小さな秘密基地を造る裏技。その3

”秘密基地”と聞いてワクワクするのは子供ばかりではない。大人だってそれは同様だ。ただ大人の場合は、日々の生活の中でそれが「ホッとする」場所になるということ。心身共にリセットして明日からまた頑張ろうといった活力も湧いてくる。そして“秘密基地”は小さい方が良い。ジャストフィットな心地良さに身を委ねてみたい。
1.リビングの一部を区切ったブックカフェのような秘密基地
東京都 O邸
Oさんがこの自分の隠れ家スペースを造ったのは、ひとりの時間を過ごせる場所が欲しいという、男性なら誰にでもある願望を実現したかったからだ。そこで不動産屋巡りを繰り返したが、なかなか自分が住むというイメージが持てない物件ばかりだったのであきらめか
けた時、偶然知ったのが、家探しから生活スタイルに合わせた部屋造りを全て一社で行えるというワンストップリノベーションだった。
こうして念願だった本に囲まれた自分のスペースが実現したのである。「狭いスペースでのんびり本を読んでいると日頃の疲れも忘れてしまいます」とOさん。
この秘密の空間を造る上で譲れなかったのは壁一面の本棚。底板可変式の棚にして美術書や写真集などの大型変形の本から文庫まで収納できるようにした。
また、リビングとの仕切りは格子ガラスと足場板の鉄のパーティションのみにして、家族がいるスペースとの隔絶感を無くし、狭くても窮屈さを感じさせない適度な開放感とこもり感を実現したことも満足しているという。「カーペットの感触が気持ち良くて、よくゴロゴロしていますよ(笑)」
2.ビルトインガレージの奥を趣味の世界にDIYの作業場としても使えるスペース
東京都 水野邸
重厚なアメリカ式オーバースライダーのシャッターを開けると、そこはガレージ。右手にはガラス窓を隔てて玄関が見え、土間でつなげた家の玄関からも出入りできる構造になっている。
そのビルトインガレージの奥まった正面が水野さんの趣味スペースだ。自ら机や棚をD I Y で設置し、趣味のラジコン作り、バイクや自転車の整備などを楽しんでいる。
「手を動かしている時はLPレコードがB G M 。高校の時から集めたものですが、子供たちに触られたくないのでプレイヤーと共にここに置いています」。ひとりになりたい時にはとっておきの場所なのだという。
3.リビングに隠れ家ような小屋とこもれるベッドスペースを
神奈川県 I邸
1 L D K の部屋を広く使えるように壁を造らない空間の一角に、立体利用できる小屋のようなロフトをリビングに設置したIさん。
1階は穴ぐらを思わせる隠れ家的書斎で、その上はベッドスペースになっている。またリビングに面している部分は本棚にしてL D K の空間を無駄なく使っている。
4.白壁とレトロな窓が趣を醸す小さな書斎兼趣味の部屋
東京都 Mom 邸
リビングの隣に設えた書斎はレトロな窓が目を引く居心地のいい空間。窓を設置した理由は光を取り入れることと通気が基本だが、構造上書斎にエアコンが付けられないので、窓の開閉で温度調節をする役割もある。
しかし何より一番は、書斎にいても家族のつながりが感じられることだという。
5.干渉せずに互いの時間を充実させるためベッドルームに造った夫婦別々のミニ書斎
東京都 内野邸
下町の賑わいが残る人気の町で、地下鉄の駅近くのマンションという恵まれた住環境。その高層階に住むのが画家をしながら会社勤務をしている内野隆文さんと、ギャラリーに勤めているという奥さん。
共にアートに関係している夫婦だ。室内に入りエントランスとリビングをつなぐ年代物のドアを通り抜けると、隆文さんの作品やコレクションしているアンティークなどが飾ら
れた白い壁が目に入ってくる。
この壁の内側に夫婦別々のミニ書斎が置かれている寝室がある。アート好きな夫婦が、この理想の部屋を考える際に巡り合ったのがワンストップリノベーションだった。そのシステムを知ったことで部屋造りの理想に近づいたのだ。
「新築物件の整ったきれいな空間ではなく、中古物件を自分たちならではの感覚で、好きなように仕上げることができるシステムが気に入りました」とご主人の隆文さん。そして目指した部屋が、夫婦別々の時間を過ごすミニ書斎を設置することと、アートギャラリーのような空間だった。
ところが、50㎡に満たない空間だったために、夫婦別々のミニ書斎造りがリノベーションの際に一番頭を悩ませる部分となった。図面段階で書斎をリビングに置いたりと紆余曲折、試行錯誤があったという。
そして「ベッドを置く寝室の両端にすれば、適度な距離感が保てるんじゃないか」と考えて、ようやく現在のレイアウトにたどり着いたそうだ。今は〝アートギャラリー〞のよう
な室内の雰囲気に浸り、適度に離れた書斎で自分の時間と空間を楽しむことができて満足です、と語る内野さん夫婦。
気に入ったアンティークや作品に囲まれた部屋から、都会の夜景を眺めながら珈琲を飲むのが一番好きな時間なのだと話してくれた。しかし悩みもある。
「増えてくる自分の作品とアンティークのコレクションを収納する場所を考えないと」。理想の空間造りは未だ道半ばだと語る内野さんだ。
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