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男の隠れ家コンテンツ

  • 夏を満喫する。

    夏の訪れは、ある人にとっては待ち侘びた夏、ある人にとっては暑くて嫌いな季節と、さまざまな感情を呼び起こします。ですが、どんな方においても、過ごし方一つで夏が最高の季節になりますよ。そんな夏を快適に過ごし、満喫できるようなアイテムを4つ紹介します。暑い夏に飲みたい、新しいジュースの形「Pj珠ジュース」「ピュアなジュース(Pure Juice)」の頭文字をとって、「Pj珠」と名付けられました。ぶどうの粒を「磨かれた宝石の珠」になぞらえた、贅沢で特別な飲み物です。ワイン用のぶどうを惜しみなく搾り、発酵前のワインの状態、つまりプレヴィーノ(ワインの前)とも言えるそのジュースには、さまざまな品種の香りと風味が詰まっています。また、アルコールが含まれていないため、お酒が苦手な方でも安心して楽しむことができます。ワイン好きな方にとっても、まだ知らない新たなぶどうの香りや風味を発見するきっかけになるでしょう。「暑い夏を乗り越える美味しい飲み物が欲しい!」「ワインが好きだけど、昼間から飲むのはちょっと…」そんなあなたに、「Pj珠」は新たな夏の楽しみを提供してくれますよ。これまでのぶどうジュースとは一線を画す、まさにワインの原液のような風味と香り。「このジュースを美味しく飲むためなら」と、いつもは嫌な夏の暑さも楽しめるはず。この機会に、ぜひその味わいを体験してみてください。【商品詳細】商品名:PJ珠ジュース価格:2,160円~10,800円(税込)種類:フルーティとまと、 ベーリーA25、フルーティ甲州、巨峰マリアージュ、シャインマスカットキング内容量:720㎜/本(ガラスビン詰)商品の詳細はこちら夏の日差しのダメージ対策に。「ROGEN オイルリッチローション」暑い夏の太陽による紫外線は、日焼けという形で肌にダメージを与えます。そこで、今年の夏から肌の手入れに目を向けてみてはいかがでしょうか。それを1本で実現するのが「ROGEN オイルリッチローション」です。「ROGEN オイルリッチローション」は化粧水からアフターシェーブローションまでの役割を、一手に担うスキンケアアイテム。男性特有の肌の問題に対応するために、低分子のアボガドペプチドや厳選された植物幹細胞、さらに6つの植物エキスなど、肌に必要な成分を豊富に配合しました。肌の角質層に深く浸透するこのローションは、潤いを長時間キープし肌を守る一方で、エイジングケアにも優れた効果を発揮します。肌にツヤとハリが生まれれば、男としての自信にも繋がります。営業やプレゼン、デートやパーティなど、あらゆる場面に堂々と挑むことができるようになるのは、スキンケアの魅力。これまでスキンケアを怠っていたという方、これから肌に気を遣っていきたいという方にぴったりのアイテムです。コンパクトな80mlサイズの容器は、国際線の機内への持ち込みも可能。出張や旅行、ジムやゴルフといったあらゆる場面で、手軽にスキンケアができます。自分の肌を常にケアすることができ、魅力的に年齢を重ねるサポートをしてくれる存在となるでしょう。思い立ったが吉日。年齢を感じさせない肌を手に入れるために、できることを今のうちからしておきましょう。【商品詳細】商品名:ROGENオイルリッチローション価格:5,470円(税込) 内容量:80ml商品の詳細はこちらグランピングテント「Octough」で贅沢なリゾート体験を。夏の贅沢な過ごし方として、純国産の常設グランピングテント「Octough」をご紹介いたします。「Octough」は日本の風土で育まれた国産の木材をフレームに、建築でも使用されるテント生地を採用した、自然を感じるグランピングテントです。埼玉県飯能市産の杉材と飯能市内加工のテント地を採用。それらが組み合わさって生まれる八角形の構造は、強度とラグジュアリー感を象徴しています。窓部分は透明の生地で一体化されているため、雨を気にせず外の風景を見たり、満点の星空を眺めることもできます。また、内側にはメッシュ素材が貼られていて通気性に優れているため、非常に快適。上部にはメッシュ素材の通気口も設けられているので、テント内は常に新鮮な空気で満たされ、適温に保たれます。「Octough」は、ただのキャンピングテントではなく、ライフスタイルの一部となること間違いなし。自然の中でのゆったりとした時間、家族や友人と過ごす贅沢な時間、それを一段と豊かにしてくれる存在です。新たな夏の過ごし方を模索しているあなたに、ぜひ。【商品詳細】商品名:グランピングテント オクタフ価格:1,650,000円(税込) 重量:200kg商品の詳細はこちら身近にあるもので飲み物を冷やす。今までにない「ボトルクーラー」とはボトルクーラーと言えば、氷を入れたバケツや断熱材を使ったポーチ型を思い浮かべる方が多いかもしれません。奈良の老舗靴下メーカー「昌和莫大小(しょうわめりやす)」から登場したボトルクーラーは、靴下型で今までにない形状が最大の特徴です。靴下のようなボトルクーラーは、濡らして被せるだけで、その気化熱によってボトルの温度を保つメカニズムを採用。靴下生産量日本一を誇る「靴下のまち」、奈良県広陵町の技術力と、大のアウトドア好きである社長の井上さんの、独創的なアイデアから生まれました。実際に、同じ条件下のワインボトル2本のうち、ボトルクーラーを使用しなかった方は4時間後に10.9度上昇。一方で、ボトルクーラーを使用した方は7.2度の上昇と、明らかな差が見られたというのも驚きです。かつてないほど手軽なこのボトルクーラーは、アウトドアから日常的な使い方まで、さまざまなシーンで大活躍してくれます。また、ニットの「伸び縮み」によってボトルの形状が変わっても使用でき、ワインだけでなく、缶ビールを冷やすときに使えるのも嬉しいポイントです。さまざまな柄をラインナップしているので、好みやシーンに合わせて選ぶ楽しさもありますよ。冷たい飲み物のひんやり感をキープして、うだるような暑い夏を乗り切ってみて。【商品詳細】商品名:ボトルクーラー 価格:1,980円(税込) カラー展開:ジオメトリック、ブラック&ホワイト、ウェーブタイプ(各3種類)商品の詳細はこちら必ずやって来る夏。どうせ来るなら満喫しないと勿体無い!夏の魅力を最大限に引き出すためのアイテムを紹介しました。どれだけ夏が嫌だと思っていても、来てしまうのだから仕方ありません。夏が好きになるきっかけになるかもしれませんし、快適に過ごせるきっかけが見つかるかも。楽しんだ者勝ちの精神で、暑い夏を乗り切りましょう!

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  • River Fishing CAMP -やってみません?ソロキャンプ-

    トラウトと戯れる緑深き渓川音を聴きながら焚き火を楽しむ。渓流釣りとキャンプの相性はとてもいい。美しい渓流には総じて素晴らしいキャンプフィールドがあり、釣り人は焚き火を前に今日の釣果を想う。歩き疲れた体を癒す食と酒もまた、旨い。深い山に分け入り渓を歩く自然を存分に味わう時間山林が広がる埼玉県飯能市の名栗地区。西川材という良質な杉の産地で自然豊かだ。都心からも2時間弱で行けるため、釣りをはじめ、アウトドアアクティビティの拠点にするアウトドアマンも多い。渓流釣り師の朝は早いものと決まっている。早朝4時半、雨上がりの森にはまだ濃い霧がかかっていて、山々の全貌は見渡せない。規則正しく並んだ杉や檜の針葉樹の山に、山鳩の低い鳴き声だけが響いている。目の前を流れる美しい渓流。数日降り続いた雨のおかげで水量が増えて適度な笹濁り、まさにベストコンディションだ。素晴らしい渓流魚を1尾、なんとか釣り上げたい。早々にウェーダー(胴長)を着て愛用のフィッシングベストを羽織り、ウェーディングシューズを履いた。3.6mのテンカラロッドを1本持ち、ワレットの中には替えのテンカラ毛針を多数仕込む。最小限の装備で渓流を歩くこのテンカラ釣り、実は日本の伝統的な渓流釣り手法であり、近年は欧米でも人気が高まっているという。餌釣りのほか、ルアーやフライなど様々な手法があるが、今日はテンカラでトラウト(ニジマス、イワナ、ヤマメなど)を狙っていく。小さなポイントも見逃さず毛針を流す。しかし見た目以上に水量が多く、遡行すらままならない。日没に気をつけながら慎重に遡り、深場では沈む毛針をチョイスしてキャストを繰り返した。リリースサイズのヤマメが毛針を追うのが見えるが、なかなかヒットせず。しかし渓流釣りとはこんなものだ。釣れるに越したことはないが、釣れなくても川を歩くだけで気持ちがいい。いや、そんな無理やりの納得をもう何度したことか。それでも渓流が解禁すると、私はひとり渓に立っているのだ渓流釣りとソロキャンプそれはワンセットなのだテンカラロッドを振る。狭い渓流ゆえ、枝葉も多く、ロッドのテイクバックがとても難しい......。渓流釣りに出かける日、その夜もし泊まれる時間があるならば、私はその渓流近くのフィールドでキャンプをしようと決めている。今日も渓流からほど近い場所にある「ケニーズ・ファミリー・ビレッジ」(埼玉県・飯能市)に1泊お世話になることにした。人気のキャンプ場だとは聞いていたが、なるほど、それも頷ける。野宿キャンパー寄りの私にはもったいないほど整ったフィールド、清潔で安全な設備、そしてなによりスタッフの接客が素晴らしい。ファミリーと名が付くキャンプ場ではあるが、聞けばソロキャンパーも意外に多いらしい。「平日、ぶらっとお見えになる熟年男性のソロキャンパーさんもいらっしゃいますよ」。まさに私がそれだろう。川音が聴けるサイトがいいなと思っていたのでその旨を伝えると、河原サイト(7〜8月は日帰りの利用のみ可)を案内してくれた。チェックインを済ませて薪を2束(箱)購入し、早速サイトへと向かう。そして設営の前、まずはお決まりの儀式から。今日は深夜出発のため、昨夜我慢していたビールが疲れた体にジワーッと染み入っていく。この一杯があるから釣りとキャンプはやめられない。いや、私はもうこの一杯のために釣りをしているのかもしれないな。渓流釣りをする人ならきっと共感していただけるだろう。ソロキャンプなので装備も最小限のギアしか持参していない。ゆえにサイトもコンパクト、全体的にミニマムだ。今日はモンベルのムーンライト1型でインナーテントを使わず、グランドシートとフライシートを直結してテント代わりのシェルターを作った。焚き火に強いコットンTCのタープを張ってヘリノックスのテーブル&チェア、焚き火台と簡易的なトライポッドを配置したら完成。ミニマムとはいえ、快適さや自分の嗜好には贅沢でいたい。だからフィールド選びも焚き火ができる場所であることが大前提。何かをしなくてはいけないという決まりはないが、美味しい料理と酒があり、焚き火キャンプを楽しむというのが小さなこだわりなのである。イワナのホイル焼き、夏野菜のラタトゥイユ、チキンの白ワイン煮などを自家製レモンサワーを飲みながらのんびり下ごしらえしていく。さっきまでBBQをしていた若者が会釈をして帰って行った。河原には私ひとり。カジカガエルが鳴く渓を目の前に、静かで優しい夏の夕暮れがやってきた焚き火と美味しい料理と酒 ソロでしか味わえない贅沢料理を作り終えると、後は食べること、飲むこと、焚き火をいじることしかしない。いつ寝ても誰にも怒られるわけではないが、酒を飲みつつ焚き火の前でだらだらしてしまう人も多いだろう。眠くなってきたらヘッドライトと文庫本を持ってテントイン。が、3ページも読まずに寝てしまうのも、いつものこと。夜の帳が下りる頃、小さなメッシュランタンに火を灯した。サイト全体が明るくなるほどの照度はないが、テーブルランタンとしては十分な明るさ。雰囲気も悪くないのでもう長年愛用している。そして下ごしらえしておいた料理各種を仕込むため、焚き火に薪をくべて火力を上げていく。お気に入りの8インチダッチオーブンでチキンの両面をじっくり焼いたら、安い白ワインをひたひたに注いでコンソメと粉チーズを大量に投入する。このままトライポッドに引っ掛けてアルコール分が飛ぶまでかまわず放っておく。さらに、シングルバーナーの上にヨコザワテッパンを載せ、イワナの腹にマイタケと大葉を入れて包んだホイル焼きを蒸し焼きにした。とにかくこのヨコザワテッパンが優秀だ。ソロキャンプ(見た目は小さいが4人くらいまでなら余裕で使える)にはもってこいの万能鉄板で、私はどこに行くにもキャンプギアの中に忍ばせておいて愛用している。ここ数年、この〝ちまちま〞感をたまらなく愛しているのである。さらに小さなスキレットでバター味の焼き枝豆も作った。これをつまみにしてレモンサワーを飲むのが今のお気に入り。ラタトゥイユは焚き火が勝手に作ってくれるし、ここからは何もしない〝ひとり飲み時間〞の始まりだ。ひとりで釣りをしたりキャンプすることは寂しくないかとよく聞かれるのだが、話相手がいないという点だけでいえば寂しさがないわけではない。ただ、真剣に渓流釣りを楽しんだ後のソロキャンプでは、その余韻にひとりどっぷり浸るのがきっと私は好きなんだな。仲間たちとワイワイと楽しむ賑やかなキャンプもいいけど、釣りで疲れた日は誰にも気を遣わない自分勝手なソロキャンプがやはり一番いいと思っている。焚き火の火力を少しだけ落とし、ダッチオーブンの蓋をずらす。白ワインのアルコール分はもうほぼ飛んで、濃い目のスープの中でチキンがグツグツと煮えている。夏野菜がたっぷり入ったラタトゥイユとチキンを味わいながら、今度は山桜のククサでアイリッシュウイスキーをちびちび飲んだ。こんなソロキャンプをもう何年やってきただろう。栃木の山奥で焼いた地鶏は最高だったな。郡上の雨の釣りキャンプ、鮎の塩焼きと焼酎が美味しかった。伊那谷ではマトンロースをたらふく食べて日本酒をしこたまを飲んだっけ。新しくくべた太めの薪がパチンと爆ぜ、火の粉が勢い良く舞った。気持ちの良い酔いに包まれて、私は楽しかったソロキャンプの場面を思い出していたケニーズ・ファミリー・ビレッジ/オートキャンプ場都心からアクセスも良く、管理も行き届いた人気の高規格キャンプ場。キャンプ場の名にファミリーと付くが、ソロキャンパーにも人気があり、特にオフシーズンの河原サイトはお勧めだ。 埼玉県飯能市上名栗3196 アクセス/圏央道「青梅IC」より約30分 HP/www.kfv.co.jp 【商品詳細】商品名:冒険用品 ヨコザワテッパン ポケット(ヨコザワテッパン ポケットサイズ付き)価格:2,500円(税込) サイズ:縦25.7cm×横18.2cm×高さ0.14cm商品の詳細はこちら※こちらは男の隠れ家2019年10月号より一部抜粋しております

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  • 大人の夏旅、北海道。【江差・函館・松前編】

    北海道の中でも最も本州に近く、海に開かれた江差・函館・松前エリア。幕末から明治の歴史の面影を色濃く残し、国際貿易港として栄えた函館をはじめ道南エリアの北海道遺産を巡る旅へ。SPOT1 五稜郭と箱館戦争の遺構維新へ向け最後の戦いが繰り広げられた地五稜郭は幕末になり江戸幕府によって築かれた、火砲による攻撃に強い星型をした西洋式の要塞である。函館周辺の随所に残された国内最後の内戦の傷跡広大な北海道の中で本州に最も近い道南地域は、函館や松前といった町に代表されるように、歴史や文化が色濃く残されている。そんな道南地域にある北海道遺産には、様々な戦争の爪痕や貿易によって他国からもたらされた文化など、海に向かって開かれた土地ならではの特色が見られる。訪れてみればどこも、それぞれの時代の生活を肌で感じることができる遺産ばかりなのである。北海道の歴史を語るうえで欠かせないのが、明治元年(1868)10月から始まった箱館戦争だ。榎本武揚率いる旧幕府脱走軍艦隊が森町鷲ノ木に上陸し、箱館府があった五稜郭へ進軍。函館を基点にドライブを楽しむなら、まずは五稜郭を目指そう。そのルート上には褐色の山肌を天に突き出す駒ヶ岳と、周囲の景色を鏡のような湖面に写す大沼や小沼が織りなす素晴らしい景観が待っている。特に渡り鳥が羽根を休めるポイントである大沼は、時代を超えて人々の心を捉えて離さない。それは戦いに臨む兵士たちの目には、どのように映ったのかが気になってしまった。五稜郭に無血入城を果たした榎本らは、箱館政権樹立を宣言。しかし明治新政府は明治2年(1869)4月、乙部の海岸に軍を上陸させ反撃を開始。5月には箱館が戦いの舞台となる。「今年は箱館戦争終結から150周年の節目です。そのため市街随所に残る激戦地には順次、新たな案内板を設置している最中です」と、五稜郭タワー企画室長の木村朋希さん。五稜郭タワーは展望台に昇れば、特徴的な星型の稜堡式の城郭を一望することができる。それだけで満足するのではなく、市街地から港、山の方面へも目を向け、激戦地跡にも目を移す。町の景色を見渡すことで、函館山を中心に、函館が海へと突き出た両側に海が迫る独特の地形を持つことも再認識できるはずだ。戦いは今の函館市街だけでなく、江差や松前も含む道南一帯に及んでいるので、激戦の足跡をたどってみるもの面白い。ただし土方歳三が奮戦した二股口古戦場は、樹木に覆われた山深い地なので、クマとの遭遇に要注意だ。SPOT2 内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群全国的にも珍しい「水場の祭祀場」を確認北黄金貝塚では、ひとつの集落に30人程度が暮らしていた。竪穴式住居には7~8人が生活していたとされている。全国的にもあまり例がない貴重な遺跡を間近で見る函館を出て車を内浦湾沿いに進める。室蘭市から函館市までの内浦湾(噴火湾)を囲むエリアからは、縄文時代から近世までの遺跡が数多く発見されている。なかでも縄文時代の早期(7000年前)から中期(6000~4000年前)のものとされる伊達市の「北黄金貝塚」では、大変貴重で興味深い遺跡が発見されている。「縄文文化は”自然と共生”したものと思われがちですが、意外に大量のウニ、カキやホタテなどの採取も行っています。それでも自然環境が保たれたのは、貝塚を全ての生き物の墓地として捉え、そこに人間も埋葬することで、自分たちも自然の一部だということを忘れずにいる。だから必要以上の獲物を取らないという考えが生じ、極端な自然破壊を防いだのだと考えられます」伊達市噴火湾文化研究所の永谷幸人さんは、貝塚は単なるゴミ捨て場ではなく、縄文人にとって神聖な場所であったと語る。そしてそんな貝塚の断面を見ると、様々な動物や魚介類の骨や殻などが交互に積み重なっていた。小高い斜面上にある貝塚からは、目の前に内浦湾が広がり、かすかに潮の香が鼻孔をくすぐる。弓なりに続く陸地は緑に覆われ、今でも豊かな自然に恵まれていることが実感できる素晴らしい地だ。さらに永谷さんは全国的にほとんど例を見ない「水場の祭祀場」にも案内してくれた。遺跡内には縄文時代から変わらずに湧き出ている水場がある。その周囲からは、壊された石の道具がこれまで1200点以上も発見されている。「役目を終えた道具は、壊すことで完全にあの世へ送ったことになったのではないか。それが水が生まれる神聖な場所に納めることで、道具への感謝と再生を祈っていたのだろうと考えられているのです」北黄金貝塚は「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産への登録を目指しており、これからますます注目されるだろう。SPOT3 函館西部地区の街並み明治の面影を色濃く残す通りと建築物末広町電停と大町電停間を走る函館市電800形電車。背後に見えるグリーンの建物は大正2年(1913)築の相馬株式会社社屋。瀟洒な洋館とレトロな路面電車が一幅の絵画にそして、函館へ再び戻って市内へ。安政6年(1859)、日米修好通商条約に伴い箱館港は横浜港、長崎港と共に日本国内初の国際貿易港として開港された。この町は古くから北海道への玄関口であったが、幕末にはいち早く西欧文明を迎え入れる窓口となったのである。現在の函館市街地は内陸部へと広がっているが、もともとの町は函館山麓の、西部旧市街と呼ばれているエリアであった。旧市街には函館山に向かって何本も南北の道がある。その中に「基坂(もといざか)」と名付けられた、ひときわ広い坂道が存在する。坂の上から見下ろすと、まずは海と船が織りなす絵画のような美観に目を奪われる。箱館が貿易港として開港すると、基坂の下に運上所(後の税関)、坂の上には奉行所が置かれた。その名の通り、この坂は町の中心だったのだ。奉行所の跡地には明治43年(1910)9月20日、旧函館区公会堂が開堂する。現在はこの瀟洒な洋館を中心に、一帯は元町公園として整備されている。さらに公園周辺には、和洋折衷の洒落たショップや住宅が建ち並び、格好の散策スポットとなっている。この日は平日だったが、大勢の観光客の姿があり、活気にあふれていた。また函館ハリストス正教会、カトリック元町教会、函館聖ヨハネ教会、真言大谷派東本願寺函館別院という、異なる宗教が肩を並べて建つ、不思議な光景にも遭遇する。これも国際貿易港を持つ、開放的な空気に満ちた函館らしい。坂の上から海側を見下ろすと、港を借景にして走り過ぎる路面電車の姿が見られる。北海道で路面電車が走っている町は函館と札幌だけだ。函館市電は明治30年(1897)12月に馬車鉄道として産声を上げた。そして大正2年(1913)6月には電車化。それは東京以北で初の、路面電車誕生の瞬間であった。函館に遅れること5年、札幌の路面電車は大正7年(1918)に運行を開始。いずれも「まちの顔」となり、現在も両市民の足として活躍している。特に函館市電は古い車両も多く、それが明治期の佇まいを残す街並みを背景に走る姿が、見る者の心に郷愁を抱かせる。車を使った旅であっても、少しの間は駐車場に預け、電車旅を味わってみるのも悪くない。運が良ければ復元されたレトロ車両「箱館ハイカラ號」に遭遇できるだろう。SPOT4 函館山と砲台跡明治後期に要塞化され津軽海峡を防備した実戦を経験することなく、大砲が撤去された砲台跡。軍事施設が生み出した思わぬ副産物に感謝函館という町の特徴を成すのが、海に突き出した標高334mの函館山だ。この山頂から眺める夜景は、日本に関する旅行ガイドである『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で、三つ星として掲載されている。夜景の時間ではなくても山頂から函館市街を一望しようと、大勢の観光客が山頂展望台に集まっていた。だが函館山には、まるで観光客には気づかれたくないかのように、うっそうと茂った木々の中に軍事施設が隠れている。これは明治31年(1898)から4年の歳月を費やし築かれた函館要塞跡で、当時、戦争状態に陥ることが予測されたロシアの艦隊から、造船所が置かれていた函館港と、津軽海峡を守備するために築かれたものだ。だが要塞は一度も実戦を経験することなく、昭和20年(1945)の太平洋戦争終戦と共に砲台や台座などは撤去。コンクリート土台や煉瓦の壁だけが残った。と共に軍事機密を守るために立ち入り禁止だったことで、手つかずの自然も残された。要塞周辺は約600種の植物、約150種の野鳥と遭遇できる。途中の駐車場からはアップダウンも少なく、山道の四方に海が見える景色も飽きないので、ドライブでなえた足には、格好のハイキングコースなのだ。SPOT5 上ノ国の中世の館和人とアイヌの混住説を裏付ける墳墓発見勝山館を築いたのは、松前藩の祖とされる武田信広と伝えられている。夷地のユートピアで和人とアイヌ民族が共存函館から約1時間30分。見渡す限り緑のグラデーションがまぶしい樹木に覆われた山中を抜ける道を走り続ける。そしてやってきた上ノ国は、日本海に面した小さな町であった。わずかな平地の周囲には低山が折り重なる。そのひとつ、標高159mの夷王山からは、1470年頃に築城された山城「勝山館」跡が発見された。弓なりの海岸線を一望する城跡からは、200戸近い和人とアイヌ民族が暮らしてきた痕跡があった。「館の背後から見つかった約650基の墳墓からは、和人の墓の間にアイヌ民族の墓が確認されています。それまで言われてきた和人対アイヌ民族という対立図式は、ここでは当てはまらないのです」上ノ国町教育委員会学芸員の塚田直哉さんの話を伺いながら素晴らしい景観を眺めていると、この城が理想郷に思えてきた。SPOT6 福山(松前)城と寺町最後の日本式城郭と道内唯一の近世的寺町奥は外観が復元された松前城天守と火災を免れた本丸御門。こちらは国の重要文化財。開拓以前の姿を伝える北海道で唯一の和式城郭最後に、道内唯一の日本式城郭が残る松前へ。福山城が竣工したのは幕末の安政元年(1854)。そんな時期に城が築かれた理由は、ロシアやアメリカなどの船舶が、日本海に出没するようになったことから。幕府は北方警備を目的に嘉永2年(1849)、松前崇廣に福山館の改築を命じたのだ。その結果、完成した城は最後期のもので、かつ北海道内唯一の日本式城郭となった。領民は親しみを込めて松前城と呼んだ。城の北側には、これも道内で唯一の近世的な寺町が残る。現在は江戸時代の本堂や庫裏を残す龍雲院をはじめ5つの寺院と歴代松前藩主の墓所が、木立に囲まれた静かな一角に集まっている。城跡から寺町界隈を散策していると、まるで信州あたりの城下町を散策している錯覚に陥る。古木に囲まれた参道からは、荘厳な空気と歴史の重さが感じられた。こうした気持ちを抱かせてくれるのも、北海道の懐の深さであろう。「箱館戦争や太平洋戦争を経ても、無事だった天守は、残念ながら昭和24年(1949)、城跡の麓にある役場で起きた火災で類焼してしまいました。」(松前町教育委員会主査・佐藤雄生さん)それでも、今も美しい日本の風景が残されている松前町。開拓使以前の北海道の姿を知りたければ、ぜひ松前町は訪ねてほしい。※こちらは男の隠れ家2019年8月号より一部抜粋しております

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  • 芸術の世界への扉を開く【VAN ORTON】

    「VAN ORTON」の作品たちは、毎日を華やかに彩る力を秘めたアートで、あなたが普段過ごしている何気ない世界を一変してくれます。それが、この作品たちの持つ魅力です。「ハウルの動く城」。それぞれサイズと色で選ぶことができます。特筆すべきは"ポップなタッチ"と"独特の色使い"。他のアーティストの作品では味わえない斬新さと、見ていて飽きない新鮮さを持ち併せています。ありそうでなかったテイストの作品です。そんなVAN ORTONは、イタリアのトリノ在住の双子アーティストです。彼らにしかできない独特な色使いと、ポップな作風は全ての作品の特徴です。今回はそんな彼らの作品から、ジブリ映画のオマージュ原画をピックアップしました。直筆サインとシリアルNo.入りで、手に入れた方にとっては一生の宝物となるでしょう。作品の価値はあなたが決める。左/「もののけ姫」アシタカ、右/「紅の豚」ポルコ・ロッソ。一般的に美術品の価値は「需要と供給」「歴史的価値」「希少性」から判断されています。そこからオークションによって金額が決まるので、基本的には価値が一定ではありません。そのため、絵画の価値を「金額」で判断してはいけないのです。つまり、1万円の絵画と1億円の絵画、どちらが優れているのか決めるのは、見る人次第ということ。この作品たちの魅力は、一目でわかる絵のクオリティにあり、「アートには興味があるけれど、まだまだ知識が乏しい...」という方々にも作品の良さが理解しやすいはず。好きなアニメーション映画が題材になっている方がその価値を感じやすい、というのは当然ですね。ピカソのキュビズム作品や現代アートの作品は「良さを理解できない...」という人も多いので、直感的に「いいな」と思える人が多いのは、VAN ORTONの作品の素晴らしさと言えます。とはいえ、直筆原画は受注生産のため、希少性という面でも値は張ります。ただ、世界に1点の絵であるからこそ、それ以上に所有する価値が増すのも事実。約1m四方というサイズでリビングや廊下において存在感を放ち、彩りを加えるだけでなくスペースや壁そのものをアート作品に変えてくれます。絵画の持つパワーを感じてみて。「もののけ姫」サン。ジブリの作品をご自宅に飾ってみてはいかがでしょうか。VAN ORTONの作品は日常のあらゆるタイミングで、魅力を感じるでしょう。何気なく絵を目にするたびに気分が明るくなり、なんでもない日常が一瞬で華やかになる。それが、このアート作品の持つパワーです。独特な色使いとポップな作風や直感的な作風、そして部屋に彩りを与える存在感。VAN ORTONの作品はアートを楽しみたいという初心者の方にとっても、世界を変えてくれるきっかけとなる作品になるでしょう。アート作品との出会いは運命で一期一会。ぜひ、後悔のないようにしてください。【商品詳細】商品名:【直筆原画・受注生産】VAN ORTON価格:858,000円 ~ 1,980,000円(税込) サイズ:商品説明欄記載商品の詳細はこちら商品名:【複製原画・数量限定】 VAN ORTON価格:165,000円(税込) サイズ:商品説明欄記載商品の詳細はこちら

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  • TOKYO BAR STORY【銀座編】

    TOKYOには星の数ほどBARがあり、客にサーブするバーテンダーがいる。そして、そこにはやはり星の数ほどの語り尽くせない素敵な物語があるのだ。1.ジャパニーズバーテンディングの技術を世界に知らしめる名門銀座1丁目 【 STAR BAR GINZA 】重厚感あふれる店内はマスターの岸氏がヨーロッパのパブをイメージして部材を見つけてきた。装飾を施した天井がゴージャスな雰囲気に。テーブル席も落ち着いた印象だ。日本のバーテンディングのレベルの高さを世界に知らしめるバーである。接客の洗練さ、軒数、客質。その何を取っても〝日本一のバーの街〟といわれる銀座においても、名バーとしての要素を何ひとつ欠くことがない一軒だろう。オーナーバーテンダーの岸久氏が築いてきた功績が、その理由を物語っている。平成8年(1996)には国際バーテンダー協会(IBA)が催す世界カクテルコンクールにおいて、日本人で初めて優勝。平成20年(2008)には厚生労働大臣によって卓越した技術者のみが表彰される「現代の名工」を、バーテンダ―として初めて受賞。長い間日本バーテンダー協会(NBA)の会長を務め、平成26年(2014)には、各功績を認められ黄綬褒章を受章した。カウンターの正面、バックバーの真ん中に目をやれば、岸氏が、アイラ島の親善大使「アンバサダー・オブ・アイラ」であることを表した額装が飾られている。国内のみならず、海外からこのバーを目指してくる客も多い。彼らがまず一様に驚愕するのが、あまりにも透明すぎる「氷」だ。カウンター内には温度を微妙に変えた3台の冷凍庫を揃え、氷屋から仕入れた純氷の貫目氷を、緩める、締めるを繰り返し、まさに一点の曇もない透き通った氷に仕上げる。店長の吉田達也氏が「仕入れてから3日目でやっとお客様のグラスに届きます」と、さらりと言うその氷は、カクテルを提供する直前によく研がれた包丁で形を整えられピタリとグラスに収められる。液体を注ぐとその透明さゆえに、まるで何も入っていないかのようにフォルムは消え失せ、カクテルを飲んで液体が減っていくにつれ、再び姿を現す。それは〝ニンジャ・アイス〟と呼ばれ、今や海外のバーラヴァーにも知られることとなっている。これだけでも、このバーの良さがわかるというもの。現在、「スタア・バー」は全4店舗を構える。銀座タイズ、京都、東京ミッドタウン日比谷。その中でも本店である銀座は〝芯〟の部分を担うべく、岸氏の教えがひときわ純粋に行き届いているといえよう。入社8年目になるという吉田氏に、マスターからの教えの中で、特に心がけていることを尋ねてみた。「実は、カクテルの技術より何より、一番大事なのは〝差配する〟ことが真髄だと感じています」差配する。それは、迎え入れた客のもてなしであると同時に、バーという限られた空間の空気を守るべく制御の要素も求められるという。例えば、と過去のエピソードを吉田氏が教えてくれた。多くのバーでそうであるように、スタア・バーでは隣客に話しかけることは歓迎されない。ある男女のカップルが来店した時、女性の方が隣席の外国人客と盛り上がってしまい、エスコートしてきた男性が取り残されてしまう状況。当時の先輩バーテンダーが女性客をたしなめるも、状況はむしろエスカレートする一方。やむを得ず、先輩バーテンダーが女性客にかけたのは、「今日はそろそろお引き取りください」という言葉だった。女性客は大層立腹し、バーテンダーに、なんとコップの水をかけて席を後にした。だが、この時、岸氏が弟子にかけた言葉は「それでいい」だった。2人で来たなら、ここでは2人のバーの時間を楽しんでほしい。スタア・バーがたとえ満席でも凛としたバー空間が保たれているのは、そんな差配のおかげであり、それがこのバーの真意というわけだ。「まだまだ経験の浅かった私は、スタア・バーであることはこんなところから気を配るべきなのか、と感じ入りました」と吉田氏は振り返る。岸氏が弟子たちに言う言葉があるというので教えてもらった。「きっちりできないなら、やらない方がまし。だから、やるならしっかりやろう」気も時間も使って、そこそこならやらない方がましだ。だから、やるなら高みを求めて完璧にやりきる。それには、いかに前もって準備をするか。いかに効率的に動くか。いかに頭を使うかということだ。ニンジャ・アイスは、スタア・バーの目指す精神性の高さを物語る、それこそ氷山の一角でしかない。ここに、カクテルごとに使う氷の冷凍庫3台を使い分けていることもさらに付記しておこう。例えばジントニック用の氷、ショートカクテルを作るためのシェイク用の氷、まだ仕入れたばかりの堅さを緩めるために寝かせている氷。でもこれも彼らにとっては日常のこと。聞かない限り、雄弁に語られることはないだろう。慎ましくも、極められし技。氷ひとつからそこに宿るバーテンダーの心意気をくみ取るのも、バーを訪れる愉しみではないだろうか。2.バーテンダー協会の理事長が創業 半世紀以上続く歴史と往年のもてなし銀座5丁目 【 JBA BAR SUZUKI 】長いカウンターを照らす照明は、創業時からのもの。古き良き時代のオーセンティックバーと聞いて浮かぶシーンに、そのまま入り込んだようである。温かみのある明かり。年季の入ったカウンターの手触り。バーテンダーの真摯なもてなし。半世紀以上紡がれてきた歴史がこの空間にある。昭和42年(1967)創業。開いたのはJBAの理事長を務めていたバーテンダー、鈴木昇氏だ。JBAとは、日本最大のバーテンダーの協会である日本バーテンダー協会(NBA)の礎となった団体のこと。「お酒の先生のような存在でした」。鈴木氏のことをそう振り返るのは、現オーナーの吉田奉敬氏である。吉田氏はかつて客として通っていたひとり。昭和46年(1971)の洋酒の輸入自由化解禁の折、自身も輸入を手がけるようになり、右も左もわからない洋酒の手ほどきをしてくれたのが鈴木氏だった。「穏やかで知的で、本を書くのが好きでね。一般者向けのカクテル教室の先生もやっていましたよ」。そんな人柄を慕って、このバーには、多くのインポーターが客として集った。鈴木氏は、彼らの酒を客に紹介し、時に互いの酒を試飲させ、「この酒はこう売ったらいい」なんて講義もしてくれた。だが、64歳で食道がんのために他界してしまう。常連だった吉田氏に「バーと妻を頼むよ」と言い遺した。その後、ひとりで店を切り盛りしていた妻の君子さんから「店をたたもうと思う」と聞いたのは、鈴木氏の死から2年経た頃だった。吉田氏はマスターの遺志を継ぐべく自身がオーナーとなり、バーを移転。今も守り続けている。店長を務める久野修平氏は言う。「ある時代には、バーテンダーが見習いで来るようなバーでした。ここで学んだのは、お客様の状況をくみ取る温かい接客です」。往年の雰囲気をたたえるこのバーも、今年4月には老朽した部分をリニューアルするという。とはいえ、肩肘張らずに過ごせるもてなしが、変わることはない。3.゛銀座のバー”の正統を守る 名店の矜持に満ちた一杯銀座6丁目 【 BAR 保志 】ビルの8階が店舗。正統を味わうにはこの店の扉を開けよう。バーテンダー・保志雄一氏がカクテルと出会ったのは学生時代にアルバイトをしていた宇都宮の名店「パイプのけむり」。酒といえばビールかウイスキーくらいしかなかった当時、色鮮やかなカクテルに魅了された。同時に世界のカクテルコンペティションで活躍するオーナーバーテンダー・大塚徹氏の活躍を間近で見て、〝酒で世界に挑戦できるのか〟と衝撃を受けた。以来42年間カウンターに立ち、自身も国内外のコンペティションでの受賞を重ねてきた。基本に忠実に、そして先駆的に。氏のもとでそんな〝保志イズム〟を学んだ後進たちが今、銀座のいたる所で店を構える。伝えたいのは確かなプロの技術、そして気遣いだ。「間違いのない本物を提供すること。それが銀座という街が持つ伝統です」。銀座が家なら後進の一人ひとりは家族だと、保志氏は続ける。街と酒と人を愛する氏が作るカクテルが、今夜もカウンターを彩る。※こちらは男の隠れ家2019年4月号より一部抜粋しております

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  • 日本で唯一の特許を持つ有田焼コーヒーフィルター

    佐賀県有田町で作られ、江戸時代から400年以上の歴史をもつ有田焼。日本・アメリカでフィルターの製造特許(コーヒーの油が落ちる、微小なサイズの穴を作る技術)成形に関する特許を取得。有田焼セラフィルターは、コーヒー以外にも水やお茶、日本酒などにも使用することができる。株式会社THREE RIVERSは、そんな伝統的な有田焼の存在を守りつつ、日本唯一の特許を取得した技術を持つコーヒーフィルター「有田焼セラフィルター」を製造している。「有田焼セラフィルター」とは、飲み物を通すだけで味がまろやかになるという魔法の道具だ。"多孔質セラミック"という数ミクロンの穴が無数に空いている素材で作られており、そのセラミックスの力と遠赤外線のW効果によって水のカルキ臭や不純物を取り除く。目に見えないほどの細かい網目で不純物を取り除くことができるため、雑味やえぐみを抑え、まろやかな飲み物が愉しめるという仕組みだ。コーヒーや水道水以外にも、緑茶、焼酎、日本酒やワインなど幅広く使うことができ、日常のあらゆる場面で活躍してくれる。コーヒーを淹れる際に使用するペーパーフィルターとの違いは何か?実は、紙のフィルターでは豆本来の旨味や油分を余計に吸い取ってしまうことがある。しかし、この有田焼セラフィルターは雑味を除きつつも、その旨味や油分を吸い取ることなく存分に抽出してくれる。"コーヒーを淹れる度にペーパーを使う必要が無い"というエコな点も、魅力の一つ。セラフィルターの材料&製造方法複数の原料を独自に配合、こだわり抜いて選んだのは有田の天然の井戸水。機械だけでは実現できなかった成形の調整の半分は人の手で。圧をかけ、窯で焼く時間もしっかり取って、手間をかけている。セラフィルターは多孔質のセラミックでできている陶磁器の一種。その多孔質セラミックは工業製品として、浄水器や空気清浄機のフィルター、車のマフラーの触媒など、多岐にわたり使用されている。有田焼セラフィルターの製造方法は、まずは原料を混ぜることから始まる。地元有田で湧く天然の井戸水を入れながら、素材となる土を作っていく。土ができたら、実際に型に入れて成形。成形工程は微妙な力加減や調整が肝になるため、機械化はできず人の手で行われる。職人の丁寧な手仕事が有田焼セラフィルターを支えているのだ。そしてその後、機械によって十分に圧をかけることで形が完成する。ここで、ようやく窯入れに移る。そこから数十時間という通常の倍の時間をかけて焼いていくのだが、繰り返し使える強度を持つ理由がそこに隠されている。当然どの工程も飛ばすことはできない。「手間をかけてでも良いものを作りたい」という企業と職人のこだわりが詰まっている証拠だ。代表の想いTHREE RIVERS代表の三河さん。新しい商品を誕生させたいという意欲は尽きない。熟練の職人さんが手塩にかけて、丁寧に作り上げる有田焼セラフィルター。「高級品として改まって使われるのではなく、日常生活の中で活躍させたい。」そんな想いが込められている。「手間がかかる、今までにない手順がある。逆に、今まで常識とされていた工程がない。そんな新しい製造方法は職人さんに嫌われてしまうし、専用の道具もないので、誰もやりたがらなかった。でも、私達は世の中にまだないものを作りたい。苦労だって面白い。」とTHREE RIVERS代表の三河さんは語る。さらに三河さんは続けた。「現在だけではなく未来の日本、世界、そして地球のためにも、セラフィルターを広めていきたい。」まだまだ新しい商品を誕生させるべく、日々精進していく。【商品詳細】商品名:有田焼 セラフィルター価格:3,300円 ~ 4,950円(税込) サイズ:【3点セット】縦14㎝×横18.5㎝×高さ8.5㎝ 【単品001】縦10.8㎝×横10.8㎝×高さ10.5㎝商品の詳細はこちら【関連商品】商品名:有田焼 ダブルウォールカップ 全6色価格:3,300円 (税込) サイズ:縦:10.5㎝×横:10.5㎝×高さ:10㎝商品の詳細はこちら商品名:有田焼 マグカップ 全6色価格:3,630円(税込) サイズ:縦:13㎝×横:13㎝×高さ:11.5㎝商品の詳細はこちら

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  • 心をくすぐるキット【ザオーブロック】

    独特の存在感と華やかさの融合。左/メタルバイシクル(全3種)、右/ロボット今回ご紹介するのは「ザオーブロック」。もともとは工場の片隅に捨てられていたスクラップの破片が、作り手の熱い想いによって生まれ変えられた、そんな全く新しいタイプのブロックです。誰も見向きもしなかったような存在が、長年の研究によってブロックに作り変えられ、それを組み立てることで実際に魂を吹き込める、新たな体験が待っています。平凡な日常生活に一筋の楽しさを与えてくれる、そんなブロックの魅力をお伝えします。最大の特徴「面倒臭さ」も魅力の1つ。メタルバイシクルの組み立て風景。フロート部分を改造パーツとして利用できる為、想像力次第で何パターンもの「オリジナルブロック」が作れます。「日本一めんどくさいブロック」とも称される、一風変わった肩書きを持ったこの「ザオーブロック」。基本的な工程はどのブロックも同じで、穴の空いた金属パーツをボルトとナットを六角レンチで連結し、徐々に一つの大きな形を作り上げます。手先を使い、頭を使い、時間を使って、自分だけの作品を生み出す。どれだけ面倒臭いとわかっていても、それこそが"ものづくり"の真髄で、醍醐味ですよね。時間と手間をかけた分だけ、完成した時の感動は倍増します。作った人にしかわからない達成感は格別ですよ。金属ならではの「美しさ」も必見。好きなモデルを選ぶことができます。左/デフォルメヘリコプター(全3色)、真ん中/ミニプロペラ機 Z-002 (全2色)、右/トンボ(全2色)「ザオーブロック」は、アルミ製と軽量でありながら、仕上げにアルマイト処理を施すことで、美しい発色と金属ならではの光沢感を実現しました。ただ遊ぶだけの玩具ではなく、完成後の美しさが一般的なプラモデルとは一線を画すポイントです。手間と時間をかけて作り上げたからには、飾って余韻に浸りたいでしょう。そんな願いにも応えてくれる、男心を理解した作り手の心意気を感じ取れます。また、フロート部分を改造パーツとして利用し、自分だけのオリジナルブロックを作ることもできます。改造可能性は無限大。あなたのアイデアや創造性を最大限に引き出し、自分だけの作品を作り上げる楽しみを味わえますよ。時間を"潰す"のは勿体無い。知能を刺激し、創造力を鍛えることのできる最高のキット「ザオーブロック」。せっかくの時間は何もせずに"潰す"よりも、有意義に"過ごして"ください。面倒さが生み出す達成感や、創造力を刺激するクリエイティブな可能性、そして美しい発色と光沢感が放つ高級感。これらが融合した「ザオーブロック」は、一度手にしたらその魅力に取り憑かれること間違いなし。種類も豊富だから、コレクションにもぴったりです。休日や仕事終わりを有意義な"じぶん時間"にしたい方は、ぜひ試してみてください。【商品詳細】商品名:ザオーブロック メタルバイシクル 全3種価格:3,000円 ~ 5,000円(税込) サイズ:縦11.3cm×横19.8cm×高さ2.7cm商品の詳細はこちら商品名:ザオーブロック ロボット価格:7,255円(税込) サイズ:縦:11.3㎝×横:19.8㎝×高さ:2.7㎝商品の詳細はこちらその他ザオーブロックの商品はこちら

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  • 冒険用品 -ヨコザワテッパン ポケット-

    "男の隠れ家PREMIUM"から今回ご紹介するのは、「ヨコザワテッパン ポケット」。コンパクトさが魅力のこの鉄板は、さまざまな場面で活躍する万能アウトドア調理器具。アウトドアの鉄板と言えば「ヨコザワテッパン」、そんな究極の存在になった元祖が作り上げたこれが、もうひとつの究極「ヨコザワテッパン ポケット」です。見た目に騙されてはいけませんよ。読み終わる3分後には、この鉄板の魅力に驚きと感動でワクワクしていること間違いなしです。元祖から「ポケット」への進化この「ヨコザワテッパン ポケット」について詳しくお教えしましょう。まずはなんと言っても、見た目通りのコンパクトさが一番の特徴。小さいのだから、使い勝手が良いのは言うまでもありませんよね。キャンプはもちろん、釣り、登山、車中泊など、どこでも使えるのが魅力。これほどまでに持ち運びに便利な鉄板は他に見たことがないでしょう。バックパックに忍ばせたり、ポケットに入れて持ち歩けます。まさしく「ポケット」の名がふさわしいアイテムですよね。「見た目は単に鉄板を切っただけ。本当に使えるの?」、なんて言う人もいるかもしれません。では、実際にこの鉄板の素晴らしい実力を解説します。まずは縁なしのデザイン。余計な脂分が落ちてヘルシーな調理ができる理由。さらに、アウトドアのプロによって計算された大きさと厚み。そのおかげで、食材がこんがりと美味しく焼けるのです。良い感じに焦げ目がついたお肉や野菜のシズル感は、キャンパーだけが感じられる特権。キャンプ飯のレベルアップが超簡単にできてしまいます。さらに、このコンパクトさが織りなす"ちまちま感"も、もちろん、魅力の一つ。元祖ヨコザワテッパンをもとに開発されたこのアイテムは、元祖の半分以下のサイズ。その小さな鉄板で焼く楽しみ、その体験こそが「ヨコザワテッパン ポケット」の魅力であり、多くのキャンパーやアウトドア愛好家から愛されている所以です。大勢でやるBBQとは違う、ソロキャンプならではの、“哀愁漂う感じ”も演出してくれますよ。「男のロマン」、その一言に尽きるアイテム。ソロキャンプで肉を焼いてひたすら喰う、そしてビールを飲む。そんなシンプルな楽しみを提供してくれるのが「ヨコザワテッパン ポケット」。数百円で買えるようなアウトドア鉄板とは一線を画す、本物のテッパンならではの本当の実力を最高のアウトドアフィールドで存分に体感してみてはいかがでしょうか。一度使えばその魅力にきっと惹かれるはずです。【商品詳細】商品名:冒険用品 ヨコザワテッパン ポケット(ヨコザワテッパン ポケットサイズ付き)価格:2,500円(税込) サイズ:縦25.7cm×横18.2cm×高さ0.14cm商品の詳細はこちら

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  • 贈り物やご褒美に -男心をくすぐるアイテム4選-

    男性の心をくすぐり特別な時間を演出し、そして豊かな体験を紡ぎ出す。そんな男性のプライベートタイムを彩る"男の隠れ家 PREMIUM"が厳選したアイテムを4つ紹介します。ご自身へのご褒美に。また、愛する旦那さんへのプレゼントや、ご家族からの父の日の贈り物にも最適。ぜひご覧ください。洗練されたかっこいい男の象徴50年間仏壇や神社仏閣を飾る金具"錺金具"を作り続けてきた京都のブランド「錺之-KAZARINO-」から、日本ならではのデザインと錺金具の技術が息づく逸品「マネークリップ」を紹介。クリップの反り返り部分が曲線になっているため、お札の出し入れが非常にスムーズに行えます。接待やデートなどどんな大切な瞬間でさえも、スマートに会計を済ませられますよ。なお、素材にはリン青銅を使用。使い込むことで表面が酸化し、独特の味わいが生まれて経年変化を楽しめます。使えば使うほど色合いや色艶が自然と育っていき、渋さが増していきます。「なにそのマネークリップ!すごく渋いね!」と女性はもちろん、同僚や後輩の男性からも目を引くでしょう。そんな使い勝手の良さ、持つ者に自信をもたらす高級感から、まさに"男性の生活を豊かに彩る要素"の一つになること間違いなし。周囲と差をつけたい男性、持ち物にこだわりたい男性に、このマネークリップはその全てを満たす逸品です。ぜひ、あなただけのマネークリップを育ててみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:マネークリップ 全5種価格:9,900円(税込) カラー展開:槌目、さざ波、七宝、青梅波、唐草商品の詳細はこちら伝統も感じられる実用的な逸品焼き物の魅力と、日用品の実用性を兼ね備えた、「有田焼セラフィルター」を紹介。この「有田焼セラフィルター」は、400年以上の歴史を持つ有田焼で作られた革新的なコーヒーフィルターです。特許取得の多孔質セラミックを使用し、通常のペーパーフィルターが通さない豆の旨味成分を抽出し、コーヒーを豊かな味わいに変えてくれます。洗って乾かすことで何度も利用できるので、贈り物にも最適です。さらに遠赤外線による殺菌効果で、水道水も優しい口当たりのお水に変えてくれます。緑茶や紅茶、焼酎やワインにも使用でき、雑味やえぐみを取り除いてまろやかな味わいに変えてくれるのは驚きです。リモートワークの増加による自宅時間を有意義にするためのアイテムとしても人気。自家製の美味しいコーヒーやフィルターを通した美味しいお酒を楽しむことで、何気なく過ごしていた時間が有意義な時間に変化します。日々の生活クオリティを面白い切り口で向上させてくれる道具、ぜひお試しください。【商品詳細】商品名:有田焼 セラフィルター価格:3,300円 ~ 4,950円(税込) サイズ:【3点セット】縦14㎝×横18.5㎝×高さ8.5㎝ 【単品001】縦10.8㎝×横10.8㎝×高さ10.5㎝商品の詳細はこちら日本一めんどくさいからこそ得られる感動時計や車など、男性の趣味=コレクションの側面を持っています。ただ、そんな買って眺めるだけのコレクションとは違い、自分で作り上げることによって、そのコレクションへの愛着は圧倒的なものになるのです。「ザオーブロック」は、工場のスクラップ破片から生まれ変わった革新的なブロック。その作成過程は「日本一めんどくさいブロック」とも評されるほどの手間がかかりますが、それが逆にものづくりの醍醐味となり、完成時の達成感は格別です。アルミ製のアルマイト処理による美しい発色と金属の光沢感が特徴で、完成後もその美しさを楽しむことができます。自分だけのオリジナルブロックを作ることもでき、自己表現の場としても活躍してくれますよ。そんな「ザオーブロック」は時間を潰す道具ではなく、知能と創造力を刺激するキットとなっています。その達成感、創造性の発揮、美しさの3つの要素が融合したこのブロックは、一度手にすればその魅力に取り憑かれること間違いなし。時間は有限。そんな貴重な時間を有意義に過ごすためのお供にぴったりのアイテムです。父の日の贈り物として渡しても喜ばれるはず。【商品詳細】商品名:ザオーブロック ロボット価格:7,255円(税込) サイズ:縦:11.3㎝×横:19.8㎝×高さ:2.7㎝商品の詳細はこちら清潔感は肌から。何歳になってもかっこいいと言われよう男性の印象は肌の影響が非常に大きいと言われています。肌の状態で若く見えたりする一方、年齢以上に見られてしまうことも当然あるということです。「ROGENオイルリッチローション」は男性の肌特有の悩みに注目し、男性肌の特徴を的確に理解した商品で、これ一本で化粧水からアフターシェーヴローションまでの役割を一手に担ってくれます。低分子のアボガドペプチドや厳選した植物幹細胞、6つの植物エキスなど、肌に必要な成分を贅沢に配合。肌の角質層に深く浸透し、潤いを長時間キープします。また、エイジングケアにも優れた効果を発揮します。年齢と共に乾燥が気になってくる肌に潤いを与え、魅力的に年齢を重ねるサポートをしてくれるのです。さらに80mlサイズの容器は持ち運びに便利なので、出張や旅行、ジムやゴルフなど、様々なシーンで手軽にスキンケアが可能に。国際線の機内への持ち込みも可能で、ビジネスシーンにもってこいのアイテムです。営業やプレゼンをはじめ、デートやパーティなど、あらゆる場面に自信を持って挑むことができるようになるでしょう。「ROGENオイルリッチローション」は今までスキンケアを怠っていたという方はもちろん、これから肌に気を遣っていきたいという方にピッタリ。もちろん、プレゼントにも最適です。ぜひ、何歳になってもかっこいいと言われる男性でいてください。【商品詳細】商品名:ROGENオイルリッチローション価格:5,470円(税込) サイズ:縦13.1cm×横4cm×高4cm商品の詳細はこちら贈り物やご褒美は気持ちが大切心からの感謝や愛情を伝える贈り物は、物の価値以上にその気持ちが重要です。選んだ背景や理由がしっかりしていれば喜ばれることは間違いありません。自分へのご褒美にもしっかりと理由をつけてあげることで、次に頑張る糧になるでしょう。ぜひこの機会に、価値のある買い物をしてみてくださいね。

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  • 自分だけの世界を楽しむ -大人の趣味3選-

    普段は眠ったままの感性を揺さぶり、新たな自己表現の一歩を引き寄せる趣味。今回はそんな趣味の中から、一風変わった”大人の趣味”を紹介します。今まで感じたことのない魅力を心ゆくまで味わってみてください。工芸品×実用品の楽しさ「有田焼」有田焼セラフィルター。セラミックフィルターに注ぐだけで飲み物の味がまろやかになります。まずは、古き良き日本の伝統工芸と現代の実用性が見事に融合した逸品、「有田焼」を紹介。有田焼とは日本の伝統的な陶磁器で、400年以上の歴史を持つ素晴らしい芸術と工芸品。その名前の通り、佐賀県の有田町で生まれ、現在でも製作されています。その繊細な形状は、ただ飾るだけでも空間そのものに深みと格調を与えます。また、静かな夜に手に取れば、その歴史と美しさに思わず心が鎮まり、優雅な時間を過ごすことができるでしょう。中でも変わった作品「有田焼セラフィルター」は、日本の伝統工芸品の有田焼で作られたコーヒーフィルターで、特許を取得した多孔質セラミックを使用し、繰り返し使用できるエコで経済的なアイテムです。微細な穴でコーヒー豆の油分や旨味成分を抽出し、豊かな味わいを引き出します。さらに、遠赤外線による殺菌効果によってカルキ臭や不純物を取り除き、コーヒーだけでなく焼酎やワインの味すらもまろやかにしてくれるのです。リモートワークが増えた現代にぴったりなアイテムで、日常の飲み物体験を一層豊かにしてくれます。飾って良し、使って良しの、芸術×実用品を体現した逸品「有田焼セラフィルター」。有田焼のコレクションの第1号にいかがでしょうか。商品名:有田焼セラフィルター価格:3,300円 ~ 4,950円(税込)サイズ:3点セット商品の詳細はこちら自分で作る楽しさ「キット」ザオーブロック ミニプロペラ機。日本一面倒くさいブロック。プロペラ機以外にも複数種類があります。続いては、自己表現の一環としても最適なものづくり。自分で手を動かし、頭を働かせる楽しさはものづくりの醍醐味。自分の時間やアイデアを使い、道具や手を用いて、自分だけのオリジナル作品を生み出せる「ものづくりキット」も最高の趣味になります。緻密な手仕事と思考を経て完成した作品は、まさに自己表現の象徴であり、達成感と満足感をもたらしてくれますよ。作る楽しさはもちろん、完成後の鑑賞も作成者にしかわからない喜びがあります。時間をかけた分だけ、感動を味わえるのはクラフト系の趣味ならではの魅力です。今回はそんな趣味にもってこいの、変わったキットを紹介します。工場で出るスクラップの金属片を改良した、新型のブロック「ザオーブロック」です。手間と時間をかけて組み立てるため、「日本一めんどくさいブロック」とも称されています。しかし、その手間が生む達成感は格別です。また、アルミ製で軽量ながら、アルマイト処理による美しい発色と、光沢感を放つ金属の美しさもこのブロックの特徴の一つ。時間をかけてでも作りたくなってしまう、その理由を感じられるでしょう。さらに自分だけのオリジナルブロック作りも可能で、創造力を刺激してくれます。「ザオーブロック」は、一度試せばその魅力に取り憑かれること間違いなし。手を動かし、頭を使う趣味が欲しい方にはぴったりですよ。商品名:ザオーブロック ミニプロペラ機 Z-002  全2色価格:7,100円(税込) カラー展開:赤、青商品の詳細はこちら集める楽しさ「アート」左/VAN ORTONによる「ハウルの動く城」。ほか「紅の豚」、「もののけ姫」。右/ルパン三世浮世絵。それぞれデザインやサイズは複数あります。絵画、彫刻、写真など、各種のアート作品を集める楽しみは無限大です。ただ飾るだけではなく、その作品一つひとつが持つメッセージや背景を理解し感じることで、より深い愛着と理解を得ることができます。そして、美術館で見る作品とは違い、自宅でこそ感じられる印象もアートの魅力。ワクワクしている時だけでなく、悲しい気分の時、イライラしている時など、アートが身近にあることで、いつでも見られるからこそ感じられる印象は、あなただけの特権になります。ただ、アートを趣味にするハードルが高いのも事実。そこで、今回は"男の隠れ家PREMIUM"が特別にピックアップした、初心者の方にもおすすめなアート作品をご紹介します。イタリアのトリノ在住の双子アーティスト、VAN ORTONの作品。独特な色使いとポップなタッチが魅力です。ジブリ映画をオマージュした作品の原画で、数量限定かつ直筆サインとシリアルNo.入りというところも芸術作品ならではの価値のポイントです。さらにもう1作品として、「ルパン三世」アニメ化50周年記念として制作された浮世絵を男の隠れ家PREMIUMでも限定販売。「ルパン三世カリオストロの城」のルパンとクラリスの印象的なシーンを再現した浮世絵で、額の色はマット枠にそろえ特注で制作。シリアル番号が記されたプレート付きで、あなただけのコレクションのひとつにいかがですか。一目でわかる絵のクオリティは「アートには興味があるけれど、まだまだ知識が乏しい...」という方々にも、こういった作品の良さは理解しやすいはず。趣味の可能性を広げてくれるきっかけとして、このアート作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。商品名:【複製原画・数量限定】 VAN ORTON価格:165,000円(税込) サイズ:商品説明欄記載商品の詳細はこちら商品名:【数量限定】ルパン三世浮世絵価格:52,800円 ~ 231,000円(税込) サイズ:商品説明欄記載商品の詳細はこちら人生の彩りを見つけてみて今回は3つの趣味に絞って紹介いたしました。有田焼の美しさ、心くすぐるキットの創造力、アートの深遠な世界、などなど。これはほんの一部に過ぎません。日常の喧騒から離れ、自分だけの世界を楽しむ。そんな趣味があれば、生活の中で自分だけの時間を作り、自分自身の感性を磨く特別な時間を過ごすことができます。ただ、趣味は体験したものにしか心を開きません。実際に楽しむまでは、その価値には気付けないでしょう。それぞれが違う角度から人間の感性を刺激し、豊かな時間にしてくれます。これぞ趣味の醍醐味。どんな趣味でもあなたの生活に新たな彩りをもたらすこと間違いなしです。ぜひ、この機会に趣味を見つけてみてください。

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  • 夏バテの体によく効く夏の冷泉 ぬる湯宿。

    温泉のべストシーズンは冬ばかりではない。「冷泉&ぬる湯」の魅力を知れば夏の暑い時期でも温泉を十分楽しめる。ぬる湯に、いつもより長い時間浸かって夏の緑の景色を眺めるも良し。気合い一発冷泉に浸かるのも良し。風呂上がりの体に心地良い爽快な風が吹き抜ける。冷泉とぬる湯温泉は「熱い」もしくは「温かい」ものだと思われているが、 素のままの掛け流しを楽しむなら「冷泉・ぬる湯」もよい。この夏の温泉旅にお勧め。冷泉とぬる湯の違いを理解して効果的な入浴を温泉は温かいもの、というのが常識かもしれません。しかし、世の中には「冷たい温泉」があり、冷泉などと言われています。そもそも「冷泉」という定義はありません。環境省が定めた鉱泉分析法指針によると温泉は25°C以上か、または一定以上の成分を含むものとされます。つまり、25°Cにも満たないものでも、一定の成分があれば温泉と認められるということです。従って冷たい温泉が存在することになります。また、鉱泉分析法指針では、温度によって温泉は4分類されています。25°C未満の冷鉱泉、25°C以上34°C未満の低温泉、34°C以上42°C未満の温泉、42°C以上の高温泉に分けられます。特に、入浴してかなりぬるく感じる「低温泉」や38°C未満の温泉をぬる湯と呼ぶこともあります。本稿では、25°C未満の温泉を「冷泉」、25°C以上38°C未満を「ぬる湯」と称して、その「効果的な入浴方法」と「効果」を述べることにしましょう。冷泉の効果的な入浴法としては、「温冷交代浴」が挙げられます。これは温かい温泉と冷泉に交互に入浴する方法です。温かい温泉に入ると温熱作用によって体の血管は拡張し、血流が増えてきます。冷泉に入ると特に手足の血管は収縮します。ちょうどポンプのように血管が伸び縮みすることによって、手足の血流は改善します。特に運動をした後、温冷交代浴を行うことによって、血流が改善されて栄養分が筋肉に運ばれ、また疲労物質が筋肉から洗い流されることによって運動後の筋肉痛が予防されたり、効果的に疲労回復できることがたくさんの実験結果から報告されています。また、温浴だけよりも温冷交代浴は保温効果が長続きするといった作用もあるため、冷え性の改善が期待されています。この温冷交代浴は体へ刺激が強い入浴法で、40°C前後の温かい温泉に3分から5分浸かり、冷泉に1分程度浸かることを3回から4回繰り返します。最後は温かい温泉で終了すると心地よく入浴を終了することができ、手足の温かさも長く続きます。注意点としては温かい温泉から急に冷たい冷泉に浸かるため、温度差で体への負荷が強いということです。「水風呂」に普段慣れていない人は無理に冷泉に入ると血圧の急上昇をきたして脳卒中を起こしたり、心筋梗塞や不整脈を起こすことがあります。刺激が強いので健康な方向けの入浴法といえるかもしれません。冷泉に入る場合は、少しずつ冷泉を手足にかけて、冷たさに体を慣らすことが肝心です。一方、ぬる湯は体に優しい入浴法です。ぬる湯の利点は自律神経への作用であり、ぬる湯に入ると交感神経、副交感神経のうち、リラックスの神経である副交感神経の働きが強くなることです。普段、私たちは日常生活でストレスがかかることが多く、交感神経が高ぶっています。現代人の体調不良で問題になるのは緊張状態が続き、交感神経が絶えず過剰に刺激されていることです。ゆったりとリラックスしてぬる湯に入り、副交感神経を刺激して自律神経のバランスをとることが重要です。ただし、あまり冷たく不快に感じるような温度では、むしろ体が緊張して交感神経の働きが強くなってしまいます。もうひとつのぬる湯のメリットは体の温まりが長く続く保温効果です。ぬる湯で保温効果とは釈然としないかもしれません。42°Cを超えるような熱い湯のほうが体がよく温まるのでは、と考えるのが自然でしょう。しかし、人間の体はうまくできていて、急に体を強く温めると、逆に急速に体温を下げようとします。つまり、あまり熱い湯に入ると一時的に体温が急上昇しますが、その温まりは長続きしません。38°Cと42°Cの入浴でどちらが温まりが長続きするか、を検証した実験が報告されていますが、湯を出てから30分後には38°Cのほうが体温が高いままを維持していました。ぬる湯でゆったり浸かり、額に汗を感じたらいったん湯舟から出るとよいでしょう。泉質にもよりますが、38°Cで20分が目安です。冷泉やぬる湯は、温泉に行き尽くしたファンにとっても人気の通な温泉の楽しみ方です。温度が低い分、温泉の成分の違いも肌で感じやすいのです。この夏の温泉旅にお勧めです。冷泉やぬる湯になじみのなかった皆さんも試してみてはいかがでしょうか。早坂信哉(はやさかしんや)東京都市大学教授、医学博士、温泉療法専門医。(一財)日本健康開発財団温泉医科学研究所長、(一社)日本銭湯文化協会理事など。温泉や入浴を医学的に研究しておりメディア出演も多い。渋・辰野館≪長野県茅野市/奥蓼科温泉郷≫創業百余年の信玄ゆかりの隠し湯で冷泉と滋味深い山里の幸を堪能宿が白樺林の中に佇んでいることがよくわかる。高原の涼やかなひとときが心地良い。八ヶ岳山麓に広がる蓼科の自然美を楽しみながら宿へ盛夏の澄みわたった蒼空に、八ヶ岳連峰の山稜がひときわ美しく映える。茅野市側から見上げると南端の編笠山から主峰の赤岳、天狗岳から蓼科山までのワイドなパノラマがぐるりと見渡せ圧巻だ。そして車は奥蓼科へと続く通称「湯みち街道」の県道191号線へと道をとる。ひとカーブごとに上がっていく標高と、鮮やかさを増す原生林の緑。ふと、道のところどころに石仏が立っているのに気がついた。苔むした古いものから新しい石仏まで表情は様々。今回、旅の荷を解いた温泉宿「渋・辰野館」の主人・辰野裕司さんに後で聞いたところ、それは江戸時代、この温泉地を訪れた湯治客らが湯の効能に感謝して寄進した観音様なのだそうだ。近年もその習わしは受け継がれ、新たに寄進されたものも少なくないという。道の終点は天狗岳の登山口にもなっている場所で、かつての渋之湯(渋・辰野館)があったところ。昭和12年(1937)に火災で焼失したことにより、翌年の昭和13年に2㎞下の強清水の湧く現在地に宿を移転したという。ちなみに源泉は以前の地から引いている。温泉の歴史については後述することにして、宿へと向けてさらに車を進めていくと右手の木立の間に小さな池が見えてくる。池畔に立つと思わず息をのんだ。原生林が静寂の水面に映り込み、その様相はまるで水鏡のよう。もともとは農業用のため池なのだが、「御射鹿池」と名付けられた神秘的な池は今やすっかり人気の観光スポットになっている。その名が広く知られるようになったのは、日本画家・東山魁夷の名画「緑響く」のモチーフやCMのロケ地になったことなどが大きい。風のない早朝の時間帯はさらに神秘性を増し、それこそ孤高の白馬が描かれた東山魁夷の作品世界を思わせる空気感が漂うという。実は、東山魁夷は「渋・辰野館」に滞在しており、その際に御射鹿池をモチーフとした作品を着想したのではないかとされている。「この『緑響く』がお披露目されてから、私はすぐに御射鹿池だと気づきました。普段見慣れた風景ですからね」と話す主人の辰野さん。御射鹿池にほど近いこの宿にて、日本画の巨匠も温泉を楽しみながら絵を描いたのだろう。左/木筒から源泉が勢い良く流れ落ちる。真ん中上/湯の花が浮く白濁の湯。右上2つ/風呂は全て男女別にあり、大きさも造りもほぼ同じ。真ん中下/洗い場のある「展望風呂」。右下/薬湯を発見した少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)を祀る。創業大正8年の宿にて信玄の薬湯冷泉に浸かる八ヶ岳山麓・奥蓼科の自然美を満喫し、その余韻を楽しみながらいよいよ「渋・辰野館」へとチェックイン。白樺や唐松などの森林に抱かれた一軒宿は、木の温もりあふれるロッジ風の建物が印象的だ。吹き抜けのロビーには大きな窓が設えられ、外の景色が鮮やかに映り込んでいる。階段や廊下には宿の歴史を物語る写真や説明書き、山の写真などが随所に飾られている。それによると、当温泉の開湯は奈良時代末期の延暦2年(783)。諏訪神社の神官の霊夢により発見されたと伝えられている。さらに古くは日本神話に登場する少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)がこの薬湯を探し当てたとも。いずれにしても温泉成分がとても強いことから薬湯として珍重され、戦国時代には武田信玄が傷を負った重臣や軍馬の湯治のために利用したとされている。以来、“信玄の薬湯”とも呼ばれるようになった。江戸時代には高島藩(諏訪藩)が温泉場を造営。湯を樽に入れ薬として販売した時代もあったそうだ。「渋之湯へは道が険しかったため、その後は一時期寂れかけたこともありました。しかし大正8年(1919)に当館初代の辰野茂が経営を引き継ぐと、新しい旅館の建設と共に茅野駅から交通の利便性を図りました」と言う主人。何と初代は自力で道を整備し、高価な米国車を購入して送迎。さらに乗合バスも運行させ奥蓼科の開発に力を注いだのだという。道に佇む石仏の数が温泉の素晴らしさを物語るように、長きにわたり湯治客を治癒してきた。「とにかく温泉成分が非常に強いので体には効果的。でも、機械をはじめ宿のあちこちはすぐダメになってしまうんですわ(笑)」一番の特徴は何といっても源泉温度18°Cの冷泉だ。館内には木の香ゆかしい「信玄の薬湯」と、露天風呂を設えた「森の温泉」、洗い場のある「展望風呂」の3カ所を男女別に設置。前者2つには源泉のままの18°Cの冷泉と、40°C~42°Cに加温した温泉を満たした2つの浴槽があり、白濁の湯が滔々とあふれ出ている。冷泉の入り方を聞くと、足の方から体を馴染ませるようにゆっくりと浸かるのがコツだとか。部屋でひと息入れた後、まずは「信玄の薬湯」へ向かった。冷泉の湯船は源泉が滝のように落ち、何とも豪快。しかし、冷泉は最初の一歩に少々気合いが必要だ。膝まで入れられてもその先がなかなか沈められない。じわじわと2度ほどやり直した後、やがて体がするりと湯に滑り込んだ。もちろん冷たい。しかし、じっと湯に身を任せているうち、不思議な心地良さが体に満ちてくる。その後すぐに横の温湯船に入ると、体の芯がじわりと刺激される感覚を覚えた。さらに、白樺林に抱かれた「森の温泉」の冷泉露天風呂へ。一度入っているので今度はすぐに湯に浸かることができた。信玄の薬湯の方もそうだが、湯船の深さは90㎝。それは成分がとても強い温泉ゆえに長湯にならないよう、あえて深く造ってあるのだという。一回の入浴は15分くらいが適正。もっと長く入っていたかったが、部屋でゆっくり体を休めた後、夜にもう一度楽しむことにしよう。左上/しみじみ温まる冬瓜のスープ。十穀パンと共に和風出汁で仕上げた優しい一品。左下/たっぷりの野菜といただく信州野草豚鍋。右上/前菜の盛り合わせの“森のたからものづくし”。彩り豊かな旬の料理が目と舌を楽しませる。右下/イワナの燻製と信州サーモンのお造り。季節ごと常連が待ちわびる滋味深い信玄の山里料理さて、当宿のもうひとつの魅力が料理である。それは「信玄の山里料理」と銘打った創作料理。奥蓼科の山の恵みをたっぷりと、しかも丹念に料理された逸品が供される。なかでも前菜の盛り合わせの“森のたからものづくし”は、まず目で楽しみ、舌で滋味を感じる美しく楽しいひと品。それはまるで山菜や地野菜などの季節感を一枚の皿の上に演出した絵画のようだ。他にもこの日は、イワナの燻製と信州サーモンのお造りや冬瓜のスープ、信州野草豚鍋などが膳を賑わせた。それぞれの器づかいもセンスが光るが、料理は奥様と息子さん、そして主人の家族だけで作っているのだという。「仕入れた食材によって内容が変わりますが、また、食べたくなる優しい味を心がけています」と主人。その言葉通り、この料理を求めて何度も訪れる常連客は多い。味わうほどに地酒も進む口福な料理の数々。温泉の素晴らしさもさることながら、再びこの宿を訪れたくなる秘密がここにある。※こちらは男の隠れ家2019年9月号より一部抜粋しております

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  • 格好良すぎるクラシックカー。

    旧車ファンでなくてもクラシックカーには心温まるオーラを感じてしまう。変化の激しい現代において、クラシックカー自体が癒しとなっている特別な存在なのだろう。近ごろ産業遺産などに注目が集まるのは、同様に単なるノスタルジーではない何かに惹かれるからに違いない。活躍した時代の空気を纏って今も走っている文化遺産的クルマとその50人のオーナーが登場する。01.アメリカで楽しむオープンカーライフ高原景良さん(会社員・54歳)ダットサン SPL310[ 1967/日本 ]カリフォルニアの青い空の下では、真っ赤なスポーツカーが似合う。日差しが強い場所柄だけに、ガレージ前にテントを建ててメンテナンスなどの作業をする場所にしていると話す。自ら再生レストアした真っ赤なオープンカー1987年に渡米した沖縄県出身の高原さんは現在、ロサンゼルス郊外のサイプレス市に住んでいる。元々知人の勧めで語学を学ぶために渡米したのだが、既に滞在30年を超えて人生の半分以上をアメリカで過ごしている。渡米して最初に手に入れたクルマは70年式ポンティアックV8、その後VWビートル、マツダ323(ファミリア)と乗り継ぎ、現在はスバルバハと、このダットサンSPL310。このクルマは現地で毎週発行される中古車雑誌「トレーダーニュース」で探し、不動コンディションのクルマを1800ドル(約20万円)で購入。近所にあった日系の自動車修理屋さんに助けてもらいながら「仕事の合間や週末ごとに少しずつ仕上げたんですよ。例えば錆だらけのトランクキャリアは再メッキしたり、オリジナルの1500㏄のエンジンはアメリカでは非力だったので後から販売された2000㏄のものに換装したんです」と高原さん。気になるパーツ供給だが、アメリカでは中古品や再製品が手に入るので苦労はないという。02.英国車のスタイルに惚れてここに行き着く今井高司さん(自営業・65歳)ウーズレー 9 ロードスター [ 1946/イギリス ]右/英国の丘陵地を彷彿とさせる筑波山を望む農道を疾走するウーズレー9ロードスター。左上/御年65歳。英国車をこよなく愛する。左下/往年の英国車によく見られるウッドパネルは自然木から削り出したもの。輸入からレストアまで全て自分の手で行うハンチング帽をかぶり、颯爽とオープンカーを走らせてきた今井さん。そこで語ったのは英国車愛だった。最初のクルマは20歳の時に手に入れたフェアレディZだったが、それから8年後に最初の外車を手に入れた。それがジャガーEタイプだった。そのジャガーのしなやかさや運転する楽しさから英国車にはまってしまったという。このウーズレー以外にも今井さんはジャガーを8台保有している。「往年の名優、ハンフリー・ボガードやゲーリー・クーパーが保有していたXK120などを含め50〜60年代のクルマをアメリカなどから直接仕入れ、自分で全てレストアしています」と今井さん。このウーズレーは8年前に手に入れたのだが、現在の状態までに全ての箇所を自分でレストアしたという。車の修理の経験なんてまるでなかったのだが、あちこちいじり倒して試行錯誤していくうちにレストアを自然と覚えていったのだそうだ。「今欲しいのは1937年のジャガーSS101です」。英国車への情熱はまだまだ続きそうだ。03.ハイスクール時代の夢を今に再現するクルマTed TC Yanagisawaさん(プロダクション関係)VW タイプ1 ラグトップ[ 1962/ドイツ ]近くのビーチまでVWでドライブ。きれいな車体に散歩中のミドルアメリカンたちも声をかけてくる。カリフォルニア州の中でもビーチ沿いはVWビートルが一番似合う場所だ。サーフィンのメッカであるハンティントンビーチに居を構えるテッドさん、彼は横須賀の米軍基地で生まれた日系アメリカ人である。その後、父親の仕事の関係で日本とアメリカを行ったり来たりの生活となった。クルマに関してはハリウッドでの高校時代に手に入れたエルカミーノ、キャデラックやファイヤーバードなど、カリフォルニアンなカーライフを過ごしてきた。このクルマを手に入れたのは2003年。高校生時代にカリフォルニアのビーチでたくさん走っていたVWを、当時の雰囲気で再現して乗ってみたかったのだ。同じように当時目にしていたバハバグ(バギー)も手に入れている。映像関係の仕事の合間に「このクルマでビーチを走るのが息抜きなんです」と言う。※こちらは男の隠れ家2019年7月号より一部抜粋しております

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  • NFTと樽資産

    ブロックチェーンとはもしかすると「仮想通貨=ブロックチェーン」と思われているかもしれない。そもそもブロックチェーンとは取引情報などのデータをデジタルに記録する仕組みである。一定期間の取引データをブロック単位でまとめ、チェーンのように繋いで記録することからブロックチェーンと呼ばれる。特殊な暗号を使い、過去から現在までの取引データが全てオープンな形で残されるため、データ改ざんが困難であり、自動で敏速に行われるため取引コストを大きく削減できるメリットもある。当初は仮想通貨のトランザクション履歴の記録に用いられていたが、現在では金融全般や不動産、医療、投票など多様な分野で活用されている。UniCaskの想い|ブロックチェーンを大衆のもとに蒸留所から直接樽を購入できるため安心。複数種類の中から自分で選ぶことができる。ブロックチェーンを使ったビジネスモデルを利用したのは、“実際のモノ”の売買には課題があり、この課題が大衆化していないと感じたことがきっかけである。デジタルで記録されるデータやNFTの偽造は困難だが、それらに紐づく“実際のモノ”については物理的な改ざんが可能で、人と人を伝っていく間で偽造されたモノにすり替えられている可能性もある。一方でウィスキー樽の場合、そのほとんどが蒸留所の信頼によってすり替えられるリスク軽減は担保できる。また、ウィスキーには熟成という時間的な価値があるが、そのような価値の記録にブロックチェーンが適している。原酒や樽のスペック、樽詰めされた日付などをブロックチェーンに書き込めば世界中の誰もが閲覧できる正確な台帳を簡単に作ることができる。加えてNFTの技術でオーナーシップを発行すれば、24時間世界中でデジタル取引を行うことが可能。例えば、海外在住の方が日本の蒸留所に連絡して樽を購入することにはさまざまなハードルがあるが、この仕組みにより容易に売買ができるようになる。蒸留所側もウィスキーを樽に詰めた瞬間から売買できるため、キャッシュフローがクイックネスになる上、グローバル化が安易に推進できるメリットもある。もちろん、樽のオーナーシップ管理はUniCaskが行うので、樽の売買に関する面倒な記録などの処理も大幅に削減することが可能。また、UniCaskは埼玉県北東部にある羽生蒸留所の復活にも深く関わっている。利根川の水運に恵まれたこの土地で約20年ぶりの日本蒸留所の一角が復活。Made in JAPANを掲げ、海外業者のみを対象に2021年春から販売開始。現在では全世界の愛好家や投資家に向けて、スコットランドのボトラーであるキングスバリーや、コニャックのボールジローなどを公開する予定だ。UniCaskの想い|樽資産を持つ愉しみ高価な樽でも「小口」単位で所有することで樽の購入費用を抑えることができる。樽購入者は、アプリでいつでもサンプルリクエストやボトリングオーダーが可能。個人で購入するには高価な一樽を100分の1に小口化し購入ハードルを下げたこともUniCaskの特徴で、小口樽は予めボトリングの日程を決定した上での販売を行なっている。例として、容量約200リットルのバーボン樽の100分の1換算。いわばウィスキー愛好家たちが行なっているカスクシェアの様なイメージである。また、アプリを実装したことで、ゲームコミュニケーションの要素もあり、保有者同士がウィスキーを見せ合う「大人の遊び場」としてファンを中心に投資家などが集まりやすい環境を構築している。 これまで、ウィスキー樽は投資商品としても“非公開”の様な存在であったが、NFT上場させることで公開株のように誰もが購入できる環境を整備したUniCask。誰もが持つことができる権利の様な存在になれば、ウィスキー人気は一気に世の中に広がり、結果的にウィスキー好き人口も増加する。また、これまで知る人ぞ知る“ウィスキー樽の売買”が一般化することで、ウィスキーとの向き合い方も単なる嗜好性から、ビジネスを産むなど多角的な捉え方もできる。つまりウィスキー樽とデジタル技術を掛け合わせることで、新たなエコシステムや新たな経済圏が生まれるきっかけになる可能性もある。株式会社UniCaskhttps://unicask.jp/クリス ダイ株式会社UniCask共同創業者。Accentureのコンサルタント、BitcoinとEthereumの初期の投資家の一人。ウィスキー好き。ブロックチェーンや分散型ビジネスの研究プロジェクトに参加。「ネクストブロックチェーン」(日本経済新聞社)の共著者。「Blockchain and Crypto Currency」(Springer)の共著者。2004年にスタンフォード大学で管理科学と工学を専攻し、B.S.を取得。

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  • やきものの里探訪【益子焼】

    濱田庄司によって見出された益子焼。土のざっくりとした質感に、柿釉などの釉薬を使った素朴な味わいが特徴だ。栃木県南東部の、周囲を豊かな自然に囲まれた陶芸の里・益子町には、今もたくさんの工房が点在している。濱田庄司と民芸運動により益子焼が一躍脚光を浴びる栃木県芳賀郡益子町。他の古窯と比べると新しく、新たな作家や技法も受け入れている。「陶芸の里・益子は大正期の濱田庄司の出現で大きく変わりました」というのは、益子陶芸美術館の松﨑裕子さんだ。それ以前の益子は、日用雑器の産地だった。嘉永6年(1853)、笠間で製陶技術を学んだ大塚啓三郎が黒羽藩の許可を得て築窯、作陶を始めた。そして明治時代になると民窯へと発展した。「主に土瓶や甕、すり鉢などの日用品が作られていました。大都市・東京から約100㎞圏内にあるため、次第に東京向けに販売されるようになりました」益子焼の名を一躍有名にしたのは濱田庄司だ。大正時代末期から、柳宗悦、河井寬次郎らと、日本の雑器を「民衆の工芸」と呼び、「用の美」を賞賛して、民芸運動を起こした。濱田は益子の土が作風に合ったことなどから、昭和5年(1930)に益子に定住した。「益子で取れる土は必ずしも最良の陶土ではなかった。その魅力を引き出したのは陶芸家としての濱田の力量。濱田庄司は益子の土と釉薬を洗練させて、益子焼の名を高めました」と松﨑さんは話す。肉厚のざっくりとした質感、柿釉や黒釉、糠白釉などによる素朴な味わい、流し掛けの技法など、今日の益子焼の特徴は濱田庄司が引き出したといってよい。現在は城内坂周辺に昔からの窯元が残るが、約500の工房の多くが個人作家として活躍している。「古窯と比べて歴史が浅く、民芸運動の熱気が残る益子は、新しい作家を受け入れるのに寛容です」最近では伊藤剛俊、山野辺彩など、益子の伝統に縛られることなく、オリジナリティあふれる作風の作家が活躍している。窯元【濱田窯】濱田庄司が開いた窯として知られ、三代目が伝統を守りつつも新たな個性を見出す濱田窯を継いでいる三代目の濱田友緒さん。造形に塩釉と赤絵という三代目のオリジナリティ益子の街の中心部から少し離れた高台に、濱田庄司が窯を築いた濱田窯がある。現在、濱田窯を継いでいるのは三代目の濱田友緒さん。今年89歳になる二代目の晋作さんも卒寿記念の作陶展を開催するなど健在だ。ここにはほかに職人が5人。友緒さんは陶芸作家であり、濱田窯で制作する器のデザイナーでもあるという。友緒さんが濱田家三代それぞれの違いを説明する。「祖父を太陽とすると、父は近すぎて明るかったり眩しかったり。僕は地球の位置で距離感がちょうどよかった。祖父は僕が10歳まで付き合ってくれ、やきものを作る喜びを教えてくれました」祖父に似てプラス思考という友緒さん。祖父の薫陶を受けて3歳から陶芸を一生の仕事と決めた。そのために何をどうするかと考えた末、造形力を磨くために多摩美術大学で彫刻を学んだ。「父の代までは民芸という思想の縛りがありました。私は職人の技法に造形感覚を加えています。今までやっていない仕事や技法を、疑問符を付けて、肯定するか否定するか。一つひとつを見直して加えたり、変えたりしています」祖父や父とは違う個性をダイナミックな造形に見出し、さらに現在は赤絵と塩釉に取り組む。赤絵には「益子の重厚な器に、明るさ、軽やかさのある赤絵で表現する面白さ」を感じている。塩釉は庄司がドイツの技法を取り入れ、日本で初めて行った技法である。高温の窯の中に塩を投入すると、塩がガラス質に気化、陶器の柚子肌に付着して独特の風合いを生み出す。「呉須と鉄の色が変化に富んだ色となる、藍色系の作品も作っています。薪の赤松によって柔らかみと渋みが生まれるんです」不易流行。伝統を守りつつ新たな個性を追求する姿勢に、益子焼の進化を垣間見る。窯元【大誠窯】江戸時代から150年以上の歴史を有し、大きな登り窯で伝統的な益子焼を焼く蹴ろくろを使って器を制作中の大塚誠一さん。柿釉、黒釉、飴釉、糠白...益子焼らしい器に出会う幕末の文久元年(1861)に創業した老舗窯元だ。城内坂に面して販売店、奥に工房があり、益子でも最大規模の登り窯を持つ。七代目の大塚誠一さんは、「昔ながらの益子焼をイメージしたやきものを焼いています」と話す。益子で採掘された土、近郊の木を焼いて作る釉薬などを使い、現在も全ての陶器を登り窯に入れ、昔ながらの赤松の薪による焼成で作っている。店内に並ぶ陶器は、柿釉や黒釉、飴釉、糠白などの伝統的な釉薬の器が多く、昔ながらの益子焼らしい作風を残している窯元だ。「益子焼はぽってりとした、温かみのあるやきもの。洗練されてないかもしれませんが、田舎っぽさがいい味わいを出しています。今は伝統的な窯元だけでなく、若い作家も移住してくるので、濱田庄司の引力は凄いと思います」伝統を受け継ぐ作家としても注目したい七代目である。窯元【道祖土 和田窯】伝説の合田陶器研究所の志を受け継いで伝統と現代を調和させた新ブランドが誕生①焼成はガス窯を使用。②益子の伝統的な釉薬とモダンなデザインが融合した、使い勝手の良い器。③現在は「ギャラリー陶庫」のプロデュースで制作。城内坂通りにある同店で販売している。④窯長の伊藤浩二さんは「作家というより職人です」と語る。伝統的な釉薬6種類を使い現代風の食器を制作伝説的な陶芸家・合田好道と、弟子・和田安雄の志を受け継いだ窯元。伝統的な釉薬6種を使いながら、新しい感性でデザインした器を作陶している。一番人気は青磁の色をした益子青磁。ほかに糠白釉、黒釉、並白釉の3種類の釉薬を水玉柄にしたデザイン、合田好道の代表的な技法を生かした「刷毛目」シリーズも人気がある。窯長の伊藤浩二さんは「伝統的な釉薬を使って、時代に合うものを作る。そのバランスを大事にしています」と話す。窯元【わかさま陶芸】素朴でナチュラル感のある生成りシリーズなど現代人の感性に合った器を作る①工房では若い職人さんが働いている。②若い人の感性に合ったデザインの器が多い。③しのぎの技法を使った壺。④若林健吾さんは当初、公募展向けにざっくりした荒々しい質感のオブジェを作っていたが、制作した器が評判となったため、器の工房を造ったという。益子の土と釉薬を使いスタイリッシュな器を制作若林健吾さんは、九谷焼の技術研修所で研修後、加守田章二への〝憧れ半分〟で益子に移住した。益子の土をブレンドして使用し、釉薬も益子の伝統的な黒釉、糠白釉、益子青磁釉を使っている。そして益子焼の伝統にこだわりつつ端正な造形、きれいな色彩の器を制作。粘土の粗さを生かした素朴でナチュラル感のあるkinari(生成り)シリーズは人気がある。「しのぎや絵を入れて、ハンドメイドの良さが残るような器を目指しています」と若林さんは語る。※こちらは男の隠れ家2018年10月号より一部抜粋しております

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  • 小さな秘密基地を造る裏技。

    秘密基地”と聞いてワクワクするのは子供ばかりではない。大人だってそれは同様だ。ただ大人の場合は、日々の生活の中でそれが「ホッとする」場所になるということ。心身共にリセットして明日からまた頑張ろうといった活力も湧いてくる。そして“秘密基地”は小さい方が良い。ジャストフィットな心地良さに身を委ねてみたい。1. マンションの限られたスペースに造った中2階ロフト風の小さな「こもり部屋」東京都 日髙邸63㎡の2LDKのスペースを全てスケルトン状態にして1LDKに変更。左端が“通り庭”。玄関扉を開けて足を踏み入れると、まずはマンションとは思えない土間空間に驚かされる。さらに足元照明に導かれるように奥へと続く〝通り庭〞風の廊下。「京都の町家や通り庭の雰囲気が好きなので、その要素を取り入れたいとデザイナーに相談したんです。ほかにもリノベーションだからこそ実現できたオリジナルの工夫が色々あります」と話す日髙佳祐さん。黒壁のほの暗い〝通り庭〞を抜けて広がるのは明るいリビングダイング。そこは、訪れるゲスト誰もが思わず声を上げてしまう開放感と空気感に包まれている。アカシアの無垢材の床やカウンターキッチン、そしてリビング横にはロフトを造りつけた壁のない寝室ゾーン。実はこの中空に設置された上段のロフトこそが日髙さんの小さな秘密基地なのだ。一見すると収納スペースのようだが、部屋としての機能を重視し、座ってくつろげるよう天井の高さも考慮。本棚を設置して好きな本をずらりと並べ、ここで読書に耽る時間が何より楽しいと日髙さんは笑顔を見せる。時に飼い猫が寄り添ってゴロリと昼寝をするのも至福のひと時。キッチンに立つ奥さんともすぐに目線を合わせられる距離感も悪くないという。ちなみに愛猫が駆け巡れるようキャットウォークの造りも部屋の随所に施されている。また、ロフト下段のベッドスペースは、リビングよりも床を一段下げてやや深さを持たせた空間に。「洞窟のようにこもれる感じがとても心地良いんですよ(笑)」1LDKの空間はあえて壁などで仕切っていない。しかしそこには、こもる感覚の秘密の場所と、温かな家族の一体感が共存している。2. LDKの片隅の小さなスペースに造った趣味の“モノ”であふれるワークスペース東京都 松丸邸キッチンカウンター越しに見たワークスペース。右側は趣味のコーナー、左側は仕事用のパソコンコーナー。狭い空間を上手く利用。扉を開けた瞬間、どこかのショップ(!?)に迷い込んだかと錯覚するほどのインパクト。古いマンションの外観からは想像できない、ポップで存在感のある空間がそこに広がっていた。念願の土間空間にしたエントランスには、自転車やフィギュア、カラフルなスニーカーなどがずらり。お気に入りのモノを飾るためだけに棚を造り、ガラスケースなどを設置したというが、そのディスプレイセンスは見事だ。そしてそのワクワク感はさらに部屋の中へと続いていき、パソコンを設置したワークスペースにも彩られている。カウンターキッチンの向かいに造ったそこは、仕事と趣味を楽しむ松丸さんのとっておきの秘密基地。90㎝四方のパソコンスペースは体の大きな松丸さんにはちょっと狭そうだが、「座るとなぜか収まりが良くて妙に落ち着くんですよね」と笑顔を見せる。右隣にも机と棚を置き、フィギュアやけん玉コレクションの指定席に。古いパソコンはインテリアのひとつだという。実はこのワークスペースは、浴室とウォークインクローゼットの間を利用したデッドスペース。2つに区切られ、しかも奥行きに段差があるのは構造上の問題なのだ。「でも、この小さな空間の集まりが遊び心をくすぐり、フィギュアなどを飾るにはもってこいなんですよ」3. ひとりの時間をゆっくり楽しむための大人の雰囲気に満ちた静かな隠れ家東京都 T.O 邸小さな窓を南北面に設けたことで、明るさを確保すると同時に入ってくる光も部屋の演出にひと役買っている。築43年の古い二世帯住宅の建て替えに伴い、一部を切り離したことでスペースが空き、その空間を利用して隠れ家的なミニ書斎を造ることができたT.Oさん。設計会社にお願いしたのが「書斎として利用するためにカウンターデスクや本棚、ロフトへの階段など、部屋の統一感を出してほしい」ということだった。さらに、古さと新しい素材を上手く溶け込ませるために塗装には特にこだわったのだと言う。そのため、壁の色は何度もやり直し、ようやく写真に写る深みのあるブルーに落ち着いた。ただし、2世帯住宅を分けたことで理想の個人的スペースを確保できたのは良いのだが、収納スペースが母屋側にあったため、それがほぼ無くなってしまった。そこでこの書斎スペースにロフトを設けて一部を収納スペースに割くことにした。おかげでロフトにテレビを置き、趣味の写真をモニターできるスペースも確保できた。「その際に天井を抜いて露わになった古い梁を活かし、机や本棚、ロフトへの階段も着色して古民家風な雰囲気を出しました」とT.Oさん。ざっくりとした素材感のある雰囲気が好みだったので、床にはウォルナットの無垢材を使用し、カウンターデスクと本棚も床材と統一した仕上げで隠れ家的な空間を目指した。「落ち着けるスペース、非常に快適な空間になりました」。4. ガレージ奥のスペースを仲間との語らいの空間に埼玉県 中島邸ガレージの奥の小さな空間が秘密の隠れ家スペース。のどかな田園風景の中に突如現れるアーリーアメリカンな一戸建て。大工でもある中島一弥さんが自ら手がけた秘密基地は、そのガレージの奥にある。「とにかく車とバイクが大好きで、愛車たちを眺めながらくつろげる場所が欲しかったんです。ホントは自分だけの密かな楽しみのスペースにしようと思ったんですが、仲間たちが集まることも多く、共通の話で盛り上がる語らいの場にもなってますね(笑)」と中島さん。ブルーグレーの木の壁がお洒落な2畳ほどのスペース。真ん中にアンティーク調のストーブを設置し、それを囲むように枡形のウッドテーブルを配した。そして折りたたみ式チェアやランタン、お気に入りのアメリカ雑貨などをセンス良くディスプレイ。居心地は良さそうだ。「キャンプのように火を囲む雰囲気ですね。ここでコーヒーを飲みながら車と共に過ごすのが何より至福の時間なんです」と話す。愛車はボルボ240 、エルカミーノ、ワーゲンバス、ハイラックスキャンピングカーなど6台。バイクはハーレー、アイアンショベルX L C H 、エボリューションなど6台を所有する。「車ありき、ガレージありきで造ったまさに趣味の秘密基地です」5. 趣味に没頭するための空間造りにクールなメタル素材の仕切りが活躍神奈川県 Yoshiki邸エキスパンドメタルの仕切りを施した、アメリカの倉庫街を思わせるクールな雰囲気のワークスペース。空間を広く見せるだけでなく風通しもいいのが特徴。仕事や読書をするなどはもちろん、趣味のDIYなどの作業もここで楽しんでいる。二ューヨークのアパルトマンを思わせるクールなインテリア。まさに男の秘密基地というイメージにふさわしいこの収納&ミニ書斎は、網の目が美しいエキスパンドメタルの仕切りを設置したことで、自分の理想の形を実現した。玄関からネイビーブルーの中扉を開けてリビングダイニングへ。この小さな秘密基地は扉のすぐ右手にある。ほぼスケルトンの状態から室内全体をリノベーション。最初はこの部分には何も造らず、可動式のクローゼットを自分でD I Y しようと考えていたというYoshikiさん。「空間を自由に使えるようにと思ったんですが、ちょっと洒落た遊び心を加えたくて、見せる収納プラス書斎ができないかと設計士さんに相談したんです」と語る。ガラスで仕切る部屋などを設計士に提案してみたものの、ガラスに人が映り込むのが気になる、収納が丸見えになる......などの理由で不採用に。結果、勧められたのが圧迫感のないエキスパンドメタルだった。この素材は風通しも良く、適度に目隠しになる。明るさも確保できるので狭い部屋にはもってこいだった。「見た目の格好良さも気に入りましたね。それに合わせて内部は自分でデスクや棚板をDIYで設置。余っていたリビングの床材を使いましたが、簡単に交換できるようにしたので作業するのにも楽です」収納は天井いっぱいまで使えるように工夫した。見せる収納を意識して、キャンプ道具や雑誌などがきっちりと収まっている。「この空間に合うよう椅子にもこだわり、欲しかったジロフレックスを購入しました。見た目の良さはもちろん、座り心地が抜群。いつまでもこの場所にこもっていたくなる理由はこれにもあります(笑)」※こちらは男の隠れ家2018年3月号より一部抜粋しております

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