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冷酒と酒肴の美味しい関係



そば屋の楽しみ方の一つに、酒とつまみを楽しむ「そば前」がある。藪蕎麦(やぶそば)の伝統を受け継ぎ、地酒の知識豊富な「蕎麦 周」の店主に代表的な酒肴(しゅこう)とそれぞれに合わせたい冷酒を紹介してもらった。



蕎麦 周(そば あまね) 

東京都千代田区内神田2-4-11 TEL:03-3256-5566

営業時間:17:30頃~22:30頃

定休日:土日祝

アクセス:JR「神田駅」より徒歩5分

※雑誌掲載時の情報です。


〝そば前〟という江戸っ子の「粋」な慣わし。老舗名店「上野藪蕎麦」などで12年修行し、江戸の食文化にも精通する「蕎麦 周」店主・田中宗孝さんに話を伺った。


そば屋で酒を嗜たしなむ背景には、江戸時代の庶民の生活が深く関係していると語る。「一日2食が基本。早朝に起きて日暮れ前には仕事が終わる、おてんと様と共にある生活。そば屋に通し営業が多いのは、そういった生活のリズムに合わせていたからでは。数少ないコミュニケーションの場でした」客たちはそばが出るまでの少しの間、酒と酒肴を楽しみながら世間話に花を咲かせていたのだろう。


そして現代にもそうした江戸の文化が受け継がれている。実際に老舗そば屋を訪れると、そば前を楽しんでいる人が多いことに気づくはずだ。田中さん曰く、「そば屋の肴は種物の素材を用い、だしやかえしをベースにした味付け。香りが強い酒より、甘味や膨らみがあり、透明感のある酒がしっくりきます」とのこと。


そこで今回はそば屋おなじみの6つの酒肴と、それぞれに合わせたい冷酒を田中さんに厳選していただいた。今夏はそばだけでなく、そば前を粋に楽しんではいかがだろうか。


【出し巻き玉子】

だしの旨味が凝縮された玉子には控えめで上品な味わいの酒を。




そば屋で用いるのは、和食で一般的に用いる花鰹とは違い、厚削りの鰹節。「瞬間的な香りや旨味だけでなく、醤油、みりん、砂糖と合わせても負けない力強さと深さがある。温かいまま提供すると卵の良し悪しが出やすい。卵の質も大事な要素です」と田中さん。


出し巻き玉子自体は主張が強いつまみではないので、繊細な肴の支えになる柔らかい酒を合わせると、落ち着いて飲める取り合わせとなる。




喜一郎の酒特別純米 だしの旨味を後押しする優しい味わいの酒

石鎚 純米吟醸 緑ラベル 四国の大地で醸されるしなやかな飲み口の一本

澤屋まつもと 純米 繊細な料理を支える上品ではんなりとした味わい



【煮穴子】

ふっくらと脂が乗った身は、すっきりキレのいい一杯と共に。



初夏から11月頃までが旬のアナゴ。身がまるまると太って脂が乗り、旨さが増す。とはいえ、脂肪含有量はウナギの約半分。淡白な味が食欲の落ちる夏にも好まれる。天ぷらや煮こごりの素材としても最適である。


煮付けるのは、そばつゆのかえしベースのだし。お酒は、柔らかくも、甘ったるくはないクリアなものがよく合う。すりたてのワサビは、清涼感のあるアクセントになる。




出雲富士 夏雲 特別純米生原酒 のびやかな飲み口がふくよかなアナゴに寄り添う

村祐 夏の生酒 アナゴの旨味と絡み合う上品な余韻

隆 純米吟醸 若水 白ラベル 爽やかな香りと味が甘辛のタレと調和する



【そば味噌】

甘辛い濃厚な味噌は、きれいに醸した一杯を合わせたい。



箸先に付け、唾液と合わせて味わう料理。江戸切りそば屋にはなくてはならない肴の王道で、長期保存がきく。


そばつゆに味噌、調味料を加えて、練りながら加熱して煮詰めていく。ベースのそばつゆと味噌はどちらが主張してもだめで、バランスが大切。弱火でじっくり煮詰めるため、作るのには2時間半ほどかかる根気のいる料理である。それだけに店の個性が出る酒肴である。




豊盃 特別純米 濃厚なそば味噌の味を和らげるような酒

日高見 超辛口純米 味噌のコクと一緒にのびるような旨み

富久長 純米吟醸 山田錦 女性杜氏が造る香り高くなめらかな飲み口



【天抜き】

油とだしが融合する通好みの酒肴にはドライな酒を合わせて。



「天抜き」は天ぷらそばの麺抜きのこと。酒を飲んでいるうちにそばが伸びるのを避けるのと、「〆のそばの前に満腹になりたくない」という意図で頼まれる。裏メニュー的で、「天抜き10年」(10年間通わないと提供してもらえない)という言葉もある。


そば屋はだしに溶け出す油が程よくなるように、天ぷら屋より重めの油を使う傾向がある。油気を流すようなドライな酒を合わせたい。




獅子の里 超辛口純米 辛いというより油を流すようなキレ味

醴泉 活性発砲酒 落ち着きのある香りが天ぷらともよく合う

澤の花 純米 火入れ 輪郭がシャッキリとした透明感あふれる味わい

庭のうぐいす 特別純米 だしと油味を支えるシャープでドライな味わい



【焼き鳥(かえし仕込み)】

鶏肉とかえしの旨味を受け止める、ふわっと柔らかい口当たりの酒。



そばつゆの甘汁、辛汁をバランスよく合わせたタレが特徴。これが鶏肉の旨味を受け止めてくれる。長期にわたって熟成したかえしは、醤油の尖りや、砂糖、みりんの甘ったるさを調整している。


そのタレに、みりんなどの甘味を足して濃厚にし、甘辛さを楽しめるようにしてある。酒は、ファーストインパクトの旨味が大きいもの、あるいは、絡み合いながらもさらりと流れるものが合う。




千峰天青 純米吟醸 口にとどめた鶏肉の旨味と同調するふくよかさ

瀧自慢 吟醸 山田錦 肉の濃厚な味と楽しみたい豊かな香

山和 特別純米 焼き鳥に合う酸と旨味が口中に満足感をもたらす



【揚げナスの煮びたし】

油を吸ったジューシーなナスにフレッシュな飲み口が冴える。



初夏から晩夏に向けて美味しくなるナス。油を吸うことでさらに旨味が増す。「蕎麦周」は、ごま油と上質な綿油を用途によって配合。煮びたしのタレのベースは、甘辛のそばつゆをアレンジしたもので、揚げナスを一晩漬け込み、味を染み込ませている。


酒は、油気のある料理と合わせてもスッキリと杯を進められる、フレッシュな発泡酒や味にのびがある吟醸酒などが適している。




正雪 吟醸 山田錦 油っぽい料理とバランスが取れる辛口

酔右衛門 無濾過生原酒 ボリューム感のある酸味が油を使った料理とぴったり

雁木 活性にごり 発泡純米生原酒 ほのかな甘味と軽い酸発泡の爽快感で涼やかに





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