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男の隠れ家コンテンツ

  • 今日は野外でスパイスカレー。

    野外やアウトドアで楽しむ料理は、自然の中で味わう開放感と非日常の体験が魅力。焚き火やバーベキューなど、調理そのものがイベントとなり、仲間と協力しながら作ることで絆も深まる。もちろん一人でも、食材の香りや音が五感を刺激し、普段の料理以上においしく感じられる。野外で楽しむのにぴったりのメニューは、バーベキューや鍋料理など様々なものが挙げられるが、中でもおすすめなのが近年人気の「スパイスカレー」だ。手軽なのに本格的。奥深い世界にどっぷり。スパイスカレーの良さは、何と言ってもその奥深い香りと味わいにある。数種類から十数種類のスパイスを組み合わせることで、辛さだけでなく、甘み、苦味、酸味、香ばしさといった多彩な風味を一皿に表現することができるのが特徴である。また、スパイスは薬効成分を多く含み、体を温めたり、胃腸の働きを助けたりと、健康面においても優れた効果が期待できる。自分好みにスパイスの配合を調整できる点も魅力の一つであり、料理を通じて創造性を発揮する楽しさがある。さらに、肉や魚、野菜、豆などさまざまな食材との相性がよく、バリエーションが豊富である点もスパイスカレーの魅力である。もとから日本らしいカレーはアウトドアの定番であるように、大まかに作っても、味を見ながら調整できるのもおすすめのポイント。調理中に立ち上るスパイスの香りは食欲を刺激し、アウトドアでも本格的な異国の風を感じることができる。食べるだけでなく作る過程も楽しめるスパイスカレーは、アウトドアライフに彩りと豊かさをもたらしてくれる。そこで今回は、アウトドアでスパイスカレーをするのにぴったりのアイテムの紹介と、おまけの基本スパイスカレーのレシピを紹介する。豊かなアウトドアライフの一助になれば幸いだ。インド料理食い尽くした男が作る、本格的なお手軽マサラセット。「マサラギフトセット」は日本一インド料理を食べた男が、日本人の口に合うように調合した本格的なマサラ。さっと混ぜるだけで簡単に5分でバターチキンカレーが作れるカレーの素、どんな料理にもふりかけるだけで使える塩マサラや辛マサラ、牛乳に混ぜるだけで作れるラッシーの素やチャイの素が入っている。さらに簡単にインド風炊き込みご飯が作れるビリヤニの素、インド風屋台チャーハンが作れるチャーハンの素など、スパイシーの中に旨味が凝縮されたオリジナルスパイスでアレンジは無限大。フレッシュトマトや玉ねぎ、ヨーグルトなどと合わせれば簡単においしいカレーが作れる。今話題のビリヤニや、カレーに欠かせないラッシーやチャイも作れるセットになっているのも嬉しいポイント。ハサミと包丁の二刀流。複雑な料理を簡単に。Daily Chef「オールステンレスキッチンバサミ」は、切れ味が大切な野外料理において、万能な性能を発揮するキッチンツール。韓国で販売されている主要なキッチンバサミより1cm〜2cm長く、刃渡りが長いことで大きな食材や肉を一度に効率的に切断することができ、調理効率が上がり時短にも。骨付きチキンなども綺麗に切れるため、チキンのダシがよく出たおいしいチキンカレー作りにもおすすめの逸品。ワイルドな調理には欠かせないアイテム。持ち運びもラクチン、水洗いも簡単で料理後のケアも簡単。じめじめした気候もカレーで吹き飛ばそう。湿気が多く蒸し暑い近年の日本には、香り豊かなスパイスカレーがぴったり。体の中から熱を生み出し、爽快な汗とともに気分もリフレッシュ。暑さをおいしく吹き飛ばそう。--------------------------------------------------基本の簡単スパイスカレー(2〜3人分)【材料】玉ねぎ:1個(みじん切り)トマト:1個(ざく切り or トマト缶100g)鶏もも肉:200g(食べやすい大きさにカット)にんにく:1片(みじん切り)しょうが:1片(みじん切り)サラダ油:大さじ2水:200ml塩:小さじ1〜1.5(調整)【基本のスパイス】クミンパウダー:小さじ1コリアンダーパウダー:小さじ1ターメリックパウダー:小さじ1/2チリパウダー:小さじ1/3〜1(好みで調整)※市販の調合カレー粉であれば適量で代替可能【作り方】1.フライパンに油を熱し、にんにく・しょうがを弱火で炒める。香りが立ったら玉ねぎを加え、あめ色になるまで中火でじっくり炒める(10分前後)。2.スパイス4種を加えて1分ほど炒め、香りを引き出す。3.トマトを加えてよく混ぜ、水分が飛ぶまで炒める。4.鶏肉を加えて軽く炒め、水を入れて煮立てる。5.弱めの中火で10〜15分ほど煮込み、塩で味を調える。6.好みで仕上げにヨーグルトやガラムマサラを加えると風味アップ。※辛くしたければチリパウダー追加。コクが欲しければココナッツミルクや牛乳などを入れても。肉は豆や野菜に変更することも可能。--------------------------------------------------商品詳細マサラギフトセット4,600円 (税込)>>商品をチェックDaily Chef オールステンレスキッチンバサミ9,900円 (税込)>>商品をチェック

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  • 【3大グルメ企画】 第一章「萬福」編

    【3大グルメ】企画は、日本人が大好きな人気のグルメ「ラーメン」「カレーライス」「ハンバーガー」を提供する飲食店を、料理芸人としてバラエティ番組やラジオ等に出演し、YouTubeでも人気を博している「藤井21」さんが紹介していくコンテンツです。------------------------------------------------------ 町に愛され100年続く中華屋の味  中央区銀座二丁目。銀座駅と築地駅のちょうど中間くらいに位置するこの地は、かつて江戸時代に江戸城の修理を担う木挽(こびき)職人※1が多く住んでいたことから「木挽町」と呼ばれた地域だ。今でも木挽町通りと言う名前が残っているのは当時の名残だ。この銀座木挽町で大正時代に屋台から創業した老舗の中華屋「萬福」は長年多くの人に愛され続けている。  昭和通りから一本路地へ。車通りの少ない路地に入るとすぐ目の前の角地に店が見える。真っ白で清廉な暖簾に白い看板。看板には「中華そば 萬福」の文字。店先には名入りの赤い提灯が下がりメニュー書きがある。いかにも中華屋然としたその店構えを見ているとそれだけでもう腹が減ってくる。 店内に入ると入口のすぐわきの帳場に黒電話が置かれ、天井から下がっているのは白くて丸い可愛らしいペンダントライト、壁には古時計があり、使い込まれた黒い木のテーブルとカウンターにアーチ状の窓にはフリルの白いカーテンがかかっていてテーブルには銀色の水差しが並ぶ。まるで昭和レトロの喫茶店に入ってきてしまったかと錯覚してしまう様な光景だが、卓上に置かれた醤油やお酢等の調味料を見るとやっぱりここは中華屋なんだと思い直す。  メニューには中華そば、ワンタンメン、チャシュウメン(※2)等の麺料理のほかに焼餃子や春巻き、レバーにら炒め等いわゆる町中華では定番の料理が並ぶ。  「僕の子ども頃はメニューも洋食と中華が半々くらいだったんですよ」と店主の久保さんは語る。創業者の祖父が洋食のコック出身だったらしく、西洋料理と支那料理(※3)を合わせて西支(せいし)料理として創業したらしい。そんなメニューも時代の移り変わりとともに色々なメニューが淘汰され無くなっていくなかで最後に残った洋食が「ポークライス」だそう。 「正解の中華そば」 萬福の中華そばはラーメンの正解だ。  縁にぐるりと雷紋が描かれた丼を見るだけで食欲が増してきて今からラーメンを食うぞ!という気持ちが沸き立ってくる。表面にうっすらと油が浮かぶスープは深くて濃い落ち着いた琥珀色のスープ。具材はシンプルに叉焼、しなちく、ほうれん草、なるとそして三角に切った薄い玉子焼きが特徴的だ。スープを一口すするとあっさりしているけど力強い醤油の味がキリッと立っている。醤油味がしっかりするが尖っていない優しい味だ。無駄なものを排除した正統派な味わいに思わずため息がもれる。この醤油味の優しいスープにのどごしの良い細めのちぢれ麺がよく合っていて麺をすする箸も勢いを増していく。そしてお楽しみの叉焼だ。この叉焼が旨い。しっかりと噛みしめるタイプの味の濃い叉焼。今時の柔らかくて口の中でとろける~なんて叉焼なんかに真っ向から反旗を翻して叉焼ってのはこうなんだと言わんばかりの肉感を感じるしっかりと主張してくる叉焼。やっぱり叉焼はこうでなくっちゃ。白地にピンクのうずまき、なるとってラーメンに入ってるとなんだか嬉しくなるんだ。  そうなんだよスープも麺も具材もこれが良いんだよ。子ども頃に伊丹十三監督の映画「たんぽぽ」を見てブラウン管の前で腹を減らしていたあの醤油ラーメンだ。俺はこんな醤油ラーメンが好きなんだ。俺はこれが食べたかったんだ。まるでラーメンの原体験のような味が俺にとっての正解の醤油ラーメンなんだ。飯ってのは自分にとっての正解こそが正しいのだから。   「土曜昼のポークライス」  あの頃の土曜の昼めしが脳裏をよぎる。  老舗の中華屋に唯一残った西洋料理は他では見た事ない「ポークライス」だ。   濃いオレンジ色でつやつやと光る米に粗めに刻んだ玉ねぎと角切りの肉がたっぷりと入っている、上に散らしたグリーンピースの緑も映える。そして甘酸っぱいケチャップの良い香りがふわっと漂ってくる。これは見た目と匂いですでに疑う余地もなく旨いのは確定だ。 一口食べた途端に食感と香りが口の中を支配する。炒めたケチャップの甘くてやさしい酸味が口の中にふわっと広がり口の中いっぱいにかきこみたい欲求にかられる。玉ねぎはシャキシャキとした食感を残してほんのり甘く、ここは中華屋だと主張する肉感ある角切りの叉焼もまた旨い。中華鍋で作るからだろうかほんのりと香ばしさも感じる。  そうだ…これはあの頃の土曜昼のごちそうだ。  土曜日学校が終わって半ドンで帰ってくると食卓に鎮座していたチキンライス。  オムライスじゃなくてチキンライスが定番だった。母親が作るあのケチャップ味のチキンライスが無性に好きだった。あの頃の土曜の昼に急に口の中の景色が巻き戻される。これはどうあがいたって懐かしい味だ。  「男の子ってケチャップ味が好きでしょ」そう語る店主の久保さん。ポークライスは懐かしさも一緒に食べている。きっと土曜昼のケチャップ味好きな同士が多いから必然的にこのポークライスだけがメニューに残ったんだろう。ふと思い出してたまに食べたくなる味、うちは常連さんが多いですねと語るのも納得だ。  「中華そばとポークライスの名コンビ」   「ある材料で出来る料理」中華屋にある材料で作る洋食は具材も同じだからどこか味にも共通する要素があるのかもしれない。  ケチャップ味のポークライスをスプーンで頬張り、ラーメンのスープをレンゲですする。そんなの口の中で味が渋滞しちまうだろうと思われるだろが、このコンビネーションが不思議とマッチする。炭水化物と炭水化物、似ても似つかない中華と洋食。おそらく萬福以外では出会うことはない二つの料理が今目の前で共演している。そしてこのふたつの味わいが見事に調和している。正解の醤油ラーメンとあの頃の土曜昼のポークライス、こんなコンビはおそらく萬福でしか生み出せないコンビだろう。  米の一粒も残さずスープも最後の一滴まで飲んで心も体も満ち足りてまさに「俺は‟萬福”じゃ!」とふと卓上に置かれたドリンクメニューを見ると「瓶ビール」の文字が。 あぁ…ここの料理で瓶ビールなんて呑めたら最高じゃないか。  白い暖簾をくぐり店を後にする。  次来た時には瓶ビールと焼餃子それに〆にワンタンメンだな。また銀座に来る楽しみが増えちゃったな。そう思いながら銀座の街を帰路に就く。  ※1:木材を加工して板材や柱材に加工する職人  ※2:メニュー準拠  ※3:中華料理 ------------------------------------------------------Shop data 萬福 まんぷく 東京都中央区銀座2-13-13 電話/03-3541-7210 営業時間/月火水木金11:30〜14:30(LO)・17:00〜22:00(LO)、土 11:30〜14:30(LO)・17:00〜21:00(LO) 定休日/日曜日・祝日である月曜日 アクセス/東京メトロ銀座線銀座駅徒歩4分、有楽町線 銀座一丁目駅 徒歩3分、東京メトロ日比谷線 東銀座駅徒歩4分、東京メトロ有楽町線 新富町(東京)駅 徒歩4分、都営浅草線東銀座駅徒歩2分------------------------------------------------------「藤井21プロフィール」 埼玉県東松山市出身で同市の観光親善大使「東松山市應援団 」にも任命されている。  実家は酒販店で学生時代から15年以上続けた飲食店勤務の経験を活かし、料理芸人としてバラエティ番組やラジオ等に出演し、レシピサイトクックパッドには自信が考案した1900以上のレシピを公開している。  またYoutube「藤井21チャンネル」では趣味の呑み歩き動画や旅画を投稿し2万3千人のチャンネル登録者がいる。  そして2025年より唎酒師を運営する団体SSI日本酒サービス研究会に就職し“兼業サラリーマン”として働いている。  料理芸人、Youtuber、観光親善大使、会社員とマルチに活躍する。

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  • 本格派バーの扉を開ける

    ※本記事の内容は雑誌掲載時点の情報です。オーセンティックとは「信頼できる正統派」という意味を持つ。ちまたに酒場は数あれど、ちょっと良い酒を飲むなら腕・味・もてなしが三拍子そろったBarがいい。さらにプラスαで“雰囲気がいい”となれば最高だ。2010年以降にオープンした、比較的新しい「本格的なBar」へ今夜、一緒に特別な一杯を求めて出かけませんか?東京から1時間、海辺のバーへの小旅行Bar d【神奈川・江ノ島】2014年11月、片瀬江ノ島駅から数十歩のところに、オーセンティックなバーが誕生した。潮が香り、トビの鳴き声が聞こえる稀有なバーである。喫茶店と間違えた客が扉をたたくのも仕方ない。天気のいい日はテラスの窓を開けはなし、店内は大胆でいて落ち着いた色彩でまとめられている。ソファに身をあずけたら、もうずいぶん遠くに来てしまった気分だ。あとはバーテンダーの田辺武さんに委ねればいい。供されたのは、豊潤な甘さをたたえるワイン。一口大のブルーチーズをサンドしたドライイチジク、フォアグラとチョコが添えてある。メニューはないが、酒とスイーツのマリアージュに田辺さんの抜群のセンスが光る。どんな味わい方がよいのかたずねてみた。「自由でいいんですよ」と前置きをして、こう教えてくれた。「イチジクを口に入れて、多めに甘いワインを含んで。うつむいて目を閉じながらよく噛んでみてください」。イチジクの軽い酸味や種の食感、濃厚なブルーチーズのコク、ワインの豊かな甘みが渾然一体になる。遠くから「ピーヒョロロロロ」なんて鳴き声が。瞬間、ここが楽園になった。繁華な渋谷駅前に潜む“秘密結社”の入り口BAR CAPRICE【東京・渋谷】渋谷の名門バーで研鑽を積み、2014年11月に開店。ここでなら、惜しまれつつ幕を閉じたあのバーのカクテルにも、師匠ゆずりのもてなしにも合える。目立つ看板はない。これぞ隠れ家である。だが女性客も多く、店内は和やかなムード。時にブラックなジョークも飛ばす、バーテンダー・福島寿継さんの軽妙な話術と人柄ゆえだ。渋谷 109 ビルの「コ㆑ヒオ」、渋谷センター街の「コ㆑オス」(現在は共に閉店)。異色の場にあったオーセンティックバーで、マスターの右腕として活躍してきた。だから、「ここなら安心」という女性客が多い。福島さんが言う。「秘密結社のようでしょ。でもうちは奥様、旦那様が公認してくれるバーなんです」。華やかな夜にふさわしいチャンピオンカクテルBar 耳塚【東京・銀座】数々の大会優勝者を輩出する銀座「リトルスミス」にて18年。自身も世界大会で優勝を果たした耳塚史泰さんが2014年2月に開店。本バーテンダー協会主催の全国バーテンダー技能競技大会で総合優勝を果たしたのは、2011 年のこと。翌年には IBA ワールドカクテルチャンピオンシップで部門優勝。栄誉あるチャンピオンカクテルが飲める。「大会は華やかな舞台ですが、バーテンダーはお客様の求めに的確に忠実に応えるもの。「ストライクゾーンに球を投げるイメージです」。耳塚さんの言葉の端々には、堅実な人柄がにじみ出る。前店で着ていた真っ白なバーコートでなく、ベストを選んだのも、「気張らずフットワークよく動きたい」という心の表れである。森の香りがする空間でモルト&ラムを味わうBar 3wood【東京・浅草】2012年7月開店。前面に木を用いた空間は、森にいるような心地良さ。迷い込んだ気分になって、未知の酒にトライしてみたい。「木々が造る自然のトンネル。それがこのバーを造る時に思い浮かんだんです」と、バーテンダー・堀江景太さんは言う。無垢の木を多用し、窓からは木々の緑が望め、一歩店内に入ると気分ががらりと変わる。酒は、シングルモルトとラムが二本柱。「自宅のストックが最近減ってきちゃって」と苦笑するように、棚にはこつこつ買い集めた好きな酒を並べる。あまり見かけないラベルの希少な酒も多い。迷い込みそうになってもご安心を。目の前の頼もしいバーテンダーがアテンドしてくれる。店主が惚れ込むアイリッシュとマティーニが主役BAR K's Ave. DARA【東京・池袋】2015年5月開店。アイリッシュウイスキーを希少な銘柄も含めて常時約20種そろえ、カクテルにも心を砕く。その心とは?様々な酒を飲んでみた中で、バーテンダー・大石和広さんがたどり着いたのが、アイリッシュウイスキーだ。「ウイスキー発祥の地といわれてますし、なにより滑らかで飲みやすいんです」。一方で、「 20代はマティーニに費やした」と言うほど、マティーニを大事にしている。バーを訪ねては研究を重ねた。目指したのは、喉を滑るようでドライ感もある配合。大石さんいわく、「カクテルは作り手の数だけ味があるし、ウイスキーにはロマンがある」。ここに来たなら、ぜひその両方を味わいたい。駆けつけには喉を潤すハイボールBAR 長谷川【東京・根津】根津の静かな細道に、2015年4月開店。キレのいい氷なしのハイボールと、小腹を満たす料理でごきげんになれる。一日約200杯も出るハイボールの名店で経験を積み、自身の店を構えた。そんな前情報を知らない客も、この一杯を飲むと「おっ」となる。注ぐのにかかる時間はわずか数秒。冷凍庫でキンキンに冷やした「サントリー角」を用いるため、氷を入れずともヒンヤリ。薄まることもない。オールドファッションな店の雰囲気同様、カクテルもごくスタンダードなものを丁寧に作る。うれしいのは、サンドイッチなどの軽食があること。明るめの照明のもと、本を片手にグラスを傾けるのも至福。日常を抜け出せるエアポケット空間bar cafca.【東京・南青山】2012年11月に開店したバー。階段を下りた先は、まるで時間が止まった廃城のごとき世界。早い時間の開店で、白昼夢を見たような気分に。「自分でも時々時間の流れがわからなくなります」。バーテンダー・佐藤博和さんが話すように、日常の喧騒とは無縁の空間である。供するのは、古い時代のものや造り手の思いが込もった酒。注ぐのはバカラ、モーゼルといったグラスで、その美麗な輝きにしばしうっとりとなる。カクテルはもとより、コーヒーも美味。自家焙煎の豆をネルで一杯ずつ淹れる。コーヒーカクテルの美味しさは言わずもがな。ちょっと厭えんせい世したい時、自分の時間を取り戻したい時、エスケープできる。女性バーテンダーが作る真心のこもった一杯に時を忘れるBAR アンドレイ【京都・祇園】祇園の中心から少し離れた閑静な一角、扉を開ければ、そこにバーテンダー・今泉さんが作り出すもてなしの空間が広がる。2012 年 6 月オープン。祇園の北、ビルの 2 階にあるバー。バーテンダーの今泉麗さんがホテルなどで十数年働いた後、満を持してバーを始めた。店名は自身の名前と「&」をかけている。対となるのは酒、そして客だ。「この店で自分の時間をゆっくり過ごしてほしい。私はそれをお酒と会話でお手伝いする感じです」と今泉さん。特製のブラッディマリーはトマトを丸ごと一個使い、果肉を残した飲み応えのある一杯。秋になると柿やイチジク、ラ・フランスを使ったカクテルも登場する。和とモダンが融合する町屋のバーで甘いひとときをWINE & SHOT BAR The door,, 高倉店【京都・四条】京都の伝統的な町屋を活かした落ち着いた雰囲気の和空間では、非日常の格別な時間を過ごすことができる。2010 年に四条高倉の町屋を改装しオープン。一枚板のカウンターは 9 席用意され、そこから見える坪庭など落ち着いた和の魅力が広がる。1751年から続く日本を代表する造園「植治」の小川勝章氏が手がけた庭を眺めながら飲む酒は格別だ。また、2 階にはテーブル席があり個室も 5 部屋用意。ソムリエの溝口達也さんは「バーテンダーと私とシェフで、ホテルバーに引けを取らないおもてなしを提案しています」と語る。デザート感覚で味わえるフ㆑ッシュフルーツのカクテルは絶品。スコッチウイスキーに酔いしれる秋の夜BARPARKMORE【大阪・北新地】「ウイスキーに対する間口を広げたい」気軽に酒のことを教えてくれる、気さくな店主と酒談義に華を咲かせるもまたよし。賑やかな北新地の繁華街にある隠れ家的バー。店内には店主・高谷幸次さんが集めたスコッチウイスキーがズラリと並ぶ。その数はスタンダードから㆑アなものまで約300本に上る。元はトラック運転手だったという高谷さんは、その頃からスコッチウイスキーの大ファン。酒の味と歴史を知るほどに、その奥深さに魅せられて2002年、ついにバーをオープンした。現在は当地に移転して 3 年の月日が流れ、今宵もスコッチファンが店のドアを叩く。しかし高谷さんいわく「ハードルを高くしたくはないんです。一人で、あるいは恋人と気軽に飲みに来てほしい」。その言葉通り、高谷さんは客によって飲みやすい酒を提供するなど配慮を怠らない。スコッチ初心者であっても気兼ねすることなく時間を過ごせるアットホームな雰囲気も店の魅力となっている。シェリー樽の匂いが香る上質の一杯を味わいながら、自分の時間に浸る。あるいは客同士で好きなスコッチの話で盛り上がるのも一興だ。----------------------------------Recommend Contents 詳しくはバナーをクリック↓メタルカードウォレット JUSTE CHIRONスキミングが防止でき、ICカードがそのまま使える。創業50年、滋賀県草津市の金属加工メーカーが本気で作ったメタルカードウォレット。詳しくはバナーをクリック↓折燕 ORI-EN 二重タンブラー 260ml 310ml 全3色保温保冷に優れた二重構造、唯一無二のデザイン。

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  • 魔法の天然石「ROCKS」で氷いらずのキンキンドリンクを楽しもう!

    天然石アイスキューブ「ROCKS」が日本上陸!輝く美しい天然石で瞬間的な冷却を行い、キンキンに冷えたドリンクがすぐに出来上がり。冷たさをキープしたまま、味を薄めることなくドリンクを楽しめる「天然石アイスキューブROCKS」が、クラウドファンディングで大人気となり、ついに日本に上陸しました!これまでのアイスキューブには、アルコールの匂い移りや冷却持続時間の短さなどの問題がありました。しかし、一つ一つ丹精込めて磨き上げられた天然石の「ROCKS」なら、そんな悩みはもう過去の話。石自体が冷えることで長時間の冷却効果を発揮し、グラスに入れるだけでキンキンに冷えたドリンクがすぐに完成します。高級感溢れる天然石の魅力プロの石職人による繊細な職人技と、厳選された高品質の花崗岩が生み出す「ROCKS」は、見た目の美しさも格別。6つのストーンはそれぞれ異なる色と模様を持ち、うっとりするような手触りは、まさに一級品の証です。ドリンクを飲むだけでなく、天然石そのものの魅力も存分に味わえるのが魅力です。丸みを帯びた形状は、グラスを傷つけないよう配慮された職人のこだわり。使い勝手の良さと美しさを兼ね備えた「ROCKS」は、ワインやウイスキーをはじめ、日本酒、ビール、ジュースなど、あらゆるドリンクにマッチします。使い方は実に簡単。①冷蔵庫でストーンを冷やす、②軽く水洗いしてドリンクに入れる、③使用後は洗って冷蔵庫で保管。たったこれだけで、いつでもどこでも、溶けない氷によるキンキンドリンクが楽しめるのです。冷やした日本酒でまろやかな味わいを特に日本酒との相性は抜群。温度を下げることで香りが引き立ち、スッキリとした飲み口に。冷酒との組み合わせなら、料理の味わいを最大限に引き出してくれること間違いなしです。仕事終わりの一杯も、アウトドアで楽しむ乾杯も。大切な人への贈り物にもぴったりな「ROCKS」で、特別な時間をもっと素敵に演出してみませんか?溶けない氷の魔法を、ぜひその手で体験してください。商品名:R.O.C.K.S. 溶けない氷 魔法の天然石ROCKS 天然石アイスキューブ価格:16,760円 ~ 21,000円 (税込)商品の詳細はこちら

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  • たまにはいいよね?昼呑みのススメ。

    スーツ姿のサラリーマンが足早に過ぎ去っていく。酎ハイ片手に店の外を見ると、太陽はまだまだ元気な昼のひと時。ひと口呑む度に胃に流し込まれ、消化されていく若干の罪悪感。同時に悦楽の時間を噛みしめる。たつや 駅前店[東京・恵比寿]ホッピーファンの聖地と呼ばれる老舗店内の佇まいには老舗らしい風格がにじみ出ている。年季の入ったカウンターの一角に陣取り、やきとりの美味しそうな匂いを嗅ぎながら、名物の黒ホッピーをグイッ。隣の客と会話が弾んでいるうちに、時が過ぎていく。JR恵比寿駅の西口からすぐ近く。お洒落な街・恵比寿にあって、長く愛され続けてきた大衆酒場「たつや」。昼の時間帯に木枠のガラス扉を開けると、店内はすでにほぼ満席。中央のコの字型カウンターの周りで、客が楽しそうに呑んでいる。昭和51年(1976)、創業者の佐藤正光さんが43歳の時に、ボウリング場の支配人を辞め、退職金で開業した。当初から消防、鉄道、タクシーなど夜勤明けの人たちのために朝8時から営業。平日は翌朝4時まで。朝呑み、昼吞みができる店として、恵比寿界隈では古くから知られていた。佐藤さんは現在88歳。会長として週に3回は顔を出して、常連客と一杯やっているという。実はこの店は知る人ぞ知る、黒ホッピー発祥の店だ。「最初はホッピーにギネスビールを入れて、黒ホッピーとしてお出ししていました。〝美味しい〟とお客さんにも好評で、ばんばん注文をもらっていた。そうしたら、ホッピーを製造しているホッピービバレッジさんが、黒ホッピーを商品化してくれたんです」ギネスを使うと値段が高くなるが、黒ホッピーなら安くてヘルシー。現在でも黒ホッピーを頼む客が圧倒的に多い。20本入りのホッピーケースが、一日になんと34箱も消費されるという。「ホッピーの消費量は都内で一番じゃないかな」と佐藤さん。つまみは種類豊富な「やきとり」、創業以来変わらない味の「煮込み豆腐」など。40年以上通っている常連客の大橋さんは、「近くに勤めていた時は、毎日通っていた。リタイアしてからも週2回は来ているね。ここはお客さんがみんな良い人ばかり。その中心にいるのが会長さん。人柄が良いので万人に好かれる。常連客のみんなで釣りやゴルフ、カラオケなどを楽しんでいます」老舗に通うお客さんは皆、品格のある呑み方を心得ている。たとえ黒ホッピーで酔っていても、声を荒げることなく、陽気に呑む。だからその場にいれば思わず笑みがこぼれるし、酒やつまみもまた格別に旨い。常連さんの人柄、それもまた店の魅力のひとつなのだ。なんどき屋[東京・新橋]素材の味を生かした家庭料理右/店の入口は目立つ黄色の看板や電光掲示板があり、一見派手な印象を受けるが、店内は清潔感漂う落ち着いた雰囲気。左上/静かに語らう常連客。左下/男性グループは呑み疲れで一休み。たらこをバーナーで炙るご主人・服部さんは二代目店主。新橋駅前、西口通りといえば、夜ともなると、呑み屋に繰り出す仕事終わりのサラリーマンたちで賑わう通りだ。昼間は閑散としているが、縄暖簾と黄色い提灯が目印の、この店だけは別格だ。「なんどき屋」という店名の通り、24時間営業で、〝いつ、なんどき〟行っても開いている。元々は新橋に数店舗あった牛めし店のひとつ。昭和46年(1971)に独立して、居酒屋へと衣替えをした。今でも牛めしだけでなく、「家庭料理が基本」の単品料理にプラス300円で定食を食べられる。24時間営業なので、朝呑み、昼吞みができる店として人気が高いのは言うまでもない。「一日のうちで混んでいる時間帯は、強いて挙げるなら明け方ですね。早朝4時から7時頃まで。近くで働く同業者などが仕事帰りに寄っていきます」と主人の服部逸郎さん。「昼吞みのお客さんは、明るいうちからすいません、お騒がせします、と申し訳なさそうに言うんです。罪悪感があるんでしょうかねえ。店からすると、昼から呑んでくれてありがとう、ですよ」ガスバーナーでたらこを炙る服部さんは、こう続ける。このたらこは800円。高くても旨いねとお客さんに言ってもらいたい。うちは素材にこだわっているので、単価は決して安くない。でも、料理の味に納得して来てくれるお客さんが多いです」例えば、「牛めし」や「肉豆腐」には服部さんが厳選した和牛を使う。上質な食材を使いたいというその姿勢が、この店が長く人々に愛され続けている秘訣といえる。こだわりは酒にもある。炭酸は瓶ではなく、炭酸が強い業務用を使用。多くの人が注文する名物「Dハイ」を飲んでいた客は、「ダブルのハイボールなので、シングル2杯よりもお得。ここのハイボールは炭酸が強いので、シュワシュワ感が違うんだ」。リピーターが多く、7・8割が常連客というのも納得である。〝家庭で食べるような料理を〟という服部さんの温かな思いと手料理が、今日も都会で働く人々の空腹を優しく満たしてゆく。岐阜屋[東京都・新宿]思い出横丁のある町の中華屋カウンター席で思い思いに昼間酒を楽しむ客たち。店は入口が2つあり、コの字型のカウンターがそれぞれにある。こちらは線路通りに面した店内で、一人で静かに呑むには最適な場所。反対側はオープンな造りで、グループ客でも楽しめる。新宿・思い出横丁は狭い路地に呑み屋がひしめき合う、人気の呑み屋街だ。横丁で唯一の中華屋として昭和21年(1946)に創業。専務の堤康一さんによれば、創業者は岐阜出身で満州から引き揚げてこの地で中華屋を開業したという。昭和43年(1968)に堤さんのお父さんが引き継ぎ、現社長が四代目となる。「元々は満州の味だったが、二代目は横浜中華街、四代目は高級中華料理の店で修業しているので、今では日本人好みの、昔ながらの味になっています」と堤さん。最近流行の町中華での昼吞みは、この店では昔から当たり前だったそうだ。10年来の常連客は「勤務時間が不規則で、仕事帰りに朝、昼呑める店はありがたい」と顔をほころばせる。「これからも安らげる場所を提供し続けていきたい」と堤さん。活気と優しさに包まれた温かい町の中華屋に今日も人々が集う。クラフトビアバル IBREW 新橋駅前店[東京・新橋]30種類以上のクラフトビールが呑める通りすがりにフラッと入れそうな、カジュアルで親しみやすいクラフトビール酒場。昼の時間帯はのんびりしているが、夜になると満席になり、立ち呑みで楽しんでいる客も多い。クラフトビールは一律料金でハーフ390円、パイント690円。橋駅前ビルの1階にある、クラフトビール酒場「IBREW」。カウンター奥の壁には、30種類の生樽サーバーのタップがずらりと並ぶ。クラフトビールは国産に限定。30種類をラガー、エール、フレーバー、WHEAT(小麦)、IPA(インディア・ペールエール)、ブラックの6タイプに分類、メニューにも表示しているのでビール選びがしやすい。店長の赤羽根優衣さんは言う。「クラフトビールはいろいろなタイプがあるので、ビールが苦手な人でも自分の好みに合うビールを見つけられます」人気のつまみは、「自家製おばんざい」と「もつ煮」。「和食系のつまみが意外にクラフトビールに合うんだよね」と昼吞みの男性が言う。お勧めは、平日の19時まで限定の「ちょい呑みセット」。クラフトビール3種とおばんざいで1000円(税込)、これを目当てに訪れる客も多いようだ。※こちらは男の隠れ家2019年12月号より一部抜粋しておりますRecommend Contents自宅で本格的な炉端焼きを楽しもう【伊賀焼 あぶり名人】伊賀焼の美学と工芸の粋を結集伊賀焼 「あぶり名人」は、伊賀焼の美学と工芸の粋を結集した、本格的なあぶり焼きが楽しめる逸品です。素朴でありながらも高度な技術が込められています。「あぶり名人」の特徴は何と言っても、そのメカニズム。――続きはこちらからROGENオイルリッチローション乾燥/テカリに秒速1本ビジネス専用オールインワン化粧水日本初、印象のプロが監修したオールインワン化粧水。男性肌特有の肌悩みに着目し、男性肌の特徴にこだわった無添加オールインワン化粧水。1本で、化粧水、美容液、乳液、アフターシェーブローションまでの機能性を実現。――商品詳細はこちら

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  • TOKYO BAR STORY【銀座編】

    TOKYOには星の数ほどBARがあり、客にサーブするバーテンダーがいる。そして、そこにはやはり星の数ほどの語り尽くせない素敵な物語があるのだ。1.ジャパニーズバーテンディングの技術を世界に知らしめる名門銀座1丁目 【 STAR BAR GINZA 】重厚感あふれる店内はマスターの岸氏がヨーロッパのパブをイメージして部材を見つけてきた。装飾を施した天井がゴージャスな雰囲気に。テーブル席も落ち着いた印象だ。日本のバーテンディングのレベルの高さを世界に知らしめるバーである。接客の洗練さ、軒数、客質。その何を取っても〝日本一のバーの街〟といわれる銀座においても、名バーとしての要素を何ひとつ欠くことがない一軒だろう。オーナーバーテンダーの岸久氏が築いてきた功績が、その理由を物語っている。平成8年(1996)には国際バーテンダー協会(IBA)が催す世界カクテルコンクールにおいて、日本人で初めて優勝。平成20年(2008)には厚生労働大臣によって卓越した技術者のみが表彰される「現代の名工」を、バーテンダ―として初めて受賞。長い間日本バーテンダー協会(NBA)の会長を務め、平成26年(2014)には、各功績を認められ黄綬褒章を受章した。カウンターの正面、バックバーの真ん中に目をやれば、岸氏が、アイラ島の親善大使「アンバサダー・オブ・アイラ」であることを表した額装が飾られている。国内のみならず、海外からこのバーを目指してくる客も多い。彼らがまず一様に驚愕するのが、あまりにも透明すぎる「氷」だ。カウンター内には温度を微妙に変えた3台の冷凍庫を揃え、氷屋から仕入れた純氷の貫目氷を、緩める、締めるを繰り返し、まさに一点の曇もない透き通った氷に仕上げる。店長の吉田達也氏が「仕入れてから3日目でやっとお客様のグラスに届きます」と、さらりと言うその氷は、カクテルを提供する直前によく研がれた包丁で形を整えられピタリとグラスに収められる。液体を注ぐとその透明さゆえに、まるで何も入っていないかのようにフォルムは消え失せ、カクテルを飲んで液体が減っていくにつれ、再び姿を現す。それは〝ニンジャ・アイス〟と呼ばれ、今や海外のバーラヴァーにも知られることとなっている。これだけでも、このバーの良さがわかるというもの。現在、「スタア・バー」は全4店舗を構える。銀座タイズ、京都、東京ミッドタウン日比谷。その中でも本店である銀座は〝芯〟の部分を担うべく、岸氏の教えがひときわ純粋に行き届いているといえよう。入社8年目になるという吉田氏に、マスターからの教えの中で、特に心がけていることを尋ねてみた。「実は、カクテルの技術より何より、一番大事なのは〝差配する〟ことが真髄だと感じています」差配する。それは、迎え入れた客のもてなしであると同時に、バーという限られた空間の空気を守るべく制御の要素も求められるという。例えば、と過去のエピソードを吉田氏が教えてくれた。多くのバーでそうであるように、スタア・バーでは隣客に話しかけることは歓迎されない。ある男女のカップルが来店した時、女性の方が隣席の外国人客と盛り上がってしまい、エスコートしてきた男性が取り残されてしまう状況。当時の先輩バーテンダーが女性客をたしなめるも、状況はむしろエスカレートする一方。やむを得ず、先輩バーテンダーが女性客にかけたのは、「今日はそろそろお引き取りください」という言葉だった。女性客は大層立腹し、バーテンダーに、なんとコップの水をかけて席を後にした。だが、この時、岸氏が弟子にかけた言葉は「それでいい」だった。2人で来たなら、ここでは2人のバーの時間を楽しんでほしい。スタア・バーがたとえ満席でも凛としたバー空間が保たれているのは、そんな差配のおかげであり、それがこのバーの真意というわけだ。「まだまだ経験の浅かった私は、スタア・バーであることはこんなところから気を配るべきなのか、と感じ入りました」と吉田氏は振り返る。岸氏が弟子たちに言う言葉があるというので教えてもらった。「きっちりできないなら、やらない方がまし。だから、やるならしっかりやろう」気も時間も使って、そこそこならやらない方がましだ。だから、やるなら高みを求めて完璧にやりきる。それには、いかに前もって準備をするか。いかに効率的に動くか。いかに頭を使うかということだ。ニンジャ・アイスは、スタア・バーの目指す精神性の高さを物語る、それこそ氷山の一角でしかない。ここに、カクテルごとに使う氷の冷凍庫3台を使い分けていることもさらに付記しておこう。例えばジントニック用の氷、ショートカクテルを作るためのシェイク用の氷、まだ仕入れたばかりの堅さを緩めるために寝かせている氷。でもこれも彼らにとっては日常のこと。聞かない限り、雄弁に語られることはないだろう。慎ましくも、極められし技。氷ひとつからそこに宿るバーテンダーの心意気をくみ取るのも、バーを訪れる愉しみではないだろうか。2.バーテンダー協会の理事長が創業 半世紀以上続く歴史と往年のもてなし銀座5丁目 【 JBA BAR SUZUKI 】長いカウンターを照らす照明は、創業時からのもの。古き良き時代のオーセンティックバーと聞いて浮かぶシーンに、そのまま入り込んだようである。温かみのある明かり。年季の入ったカウンターの手触り。バーテンダーの真摯なもてなし。半世紀以上紡がれてきた歴史がこの空間にある。昭和42年(1967)創業。開いたのはJBAの理事長を務めていたバーテンダー、鈴木昇氏だ。JBAとは、日本最大のバーテンダーの協会である日本バーテンダー協会(NBA)の礎となった団体のこと。「お酒の先生のような存在でした」。鈴木氏のことをそう振り返るのは、現オーナーの吉田奉敬氏である。吉田氏はかつて客として通っていたひとり。昭和46年(1971)の洋酒の輸入自由化解禁の折、自身も輸入を手がけるようになり、右も左もわからない洋酒の手ほどきをしてくれたのが鈴木氏だった。「穏やかで知的で、本を書くのが好きでね。一般者向けのカクテル教室の先生もやっていましたよ」。そんな人柄を慕って、このバーには、多くのインポーターが客として集った。鈴木氏は、彼らの酒を客に紹介し、時に互いの酒を試飲させ、「この酒はこう売ったらいい」なんて講義もしてくれた。だが、64歳で食道がんのために他界してしまう。常連だった吉田氏に「バーと妻を頼むよ」と言い遺した。その後、ひとりで店を切り盛りしていた妻の君子さんから「店をたたもうと思う」と聞いたのは、鈴木氏の死から2年経た頃だった。吉田氏はマスターの遺志を継ぐべく自身がオーナーとなり、バーを移転。今も守り続けている。店長を務める久野修平氏は言う。「ある時代には、バーテンダーが見習いで来るようなバーでした。ここで学んだのは、お客様の状況をくみ取る温かい接客です」。往年の雰囲気をたたえるこのバーも、今年4月には老朽した部分をリニューアルするという。とはいえ、肩肘張らずに過ごせるもてなしが、変わることはない。3.゛銀座のバー”の正統を守る 名店の矜持に満ちた一杯銀座6丁目 【 BAR 保志 】ビルの8階が店舗。正統を味わうにはこの店の扉を開けよう。バーテンダー・保志雄一氏がカクテルと出会ったのは学生時代にアルバイトをしていた宇都宮の名店「パイプのけむり」。酒といえばビールかウイスキーくらいしかなかった当時、色鮮やかなカクテルに魅了された。同時に世界のカクテルコンペティションで活躍するオーナーバーテンダー・大塚徹氏の活躍を間近で見て、〝酒で世界に挑戦できるのか〟と衝撃を受けた。以来42年間カウンターに立ち、自身も国内外のコンペティションでの受賞を重ねてきた。基本に忠実に、そして先駆的に。氏のもとでそんな〝保志イズム〟を学んだ後進たちが今、銀座のいたる所で店を構える。伝えたいのは確かなプロの技術、そして気遣いだ。「間違いのない本物を提供すること。それが銀座という街が持つ伝統です」。銀座が家なら後進の一人ひとりは家族だと、保志氏は続ける。街と酒と人を愛する氏が作るカクテルが、今夜もカウンターを彩る。※こちらは男の隠れ家2019年4月号より一部抜粋しております

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  • ビールに合うお取り寄せ酒肴

    喉越し抜群、キンキンに冷えたビールには、塩味や辛味、油味がしっかりと効いた思わず後引く味わいの酒肴が王道である。会社帰りの酒を愉しんだ日々を懐かしく思う今日この頃。家で過ごす時間と共に酒を嗜む機会も増えた人も多いだろう。酒呑みならば、家でも「酒肴」にもこだわりたくなるのは必然。今回はそんな古今東西のとっておきの逸品を5つご紹介します。ORDER NO.1 九州産若鶏のからあげからあげの鳥しん(大分県)旨さの秘密は九州産若鶏と門外不出の秘伝ダレ凍ったまま、ラップをかけずにレンジでチン。これだけでも十分美味しいが、この後オーブントースターで2分ほど焼くとさらに美味しくなる(1箱1,110円)からあげの聖地・大分県中津。その「中津からあげ」激戦区で20年前に創業し、からあげグランプリで最高金賞を最多受賞しているのが「からあげの鳥しん」だ。ひと口に「中津からあげ」といっても、それぞれの店の味は千差万別。ひとつとして同じ味の店はない。そうしたなかで鳥しんが評価される理由は〝とにかく美味しい〟から。品質の高い九州産の若鶏にこだわり、フルーツやニンニク、ショウガ、スパイスなどで作り上げた醤油ベースの秘伝ダレをもみ込んだからあげは、旨味とコクが違う。「〝冷めても美味しい〟が常連のお客様から最もいただく褒め言葉です」と店主の角信一さん。この極上のからあげを酒肴に、ビールグラスを傾ける至極の時を味わってほしい。ORDER NO.2 レンジでチンする東洋軒のとり天レストラン東洋軒(大分県)これぞ唯一無二の本家の味 本物のとり天をお取り寄せ東洋軒の94年の歴史で、2020年3月に初めて発売された電子レンジ対応商品。誰でも簡単に本物の味が愉しめるとあって、早くも大人気(1箱1,296円)からあげと並ぶ大分の名物・とり天。ここ東洋軒はその発祥の店としてあまりにも有名な名店だ。最近は関東でも見かける機会が増えたとり天だが、「衣がベチャッとしてる」なんて残念な声も。だが、そう思っている人にこそ、本家・東洋軒のとり天を食べてほしい。熱々のうちはもちろん、冷めても衣がサクサクなのだ。また下味にオリジナルブレンドの醤油やニンニクを使っているのでそのままでも美味しいが、「お勧めは辛子やカボス酢醤油を使っての味変。さっぱりとした味の変化に驚くお客様も多いです」と代表取締役社長の宮本博之さん。この味変がビールを呑む時に重要。まるで酒肴が替わったかのような味の変化に、ついついもう一本栓を開けてしまうことに。ORDER NO.3 遠山ジンギス ハイグレード肉のスズキヤ(長野県)創業60余年変わらぬ味と品質信州熟成三年生味噌が隠し味の、生ニンニク香る極旨熟成醤油ダレが美味しさの秘密。「スズキヤ秘伝のタレは倉業60余年変わらぬ味と品質です」と社長の鈴木理さん。店頭には9畜種31種類のジンギスが並ぶ(1パック840円)古くから信州の秘境・遠山郷でパワーフードとして親しまれてきた「遠山ジンギス」。ジンとは味を付けるの意で、一般的に知られるラム肉のジンギスカンとは異なり、羊・鶏・豚・牛・馬・猪・鹿・熊・鶉うずらの9畜種を独自のタレ揉み製法で味付けした肉をジンギスという。なかでも一番人気は、ビールにピッタリなマトンのロース肉を使用したハイグレード。ORDER NO.4 たまごキムチキムチ家 舳心(栃木県)キムチの旨味が染み込んだゆで卵そのまま食べるのはもちろん、マヨネーズをかけても美味しい。見ただけでビールが欲しくなる(1袋540円)卵の丸ごと感がインパクト大な「たまごキムチ」は、地元の有名ブランド卵「那須御用卵」を新鮮なうちに茹でてキムチ漬けにした人気商品である。店内で手作りしてる秘伝の和風キムチの旨味が黄身までしっかりと染み込んで、卵の柔らかな甘みとハーモニーを奏でる。ビールとの相性も抜群で、口の中で十分堪能したたまごキムチをビールと一緒に喉奥へ流し込む瞬間はたまらない。ORDER NO.5 横濱ビア柿美濃屋あられ製造本舗(神奈川県)日本のビール発祥の地ならではの柿ピーもち米100%のあられ生地をしっかり焼き、濃口醤油をベースにビーフブイヨン、シチリアの海塩などを加えたタレを絡ませる。「ビールに合う柿ピーをコンセプトに開発しました」と代表取締役・小森健太郎さん(1袋648円)ビールの酒肴の代表格・柿の種を、日本におけるビールの発祥の地・横浜で昭和4年(1929)から作り続けている美濃屋あられ製造本舗。同社の柿の種には9種類のラインアップがあるが、ビール好きにお勧めしたいのが「横濱ビア柿」。その名の通りビール専用で、歯応えのある硬さ、辛くて濃厚な味わいは、ビールの酒肴以外には考えられないほど。※こちらは男の隠れ家2020年8月号より一部抜粋しております

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