ~ 8,800円(税込)商品の詳細はこちら伊賀焼と共に:極上の時間を過ごす自宅で使う食器や調理器具に伊賀焼を取り入れることで、非日常を感じてリラックスしつつ、自分だけの特別な時間を過ごすことができます。美味しい飲み物や料理が一段と引き立つだけでなく、その深い歴史と伝統も感じることができますよ。「いぶしぎん」で燻製を作り、焼き鳥を「あぶり名人」で手作り。そして、「粋」シリーズの焼酎カップで一杯の焼酎を煽る。伊賀焼3つの逸品が、あなたの自宅時間を特別で価値あるものに変えてくれます。いつもとは違う、素敵な時間を過ごすことができるはずですよ。

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  • 夏バテの体によく効く夏の冷泉 ぬる湯宿。Vol.2

    温泉のべストシーズンは冬ばかりではない。「冷泉&ぬる湯」の魅力を知れば夏の暑い時期でも温泉を十分楽しめる。ぬる湯に、いつもより長い時間浸かって夏の緑の景色を眺めるも良し。気合い一発冷泉に浸かるのも良し。風呂上がりの体に心地良い爽快な風が吹き抜ける。微温湯温泉旅館二階堂《福島県福島市/微温湯温泉》享保年間から滾々と湧き出す良泉ひんやりと心地良い湯に浸かる200年以上の歴史を誇る標高920mの温泉歴史を感じさせる木造の佇まいに、良泉の予感が高まる。車を降りてから「微温湯温泉旅館二階堂」へは、両脇にオオヤマザクラの木が並ぶ小径を行くことになる。そこで、ひと夏の命を惜しむかのようなおびただしいセミの声に包み込まれるだろう。見上げれば、磐梯朝日国立公園にある吾妻小富士の頂。宿はその東麓の標高920mの台地にあるのだ。ほどなく目の前に現れたのが、歴史を感じさせる宿である。微温湯温泉旅館二階堂は五棟からなる。一番奥が明治5年(1872)に建てられた茅葺きの建物で、手前が大正初期、さらに昭和の建物と続いている。そのうち三棟が国登録有形文化財の認定を受けている。温泉の存在が知られたのは享保年間(1716~1735)だという。九代目で現主人の二階堂哲朗さんによると「はっきりした歴史がわかっているのは享和3年(1803)。当家の初代が桜本村(現・福島市)から温泉の権利を譲り受けて、湯治客を受け入れたのが微温湯温泉のはじまりです。四代目の時に起きたのが戊辰戦争。戦後まもなく官軍はこの山の中腹まで巡視にきて、その時に宿は焼かれてしまいました」それから、時代が変わるごとに一棟一棟、建て増していったわけだが、その歴史の重みは宿の中を歩くと実感させられる。玄関を入ると右手に帳場と厨房があり、奥に食堂。2階の奥が客室で、外れの茅葺き屋根の建物は主に湯治客用に使われている。さらに細かく見れば、杉を渡した長い廊下は歩くたびにギシギシと鳴り、交換手を呼び出してかけた昔の電話器が柱に掛けられている。心落ち着く客室の天井が低いのは屋内で日本刀を振りまわさせぬ設計だからだ。引き戸のガラスは波打つ波紋を帯びていて、今では作ることのできない昔のガラスが大切に使われていた。それら全ての渋さが心に染みる。旅館は昔と変わらぬ佇まいを残しているが、温泉もまた昔のまま、滔々と湧き出ている。母屋から別棟へ続く長い廊下を渡っていくと、途中に湯治客用の炊事場があり、その突き当たりが男女別の浴室だ。大きな浴槽は源泉掛け流しのぬる湯で満たされ、ザアザアと音を立てて流れていた。その脇には温泉ではない沸かした上がり湯がある。つまり、秋口や春先はぬる湯の温泉だけでは寒いため、体を温めるのに沸かし湯が用意されているのである。壮快感を感じさせる温泉と心に染みるもてなし湯上がりには、やっぱりビールだろう。鬱蒼とした木立や吾妻小富士の頂を肴に、喉を潤す。その壮快感がたまらない。さて、二階堂さんが、31.8°Cからプラスマイナス0.2°Cほどと言い、日本ぬる湯番付で「東の横綱」とされている温泉に浸かってみた。確かにぬる湯ではあるものの、夏だけにその冷たさがとても快適に感じられる。窓からは木々の緑を眺めることができた。熱い温泉はせいぜい5分ぐらいしか入っていられないのだが、ここの湯には1時間以上、平気で浸かっていられた。読書でもしてみようかと思ったほどである。夏の木洩れ日を感じながら、冷泉に長い時間浸かる。次に入った時は読書も楽しんだのだった。湯船に浸かりながら水を飲んでいると、ふと宿までの道すがら見た光景が思い出された。いつしか対向車とすれ違えないほどの狭さの山道を登ってきたが、林の切れ間から見下ろす福島市内の風景はとても美しかった。もちろん、宿の周囲に人家はないのだが、高原の空気が爽やかに透き通っていて、その壮快感はこの温泉に通じるもののようだ。ただ、ぬるい温泉を温める宿も多い中、それをしないのはなぜなのだろう。二階堂さんによると、「来てくださった方に源泉をそのままに楽しんでほしいという思いがあります。また、鉄分が多いために、温めた温泉が冷めてしまった場合、再加熱すると真っ赤になってしまう。この湯の管理は難しいんですよ」と言った。含アルミニウム泉の泉質は結膜炎や白内障などの眼病に効くとされている。江戸時代から明治、大正、昭和にかけては、多くの眼病治療を目的とする湯治客で賑わったそうだ。そんな話を聞いていると、いわき市からよく通ってくるという60歳代の客が、「長いこと腰痛に苦しんでいましたが、ここの湯口から出る温泉を腰に当てる方法を繰り返していたら、痛みが軽くなりましてね」と言った。私はいつも疲れ目なので目を洗ってみたい。それでやり方を聞くと、「湯船内で温泉に顔をつけて何度も目をパチパチして洗うのです」と言う。しかし、温泉の成分のためだろう、最初はジリジリと染みたが、次第に収まって心地良くなっていく。これはいいと何度も洗ったのだった。宿はご夫婦とご主人のお母さんの3人で切り盛りしている。その女性お二人の肌がツヤツヤしていて、とてもお若く見えるのも、やはり温泉の効用だろうかと尋ねると、予想にたがわず、毎晩欠かさずこの湯に入るのだそうだ。左/夕食。岩魚の味噌焼き、レモンが添えられた相鴨の陶板焼き、ふきとクルミの和え物、れん根・鳥肉の煮物など。どれも美味しかったが、なかでも、わらびのお浸しは絶品。右/朝食。アジの干物の焼き物のほかに、山菜の小鉢など。夕朝食とも内容はほぼ変わらない。夕刻、食事は個室の食事処に用意してくれた。メイン料理は相鴨の陶板焼きで、岩魚の味噌焼きも、山菜料理もどれもが美味しかった。見た目は決して豪華ではないが、客人をもてなそうという作り手の温かい気持ちが直に伝わってくる。その心遣いも肴に日本酒がすいすい入ってしまった。だが、まだすることがある。外に出て、星を見てみようと思っていたのだ。すると降るような星空で、とても星が近くに感じられた。おそらく空気が澄み切っているからなのだろうが、この“澄み切る”という言葉に誘われて、また温泉に浸かった。後は心和む和室の客間へ戻るだけである。ひんやりと心地良い湯加減は、熟睡を保証してくれているかのようだった。ぬるゆおんせんりょかんにかいどう福島県福島市桜本字温湯11※こちらは男の隠れ家2019年9月号より一部抜粋しております

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  • ローカル線 海、山、川の旅。-海・JR五能線-

    夏、ローカル列車に乗ると遠い昔を思い出す。網と籠を手に虫を追って、草の匂いあふれる原っぱを走り回ったあの頃。スイカを頬張りながら花火を見ていた少年時代。一日がとても長く、夏休みは永遠に続くものだと思っていた。ローカル列車の向かい合わせボックスシート。目の前には海、山、川が行き交う車窓を見つめるあの頃の自分が座っていた。海:JR五能線秋田県・青森県/東能代駅~川部駅波打ち際の列車から海岸線と水平線を眺めるあきた白神駅~岩館駅間の第二小入川橋梁。高さは23.4m、長さ174m。海が見たい。美しい砂浜と波打ち際の白波。緩やかな曲線を描く海岸線と彼方に霞む水平線。どこまでも続く海の風景を眺めていたい。人間とは時折、無性に海を見たくなる生き物らしい。そんな時に真っ先に思い浮かぶのがJR五能線だ。秋田県から青森県へ。4時間以上をかけて、日本海沿いをひたすら走るローカル線である。始発駅は秋田県の「東能代駅」。朝7時23分発の列車通学の高校生で賑わっていた。しかし隣の「能代駅」、次の「向能代駅」で全ての学生が下車。2駅目で早くもひとりぼっちになってしまった。唖然としていると、発車間際に麦わら帽子をかぶったお婆さんがひとり乗り込んできた。やれやれと安堵したのも束の間、お婆さんも次の駅で降りてしまった。地元の人たちこそ少ないが、途中からは少しずつ観光客が乗り込んでくる。今や五能線は観光客が支えているといってよい。4人組の女性観光客が語る。「テレビで五能線を紹介しているので、観光客で混雑していると思ったんですが、朝早い時間はやはり空いているんですね」東能代駅からしばらくは内陸部を走り、車窓には田園地帯が続く。日本海に出合う本番までの助走区間のようで「海はまだか」と期待感が高まってくる。鯵ヶ沢を目指して荒々しい海岸段丘を進む日本海の絶景を車窓から眺める乗客たち。それは突然やってきた。「東八森駅」を出て、しばらく田園風景が続いていたが、左手の家々の向こうに海がちらちらと見えてきた。小さな丘陵の裾野を縫うように左にカーブしながら進むと、いきなり視界が開けて、左手に大きな日本海が現れたのである。夏の日差しを浴びて、凪ないだ海はきらりきらきら光っている。波打ち際の明るいコバルトブルーのような海水の色が沖合に行くにしたがって群青色へ、藍色へと変わっていく。夏の五能線は冬の荒れた海とは別の顔を持っていた。しばらく海岸線沿いを走った後、列車は海岸段丘を駆け上がる。五能線沿いには「八森駅」辺りから「鯵ケ沢駅」まで海岸段丘が続いている。列車が段丘の一番下を走る時には波打ち際ギリギリを通るため、車内から海の底までのぞき込める。段丘の上を走る時には、眼下に水が張られた美しい水田と遠くの日本海を俯瞰することができる。海との距離感が刻々と変わっていき、飽きることがない。「岩館駅」を過ぎたところで、女性車掌のアナウンスがあった。「これより速度を落としてまいります。日本海の荒々しい景色をお楽しみください」波が大小の岩々にぶつかっては白く小さな波しぶきを上げる、荒々しい風景が続いている。海沿いを走るローカル線は多いが、この荒涼とした景色は五能線ならではのもの。心にしかと刻みたくなる印象的な風景だ。「十二湖駅」に到着。観光客がぞろぞろと降りるので、気まぐれに下車してみた。駅前はバスも発着して賑やかだ。白神山地山麓に湖が点在する十二湖や日本キャニオンというU字谷大断崖などの観光地の拠点になっている。歩いて行くなら森山海岸だ。五能線の線路のすぐ近くに、日本海の荒波が造り上げた大小の奇岩がある。大昔に火山が噴火、マグマが冷えたことによりできた十二湖凝灰岩だ。この森山海岸の風景は車窓からも眺めることができる。五能線沿いの海岸では多彩な岩を見られるのも面白い。再び列車に乗って、漁港のある「陸奥岩崎駅」を過ぎると右にカーブして、日本海に突き出した小さな半島を海岸沿いに走る。海辺の露天風呂で夕暮れの絶景を堪能露天風呂は混浴と女性専用の2種。塩化物泉で鉄分を含んだ温泉は茶色く濁っている。殺菌効果や美肌効果があり、皮膚病によく効くといわれる。途中の「ウェスパ椿山駅」で下車した。本日の列車旅はここまで。どうしても見たい風景があった。露天風呂から見る、日本海に沈む夕陽だ。「黄金崎不老ふ死温泉」である。宿泊客のみが夕方以降の露天風呂に入浴できるので、今宵はここに宿泊することに決めていた。夕暮れ前に露天風呂へ。建物から屋外の通路を歩いていくと、岩がごろごろと続く海岸に、豪快な露天風呂があった。茶色く濁った湯にゆっくりと入ると、ざばー、ざばーと波の音だけが聞こえてくる。湯を嘗なめたらしょっぱかった。さて、肝心の夕陽はというと、残念ながら水平線の上が雲に覆われ隠れてしまった。しかし諦めかけたところで、徐々に雲が切れ始めた。薄く雲がかかってぼわっとした太陽が、今まさに日本海に沈まんとしている。日輪は海上を黄金色に染めて、こちらに向かって黄金の道をつくっている。初めて見る雄大な大自然に見とれているうちに、太陽はあっけなく海に沈んでいった。後には美しい夕焼けが残るだけ。静かに絶景の余韻に浸った。2日目。列車は高台から「深浦駅」へと下りて行く。深浦は北前船の風待ち湊として栄えた町だ。北前船は江戸時代に、大坂(阪)から日本海を通って蝦夷地まで通った「動く総合商社」。日本海交易の拠点だった深浦の町には京、大坂から様々な文化が流入した。北前船は明治時代半ばまで活躍したが、その後は鉄道や車に移行した。海運・陸運の栄枯盛衰は、深浦の歴史そのものだ。カモメが飛来する千畳敷海岸を散策する広戸駅~深浦駅間を走る列車。夏の五能線は青い空と海を堪能できる。深浦駅で発車を待っていると、急に車内が賑やかになった。旅行会社の旗を持ったガイドを先頭に、団体客が乗ってきたのだ。「ここからが五能線のハイライトですよ。日本海の絶景を車窓からじっくり堪能してくださいね」ガイドの言葉に、乗客が窓際の席へと散らばった。五能線には快速列車「リゾートしらかみ」があるが、最も景色の良い区間だけ各駅停車に乗るのも、なかなか賢い乗車方法だ。深浦駅を過ぎると、広戸、追良瀬、驫木、風合瀬、大戸瀬......。名を聞いただけで日本海の風景が浮かんでくるような、風情ある駅名が続く。海沿いを走る列車から見えるのは、雲ひとつない青い空と穏やかな日本海。誰もいない砂浜。夏の日本海の佇まいは爽やかでいながら、どこか陰りを帯びて、旅人へ語りかけてくる。列車は砂浜に沿って緩やかなカーブを描いて走る。点在している岩礁の岩がだんだん大きく広くなってきたら千畳敷海岸だ。千畳敷は寛政4年(1792)の地震で、緑色凝灰岩の海食台地が隆起した。車窓からも見えるが、できるなら下車して、カモメが飛び交う千畳敷の岩の上を歩いてみたい。千畳敷を過ぎると右に大きくカーブする。海の向こうに津軽半島の小泊付近の陸地が見えてくる。晴れた日には北海道もうっすらと見える。やがて「鯵ケ沢駅」だ。鯵ヶ沢湊は江戸時代、弘前藩の藩米を大坂へと積み出す御用港だった。漁港の近くにはイカ焼きの店が並んでいる。最近の名物は「ヒラメの漬け丼」だ。鯵ケ沢駅を出て右に大きくカーブすると、あっという間もなく海が見えなくなってしまった。海の残像が宿る目には、津軽平野の真ん中にそびえる岩木山が見えてくる。津軽富士の稜線が、すっきりと秀麗な姿に変わると、そろそろ五能線の旅も終わりである。※こちらは男の隠れ家2018年8月号より一部抜粋しております

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  • 自然と共存する高級グランピングテント【オクタフ】

    男の隠れ家PREMIUMから、「グランピングテント オクタフ」を紹介します。大量生産のテントとは一線を画し、日本の自然と共存するためにデザインされた高級グランピングテント。まさに、男心をくすぐる逸品です。こだわりがもたらす自然との調和。「グランピングテント オクタフ」は、その構造と素材にこだわりが秘められています。テントといえばチャックやマジックテープでの簡易的な開け閉めがオーソドックスです。オクタフの場合は、大型のグランピングテントでありながら、テント入口の開け閉めの手軽さを残しつつ、内外から開けることができる便利さを兼ね備えています。そして、二重構造の生地で虫の侵入を防ぎつつ、通気性を保ち、快適に過ごすことが可能。夏場に特に気になる暑さや虫の影響を受けません。フレームには、全国平均を上回る強度を持つ埼玉県飯能産の杉材を使用しており、安心感と共に、日本ならではの風格を感じさせるまさにプレミアムなグランピングテントに仕上がっています。塗料には亜麻仁油を主成分とした自然塗料を用い、ケミカルな接着剤を使わずに組み上げることが可能なのも、自然と人間に優しいメーカーのこだわりが隠されています。フレームの素材から塗料に至るまで、全てが自然と調和しつつ、高級感のあるデザインの支えとなっているのです。忘れてはならないのが、その美しいデザイン。15㎡(約9畳)の広さを持ったバランスの良い八角形が、見た目の良さと快適性を両立できる理由。側面から見た時にはベル型で、頂点で交わる木材全てが直角にぶつかる設計により、強度を確保するとともに施工の簡素化にも貢献しているというわけ。グランピング初心者にもおすすめ。このグランピングテントは、日曜大工程度のレベルで木工の経験があれば、自力で組み立てられてしまいます。もちろん、組み立ての代行サービスも行っているので、自信がないという方はお願いすることも可能ですよ。基本的には「テント」として造られているものの、建築基準法に則って基礎を作り、木造平屋の建築として確認申請をすることも可能です。あなたの土地や環境に合わせた設置方法を選べるのも、魅力的です。いつもの何気ないひと時を、最高の時間にしてみませんか?豊かな自然の中で過ごす時間を、ただのアウトドアから、あなただけの特別なものに変えてくれる。それが「グランピングテント オクタフ」。山の中に自分だけの領域を築き、四季折々の風景を楽しみながらグラスを傾ける。そんな豊かな時間は、これまでのアウトドアの経験を遥かに超えるものになるでしょう。ぜひ、ご検討ください。【商品詳細】商品名:グランピングテント オクタフ商品の詳細はこちら

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  • 厳選されたぶどうが織りなす贅沢なジュース【Pj珠】

    ただのジュースとは一線を画す、まさに極みとも言うべき「Pj珠」。"P"はプレミアム(Premium)を意味し、"j"はジュース(Juice)、そして"珠"はその品質と価値の高さを象徴します。「Pj珠」はその名の通り、まるで真珠や宝石のように価値ある、唯一無二のジュースです。今回はその「Pj珠」の魅力に迫ります。作り手とお客さまをつなぐ、工房のこだわり。Pj珠の魅力を支えているのは、一般的なジュースとは異なる「製法」に隠されています。一般的なぶどうジュースでは抽出できない、ぶどう本来の風味と香りを最大限に引き出すため、特別な製法が採用されているのです。山梨県産のワイン用ぶどう24銘柄を使用し、最も良質な粒だけを選び、手作業で一粒ずつ丁寧に抽出。熟練の職人が時間をかけてじっくりと醸造し、ぶどう本来の鮮やかな味わいを最大限に引き出して造られます。他の追随を許さない、深みと複雑さを持った味わいは、そういった努力の賜物です。そんな「Pj珠」には、「無添加」、「無加糖」、「無加水」、「無濃縮」、「無調整」の"5つの無"という工房のこだわりが秘められており、安心で美味しいぶどうジュースを探している私たちへの温かい想いが感じられます。厳選されたぶどうが織りなす贅沢な味わい。「Pj珠」は、日々のくつろぎ時間をより特別なものにしてくれます。一般的なジュースでは考えられませんが、様々なチーズと合わせることも可能。予想外の風味の変化を楽しむことができ、今まで感じたことのないマリアージュを楽しめます。ワインさながら、普段の食事も引き立てつつ、ワインが苦手な方でも新たな楽しみ方ができるのは嬉しいポイントです。添加物も一切使用していないので、ぶどう本来の美味しさを感じられるため、ぶどうの豊かな風味と甘みを驚くほどダイレクトに感じることができます。そんな贅沢な味わいを楽しめるのは、この「Pj珠」だけ、というわけ。いつもの時間を特別なものに。自宅で過ごす時間に刺激を求めている方へ。「Pj珠」は、そんな日常を特別なものに変えてくれます。ご自宅での読書や映画鑑賞の時間、はたまたご友人との会話を楽しみながらこのぶどうジュースを口にすれば、格別な時間を演出できますよ。自分へのご褒美としてはもちろん、大切な人への贈り物としても最適です。贈り手の厳選されたセンスが伝わる一品となり、きっと喜ばれることでしょう。この機会に、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:PJ珠ジュース価格:2,160円~10,800円(税込) 種類:シャインマスカットキング、巨峰マリアージュ、フルーティ甲州、ベーリーA25、フルーティとまと商品の詳細はこちら

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  • 「男の隠れ家」厳選・匠の技が生んだ逸品特集! -グランピングテント・浮世絵-

    戦後の高度成長期はメイド・イン・ジャパンが世界を席巻。瞬く間にクルマや家電品に代表される日本製品が、地球上を駆け巡った。この時は、最先端技術こそが一番と持て囃され、伝統技術が顧みられなくなってしまう。その後、日本は長い不況から抜け出せず、次第に自信を失っていった。だがそれは、忘れかけられていた日本の伝統技術が再び見直されるきっかけにもなる。そして今、他国が真似のできない文化、豊かな自然とともに育まれた製品などに注目が集まると同時に、それらの素晴らしいモノを生み出す匠たちにも目が向けられている。今回は、そんな作り手の思いが感じられるモノを集めた。埼玉県飯能市の4社が開発した完全国産のグランピングテントは、まるでロッジにいるような快適な室内空間が特徴。しかもフレームには地元の木材が使われているので、頑丈で安心感があるうえ、温もりも感じられる。まさにモノ作り日本の面目躍如たる製品だ。そして浮世絵とアニメという、日本が世界に誇るコンテンツを融合した作品も紹介。その道の達人たちが丁寧に仕上げた、他では真似のできない逸品をご紹介しよう。丁寧な仕事が実感できる木造グランピングテント埼玉県飯能市が育んだ材木と技術が具現化テント幕は『男の隠れ家PREMIUM』のために用意された特別色。落ち着いた雰囲気を醸し出す。木の温もりと自由度を満喫できる完全国産テント森に覆われた山々が、いたる所に残る埼玉県飯能市。そんな自然豊かな土地から、純国産のグランピングテント『オクタフ』が誕生した。しかも人、材料ともに地元飯能産だというから驚かされる。「グランピング用テントは、以前から使っていました。簡易宿泊施設として、店の屋上に常設していたのです。ただほとんどが海外製でした。それで、もう少し耐久性のあるものが欲しいと思って」と、発案者の吉田英樹さんは語る。吉田さんは飯能市名栗で、バーベキュー&キャンプ料理を提供するレストラン『ブルータープ』のオーナーを務めているので、キャンプ関連の道具に精通。自分が満足できるものが見当たらないならば、作ってしまおうと考えたわけだ。そこで声をかけたのが建築家の双木洋介さんである。「従来のグランピングテントは、ワンポールテントでセンターにポールが立っているものがほとんど。そこで設計はロッジに近づけ、フレーム素材は木材を選びました。ただフレーム、テント、幕ともに簡単に取り外し移動できるので、建築基準法ではテント扱いです」左/フレームだけを組んだ様子。木材は9cm角の杉材。右/メッシュのベンチレーション用窓が常設。採光用の窓が2か所に標準装備。選んだ木材は西川材の杉。これは江戸から見て西に位置する飯能周辺で伐採され、荒川を使い江戸に運ばれた木材の総称で、江戸の町を作り上げた優れた材だ。そして、木材の加工を担当したのは『名栗カヌー工房』の副工房長の山田和さん。「テントのフレームは初めてです。普段は複雑な形のカヌーを手掛けているので、加工自体は単純ですね。逆に木の良さを活かし、フレームに棚を付けたり、装飾で個性を際立たせることもできます」木造フレームは好みの色に塗ることもできる。オプションで内幕が設置できるので、柱を隠す仕様も可能だ。さらに、この内幕も含めテント幕は、生地を縫い合わせ空気で膨らませるエアー遊具やバルーン造形を手がける『ピア21』が担当。こちらも飯能のメーカーである。期せずして飯能市内の4社で、プロジェクトがスタート。全ての工程を国内で行なっているので窓の数、ウッドデッキ有無、サウナ室の設置などの豊富なオプションも選択可能。建築基準法に合う建造物としての申請も可能だ。【商品詳細】商品名:グランピングテント オクタフ価格:1,650,000円(税込)商品の詳細はこちらスペシャルな「ルパン三世」が誕生!アニメ化50周年を記念カリオストロの城 3点セット。人気投票でつねにトップ争いに名を連ねる名作。ストーリー展開も秀逸だが、ルパンやクラリスのちょっとした表情も素晴らしい。伝統の技により新たな生命を宿した珠玉のルパン画1971(昭和46)年10月24日、誰もが知る人気アニメ『ルパン三世』の、記念すべきファースト・テレビシリーズの放映が始まった。その後、テレビシリーズ6作をはじめテレビスペシャル、映画、OVAなど数多くの作品をリリース。断続的ではあるが、現在も制作が続けられている長寿アニメだ。今回、『ルパン三世』アニメ化50周年を記念して、ファンならば見逃すことのできない、プレミアムな作品登場。日本が世界に誇る伝統技術である浮世絵で蘇らせた、ルパンをはじめとする登場人物の印象的な姿が描かれている。第一弾は今なお高い人気を誇る1979年公開の劇場版アニメ『ルパン三世カリオストロの城』から。塔に幽閉されたヒロインのクラリスが、初めてルパンと心を通わせる印象的な名シーンを、3枚の浮世絵に仕上げた。彫りはロックバンドKISSやスターウォーズ、アニメを題材とした現代浮世絵や葛飾北斎、川瀬巴水の復刻版を手がけた永井紗絵子。擦りは70年に渡り様々な作品を手掛けてきた、荒川区指定無形文化財保持者の松崎啓三郎が手掛けている。不二子の魅力が存分に楽しめる「不二子3点セット」や、ルパン、次元、五ヱ門が揃う「PART4オープニング3点セット」も。いずれもシリアルナンバーが入ったプレートが付いているのに加え、木製版画である事や、彫師や摺師の名前が入った証明書を発行。峰不二子にフォーカスし、その印象的なシーンを3枚の浮世絵に仕上げたシリーズと、イタリアを舞台にしたテレビシリーズPART4のオープニングシーンから、ルパン、次元、五ヱ門をフォーカスしたシリーズも見逃せない。【商品詳細】商品名:【数量限定】ルパン三世浮世絵価格:52,800円 ~ 231,000円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • 京都の路地裏ひるごはん。Vol.2

    京都の雰囲気や味を堪能したいけれど夜の名店はなかなか暖簾をくぐれない。それならお昼ご飯時に訪ねてみよう。気軽に敷居をまたぐことができ、京都の味も佇まいも十分堪能できる。昼に京料理が愉しめる路地裏の名店をご紹介。屋形船を模したお座敷で愉しむ三百年の歴史を誇る「古都の味」いもぼう 平野家本店〈東山〉「いもぼう御膳」(2500円)はメインのいもぼうのほか、付出し、祇園どうふ、お吸い物、ご飯、香の物という組み合わせ。付出しはひと口胡麻豆腐であった。お昼ご飯では祇園豆腐の代わりにとろろのり巻きが付いている「月御膳」(2700円)や、両方とも付いている「雪御膳」(3000円)なども人気である。山と海の幸が鍋で出合い奇跡の旨味を醸し出した逸品八坂神社を抜け、円山公園や知恩院へと続く石畳の小径をたどると、知恩院南門手前に「いもぼう平野家本店」の看板が見えてくる。落ち着いた雰囲気の竹穂垣に囲まれた門を潜ると、左手に入り口がある。中に入ると左右に障子が続き、通路や部屋が途中で湾曲しているという、不思議な光景が目に飛び込んでくる。「いもぼう」という料理の歴史は遥か昔、徳川吉宗が将軍だった享保の頃(1716~36)まで遡る。粟田の青蓮院に仕えていた平野権太夫は、御用のかたわら御料菊園、蔬菜の栽培に携わっていた。ある年、青蓮院の宮が九州行脚の折に唐の芋を持ち帰ってきた。これを円山山麓に植えると、姿が海老に似た良質な芋が育ったので、海老芋と名付けた。「今のように流通が発達していない時代、海から離れた京では海産物は珍重されていました。もちろん生魚などではなく、カチカチに乾いた乾物の魚でした。だから御所にも献上されていた棒鱈を、柔らかく戻す工夫があれこれとなされていたのです。そこで権太夫は円山で育った海老芋と抱き合わせて炊き上げる、独特の調理法を編み出しました」と、その成り立ちを語ってくれた若女将の北村佳苗さん。すると海老芋が棒鱈を柔らかくし、棒鱈が海老芋の煮崩れを防いでくれた。両者はまさに奇跡のような相性の良さを見せたのだ。以来「いもぼう」は、山のものと海のものが出合い、一緒の鍋で美味しく炊き上がった、お目出たい縁結びの料理とされた。そのため誕生以来ずっと、ハレの日のご馳走として人気を博している。「ところで、通路や部屋が曲がっているのは?」と尋ねると「屋形船を模した形なのです」という答えが返ってきた。部屋から見える景色を、舟遊びに置き換えてしまうあたり、いかにも都人の粋を感じさせる。粋な部屋でいただいたのは、店自慢のお昼ご飯「いもぼう御膳」。女性の拳ほどもある大きな海老芋がごろりと入った「いもぼう」は、やはり存在感抜群。横にはしっかり鱈もいる。海老芋は中までしっかり鱈の味が染み込んでおり、口に含むとしっとりとした旨味が広がる。見た目のインパクトとは裏腹に、間違いなく繊細な京料理そのものだ。さいの目に刻まれた豆腐があんとよく絡み、五感をほっこりさせる「祇園どうふ」や、湯葉や卵焼きの入ったお吸い物なども、膳を華やかにしてくれる名脇役である。いもぼう ひらのけほんてん京都市東山区円山公園内知恩院南門前黄金の出汁が奏でる見事な味名店で愉しむ和食の真髄直心房 さいき〈祇園〉右2点/「強肴(しいざかな)」は長芋、ズッキーニ、たらの芽、それにネギ味噌と辛子と共に牛肉の味噌漬けが盛られていた。奥は山芋そうめんに鯛の白子、いわ茸などを盛り合わせた、口当たりが爽やかな一品。左2点/すっぽん鍋は耐熱性に優れ余熱でおこげができる。ご飯の旨さを再認識させられる。食材の特性を見極めて一番美味しい状態で提供昭和7年(1932)に創業した料亭「さいき家」の三代目、才木充さんは「実は料理人にはなりたくなかった」と語る。子供の頃は店と自宅が同じ場所にあったから、父は仕事着のまま家に帰ってきた。それを支える母の苦労を見ているうちに、そんな思いに捉とらわれたのだという。しかし全寮制の高校に進学した頃、考えに変化が生じる。三代目としての道を歩む決意を固め、他の店で修業することを申し出ると、父親からは大学進学を勧められた。大学時代は様々な飲食店でアルバイトをしたおかげで、色々な人と接し、お客様に喜んでもらうにはどうするのか、という姿勢を身に付けた。大学卒業後は関西一円の和食、割烹、ホテルなどで経験を重ねた。なかでも日本料理の第一線で活躍していた村上一氏の下で修業できたのは、何よりの糧になったという。そして29歳の時、実家に戻っている。だが大箱料亭だった「さいき家」は、冠婚葬祭や催事の仕出しなどがメインだった。そのスタイルに違和感を覚えていたタイミングで、建物の老朽化などもあり、店をリニューアルすることになった。そこで平成21年(2009)、店を東山の高台寺にほど近い、静かな小径の奥に移転し、店名も「直心房さいき」とした。平成23年(2011)からは7年連続でミシュラン一つ星を獲得。「全ての食材にこだわるのはもちろん、それぞれの食材が持つ旨味を最大限に引き出すように、下ごしらえや温度などに気を配り料理を仕上げす。なかでも日本料理の骨格である出汁にはこだわっています」利尻昆布と鮪節を贅沢に使用し、毎朝5時から4時間も火にかけ仕上げている。黄金色に輝く美しい出汁は、そのまま飲めば濃密な旨味が口いっぱいに広がる。それでいて濁りは一切感じない極上のものだ。魚は本来の美味しさを味わえるように、和紙で包み軽く塩をする「紙塩」を施す。それにより魚の生臭さが消える。お造りは一番美味しい瞬間を逃さず提供してくれるのだ。野菜は種類ごとに違う契約農家から直接仕入れている。自ら畑に出向いて状態を目で確かめ、その日使う分量だけを分けてもらうので、鮮度は抜群で味も濃い。もう一品、必ず供されるのは牛肉の味噌漬けだ。これはほのかな八丁味噌の香りが、牛肉の甘みをより増してくれる逸品。そしてお昼ご飯でも必ず出される人気メニューが、島根県の棚田で栽培された「仁多米」である。それをすっぽん鍋用の土鍋を使って、ひとつずつ炊き上げている。才木さんが「ご飯だけ食べたいとおっしゃる常連さんも多いです」と話してくれた通り、炊きたてのご飯は甘みが強く、おかずなどは一切不要といっても過言ではない。季節によって、様々な具材を使った炊き込みご飯も提供してくれる。火を止めしばらく置いておくと、鍋の余熱でおこげができ、それがまた最高に美味なのである。じきしんぼう さいき京都市東山区八坂鳥居前下ル上弁天町443-1東山の喧騒とは無縁の静かな空間で茶粥を食す高台寺 松葉亭〈東山〉右/料理の説明をしてくれた女将の畦地真澄さん。店は家族だけで切り盛りしており、おもてなしの心を旅館時代から引き継いでいる。左上/湯豆腐やだし巻き、自家製のつくだ煮などが付く茶粥セット(2000円)。左下/発芽玄米の番茶で炊いた香り豊かな茶粥。香ばしさが口中に広がる。さらりとした口当たりと番茶の香りが引き立つ茶粥青葉が累々と連なる東山の山稜。その山麓には清水寺、高台寺、知恩院をはじめ名だたる古刹が南北に数多く点在し、京都きっての観光エリアとして国内外に広く知られている。「松葉亭」は店名にも冠してあるように、その「高台寺」の近くに暖簾を掲げる料理処である。高台寺は豊臣秀吉の正室・北政所ねね様が、秀吉の冥福を祈るために建立した寺院で、寺の前の散策路は“ねねの道”と呼ばれて親しまれている。近年は産寧坂、二寧坂から続くこの界隈は“喧騒”とも例えたくなるほどの賑わいを見せているが、「松葉亭」はその人波から少し離れた路地に町家の情緒をたたえて静かに佇んでいる。格子戸の入り口から暖簾をくぐり、細長い通路を抜けて中庭へ。明るく開けたそこには苔の色も鮮やかな京都らしい小さな坪庭が設えられ、客はそのまま玄関へと導かれる。「おこしやす」のはんなりとした出迎えと共に通されるのは、床の間のある数寄屋造りの落ち着いた座敷。店というより町家のお宅にお邪魔したような空間に心が和む。「創業は大正元年(1912)ですが、昭和30年(1955)には旅館業も始め、8年前までは“片泊まり”の宿としても営業しておりました。夜は懐石料理、お昼は茶粥や湯豆腐、ひょうたん弁当などをご提供しています」と話す女将の畦地真澄さん。ランチの後の喫茶タイムには、あんみつやぜんざいなどの甘味も愉しめる。わずか10席のみだが、客一人ひとりに目が行き届き、おもてなしするにはちょうどいい規模の席数だという。お昼にいただけるこの店の名物はなんといっても茶粥セット。番茶で炊いた茶粥、だし巻き、湯豆腐、生湯葉の田楽味噌、そして自家製のちりめん山椒、湯葉のつくだに、しいたけ昆布などが添えられる優しい味わいだ。番茶は発芽玄米の宇治茶を使用。生米からことこと炊き上げた茶粥は、香ばしい風味と、胃に染み入るさらりとした口当たり。さらに山椒の利いたちりめんを載せると、また違う味わいを愉しめる。実に美味だ。また、湯豆腐は三条白川にある山崎豆腐店の豆腐を使っている。「毎朝、お豆腐屋さんまで歩いて買いに行ってます。運動にもなるし、私の日課なんでよ」と笑顔を見せる畦地さん。こちらも豆の味が濃い滑らかな豆腐が舌を愉しませてくれる。一方で、予約制(2名以上)の夜のコース料理は本格的な懐石料理。八寸から始まり、お造りや焼き物などが彩りよく供されるが、茶粥をしみじみ味わううち、次はぜひこちらも味わってみたいと思わせてくれた。奈良や京都宇治の朝ご飯としても知られる茶粥だが、京都で本格的に茶粥が食べられる店はそう多くはない。隠れ家的な雰囲気といい、茶粥といい、ちょっと秘密にしておきたくなる、でも、人に教えたくなるそんな貴重な一軒である。こうだいじ まつばてい京都市東山区金園町407※こちらは男の隠れ家2019年6月号より一部抜粋しております

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  • 男の肌悩みに寄り添うスキンケアアイテム【ROGENオイルリッチローション】

    肌の調子次第で、その人の印象が大きく変わることはご存じですか?「若々しく見える」、「ちょっと老けて見える」といった年齢に関することはもちろんですが、「肌が綺麗だし、健康的な生活を送っていそう。」といったポジティブな印象を抱かれる一方で、「乾燥や肌荒れがひどくて、普段から不摂生してるのかな?」といったネガティブなイメージを持たれてしまうことも。肌一つで周囲からの印象を操作できるのであれば、しない手はありません。男の肌悩みに寄り添うスキンケアアイテム。今回は、男の隠れ家PREMIUMから「ROGEN オイルリッチローション」を紹介します。このスキンケアアイテムは、男性の肌に潤いを与える化粧水の役割から、髭剃り後の肌の炎症を抑えてしっとり感を与えるアフターシェーブローションまでを担う、優れもの。男性に必要なスキンケアを、この一本が全てカバーします。低分子のアボガドペプチドや厳選した植物幹細胞、6つの植物エキスなど、肌に必要な成分を惜しみなく配合し、角質層まで深く浸透。思わず触れたくなるような潤いのある肌を長時間キープしてくれますよ。カバンに入れておけるコンパクトさも魅力。「ROGEN オイルリッチローション」のもう一つの優れたポイントは、持ち運びやすさにあります。80mlのコンパクトな容器は、出張や旅行、接待でのゴルフなど、様々なシーンで大活躍。いつでも好きな時にスキンケアが可能になります。乾燥が気になったタイミングで手軽に使えるのは、忙しい男性や化粧水を忘れがちな男性にとっても、嬉しいポイントですね。機内への持ち込みも可能で、日本各地を飛び回るビジネスマンの方にも必須のアイテムです。営業やプレゼンといったビジネスシーンから、デートやパーティーなどのプライベートシーンまで、どんな場面でも自信を持って挑めるようになるでしょう。これは肌への投資。その価値を実際に感じてみて。これまでスキンケアをおざなりにしていた男性や、今まで気にしたことがなかったという男性にぜひ使ってほしい、「ROGEN オイルリッチローション」。化粧水、乳液、美容液、アフターシェーブローション...といったように、いくつもの種類のスキンケアアイテムを揃えるのは骨が折れます。これ一本で肌を整えて、人生の自信と彩りを手に入れる。新たなスキンケアスタイルのきっかけにしてみてくださいね。【商品詳細】商品名:ROGENオイルリッチローション価格:5,470円(税込)商品の詳細はこちら

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  • グルメな人に贈るちょっと変わったギフト。

    日本の夏の風物詩とも言える「お中元」。贈る相手との関係性を深め、心からの感謝の意を込めて贈る物であり、それは同時に贈り主の人柄やセンスをも表すもの。だからこそ、お中元選びにはこだわりたいところ。しかし、時には「また同じものを贈ってしまう…」と感じる瞬間もあるでしょう。毎年の習慣とは言え、定番の商品ばかりではちょっと新鮮さに欠ける。それならば、今年はちょっと変わったお中元を選んでみてはいかがでしょうか。男の隠れ家PREMIUMから4種類の一風変わったお中元をご紹介。いつもとは違ったお中元が見つかるはずです。美味の極致が詰まった逸品「三陸翡翠あわび -お手軽ファミリーセット-」「三陸翡翠あわび -お手軽ファミリーセット-」は、三陸大船渡の「陸上養殖えぞあわび」を、肉厚でやわらかな美味しさを余すことなく楽しめるよう冷凍パックにしました。流水で簡単に解凍でき、あわびは殻からすでに外れているため、初めての方でも安心して調理できます。おすすめの食べ方は、あわびのバター焼き。解凍後、片栗粉をまぶし、バターで焼いて、塩コショウで味を調えるだけ。この簡単な調理法で、肉厚でやわらかなあわびの風味が口の中に広がります。「三陸翡翠あわび」ならではの、"肝まで美味しいあわび"を堪能できます。完全無添加で育てられたあわびは、作り手の健康への配慮はもちろん、最上級の味を求める姿勢が伺えます。日頃の感謝を込めて贈るのにこれ以上の逸品はないでしょう。ご自宅用としてはもちろん、大切な方への贈り物としても最適です。【商品詳細】商品名:三陸翡翠あわび -お手軽ファミリーセット-価格:7,000円(税込) 内容量:40g×6個商品の詳細はこちら気軽にジビエを楽しめる「鹿肉ソーセージ 男の隠れ家PREMIUMセット」この鹿肉ソーセージは、静岡県内に生息する日本鹿から厳選された鹿肉だけを調達。捕獲から精肉加工まで独自ルートにて進められ、新鮮な鹿肉を使用しています。ジビエ初心者であろうと、「これは美味しい」と感じてもらえるよう、作り手の想いがこもったオリジナルのレシピによって調理されています。鹿肉の歯ごたえを活かしながらも、上品なスモークの香りとサッパリとした旨味が口いっぱいに広がるその絶妙なバランスは、まさに極上。腸詰めには羊の腸の中でも、特に柔らかい上級ラム腸を用いており、全ての食材が厳選されこだわり抜かれているため、贈り物にふさわしい一品と言えます。食べ方もシンプルイズベスト。解凍済みのソーセージを袋から取り出し、沸騰したお湯で茹でるだけで食べられます。フライパンや直火で表面に焼き色をつけると、皮がパリッと香ばしく、ジューシーな鹿肉ソーセージがさらに美味しくなりますよ。「お中元にジビエは...」と思っている方の思いを良い意味で裏切ってくれる鹿肉ソーセージを、男の隠れ家PUREMIUM限定の特別セットで、ぜひ。【商品詳細】商品名:【数量限定】鹿肉ソーセージ 男の隠れ家PREMIUMセット価格:5,000円 ~ 9,000円(税込) セット内容:40g-4本入×5セット、100g-3本入×5セット商品の詳細はこちら真鯛の美味しさを存分に楽しめる「愛南真鯛 男の隠れ家PREMIUMセット」「愛南真鯛 男の隠れ家PREMIUMセット」は、真鯛養殖の日本一という誇りをもつ宇和海で育てられた絶品の真鯛を、余すことなく楽しめるよう厳選した"詰め合わせ"ギフトセットです。お刺身からユッケ風に仕上げられた真鯛や味噌醤油漬け、そしてハラミやカマといった希少部位と、衣がついた真鯛カツや真鯛を使ったカレーまで盛りだくさん。あらゆる食べ方で、美味しい真鯛を気軽に楽しむことができます。「新鮮で美味しい真鯛ならお刺身じゃないともったいない!」と感じてしまいがち。ですが、良い真鯛だからこそ、いろいろな楽しみ方をして欲しいのです。そんな、普段はしないような食べ方ができるのも、お中元ギフトの嬉しいポイントですよ。真鯛の味わい深い旨味と、プロの料理人が生み出した独自の調理法のマリアージュによって、どれを食べても思わずうっとりしてしまうような味わいが広がります。お中元を受け取った方には真鯛の新たな美味しさと、あなたの心遣いを感じてもらえること間違いなし。お魚好きの方に送ってみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:愛南真鯛 男の隠れ家PREMIUMセット価格:11,000円(税込) 重量:1850g商品の詳細はこちら海の恵みを口いっぱいに頬張れる「牡蠣ぽん 3袋セット」「牡蠣ぽん」は、新鮮な牡蠣の詰め合わせで、牡蠣の美味しさを気軽に堪能できる逸品です。使用しているのは、雄勝湾で育てられた牡蠣。森の栄養分をたっぷり含んだ水と、太平洋の栄養豊富な海水のおかげで、グリコーゲンをたくさん含み、海のミルクとも称されるほど栄養満点です。牡蠣自体に含まれるタウリンやミネラル、ビタミン類も健康にいいということで注目されています。2個入りのパックが3袋セットになっているので、ご夫婦はもちろん、お一人様でも食べやすいので、贈る相手を選びません。また、加熱調理が前提なので、あたる心配もありませんよ。お中元を贈る側の懸念を全てクリアしてくれているので、とても選びやすいギフトセットです。なお、電子レンジでわずか5分という、調理の手軽さもポイント。お酒のアテとしてはもちろん、プラスワンの副菜としても食卓を彩ってくれます。海の恵みをふんだんに堪能できる「牡蠣ぽん」を、ぜひ大切なあの人にも堪能してもらいましょう。【商品詳細】商品名:牡蠣ぽん 3袋セット価格:3,300円(税込) 重量:1kg商品の詳細はこちら大切なあの人へ、気持ちが伝わるお中元を選んでみて。お中元ギフトは贈り物とともに、日頃の感謝を込めた気持ちを送ることができる特別な機会です。そんな特別な機会にふさわしいギフトの正解を知っているのは、贈る相手のことを知っているあなただけ。ぜひ、お中元を受け取った大切な方の喜ぶ笑顔を想像しながら、最適なギフトを選んであげてみて下さいね。

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  • 夏を満喫する。

    夏の訪れは、ある人にとっては待ち侘びた夏、ある人にとっては暑くて嫌いな季節と、さまざまな感情を呼び起こします。ですが、どんな方においても、過ごし方一つで夏が最高の季節になりますよ。そんな夏を快適に過ごし、満喫できるようなアイテムを4つ紹介します。暑い夏に飲みたい、新しいジュースの形「Pj珠ジュース」「ピュアなジュース(Pure Juice)」の頭文字をとって、「Pj珠」と名付けられました。ぶどうの粒を「磨かれた宝石の珠」になぞらえた、贅沢で特別な飲み物です。ワイン用のぶどうを惜しみなく搾り、発酵前のワインの状態、つまりプレヴィーノ(ワインの前)とも言えるそのジュースには、さまざまな品種の香りと風味が詰まっています。また、アルコールが含まれていないため、お酒が苦手な方でも安心して楽しむことができます。ワイン好きな方にとっても、まだ知らない新たなぶどうの香りや風味を発見するきっかけになるでしょう。「暑い夏を乗り越える美味しい飲み物が欲しい!」「ワインが好きだけど、昼間から飲むのはちょっと…」そんなあなたに、「Pj珠」は新たな夏の楽しみを提供してくれますよ。これまでのぶどうジュースとは一線を画す、まさにワインの原液のような風味と香り。「このジュースを美味しく飲むためなら」と、いつもは嫌な夏の暑さも楽しめるはず。この機会に、ぜひその味わいを体験してみてください。【商品詳細】商品名:PJ珠ジュース価格:2,160円~10,800円(税込)種類:フルーティとまと、 ベーリーA25、フルーティ甲州、巨峰マリアージュ、シャインマスカットキング内容量:720㎜/本(ガラスビン詰)商品の詳細はこちら夏の日差しのダメージ対策に。「ROGEN オイルリッチローション」暑い夏の太陽による紫外線は、日焼けという形で肌にダメージを与えます。そこで、今年の夏から肌の手入れに目を向けてみてはいかがでしょうか。それを1本で実現するのが「ROGEN オイルリッチローション」です。「ROGEN オイルリッチローション」は化粧水からアフターシェーブローションまでの役割を、一手に担うスキンケアアイテム。男性特有の肌の問題に対応するために、低分子のアボガドペプチドや厳選された植物幹細胞、さらに6つの植物エキスなど、肌に必要な成分を豊富に配合しました。肌の角質層に深く浸透するこのローションは、潤いを長時間キープし肌を守る一方で、エイジングケアにも優れた効果を発揮します。肌にツヤとハリが生まれれば、男としての自信にも繋がります。営業やプレゼン、デートやパーティなど、あらゆる場面に堂々と挑むことができるようになるのは、スキンケアの魅力。これまでスキンケアを怠っていたという方、これから肌に気を遣っていきたいという方にぴったりのアイテムです。コンパクトな80mlサイズの容器は、国際線の機内への持ち込みも可能。出張や旅行、ジムやゴルフといったあらゆる場面で、手軽にスキンケアができます。自分の肌を常にケアすることができ、魅力的に年齢を重ねるサポートをしてくれる存在となるでしょう。思い立ったが吉日。年齢を感じさせない肌を手に入れるために、できることを今のうちからしておきましょう。【商品詳細】商品名:ROGENオイルリッチローション価格:5,470円(税込) 内容量:80ml商品の詳細はこちらグランピングテント「Octough」で贅沢なリゾート体験を。夏の贅沢な過ごし方として、純国産の常設グランピングテント「Octough」をご紹介いたします。「Octough」は日本の風土で育まれた国産の木材をフレームに、建築でも使用されるテント生地を採用した、自然を感じるグランピングテントです。埼玉県飯能市産の杉材と飯能市内加工のテント地を採用。それらが組み合わさって生まれる八角形の構造は、強度とラグジュアリー感を象徴しています。窓部分は透明の生地で一体化されているため、雨を気にせず外の風景を見たり、満点の星空を眺めることもできます。また、内側にはメッシュ素材が貼られていて通気性に優れているため、非常に快適。上部にはメッシュ素材の通気口も設けられているので、テント内は常に新鮮な空気で満たされ、適温に保たれます。「Octough」は、ただのキャンピングテントではなく、ライフスタイルの一部となること間違いなし。自然の中でのゆったりとした時間、家族や友人と過ごす贅沢な時間、それを一段と豊かにしてくれる存在です。新たな夏の過ごし方を模索しているあなたに、ぜひ。【商品詳細】商品名:グランピングテント オクタフ価格:1,650,000円(税込) 重量:200kg商品の詳細はこちら身近にあるもので飲み物を冷やす。今までにない「ボトルクーラー」とはボトルクーラーと言えば、氷を入れたバケツや断熱材を使ったポーチ型を思い浮かべる方が多いかもしれません。奈良の老舗靴下メーカー「昌和莫大小(しょうわめりやす)」から登場したボトルクーラーは、靴下型で今までにない形状が最大の特徴です。靴下のようなボトルクーラーは、濡らして被せるだけで、その気化熱によってボトルの温度を保つメカニズムを採用。靴下生産量日本一を誇る「靴下のまち」、奈良県広陵町の技術力と、大のアウトドア好きである社長の井上さんの、独創的なアイデアから生まれました。実際に、同じ条件下のワインボトル2本のうち、ボトルクーラーを使用しなかった方は4時間後に10.9度上昇。一方で、ボトルクーラーを使用した方は7.2度の上昇と、明らかな差が見られたというのも驚きです。かつてないほど手軽なこのボトルクーラーは、アウトドアから日常的な使い方まで、さまざまなシーンで大活躍してくれます。また、ニットの「伸び縮み」によってボトルの形状が変わっても使用でき、ワインだけでなく、缶ビールを冷やすときに使えるのも嬉しいポイントです。さまざまな柄をラインナップしているので、好みやシーンに合わせて選ぶ楽しさもありますよ。冷たい飲み物のひんやり感をキープして、うだるような暑い夏を乗り切ってみて。【商品詳細】商品名:ボトルクーラー 価格:1,980円(税込) カラー展開:ジオメトリック、ブラック&ホワイト、ウェーブタイプ(各3種類)商品の詳細はこちら必ずやって来る夏。どうせ来るなら満喫しないと勿体無い!夏の魅力を最大限に引き出すためのアイテムを紹介しました。どれだけ夏が嫌だと思っていても、来てしまうのだから仕方ありません。夏が好きになるきっかけになるかもしれませんし、快適に過ごせるきっかけが見つかるかも。楽しんだ者勝ちの精神で、暑い夏を乗り切りましょう!

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  • River Fishing CAMP -やってみません?ソロキャンプ-

    トラウトと戯れる緑深き渓川音を聴きながら焚き火を楽しむ。渓流釣りとキャンプの相性はとてもいい。美しい渓流には総じて素晴らしいキャンプフィールドがあり、釣り人は焚き火を前に今日の釣果を想う。歩き疲れた体を癒す食と酒もまた、旨い。深い山に分け入り渓を歩く自然を存分に味わう時間山林が広がる埼玉県飯能市の名栗地区。西川材という良質な杉の産地で自然豊かだ。都心からも2時間弱で行けるため、釣りをはじめ、アウトドアアクティビティの拠点にするアウトドアマンも多い。渓流釣り師の朝は早いものと決まっている。早朝4時半、雨上がりの森にはまだ濃い霧がかかっていて、山々の全貌は見渡せない。規則正しく並んだ杉や檜の針葉樹の山に、山鳩の低い鳴き声だけが響いている。目の前を流れる美しい渓流。数日降り続いた雨のおかげで水量が増えて適度な笹濁り、まさにベストコンディションだ。素晴らしい渓流魚を1尾、なんとか釣り上げたい。早々にウェーダー(胴長)を着て愛用のフィッシングベストを羽織り、ウェーディングシューズを履いた。3.6mのテンカラロッドを1本持ち、ワレットの中には替えのテンカラ毛針を多数仕込む。最小限の装備で渓流を歩くこのテンカラ釣り、実は日本の伝統的な渓流釣り手法であり、近年は欧米でも人気が高まっているという。餌釣りのほか、ルアーやフライなど様々な手法があるが、今日はテンカラでトラウト(ニジマス、イワナ、ヤマメなど)を狙っていく。小さなポイントも見逃さず毛針を流す。しかし見た目以上に水量が多く、遡行すらままならない。日没に気をつけながら慎重に遡り、深場では沈む毛針をチョイスしてキャストを繰り返した。リリースサイズのヤマメが毛針を追うのが見えるが、なかなかヒットせず。しかし渓流釣りとはこんなものだ。釣れるに越したことはないが、釣れなくても川を歩くだけで気持ちがいい。いや、そんな無理やりの納得をもう何度したことか。それでも渓流が解禁すると、私はひとり渓に立っているのだ渓流釣りとソロキャンプそれはワンセットなのだテンカラロッドを振る。狭い渓流ゆえ、枝葉も多く、ロッドのテイクバックがとても難しい......。渓流釣りに出かける日、その夜もし泊まれる時間があるならば、私はその渓流近くのフィールドでキャンプをしようと決めている。今日も渓流からほど近い場所にある「ケニーズ・ファミリー・ビレッジ」(埼玉県・飯能市)に1泊お世話になることにした。人気のキャンプ場だとは聞いていたが、なるほど、それも頷ける。野宿キャンパー寄りの私にはもったいないほど整ったフィールド、清潔で安全な設備、そしてなによりスタッフの接客が素晴らしい。ファミリーと名が付くキャンプ場ではあるが、聞けばソロキャンパーも意外に多いらしい。「平日、ぶらっとお見えになる熟年男性のソロキャンパーさんもいらっしゃいますよ」。まさに私がそれだろう。川音が聴けるサイトがいいなと思っていたのでその旨を伝えると、河原サイト(7〜8月は日帰りの利用のみ可)を案内してくれた。チェックインを済ませて薪を2束(箱)購入し、早速サイトへと向かう。そして設営の前、まずはお決まりの儀式から。今日は深夜出発のため、昨夜我慢していたビールが疲れた体にジワーッと染み入っていく。この一杯があるから釣りとキャンプはやめられない。いや、私はもうこの一杯のために釣りをしているのかもしれないな。渓流釣りをする人ならきっと共感していただけるだろう。ソロキャンプなので装備も最小限のギアしか持参していない。ゆえにサイトもコンパクト、全体的にミニマムだ。今日はモンベルのムーンライト1型でインナーテントを使わず、グランドシートとフライシートを直結してテント代わりのシェルターを作った。焚き火に強いコットンTCのタープを張ってヘリノックスのテーブル&チェア、焚き火台と簡易的なトライポッドを配置したら完成。ミニマムとはいえ、快適さや自分の嗜好には贅沢でいたい。だからフィールド選びも焚き火ができる場所であることが大前提。何かをしなくてはいけないという決まりはないが、美味しい料理と酒があり、焚き火キャンプを楽しむというのが小さなこだわりなのである。イワナのホイル焼き、夏野菜のラタトゥイユ、チキンの白ワイン煮などを自家製レモンサワーを飲みながらのんびり下ごしらえしていく。さっきまでBBQをしていた若者が会釈をして帰って行った。河原には私ひとり。カジカガエルが鳴く渓を目の前に、静かで優しい夏の夕暮れがやってきた焚き火と美味しい料理と酒 ソロでしか味わえない贅沢料理を作り終えると、後は食べること、飲むこと、焚き火をいじることしかしない。いつ寝ても誰にも怒られるわけではないが、酒を飲みつつ焚き火の前でだらだらしてしまう人も多いだろう。眠くなってきたらヘッドライトと文庫本を持ってテントイン。が、3ページも読まずに寝てしまうのも、いつものこと。夜の帳が下りる頃、小さなメッシュランタンに火を灯した。サイト全体が明るくなるほどの照度はないが、テーブルランタンとしては十分な明るさ。雰囲気も悪くないのでもう長年愛用している。そして下ごしらえしておいた料理各種を仕込むため、焚き火に薪をくべて火力を上げていく。お気に入りの8インチダッチオーブンでチキンの両面をじっくり焼いたら、安い白ワインをひたひたに注いでコンソメと粉チーズを大量に投入する。このままトライポッドに引っ掛けてアルコール分が飛ぶまでかまわず放っておく。さらに、シングルバーナーの上にヨコザワテッパンを載せ、イワナの腹にマイタケと大葉を入れて包んだホイル焼きを蒸し焼きにした。とにかくこのヨコザワテッパンが優秀だ。ソロキャンプ(見た目は小さいが4人くらいまでなら余裕で使える)にはもってこいの万能鉄板で、私はどこに行くにもキャンプギアの中に忍ばせておいて愛用している。ここ数年、この〝ちまちま〞感をたまらなく愛しているのである。さらに小さなスキレットでバター味の焼き枝豆も作った。これをつまみにしてレモンサワーを飲むのが今のお気に入り。ラタトゥイユは焚き火が勝手に作ってくれるし、ここからは何もしない〝ひとり飲み時間〞の始まりだ。ひとりで釣りをしたりキャンプすることは寂しくないかとよく聞かれるのだが、話相手がいないという点だけでいえば寂しさがないわけではない。ただ、真剣に渓流釣りを楽しんだ後のソロキャンプでは、その余韻にひとりどっぷり浸るのがきっと私は好きなんだな。仲間たちとワイワイと楽しむ賑やかなキャンプもいいけど、釣りで疲れた日は誰にも気を遣わない自分勝手なソロキャンプがやはり一番いいと思っている。焚き火の火力を少しだけ落とし、ダッチオーブンの蓋をずらす。白ワインのアルコール分はもうほぼ飛んで、濃い目のスープの中でチキンがグツグツと煮えている。夏野菜がたっぷり入ったラタトゥイユとチキンを味わいながら、今度は山桜のククサでアイリッシュウイスキーをちびちび飲んだ。こんなソロキャンプをもう何年やってきただろう。栃木の山奥で焼いた地鶏は最高だったな。郡上の雨の釣りキャンプ、鮎の塩焼きと焼酎が美味しかった。伊那谷ではマトンロースをたらふく食べて日本酒をしこたまを飲んだっけ。新しくくべた太めの薪がパチンと爆ぜ、火の粉が勢い良く舞った。気持ちの良い酔いに包まれて、私は楽しかったソロキャンプの場面を思い出していたケニーズ・ファミリー・ビレッジ/オートキャンプ場都心からアクセスも良く、管理も行き届いた人気の高規格キャンプ場。キャンプ場の名にファミリーと付くが、ソロキャンパーにも人気があり、特にオフシーズンの河原サイトはお勧めだ。 埼玉県飯能市上名栗3196 アクセス/圏央道「青梅IC」より約30分 HP/www.kfv.co.jp 【商品詳細】商品名:冒険用品 ヨコザワテッパン ポケット(ヨコザワテッパン ポケットサイズ付き)価格:2,500円(税込) サイズ:縦25.7cm×横18.2cm×高さ0.14cm商品の詳細はこちら※こちらは男の隠れ家2019年10月号より一部抜粋しております

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  • 大人の夏旅、北海道。【江差・函館・松前編】

    北海道の中でも最も本州に近く、海に開かれた江差・函館・松前エリア。幕末から明治の歴史の面影を色濃く残し、国際貿易港として栄えた函館をはじめ道南エリアの北海道遺産を巡る旅へ。SPOT1 五稜郭と箱館戦争の遺構維新へ向け最後の戦いが繰り広げられた地五稜郭は幕末になり江戸幕府によって築かれた、火砲による攻撃に強い星型をした西洋式の要塞である。函館周辺の随所に残された国内最後の内戦の傷跡広大な北海道の中で本州に最も近い道南地域は、函館や松前といった町に代表されるように、歴史や文化が色濃く残されている。そんな道南地域にある北海道遺産には、様々な戦争の爪痕や貿易によって他国からもたらされた文化など、海に向かって開かれた土地ならではの特色が見られる。訪れてみればどこも、それぞれの時代の生活を肌で感じることができる遺産ばかりなのである。北海道の歴史を語るうえで欠かせないのが、明治元年(1868)10月から始まった箱館戦争だ。榎本武揚率いる旧幕府脱走軍艦隊が森町鷲ノ木に上陸し、箱館府があった五稜郭へ進軍。函館を基点にドライブを楽しむなら、まずは五稜郭を目指そう。そのルート上には褐色の山肌を天に突き出す駒ヶ岳と、周囲の景色を鏡のような湖面に写す大沼や小沼が織りなす素晴らしい景観が待っている。特に渡り鳥が羽根を休めるポイントである大沼は、時代を超えて人々の心を捉えて離さない。それは戦いに臨む兵士たちの目には、どのように映ったのかが気になってしまった。五稜郭に無血入城を果たした榎本らは、箱館政権樹立を宣言。しかし明治新政府は明治2年(1869)4月、乙部の海岸に軍を上陸させ反撃を開始。5月には箱館が戦いの舞台となる。「今年は箱館戦争終結から150周年の節目です。そのため市街随所に残る激戦地には順次、新たな案内板を設置している最中です」と、五稜郭タワー企画室長の木村朋希さん。五稜郭タワーは展望台に昇れば、特徴的な星型の稜堡式の城郭を一望することができる。それだけで満足するのではなく、市街地から港、山の方面へも目を向け、激戦地跡にも目を移す。町の景色を見渡すことで、函館山を中心に、函館が海へと突き出た両側に海が迫る独特の地形を持つことも再認識できるはずだ。戦いは今の函館市街だけでなく、江差や松前も含む道南一帯に及んでいるので、激戦の足跡をたどってみるもの面白い。ただし土方歳三が奮戦した二股口古戦場は、樹木に覆われた山深い地なので、クマとの遭遇に要注意だ。SPOT2 内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群全国的にも珍しい「水場の祭祀場」を確認北黄金貝塚では、ひとつの集落に30人程度が暮らしていた。竪穴式住居には7~8人が生活していたとされている。全国的にもあまり例がない貴重な遺跡を間近で見る函館を出て車を内浦湾沿いに進める。室蘭市から函館市までの内浦湾(噴火湾)を囲むエリアからは、縄文時代から近世までの遺跡が数多く発見されている。なかでも縄文時代の早期(7000年前)から中期(6000~4000年前)のものとされる伊達市の「北黄金貝塚」では、大変貴重で興味深い遺跡が発見されている。「縄文文化は”自然と共生”したものと思われがちですが、意外に大量のウニ、カキやホタテなどの採取も行っています。それでも自然環境が保たれたのは、貝塚を全ての生き物の墓地として捉え、そこに人間も埋葬することで、自分たちも自然の一部だということを忘れずにいる。だから必要以上の獲物を取らないという考えが生じ、極端な自然破壊を防いだのだと考えられます」伊達市噴火湾文化研究所の永谷幸人さんは、貝塚は単なるゴミ捨て場ではなく、縄文人にとって神聖な場所であったと語る。そしてそんな貝塚の断面を見ると、様々な動物や魚介類の骨や殻などが交互に積み重なっていた。小高い斜面上にある貝塚からは、目の前に内浦湾が広がり、かすかに潮の香が鼻孔をくすぐる。弓なりに続く陸地は緑に覆われ、今でも豊かな自然に恵まれていることが実感できる素晴らしい地だ。さらに永谷さんは全国的にほとんど例を見ない「水場の祭祀場」にも案内してくれた。遺跡内には縄文時代から変わらずに湧き出ている水場がある。その周囲からは、壊された石の道具がこれまで1200点以上も発見されている。「役目を終えた道具は、壊すことで完全にあの世へ送ったことになったのではないか。それが水が生まれる神聖な場所に納めることで、道具への感謝と再生を祈っていたのだろうと考えられているのです」北黄金貝塚は「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産への登録を目指しており、これからますます注目されるだろう。SPOT3 函館西部地区の街並み明治の面影を色濃く残す通りと建築物末広町電停と大町電停間を走る函館市電800形電車。背後に見えるグリーンの建物は大正2年(1913)築の相馬株式会社社屋。瀟洒な洋館とレトロな路面電車が一幅の絵画にそして、函館へ再び戻って市内へ。安政6年(1859)、日米修好通商条約に伴い箱館港は横浜港、長崎港と共に日本国内初の国際貿易港として開港された。この町は古くから北海道への玄関口であったが、幕末にはいち早く西欧文明を迎え入れる窓口となったのである。現在の函館市街地は内陸部へと広がっているが、もともとの町は函館山麓の、西部旧市街と呼ばれているエリアであった。旧市街には函館山に向かって何本も南北の道がある。その中に「基坂(もといざか)」と名付けられた、ひときわ広い坂道が存在する。坂の上から見下ろすと、まずは海と船が織りなす絵画のような美観に目を奪われる。箱館が貿易港として開港すると、基坂の下に運上所(後の税関)、坂の上には奉行所が置かれた。その名の通り、この坂は町の中心だったのだ。奉行所の跡地には明治43年(1910)9月20日、旧函館区公会堂が開堂する。現在はこの瀟洒な洋館を中心に、一帯は元町公園として整備されている。さらに公園周辺には、和洋折衷の洒落たショップや住宅が建ち並び、格好の散策スポットとなっている。この日は平日だったが、大勢の観光客の姿があり、活気にあふれていた。また函館ハリストス正教会、カトリック元町教会、函館聖ヨハネ教会、真言大谷派東本願寺函館別院という、異なる宗教が肩を並べて建つ、不思議な光景にも遭遇する。これも国際貿易港を持つ、開放的な空気に満ちた函館らしい。坂の上から海側を見下ろすと、港を借景にして走り過ぎる路面電車の姿が見られる。北海道で路面電車が走っている町は函館と札幌だけだ。函館市電は明治30年(1897)12月に馬車鉄道として産声を上げた。そして大正2年(1913)6月には電車化。それは東京以北で初の、路面電車誕生の瞬間であった。函館に遅れること5年、札幌の路面電車は大正7年(1918)に運行を開始。いずれも「まちの顔」となり、現在も両市民の足として活躍している。特に函館市電は古い車両も多く、それが明治期の佇まいを残す街並みを背景に走る姿が、見る者の心に郷愁を抱かせる。車を使った旅であっても、少しの間は駐車場に預け、電車旅を味わってみるのも悪くない。運が良ければ復元されたレトロ車両「箱館ハイカラ號」に遭遇できるだろう。SPOT4 函館山と砲台跡明治後期に要塞化され津軽海峡を防備した実戦を経験することなく、大砲が撤去された砲台跡。軍事施設が生み出した思わぬ副産物に感謝函館という町の特徴を成すのが、海に突き出した標高334mの函館山だ。この山頂から眺める夜景は、日本に関する旅行ガイドである『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で、三つ星として掲載されている。夜景の時間ではなくても山頂から函館市街を一望しようと、大勢の観光客が山頂展望台に集まっていた。だが函館山には、まるで観光客には気づかれたくないかのように、うっそうと茂った木々の中に軍事施設が隠れている。これは明治31年(1898)から4年の歳月を費やし築かれた函館要塞跡で、当時、戦争状態に陥ることが予測されたロシアの艦隊から、造船所が置かれていた函館港と、津軽海峡を守備するために築かれたものだ。だが要塞は一度も実戦を経験することなく、昭和20年(1945)の太平洋戦争終戦と共に砲台や台座などは撤去。コンクリート土台や煉瓦の壁だけが残った。と共に軍事機密を守るために立ち入り禁止だったことで、手つかずの自然も残された。要塞周辺は約600種の植物、約150種の野鳥と遭遇できる。途中の駐車場からはアップダウンも少なく、山道の四方に海が見える景色も飽きないので、ドライブでなえた足には、格好のハイキングコースなのだ。SPOT5 上ノ国の中世の館和人とアイヌの混住説を裏付ける墳墓発見勝山館を築いたのは、松前藩の祖とされる武田信広と伝えられている。夷地のユートピアで和人とアイヌ民族が共存函館から約1時間30分。見渡す限り緑のグラデーションがまぶしい樹木に覆われた山中を抜ける道を走り続ける。そしてやってきた上ノ国は、日本海に面した小さな町であった。わずかな平地の周囲には低山が折り重なる。そのひとつ、標高159mの夷王山からは、1470年頃に築城された山城「勝山館」跡が発見された。弓なりの海岸線を一望する城跡からは、200戸近い和人とアイヌ民族が暮らしてきた痕跡があった。「館の背後から見つかった約650基の墳墓からは、和人の墓の間にアイヌ民族の墓が確認されています。それまで言われてきた和人対アイヌ民族という対立図式は、ここでは当てはまらないのです」上ノ国町教育委員会学芸員の塚田直哉さんの話を伺いながら素晴らしい景観を眺めていると、この城が理想郷に思えてきた。SPOT6 福山(松前)城と寺町最後の日本式城郭と道内唯一の近世的寺町奥は外観が復元された松前城天守と火災を免れた本丸御門。こちらは国の重要文化財。開拓以前の姿を伝える北海道で唯一の和式城郭最後に、道内唯一の日本式城郭が残る松前へ。福山城が竣工したのは幕末の安政元年(1854)。そんな時期に城が築かれた理由は、ロシアやアメリカなどの船舶が、日本海に出没するようになったことから。幕府は北方警備を目的に嘉永2年(1849)、松前崇廣に福山館の改築を命じたのだ。その結果、完成した城は最後期のもので、かつ北海道内唯一の日本式城郭となった。領民は親しみを込めて松前城と呼んだ。城の北側には、これも道内で唯一の近世的な寺町が残る。現在は江戸時代の本堂や庫裏を残す龍雲院をはじめ5つの寺院と歴代松前藩主の墓所が、木立に囲まれた静かな一角に集まっている。城跡から寺町界隈を散策していると、まるで信州あたりの城下町を散策している錯覚に陥る。古木に囲まれた参道からは、荘厳な空気と歴史の重さが感じられた。こうした気持ちを抱かせてくれるのも、北海道の懐の深さであろう。「箱館戦争や太平洋戦争を経ても、無事だった天守は、残念ながら昭和24年(1949)、城跡の麓にある役場で起きた火災で類焼してしまいました。」(松前町教育委員会主査・佐藤雄生さん)それでも、今も美しい日本の風景が残されている松前町。開拓使以前の北海道の姿を知りたければ、ぜひ松前町は訪ねてほしい。※こちらは男の隠れ家2019年8月号より一部抜粋しております

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  • 芸術の世界への扉を開く【VAN ORTON】

    「VAN ORTON」の作品たちは、毎日を華やかに彩る力を秘めたアートで、あなたが普段過ごしている何気ない世界を一変してくれます。それが、この作品たちの持つ魅力です。「ハウルの動く城」。それぞれサイズと色で選ぶことができます。特筆すべきは"ポップなタッチ"と"独特の色使い"。他のアーティストの作品では味わえない斬新さと、見ていて飽きない新鮮さを持ち併せています。ありそうでなかったテイストの作品です。そんなVAN ORTONは、イタリアのトリノ在住の双子アーティストです。彼らにしかできない独特な色使いと、ポップな作風は全ての作品の特徴です。今回はそんな彼らの作品から、ジブリ映画のオマージュ原画をピックアップしました。直筆サインとシリアルNo.入りで、手に入れた方にとっては一生の宝物となるでしょう。作品の価値はあなたが決める。左/「もののけ姫」アシタカ、右/「紅の豚」ポルコ・ロッソ。一般的に美術品の価値は「需要と供給」「歴史的価値」「希少性」から判断されています。そこからオークションによって金額が決まるので、基本的には価値が一定ではありません。そのため、絵画の価値を「金額」で判断してはいけないのです。つまり、1万円の絵画と1億円の絵画、どちらが優れているのか決めるのは、見る人次第ということ。この作品たちの魅力は、一目でわかる絵のクオリティにあり、「アートには興味があるけれど、まだまだ知識が乏しい...」という方々にも作品の良さが理解しやすいはず。好きなアニメーション映画が題材になっている方がその価値を感じやすい、というのは当然ですね。ピカソのキュビズム作品や現代アートの作品は「良さを理解できない...」という人も多いので、直感的に「いいな」と思える人が多いのは、VAN ORTONの作品の素晴らしさと言えます。とはいえ、直筆原画は受注生産のため、希少性という面でも値は張ります。ただ、世界に1点の絵であるからこそ、それ以上に所有する価値が増すのも事実。約1m四方というサイズでリビングや廊下において存在感を放ち、彩りを加えるだけでなくスペースや壁そのものをアート作品に変えてくれます。絵画の持つパワーを感じてみて。「もののけ姫」サン。ジブリの作品をご自宅に飾ってみてはいかがでしょうか。VAN ORTONの作品は日常のあらゆるタイミングで、魅力を感じるでしょう。何気なく絵を目にするたびに気分が明るくなり、なんでもない日常が一瞬で華やかになる。それが、このアート作品の持つパワーです。独特な色使いとポップな作風や直感的な作風、そして部屋に彩りを与える存在感。VAN ORTONの作品はアートを楽しみたいという初心者の方にとっても、世界を変えてくれるきっかけとなる作品になるでしょう。アート作品との出会いは運命で一期一会。ぜひ、後悔のないようにしてください。【商品詳細】商品名:【直筆原画・受注生産】VAN ORTON価格:858,000円 ~ 1,980,000円(税込) サイズ:商品説明欄記載商品の詳細はこちら商品名:【複製原画・数量限定】 VAN ORTON価格:165,000円(税込) サイズ:商品説明欄記載商品の詳細はこちら

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  • TOKYO BAR STORY【銀座編】

    TOKYOには星の数ほどBARがあり、客にサーブするバーテンダーがいる。そして、そこにはやはり星の数ほどの語り尽くせない素敵な物語があるのだ。1.ジャパニーズバーテンディングの技術を世界に知らしめる名門銀座1丁目 【 STAR BAR GINZA 】重厚感あふれる店内はマスターの岸氏がヨーロッパのパブをイメージして部材を見つけてきた。装飾を施した天井がゴージャスな雰囲気に。テーブル席も落ち着いた印象だ。日本のバーテンディングのレベルの高さを世界に知らしめるバーである。接客の洗練さ、軒数、客質。その何を取っても〝日本一のバーの街〟といわれる銀座においても、名バーとしての要素を何ひとつ欠くことがない一軒だろう。オーナーバーテンダーの岸久氏が築いてきた功績が、その理由を物語っている。平成8年(1996)には国際バーテンダー協会(IBA)が催す世界カクテルコンクールにおいて、日本人で初めて優勝。平成20年(2008)には厚生労働大臣によって卓越した技術者のみが表彰される「現代の名工」を、バーテンダ―として初めて受賞。長い間日本バーテンダー協会(NBA)の会長を務め、平成26年(2014)には、各功績を認められ黄綬褒章を受章した。カウンターの正面、バックバーの真ん中に目をやれば、岸氏が、アイラ島の親善大使「アンバサダー・オブ・アイラ」であることを表した額装が飾られている。国内のみならず、海外からこのバーを目指してくる客も多い。彼らがまず一様に驚愕するのが、あまりにも透明すぎる「氷」だ。カウンター内には温度を微妙に変えた3台の冷凍庫を揃え、氷屋から仕入れた純氷の貫目氷を、緩める、締めるを繰り返し、まさに一点の曇もない透き通った氷に仕上げる。店長の吉田達也氏が「仕入れてから3日目でやっとお客様のグラスに届きます」と、さらりと言うその氷は、カクテルを提供する直前によく研がれた包丁で形を整えられピタリとグラスに収められる。液体を注ぐとその透明さゆえに、まるで何も入っていないかのようにフォルムは消え失せ、カクテルを飲んで液体が減っていくにつれ、再び姿を現す。それは〝ニンジャ・アイス〟と呼ばれ、今や海外のバーラヴァーにも知られることとなっている。これだけでも、このバーの良さがわかるというもの。現在、「スタア・バー」は全4店舗を構える。銀座タイズ、京都、東京ミッドタウン日比谷。その中でも本店である銀座は〝芯〟の部分を担うべく、岸氏の教えがひときわ純粋に行き届いているといえよう。入社8年目になるという吉田氏に、マスターからの教えの中で、特に心がけていることを尋ねてみた。「実は、カクテルの技術より何より、一番大事なのは〝差配する〟ことが真髄だと感じています」差配する。それは、迎え入れた客のもてなしであると同時に、バーという限られた空間の空気を守るべく制御の要素も求められるという。例えば、と過去のエピソードを吉田氏が教えてくれた。多くのバーでそうであるように、スタア・バーでは隣客に話しかけることは歓迎されない。ある男女のカップルが来店した時、女性の方が隣席の外国人客と盛り上がってしまい、エスコートしてきた男性が取り残されてしまう状況。当時の先輩バーテンダーが女性客をたしなめるも、状況はむしろエスカレートする一方。やむを得ず、先輩バーテンダーが女性客にかけたのは、「今日はそろそろお引き取りください」という言葉だった。女性客は大層立腹し、バーテンダーに、なんとコップの水をかけて席を後にした。だが、この時、岸氏が弟子にかけた言葉は「それでいい」だった。2人で来たなら、ここでは2人のバーの時間を楽しんでほしい。スタア・バーがたとえ満席でも凛としたバー空間が保たれているのは、そんな差配のおかげであり、それがこのバーの真意というわけだ。「まだまだ経験の浅かった私は、スタア・バーであることはこんなところから気を配るべきなのか、と感じ入りました」と吉田氏は振り返る。岸氏が弟子たちに言う言葉があるというので教えてもらった。「きっちりできないなら、やらない方がまし。だから、やるならしっかりやろう」気も時間も使って、そこそこならやらない方がましだ。だから、やるなら高みを求めて完璧にやりきる。それには、いかに前もって準備をするか。いかに効率的に動くか。いかに頭を使うかということだ。ニンジャ・アイスは、スタア・バーの目指す精神性の高さを物語る、それこそ氷山の一角でしかない。ここに、カクテルごとに使う氷の冷凍庫3台を使い分けていることもさらに付記しておこう。例えばジントニック用の氷、ショートカクテルを作るためのシェイク用の氷、まだ仕入れたばかりの堅さを緩めるために寝かせている氷。でもこれも彼らにとっては日常のこと。聞かない限り、雄弁に語られることはないだろう。慎ましくも、極められし技。氷ひとつからそこに宿るバーテンダーの心意気をくみ取るのも、バーを訪れる愉しみではないだろうか。2.バーテンダー協会の理事長が創業 半世紀以上続く歴史と往年のもてなし銀座5丁目 【 JBA BAR SUZUKI 】長いカウンターを照らす照明は、創業時からのもの。古き良き時代のオーセンティックバーと聞いて浮かぶシーンに、そのまま入り込んだようである。温かみのある明かり。年季の入ったカウンターの手触り。バーテンダーの真摯なもてなし。半世紀以上紡がれてきた歴史がこの空間にある。昭和42年(1967)創業。開いたのはJBAの理事長を務めていたバーテンダー、鈴木昇氏だ。JBAとは、日本最大のバーテンダーの協会である日本バーテンダー協会(NBA)の礎となった団体のこと。「お酒の先生のような存在でした」。鈴木氏のことをそう振り返るのは、現オーナーの吉田奉敬氏である。吉田氏はかつて客として通っていたひとり。昭和46年(1971)の洋酒の輸入自由化解禁の折、自身も輸入を手がけるようになり、右も左もわからない洋酒の手ほどきをしてくれたのが鈴木氏だった。「穏やかで知的で、本を書くのが好きでね。一般者向けのカクテル教室の先生もやっていましたよ」。そんな人柄を慕って、このバーには、多くのインポーターが客として集った。鈴木氏は、彼らの酒を客に紹介し、時に互いの酒を試飲させ、「この酒はこう売ったらいい」なんて講義もしてくれた。だが、64歳で食道がんのために他界してしまう。常連だった吉田氏に「バーと妻を頼むよ」と言い遺した。その後、ひとりで店を切り盛りしていた妻の君子さんから「店をたたもうと思う」と聞いたのは、鈴木氏の死から2年経た頃だった。吉田氏はマスターの遺志を継ぐべく自身がオーナーとなり、バーを移転。今も守り続けている。店長を務める久野修平氏は言う。「ある時代には、バーテンダーが見習いで来るようなバーでした。ここで学んだのは、お客様の状況をくみ取る温かい接客です」。往年の雰囲気をたたえるこのバーも、今年4月には老朽した部分をリニューアルするという。とはいえ、肩肘張らずに過ごせるもてなしが、変わることはない。3.゛銀座のバー”の正統を守る 名店の矜持に満ちた一杯銀座6丁目 【 BAR 保志 】ビルの8階が店舗。正統を味わうにはこの店の扉を開けよう。バーテンダー・保志雄一氏がカクテルと出会ったのは学生時代にアルバイトをしていた宇都宮の名店「パイプのけむり」。酒といえばビールかウイスキーくらいしかなかった当時、色鮮やかなカクテルに魅了された。同時に世界のカクテルコンペティションで活躍するオーナーバーテンダー・大塚徹氏の活躍を間近で見て、〝酒で世界に挑戦できるのか〟と衝撃を受けた。以来42年間カウンターに立ち、自身も国内外のコンペティションでの受賞を重ねてきた。基本に忠実に、そして先駆的に。氏のもとでそんな〝保志イズム〟を学んだ後進たちが今、銀座のいたる所で店を構える。伝えたいのは確かなプロの技術、そして気遣いだ。「間違いのない本物を提供すること。それが銀座という街が持つ伝統です」。銀座が家なら後進の一人ひとりは家族だと、保志氏は続ける。街と酒と人を愛する氏が作るカクテルが、今夜もカウンターを彩る。※こちらは男の隠れ家2019年4月号より一部抜粋しております

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  • 日本で唯一の特許を持つ有田焼コーヒーフィルター

    佐賀県有田町で作られ、江戸時代から400年以上の歴史をもつ有田焼。日本・アメリカでフィルターの製造特許(コーヒーの油が落ちる、微小なサイズの穴を作る技術)成形に関する特許を取得。有田焼セラフィルターは、コーヒー以外にも水やお茶、日本酒などにも使用することができる。株式会社THREE RIVERSは、そんな伝統的な有田焼の存在を守りつつ、日本唯一の特許を取得した技術を持つコーヒーフィルター「有田焼セラフィルター」を製造している。「有田焼セラフィルター」とは、飲み物を通すだけで味がまろやかになるという魔法の道具だ。"多孔質セラミック"という数ミクロンの穴が無数に空いている素材で作られており、そのセラミックスの力と遠赤外線のW効果によって水のカルキ臭や不純物を取り除く。目に見えないほどの細かい網目で不純物を取り除くことができるため、雑味やえぐみを抑え、まろやかな飲み物が愉しめるという仕組みだ。コーヒーや水道水以外にも、緑茶、焼酎、日本酒やワインなど幅広く使うことができ、日常のあらゆる場面で活躍してくれる。コーヒーを淹れる際に使用するペーパーフィルターとの違いは何か?実は、紙のフィルターでは豆本来の旨味や油分を余計に吸い取ってしまうことがある。しかし、この有田焼セラフィルターは雑味を除きつつも、その旨味や油分を吸い取ることなく存分に抽出してくれる。"コーヒーを淹れる度にペーパーを使う必要が無い"というエコな点も、魅力の一つ。セラフィルターの材料&製造方法複数の原料を独自に配合、こだわり抜いて選んだのは有田の天然の井戸水。機械だけでは実現できなかった成形の調整の半分は人の手で。圧をかけ、窯で焼く時間もしっかり取って、手間をかけている。セラフィルターは多孔質のセラミックでできている陶磁器の一種。その多孔質セラミックは工業製品として、浄水器や空気清浄機のフィルター、車のマフラーの触媒など、多岐にわたり使用されている。有田焼セラフィルターの製造方法は、まずは原料を混ぜることから始まる。地元有田で湧く天然の井戸水を入れながら、素材となる土を作っていく。土ができたら、実際に型に入れて成形。成形工程は微妙な力加減や調整が肝になるため、機械化はできず人の手で行われる。職人の丁寧な手仕事が有田焼セラフィルターを支えているのだ。そしてその後、機械によって十分に圧をかけることで形が完成する。ここで、ようやく窯入れに移る。そこから数十時間という通常の倍の時間をかけて焼いていくのだが、繰り返し使える強度を持つ理由がそこに隠されている。当然どの工程も飛ばすことはできない。「手間をかけてでも良いものを作りたい」という企業と職人のこだわりが詰まっている証拠だ。代表の想いTHREE RIVERS代表の三河さん。新しい商品を誕生させたいという意欲は尽きない。熟練の職人さんが手塩にかけて、丁寧に作り上げる有田焼セラフィルター。「高級品として改まって使われるのではなく、日常生活の中で活躍させたい。」そんな想いが込められている。「手間がかかる、今までにない手順がある。逆に、今まで常識とされていた工程がない。そんな新しい製造方法は職人さんに嫌われてしまうし、専用の道具もないので、誰もやりたがらなかった。でも、私達は世の中にまだないものを作りたい。苦労だって面白い。」とTHREE RIVERS代表の三河さんは語る。さらに三河さんは続けた。「現在だけではなく未来の日本、世界、そして地球のためにも、セラフィルターを広めていきたい。」まだまだ新しい商品を誕生させるべく、日々精進していく。【商品詳細】商品名:有田焼 セラフィルター価格:3,300円 ~ 4,950円(税込) サイズ:【3点セット】縦14㎝×横18.5㎝×高さ8.5㎝ 【単品001】縦10.8㎝×横10.8㎝×高さ10.5㎝商品の詳細はこちら【関連商品】商品名:有田焼 ダブルウォールカップ 全6色価格:3,300円 (税込) サイズ:縦:10.5㎝×横:10.5㎝×高さ:10㎝商品の詳細はこちら商品名:有田焼 マグカップ 全6色価格:3,630円(税込) サイズ:縦:13㎝×横:13㎝×高さ:11.5㎝商品の詳細はこちら

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