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男の隠れ家コンテンツ

  • 自宅で本格的な炉端焼きを楽しもう【伊賀焼 あぶり名人】

    伊賀焼の美学と工芸の粋を結集伊賀焼 「あぶり名人」は、伊賀焼の美学と工芸の粋を結集した、本格的なあぶり焼きが楽しめる逸品です。素朴でありながらも高度な技術が込められています。「あぶり名人」の特徴は何と言っても、そのメカニズム。熱源にはシーズヒーターを使用し、輻射熱の特性を最大限に引き出しています。高性能ヒーターの火力を、伊賀焼の保温性と遠赤外線効果によって増幅。本格的な炙り焼きができるメカニズムを支えていますよ。高性能なヒーターと伊賀焼の陶器が創り出す焼き物は、まさに芸術。豪快に焼くもよし、じっくりと焼くもよし。熱の調節は自在に、料理の幅がぐっと広がります。魚焼きグリルのイライラを解消!この「あぶり名人」は、多種多様な食材を一つの器で手軽に調理できるのが魅力です。あぶりながら、焼きながら、余分な脂を落とし、食材の一番美味しい瞬間を逃さずに捉えることが可能。焼き鳥、田楽にも最適で、秋刀魚もまるまる1本焼くことができますよ。真骨頂は、その均一な熱伝導にあります。高性能なシーズヒーターと伊賀焼の陶器の組み合わせにより、食材の表面はパリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに仕上がります。調理過程を見ながら、食材の状態を確認できるため、料理の結果に対する満足感も一層高まります。さらに使いやすさも格別。つまみ一つで温度調節が可能で、難しい操作は一切不要。受け皿に水を張るだけで、焼き物から落ちる油を受け止め、煙を少なくし、短熱の影響も抑えることができます。使い終わった後は外して洗うだけなので、嫌なニオイもベタベタ油汚れも簡単に落とすことができますよ。自宅の魚焼きグリルの手入れや火力調整が苦手だった方の救世主となってくれるはずです。シンプルで美しいデザインは、食卓に置いても風格があり、どんなインテリアにもマッチします。思わず「今日は何を焼こうか?」と考えてしまう、そんな時間を過ごすのはいかがでしょうか。商品名:伊賀焼 あぶり名人価格:44,000円(税込)商品の詳細はこちら

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  • 伝統と革新の融合を体験【伊賀焼 いぶしぎん】

    自宅で手軽にスモーク料理を楽しもう。伝統の匠の技が現代のニーズに応える「伊賀焼 いぶしぎん」。伝統的な文化と、新しい時代の融合が生み出したこの製品は、あなたのライフスタイルに新しい風を吹き込む、これまでとは一線を画す革新的な発見となることでしょう。江戸時代後期、1832年に開窯した長谷園は、伊賀焼きの伝統と技術を守りつつ、現代のライフスタイルに適した製品を生み出すために、伊賀の粗土の特性を最大限に活かしました。新たな時代に溶け込む伝統的な焼き物をぜひ、ご覧ください。「いぶしぎん」は伝統的な伊賀焼きの技法を応用し、約30分で本格的な燻製料理を家庭で楽しめるという画期的なアイテム。シーリング効果を利用して煙が外に漏れないように作られ、ご自宅で気軽にスモーク料理が楽しめます。ロースト料理から、味噌や醤油などの調味料の香りづけまで、多様な調理に対応。様々な食材の旨味を引き出し、独自の風味を再現してくれますよ。さらに、ポーラス(多気孔)により急激な温度変化を抑え、食材の酵素が活動する温度を保つことが可能。遠赤外線調理も可能で、遠赤外線効果により食材の芯から熱を伝え、ふっくらとした柔らかさを作り出すことができます。余計な水分を逃さずに、じっくりと調理することができるため、独特の甘味と旨味を味わうことができます。焼き物初心者にもおすすめ 焼き物と言われるだけで、独特の使い方があるのではないかと警戒する方も多いはず。ですが、安心してください。初めての方でも問題なく使えるのがこの製品のポイント。「いぶしぎん」は使用方法も簡単です。土鍋に食材と調味料を全て入れ、中強火で煮込むだけ。沸騰したら火を消し、余熱で料理を完成させる。そんなシンプルな使い方ができるのです。 多機能性と使いやすさを兼ね備えているため、一度使うと手放せなくなりますよ。 どんな家庭でも新しい料理体験ができること間違いなし。伝統と現代が融合したこの逸品を手にすれば、あなたのキッチンがスモーク料理を提供するレストランのような香りで包まれることでしょう。 伊賀焼きの長い歴史と技術を感じられる「伊賀焼 いぶしぎん」をぜひ手に取ってみて。 【商品詳細】 商品名:伊賀焼 いぶしぎん 価格:11,000円 ~ 16,500円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • ”食の隠れ家”イベントレポート

    日本人にとって欠かせない食材であるお米。その魅力を最大限に引き出すイベントが開催された。そこで得られた貴重な体験から、新たな商品開発の期待が膨らんだことを、まずはご報告。併せて日本の伝統工芸が持つ卓越した技から生まれた、秀逸な商品を2点紹介したい。イベントレポート当日のイベントの様子。次々に提供された料理の美味しさに、参加者たちの会話も弾む。多くの人がお米の美味しさに驚いていた。「食料自給率」という言葉は、誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。これは食料供給に対する国内生産の割合を示す指標のことで、単純に重量で計算することができる「品目別自給率」と、食料全体について共通のものさしで単位を揃え計算する「総合食料自給率」の2種類がある。さらに総合食料自給率は、人が生きていくのに必要なエネルギー量で換算するカロリーベースと、経済的な面で換算する生産額ベースとがある。2021年度のカロリーベースの食料自給率はわずか38%。特にカロリー優等生の米消費量の減少が著しいことが、それを助長している。国民ひとりが1年間に食べるお米の量は、1962年度の118.3kgをピークにして1970年度は95.1kg、1990年度は70kg、2020年度は50.3kg(1日0.9合)と、減少の一途をたどっている。しかも過程で炊飯する割合も低下している。今回のイベントは、日本が抱える食料問題に想いを馳せつつ、日本食の素晴らしさを再認識する、という試み。そして『男の隠れ家プレミアム』では、食料事情改善に少しでも手助けになるよう商品を、見極めようと心がけた。素晴らしき食材の数々が教えてくれた”食べる”という喜びお米をはじめとして、全国から集められた数々の秀逸な食材は、順次『男の隠れ家プレミアム』で扱っていく予定。左/ごはん(ゆきさやか)とマロンポークの豚汁、右/調理中の小田野さんと長谷川さん。希少で美味しいお米と味を引き立てる器に着目その日の夕刻、都内にある某キッチンスタジオは、食欲をかきたてる香りが充満していた。茨城県水戸市で食と農に関する人材教育を行う「鯉淵学園農業栄養専門学校」の学園長・長谷川量平さんと、食育インストラクターの小田野仁美さんが、日本各地から集められた食材を次々に調理していく。前ページで触れた通り、米の国内消費量は1962年をピークに減り続けている。同時に日本食には欠かせない魚介類、味噌や醤油などの発酵食品の消費も減少。にも関わらず、フードロスが社会問題化。今回採用した21品目の食材のうち、14品目がフードロスに該当している。そこで今回のイベントは、日本の米や伝統的な献立の魅力を再認識しつつ、フードロスに思いを巡らす狙いもあった。選ばれたお米は、北海道の希少品種「ゆきさやか」。これは北海道内の作付面積中、わずか1%未満しか栽培されていないという超レア品種である。北海道のブランド米選出の際、「ゆめぴりか」と最終選考まで競った品種だ。しかも味や甘味の質、食感では「ゆきさやか」の方が上回った。だが、栽培が難しく収穫量が少ないために選ばれなかったのである。一般市場ではなかなかお目にかかれない「ゆきさやか」は、来場者にも大変好評であった。たくさんのおかずが並んだにもかかわらず、「一番印象に残ったのはごはん」と答えた人が多かったほど。今後『男の隠れ家プレミアム』で販売予定。お米が美味しく感じられる器が用意されたことも好評であった。茶碗はすべて丸利玉樹利喜蔵商店提供の美濃焼で、手に取ったときの質感やごはんの湯気が立ち昇った際の様子など、美味しさを増す効果を演出する。こちらも今後の展開を、大いに期待してほしい。今月のPICK UP日本の伝統工芸の技術を今に生かした2つの逸品。有田焼セラフィルター飲み物の味わいがまろやかに。伝統の技が生んだハイテク商品16世紀末、豊臣秀吉が朝鮮への出兵を全国の大名に命じた。それに従い、朝鮮半島に渡った肥前(佐賀)領主・鍋島直茂は、朝鮮人陶工を佐賀の地に連れ帰る。そのうちのひとりである李参平が、元和2年(1616)に有田東部の泉山で白磁鉱発見し、日本で初めて磁器の製造に成功。以来、江戸時代後期になるまで、有田は日本で唯一の磁器生産地であった。そんな歴史を誇る伝統工芸有田焼の技術を取り入れ、飲み物の味を劇的に美味しく変える陶器製フィルター「セラフィルター」が誕生。これでコーヒーを淹れた場合、紙フィルターでは不可能であったコーヒーの雑味をブロックし、旨味成分である豆の油は通す。おかげで、誰もが一流バリスタに近づけたと思うほど、コーヒー豆が持つ本来の旨味が味わえるのだ。このフィルターは、数ミクロンという穴が無数にある多孔質セラミックで作られていて、遠赤外線効果とセラミックスの力で水のカルキ臭や飲み物に含まれる不純物を取り除く。安いワインやお茶、水道水も劇的に旨くしてくれる。【商品詳細】商品名:有田焼 セラフィルター価格:3,300円 ~ 4,950円(税込) 商品の詳細はこちらマネークリップ使い込むほど風合いが増し自分だけのお洒落も演出できる逸品神社仏閣や仏壇、神輿などに装飾と補強を目的として取り付ける金物を錺金具と呼ぶ。その歴史は古く、飛鳥時代に建てられた法隆寺金堂にも使用されている。神の世界や極楽浄土を表現し、長い歴史の中で人々の心を癒してきた。その技術を生かし、暮らしの中に飾る楽しみをプラスするブランドとして誕生したのが「錺之-KAZARINO-」だ。錺之は、京都で約50年間、錺金具を作り続けてきた。その確かな技が、この「マネークリップ」でも随所に発揮。まず着目したいのが、日本の伝統柄を取り入れた意匠。長く使うほど表面が酸化し、この意匠を引き立て味が出る。使いやすさを追求した幅広い形や、お札の出し入れがスムーズになるよう反り返り部分を曲線にするなど、細部まで匠の技が光っている。【商品詳細】商品名:マネークリップ価格:9,900円(税込) 商品の詳細はこちら

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  • 大人ひとり飯を極める -食へのこだわり-

    味わい深い一人時間の極致 - 食材と食器にこだわる「一人時間」は、日々の喧噪から解放され、深い自己対話や静謐なリラクゼーションを追求できる穏やかな瞬間。このような時間を過ごすとき、何を食べるか、どのように食べるかは非常に重要です。食材はもちろん、食器にもこだわることで、食事の時間はただの栄養補給から、自分自身への贅沢なご褒美へと変わります。これらの要素が一体となり、感覚的な満足と共に心身の安らぎをもたらしてくれますよ。今回は、そんな一人時間をより豊かに過ごすための選りすぐりの食材と食器をご紹介。それぞれが、独自の物語とこだわりを持つ、あなたの一人時間を豊かに彩るアイテムです。贅沢なひとときを味わう - お酒のアテは妥協しない大人のひとり飯に欠かせないお酒。合わせるおつまみにもこだわりたいところです。馬刺しは、食事としてはもちろん、お酒のアテにも抜群の一品です。豊かな風味とヘルシーさから、大好きな人も多いはず。ここで紹介する「【吟撰】3種の純国産馬刺しセット」は、その中でも特に質の高い馬肉を厳選。肩ロース、モモ、レバーといった異なる部位から選ばれた馬刺しは、部位ごとに異なる食感と味わいを持ち、馬肉のさまざまな魅力を堪能できますよ。また、たっぷりと冷蔵庫で冷やしてから食べると、肉の旨味が一段と引き立ち、味わいが深まります。ひとり飯の選択肢にいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:【吟撰】3種の純国産馬刺しセット価格:6,372円(税込) 商品の詳細はこちら伊賀焼「粋」シリーズ酒器で楽しむ - 馬刺しと焼酎の極上マリアージュ馬刺しをさらに美味しくするためには、適した酒器を選ぶことも重要。伊賀焼の「粋」シリーズの酒器は、その端正なデザインと質感が馬刺しとのマリアージュを最高のものにしてくれますよ。伊賀焼特有の土を使用した質感は、手になじむ温もりを感じさせ、味わい深い一人時間を演出。職人さんによる手作りならではの温もりと、伊賀焼特有の質感が醸し出す落ち着いた雰囲気が特徴で、馬刺しと一緒に焼酎をゆっくりと味わうことで、一人時間がより感慨深いものに変わっていきます。底面を削り出すことで、水滴によって卓上を濡らさない工夫が施されていて、見た目だけでなく機能性にも優れていますよ。長い歴史を誇る伊賀焼の魅力を感じてほしい。そんな魅力を感じさせる最高の酒器です。せっかくアテにこだわったなら、器もこだわってみてくださいね。【商品詳細】商品名:伊賀焼 「粋」シリーズ 酒器 全2種類価格:7,700円 ~ 8,800円(税込) 商品の詳細はこちら多彩な有田焼ダブルウォールカップ - そばちょことしても活躍焼酎以外を楽しみたい方には、有田焼の「ダブルウォールカップ」がおすすめ。色とりどりの美しい見た目だけでなく、機能性にも優れています。このカップは、二重構造により保温性が高く、飲み物が冷めにくい特徴を持っています。ハイボールやビールなどの焼酎以外のお酒から、お茶やお水といったソフトドリンクを飲む際にも活躍しますよ。また、その美しい形状と色合いから、そばちょことして使用することも可能で、そばの香りと共に日本の伝統を感じることができます。蕎麦つゆのひんやり感をキープしてくれるダブルウォールカップで、締めのそばを楽しむのも一興です。保温性に優れているため、温かいつゆにするのもおすすめです。夏だけでなく、冬にも使える素晴らしい器を用意して、ひとり飯のクオリティを高めてみてはどうでしょうか。【商品詳細】商品名:有田焼 ダブルウォールカップ 全6色価格:3,300円(税込) 商品の詳細はこちらふなくらのそば - 素朴な味わいと心地よい香りで至福のひと時をアテと酒器にこだわり、締めのそばちょこを用意できたら、美味しい蕎麦も必須ですよね。最後に、富山県産の農薬、肥料不使用の「ふなくらのそば」をご紹介します。このそばは、つるつるとした食感と素朴な味わいが特徴で、一人でゆっくりと味わうのに最適です。満腹が近づいてきた瞬間でも、スルスル入ってくるくらい美味しい蕎麦ですよ。また、このそばは自然を大切にし、地域の若者たちが一丸となって栽培から製粉までを行っています。生産者の顔を思いつつ食べるそばは、極上のものになること間違いなし。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。【商品詳細】商品名:ふなくらのそば価格:6,000円(税込)商品の詳細はこちらひとり飯はあなただけの時間。思う存分、堪能しよう。一人時間は、自己と向き合い、心身のバランスを取る重要な時間です。おいしい食材と美しい食器は、そんな一人時間は特別なものになり、心地よい時間を過ごしながら、自分自身への投資になって返ってきます。寂しいと思われがちなひとり飯を、誰もが羨む最高の時間に変えてみてくださいね。

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  • 【伊賀焼特集】その魅力と伝統を探る

    せっかく家にいるのなら、有意義な時間を過ごしたいはず。毎日の食事を彩る食器や、調理器具として優秀な伊賀焼シリーズを紹介します。伊賀焼は400年以上の歴史を持つ伝統工芸。歴史と技術を現代に受け継ぎつつ、新たな形で伝統を発展させています。そんな伊賀焼の魅力をお伝えしましょう。伊賀焼とは、日本の三重県伊賀市で生産される陶器のこと。400万年前の古琵琶湖層から採取された伊賀の粗土を素材に使っている点が最大の特徴です。生物や植物の化石が豊富に含まれる伊賀の土は吸湿性と蓄熱性に優れていて、伊賀焼の土鍋やグラスは保温性があり、料理や飲み物の美味しさを最大限に引き立てます。ぜひ持っておきたいアイテムを、3つ紹介します。家庭で本格燻製:「伊賀焼 いぶしぎん」の魅力1つ目は「伊賀焼 いぶしぎん」。その名の通り、伊賀焼の技術を活かした燻製器です。独特の陶土の特性により、均一に熱を通すことができ、煙も逃がさずに食材をじっくりと燻してくれます。肉や魚、野菜、ドライフルーツなど、幅広い食材を自宅で本格的に燻製にすることができ、お酒のお供が手軽に作れますよ。さらに、丸みを帯びたデザインは、どんなキッチンにも馴染む美しさ。焼き物という和風のイメージを覆す、おしゃれアイテム。使用後のメンテナンスも簡単で初心者の方でもすぐに使えるため、伊賀焼を初めて手にする方にもおすすめです。家庭で本格的な燻製料理が楽しめる「伊賀焼 いぶしぎん」は、料理の幅を広げる素晴らしいパートナーになってくれるはずです。【商品詳細】商品名:伊賀焼 いぶしぎん 全2種価格:11,000円 ~ 16,500円(税込) 商品の詳細はこちらあぶり焼きの名手:「伊賀焼 あぶり名人」で焼き物を楽しむ2つ目は、シーズヒーターを熱源にした本格あぶり焼き器で、自宅で手軽に焼き物を楽しみたい方は必見のアイテムです。「伊賀焼 あぶり名人」は、陶器ならではのデザインと優れた機能性を兼ね備えていて、普段は面倒なお料理のプロセスも楽しむことができますよ。焼き鳥、田楽、魚など、色々な食材を焼くことができ、気分に合わせて食材をチョイスしたり、季節に合わせて焼くものを変えて楽しめます。特に、秋刀魚をまるまる1本焼くことができるのは、このあぶり焼き器の大きな魅力の一つです。余分な脂を落とすことで、食材の旨みを引き立ててくれる上に、温度調節も簡単で、料理初心者にも安心して美味しい焼き物が作れます。自宅で本格的な焼き物を楽しみたいという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。【商品詳細】商品名:伊賀焼 あぶり名人価格:44,000円(税込)商品の詳細はこちら焼酎を引き立てる酒器: 「粋」シリーズ「粋」シリーズは、酒を楽しむ「呑んべえ」のための1杯として、焼酎を楽しむために特別に作られた伊賀焼の酒器で、「炭焼タンブラー」と「焼酎カップ(大)」の2種類があります。底面を削り出すことで、水滴によって卓上を濡らさない工夫が施されていて、見た目だけでなく機能性にも優れています。また、職人さんによる手作りならではの温もりと、伊賀焼特有の質感が醸し出す落ち着いた雰囲気は、一つのグラスながら日常を豊かにしてくれます。「粋」シリーズは、伊賀焼が持つ伝統と現代のライフスタイルを絶妙に融合させ、酒器としての極致を体現。製作背景には、茶の湯の精神と日常を融合したいという、伊賀焼の源流に立つ思いがあります。長い歴史を誇る伊賀焼の魅力を、手に取れるいい機会です。お気に入りのお酒の相棒として選んでみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:伊賀焼 「粋」シリーズ 酒器 全2種類価格:7,700円 ~ 8,800円(税込)商品の詳細はこちら伊賀焼と共に:極上の時間を過ごす自宅で使う食器や調理器具に伊賀焼を取り入れることで、非日常を感じてリラックスしつつ、自分だけの特別な時間を過ごすことができます。美味しい飲み物や料理が一段と引き立つだけでなく、その深い歴史と伝統も感じることができますよ。「いぶしぎん」で燻製を作り、焼き鳥を「あぶり名人」で手作り。そして、「粋」シリーズの焼酎カップで一杯の焼酎を煽る。伊賀焼3つの逸品が、あなたの自宅時間を特別で価値あるものに変えてくれます。いつもとは違う、素敵な時間を過ごすことができるはずですよ。

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  • グルメな人に贈るちょっと変わったギフト。

    日本の夏の風物詩とも言える「お中元」。贈る相手との関係性を深め、心からの感謝の意を込めて贈る物であり、それは同時に贈り主の人柄やセンスをも表すもの。だからこそ、お中元選びにはこだわりたいところ。しかし、時には「また同じものを贈ってしまう…」と感じる瞬間もあるでしょう。毎年の習慣とは言え、定番の商品ばかりではちょっと新鮮さに欠ける。それならば、今年はちょっと変わったお中元を選んでみてはいかがでしょうか。男の隠れ家PREMIUMから4種類の一風変わったお中元をご紹介。いつもとは違ったお中元が見つかるはずです。美味の極致が詰まった逸品「三陸翡翠あわび -お手軽ファミリーセット-」「三陸翡翠あわび -お手軽ファミリーセット-」は、三陸大船渡の「陸上養殖えぞあわび」を、肉厚でやわらかな美味しさを余すことなく楽しめるよう冷凍パックにしました。流水で簡単に解凍でき、あわびは殻からすでに外れているため、初めての方でも安心して調理できます。おすすめの食べ方は、あわびのバター焼き。解凍後、片栗粉をまぶし、バターで焼いて、塩コショウで味を調えるだけ。この簡単な調理法で、肉厚でやわらかなあわびの風味が口の中に広がります。「三陸翡翠あわび」ならではの、"肝まで美味しいあわび"を堪能できます。完全無添加で育てられたあわびは、作り手の健康への配慮はもちろん、最上級の味を求める姿勢が伺えます。日頃の感謝を込めて贈るのにこれ以上の逸品はないでしょう。ご自宅用としてはもちろん、大切な方への贈り物としても最適です。【商品詳細】商品名:三陸翡翠あわび -お手軽ファミリーセット-価格:7,000円(税込) 内容量:40g×6個商品の詳細はこちら気軽にジビエを楽しめる「鹿肉ソーセージ 男の隠れ家PREMIUMセット」この鹿肉ソーセージは、静岡県内に生息する日本鹿から厳選された鹿肉だけを調達。捕獲から精肉加工まで独自ルートにて進められ、新鮮な鹿肉を使用しています。ジビエ初心者であろうと、「これは美味しい」と感じてもらえるよう、作り手の想いがこもったオリジナルのレシピによって調理されています。鹿肉の歯ごたえを活かしながらも、上品なスモークの香りとサッパリとした旨味が口いっぱいに広がるその絶妙なバランスは、まさに極上。腸詰めには羊の腸の中でも、特に柔らかい上級ラム腸を用いており、全ての食材が厳選されこだわり抜かれているため、贈り物にふさわしい一品と言えます。食べ方もシンプルイズベスト。解凍済みのソーセージを袋から取り出し、沸騰したお湯で茹でるだけで食べられます。フライパンや直火で表面に焼き色をつけると、皮がパリッと香ばしく、ジューシーな鹿肉ソーセージがさらに美味しくなりますよ。「お中元にジビエは...」と思っている方の思いを良い意味で裏切ってくれる鹿肉ソーセージを、男の隠れ家PUREMIUM限定の特別セットで、ぜひ。【商品詳細】商品名:【数量限定】鹿肉ソーセージ 男の隠れ家PREMIUMセット価格:5,000円 ~ 9,000円(税込) セット内容:40g-4本入×5セット、100g-3本入×5セット商品の詳細はこちら真鯛の美味しさを存分に楽しめる「愛南真鯛 男の隠れ家PREMIUMセット」「愛南真鯛 男の隠れ家PREMIUMセット」は、真鯛養殖の日本一という誇りをもつ宇和海で育てられた絶品の真鯛を、余すことなく楽しめるよう厳選した"詰め合わせ"ギフトセットです。お刺身からユッケ風に仕上げられた真鯛や味噌醤油漬け、そしてハラミやカマといった希少部位と、衣がついた真鯛カツや真鯛を使ったカレーまで盛りだくさん。あらゆる食べ方で、美味しい真鯛を気軽に楽しむことができます。「新鮮で美味しい真鯛ならお刺身じゃないともったいない!」と感じてしまいがち。ですが、良い真鯛だからこそ、いろいろな楽しみ方をして欲しいのです。そんな、普段はしないような食べ方ができるのも、お中元ギフトの嬉しいポイントですよ。真鯛の味わい深い旨味と、プロの料理人が生み出した独自の調理法のマリアージュによって、どれを食べても思わずうっとりしてしまうような味わいが広がります。お中元を受け取った方には真鯛の新たな美味しさと、あなたの心遣いを感じてもらえること間違いなし。お魚好きの方に送ってみてはいかがでしょうか。【商品詳細】商品名:愛南真鯛 男の隠れ家PREMIUMセット価格:11,000円(税込) 重量:1850g商品の詳細はこちら海の恵みを口いっぱいに頬張れる「牡蠣ぽん 3袋セット」「牡蠣ぽん」は、新鮮な牡蠣の詰め合わせで、牡蠣の美味しさを気軽に堪能できる逸品です。使用しているのは、雄勝湾で育てられた牡蠣。森の栄養分をたっぷり含んだ水と、太平洋の栄養豊富な海水のおかげで、グリコーゲンをたくさん含み、海のミルクとも称されるほど栄養満点です。牡蠣自体に含まれるタウリンやミネラル、ビタミン類も健康にいいということで注目されています。2個入りのパックが3袋セットになっているので、ご夫婦はもちろん、お一人様でも食べやすいので、贈る相手を選びません。また、加熱調理が前提なので、あたる心配もありませんよ。お中元を贈る側の懸念を全てクリアしてくれているので、とても選びやすいギフトセットです。なお、電子レンジでわずか5分という、調理の手軽さもポイント。お酒のアテとしてはもちろん、プラスワンの副菜としても食卓を彩ってくれます。海の恵みをふんだんに堪能できる「牡蠣ぽん」を、ぜひ大切なあの人にも堪能してもらいましょう。【商品詳細】商品名:牡蠣ぽん 3袋セット価格:3,300円(税込) 重量:1kg商品の詳細はこちら大切なあの人へ、気持ちが伝わるお中元を選んでみて。お中元ギフトは贈り物とともに、日頃の感謝を込めた気持ちを送ることができる特別な機会です。そんな特別な機会にふさわしいギフトの正解を知っているのは、贈る相手のことを知っているあなただけ。ぜひ、お中元を受け取った大切な方の喜ぶ笑顔を想像しながら、最適なギフトを選んであげてみて下さいね。

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  • River Fishing CAMP -やってみません?ソロキャンプ-

    トラウトと戯れる緑深き渓川音を聴きながら焚き火を楽しむ。渓流釣りとキャンプの相性はとてもいい。美しい渓流には総じて素晴らしいキャンプフィールドがあり、釣り人は焚き火を前に今日の釣果を想う。歩き疲れた体を癒す食と酒もまた、旨い。深い山に分け入り渓を歩く自然を存分に味わう時間山林が広がる埼玉県飯能市の名栗地区。西川材という良質な杉の産地で自然豊かだ。都心からも2時間弱で行けるため、釣りをはじめ、アウトドアアクティビティの拠点にするアウトドアマンも多い。渓流釣り師の朝は早いものと決まっている。早朝4時半、雨上がりの森にはまだ濃い霧がかかっていて、山々の全貌は見渡せない。規則正しく並んだ杉や檜の針葉樹の山に、山鳩の低い鳴き声だけが響いている。目の前を流れる美しい渓流。数日降り続いた雨のおかげで水量が増えて適度な笹濁り、まさにベストコンディションだ。素晴らしい渓流魚を1尾、なんとか釣り上げたい。早々にウェーダー(胴長)を着て愛用のフィッシングベストを羽織り、ウェーディングシューズを履いた。3.6mのテンカラロッドを1本持ち、ワレットの中には替えのテンカラ毛針を多数仕込む。最小限の装備で渓流を歩くこのテンカラ釣り、実は日本の伝統的な渓流釣り手法であり、近年は欧米でも人気が高まっているという。餌釣りのほか、ルアーやフライなど様々な手法があるが、今日はテンカラでトラウト(ニジマス、イワナ、ヤマメなど)を狙っていく。小さなポイントも見逃さず毛針を流す。しかし見た目以上に水量が多く、遡行すらままならない。日没に気をつけながら慎重に遡り、深場では沈む毛針をチョイスしてキャストを繰り返した。リリースサイズのヤマメが毛針を追うのが見えるが、なかなかヒットせず。しかし渓流釣りとはこんなものだ。釣れるに越したことはないが、釣れなくても川を歩くだけで気持ちがいい。いや、そんな無理やりの納得をもう何度したことか。それでも渓流が解禁すると、私はひとり渓に立っているのだ渓流釣りとソロキャンプそれはワンセットなのだテンカラロッドを振る。狭い渓流ゆえ、枝葉も多く、ロッドのテイクバックがとても難しい......。渓流釣りに出かける日、その夜もし泊まれる時間があるならば、私はその渓流近くのフィールドでキャンプをしようと決めている。今日も渓流からほど近い場所にある「ケニーズ・ファミリー・ビレッジ」(埼玉県・飯能市)に1泊お世話になることにした。人気のキャンプ場だとは聞いていたが、なるほど、それも頷ける。野宿キャンパー寄りの私にはもったいないほど整ったフィールド、清潔で安全な設備、そしてなによりスタッフの接客が素晴らしい。ファミリーと名が付くキャンプ場ではあるが、聞けばソロキャンパーも意外に多いらしい。「平日、ぶらっとお見えになる熟年男性のソロキャンパーさんもいらっしゃいますよ」。まさに私がそれだろう。川音が聴けるサイトがいいなと思っていたのでその旨を伝えると、河原サイト(7〜8月は日帰りの利用のみ可)を案内してくれた。チェックインを済ませて薪を2束(箱)購入し、早速サイトへと向かう。そして設営の前、まずはお決まりの儀式から。今日は深夜出発のため、昨夜我慢していたビールが疲れた体にジワーッと染み入っていく。この一杯があるから釣りとキャンプはやめられない。いや、私はもうこの一杯のために釣りをしているのかもしれないな。渓流釣りをする人ならきっと共感していただけるだろう。ソロキャンプなので装備も最小限のギアしか持参していない。ゆえにサイトもコンパクト、全体的にミニマムだ。今日はモンベルのムーンライト1型でインナーテントを使わず、グランドシートとフライシートを直結してテント代わりのシェルターを作った。焚き火に強いコットンTCのタープを張ってヘリノックスのテーブル&チェア、焚き火台と簡易的なトライポッドを配置したら完成。ミニマムとはいえ、快適さや自分の嗜好には贅沢でいたい。だからフィールド選びも焚き火ができる場所であることが大前提。何かをしなくてはいけないという決まりはないが、美味しい料理と酒があり、焚き火キャンプを楽しむというのが小さなこだわりなのである。イワナのホイル焼き、夏野菜のラタトゥイユ、チキンの白ワイン煮などを自家製レモンサワーを飲みながらのんびり下ごしらえしていく。さっきまでBBQをしていた若者が会釈をして帰って行った。河原には私ひとり。カジカガエルが鳴く渓を目の前に、静かで優しい夏の夕暮れがやってきた焚き火と美味しい料理と酒 ソロでしか味わえない贅沢料理を作り終えると、後は食べること、飲むこと、焚き火をいじることしかしない。いつ寝ても誰にも怒られるわけではないが、酒を飲みつつ焚き火の前でだらだらしてしまう人も多いだろう。眠くなってきたらヘッドライトと文庫本を持ってテントイン。が、3ページも読まずに寝てしまうのも、いつものこと。夜の帳が下りる頃、小さなメッシュランタンに火を灯した。サイト全体が明るくなるほどの照度はないが、テーブルランタンとしては十分な明るさ。雰囲気も悪くないのでもう長年愛用している。そして下ごしらえしておいた料理各種を仕込むため、焚き火に薪をくべて火力を上げていく。お気に入りの8インチダッチオーブンでチキンの両面をじっくり焼いたら、安い白ワインをひたひたに注いでコンソメと粉チーズを大量に投入する。このままトライポッドに引っ掛けてアルコール分が飛ぶまでかまわず放っておく。さらに、シングルバーナーの上にヨコザワテッパンを載せ、イワナの腹にマイタケと大葉を入れて包んだホイル焼きを蒸し焼きにした。とにかくこのヨコザワテッパンが優秀だ。ソロキャンプ(見た目は小さいが4人くらいまでなら余裕で使える)にはもってこいの万能鉄板で、私はどこに行くにもキャンプギアの中に忍ばせておいて愛用している。ここ数年、この〝ちまちま〞感をたまらなく愛しているのである。さらに小さなスキレットでバター味の焼き枝豆も作った。これをつまみにしてレモンサワーを飲むのが今のお気に入り。ラタトゥイユは焚き火が勝手に作ってくれるし、ここからは何もしない〝ひとり飲み時間〞の始まりだ。ひとりで釣りをしたりキャンプすることは寂しくないかとよく聞かれるのだが、話相手がいないという点だけでいえば寂しさがないわけではない。ただ、真剣に渓流釣りを楽しんだ後のソロキャンプでは、その余韻にひとりどっぷり浸るのがきっと私は好きなんだな。仲間たちとワイワイと楽しむ賑やかなキャンプもいいけど、釣りで疲れた日は誰にも気を遣わない自分勝手なソロキャンプがやはり一番いいと思っている。焚き火の火力を少しだけ落とし、ダッチオーブンの蓋をずらす。白ワインのアルコール分はもうほぼ飛んで、濃い目のスープの中でチキンがグツグツと煮えている。夏野菜がたっぷり入ったラタトゥイユとチキンを味わいながら、今度は山桜のククサでアイリッシュウイスキーをちびちび飲んだ。こんなソロキャンプをもう何年やってきただろう。栃木の山奥で焼いた地鶏は最高だったな。郡上の雨の釣りキャンプ、鮎の塩焼きと焼酎が美味しかった。伊那谷ではマトンロースをたらふく食べて日本酒をしこたまを飲んだっけ。新しくくべた太めの薪がパチンと爆ぜ、火の粉が勢い良く舞った。気持ちの良い酔いに包まれて、私は楽しかったソロキャンプの場面を思い出していたケニーズ・ファミリー・ビレッジ/オートキャンプ場都心からアクセスも良く、管理も行き届いた人気の高規格キャンプ場。キャンプ場の名にファミリーと付くが、ソロキャンパーにも人気があり、特にオフシーズンの河原サイトはお勧めだ。 埼玉県飯能市上名栗3196 アクセス/圏央道「青梅IC」より約30分 HP/www.kfv.co.jp 【商品詳細】商品名:冒険用品 ヨコザワテッパン ポケット(ヨコザワテッパン ポケットサイズ付き)価格:2,500円(税込) サイズ:縦25.7cm×横18.2cm×高さ0.14cm商品の詳細はこちら※こちらは男の隠れ家2019年10月号より一部抜粋しております

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  • 大人の夏旅、北海道。【江差・函館・松前編】

    北海道の中でも最も本州に近く、海に開かれた江差・函館・松前エリア。幕末から明治の歴史の面影を色濃く残し、国際貿易港として栄えた函館をはじめ道南エリアの北海道遺産を巡る旅へ。SPOT1 五稜郭と箱館戦争の遺構維新へ向け最後の戦いが繰り広げられた地五稜郭は幕末になり江戸幕府によって築かれた、火砲による攻撃に強い星型をした西洋式の要塞である。函館周辺の随所に残された国内最後の内戦の傷跡広大な北海道の中で本州に最も近い道南地域は、函館や松前といった町に代表されるように、歴史や文化が色濃く残されている。そんな道南地域にある北海道遺産には、様々な戦争の爪痕や貿易によって他国からもたらされた文化など、海に向かって開かれた土地ならではの特色が見られる。訪れてみればどこも、それぞれの時代の生活を肌で感じることができる遺産ばかりなのである。北海道の歴史を語るうえで欠かせないのが、明治元年(1868)10月から始まった箱館戦争だ。榎本武揚率いる旧幕府脱走軍艦隊が森町鷲ノ木に上陸し、箱館府があった五稜郭へ進軍。函館を基点にドライブを楽しむなら、まずは五稜郭を目指そう。そのルート上には褐色の山肌を天に突き出す駒ヶ岳と、周囲の景色を鏡のような湖面に写す大沼や小沼が織りなす素晴らしい景観が待っている。特に渡り鳥が羽根を休めるポイントである大沼は、時代を超えて人々の心を捉えて離さない。それは戦いに臨む兵士たちの目には、どのように映ったのかが気になってしまった。五稜郭に無血入城を果たした榎本らは、箱館政権樹立を宣言。しかし明治新政府は明治2年(1869)4月、乙部の海岸に軍を上陸させ反撃を開始。5月には箱館が戦いの舞台となる。「今年は箱館戦争終結から150周年の節目です。そのため市街随所に残る激戦地には順次、新たな案内板を設置している最中です」と、五稜郭タワー企画室長の木村朋希さん。五稜郭タワーは展望台に昇れば、特徴的な星型の稜堡式の城郭を一望することができる。それだけで満足するのではなく、市街地から港、山の方面へも目を向け、激戦地跡にも目を移す。町の景色を見渡すことで、函館山を中心に、函館が海へと突き出た両側に海が迫る独特の地形を持つことも再認識できるはずだ。戦いは今の函館市街だけでなく、江差や松前も含む道南一帯に及んでいるので、激戦の足跡をたどってみるもの面白い。ただし土方歳三が奮戦した二股口古戦場は、樹木に覆われた山深い地なので、クマとの遭遇に要注意だ。SPOT2 内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群全国的にも珍しい「水場の祭祀場」を確認北黄金貝塚では、ひとつの集落に30人程度が暮らしていた。竪穴式住居には7~8人が生活していたとされている。全国的にもあまり例がない貴重な遺跡を間近で見る函館を出て車を内浦湾沿いに進める。室蘭市から函館市までの内浦湾(噴火湾)を囲むエリアからは、縄文時代から近世までの遺跡が数多く発見されている。なかでも縄文時代の早期(7000年前)から中期(6000~4000年前)のものとされる伊達市の「北黄金貝塚」では、大変貴重で興味深い遺跡が発見されている。「縄文文化は”自然と共生”したものと思われがちですが、意外に大量のウニ、カキやホタテなどの採取も行っています。それでも自然環境が保たれたのは、貝塚を全ての生き物の墓地として捉え、そこに人間も埋葬することで、自分たちも自然の一部だということを忘れずにいる。だから必要以上の獲物を取らないという考えが生じ、極端な自然破壊を防いだのだと考えられます」伊達市噴火湾文化研究所の永谷幸人さんは、貝塚は単なるゴミ捨て場ではなく、縄文人にとって神聖な場所であったと語る。そしてそんな貝塚の断面を見ると、様々な動物や魚介類の骨や殻などが交互に積み重なっていた。小高い斜面上にある貝塚からは、目の前に内浦湾が広がり、かすかに潮の香が鼻孔をくすぐる。弓なりに続く陸地は緑に覆われ、今でも豊かな自然に恵まれていることが実感できる素晴らしい地だ。さらに永谷さんは全国的にほとんど例を見ない「水場の祭祀場」にも案内してくれた。遺跡内には縄文時代から変わらずに湧き出ている水場がある。その周囲からは、壊された石の道具がこれまで1200点以上も発見されている。「役目を終えた道具は、壊すことで完全にあの世へ送ったことになったのではないか。それが水が生まれる神聖な場所に納めることで、道具への感謝と再生を祈っていたのだろうと考えられているのです」北黄金貝塚は「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産への登録を目指しており、これからますます注目されるだろう。SPOT3 函館西部地区の街並み明治の面影を色濃く残す通りと建築物末広町電停と大町電停間を走る函館市電800形電車。背後に見えるグリーンの建物は大正2年(1913)築の相馬株式会社社屋。瀟洒な洋館とレトロな路面電車が一幅の絵画にそして、函館へ再び戻って市内へ。安政6年(1859)、日米修好通商条約に伴い箱館港は横浜港、長崎港と共に日本国内初の国際貿易港として開港された。この町は古くから北海道への玄関口であったが、幕末にはいち早く西欧文明を迎え入れる窓口となったのである。現在の函館市街地は内陸部へと広がっているが、もともとの町は函館山麓の、西部旧市街と呼ばれているエリアであった。旧市街には函館山に向かって何本も南北の道がある。その中に「基坂(もといざか)」と名付けられた、ひときわ広い坂道が存在する。坂の上から見下ろすと、まずは海と船が織りなす絵画のような美観に目を奪われる。箱館が貿易港として開港すると、基坂の下に運上所(後の税関)、坂の上には奉行所が置かれた。その名の通り、この坂は町の中心だったのだ。奉行所の跡地には明治43年(1910)9月20日、旧函館区公会堂が開堂する。現在はこの瀟洒な洋館を中心に、一帯は元町公園として整備されている。さらに公園周辺には、和洋折衷の洒落たショップや住宅が建ち並び、格好の散策スポットとなっている。この日は平日だったが、大勢の観光客の姿があり、活気にあふれていた。また函館ハリストス正教会、カトリック元町教会、函館聖ヨハネ教会、真言大谷派東本願寺函館別院という、異なる宗教が肩を並べて建つ、不思議な光景にも遭遇する。これも国際貿易港を持つ、開放的な空気に満ちた函館らしい。坂の上から海側を見下ろすと、港を借景にして走り過ぎる路面電車の姿が見られる。北海道で路面電車が走っている町は函館と札幌だけだ。函館市電は明治30年(1897)12月に馬車鉄道として産声を上げた。そして大正2年(1913)6月には電車化。それは東京以北で初の、路面電車誕生の瞬間であった。函館に遅れること5年、札幌の路面電車は大正7年(1918)に運行を開始。いずれも「まちの顔」となり、現在も両市民の足として活躍している。特に函館市電は古い車両も多く、それが明治期の佇まいを残す街並みを背景に走る姿が、見る者の心に郷愁を抱かせる。車を使った旅であっても、少しの間は駐車場に預け、電車旅を味わってみるのも悪くない。運が良ければ復元されたレトロ車両「箱館ハイカラ號」に遭遇できるだろう。SPOT4 函館山と砲台跡明治後期に要塞化され津軽海峡を防備した実戦を経験することなく、大砲が撤去された砲台跡。軍事施設が生み出した思わぬ副産物に感謝函館という町の特徴を成すのが、海に突き出した標高334mの函館山だ。この山頂から眺める夜景は、日本に関する旅行ガイドである『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で、三つ星として掲載されている。夜景の時間ではなくても山頂から函館市街を一望しようと、大勢の観光客が山頂展望台に集まっていた。だが函館山には、まるで観光客には気づかれたくないかのように、うっそうと茂った木々の中に軍事施設が隠れている。これは明治31年(1898)から4年の歳月を費やし築かれた函館要塞跡で、当時、戦争状態に陥ることが予測されたロシアの艦隊から、造船所が置かれていた函館港と、津軽海峡を守備するために築かれたものだ。だが要塞は一度も実戦を経験することなく、昭和20年(1945)の太平洋戦争終戦と共に砲台や台座などは撤去。コンクリート土台や煉瓦の壁だけが残った。と共に軍事機密を守るために立ち入り禁止だったことで、手つかずの自然も残された。要塞周辺は約600種の植物、約150種の野鳥と遭遇できる。途中の駐車場からはアップダウンも少なく、山道の四方に海が見える景色も飽きないので、ドライブでなえた足には、格好のハイキングコースなのだ。SPOT5 上ノ国の中世の館和人とアイヌの混住説を裏付ける墳墓発見勝山館を築いたのは、松前藩の祖とされる武田信広と伝えられている。夷地のユートピアで和人とアイヌ民族が共存函館から約1時間30分。見渡す限り緑のグラデーションがまぶしい樹木に覆われた山中を抜ける道を走り続ける。そしてやってきた上ノ国は、日本海に面した小さな町であった。わずかな平地の周囲には低山が折り重なる。そのひとつ、標高159mの夷王山からは、1470年頃に築城された山城「勝山館」跡が発見された。弓なりの海岸線を一望する城跡からは、200戸近い和人とアイヌ民族が暮らしてきた痕跡があった。「館の背後から見つかった約650基の墳墓からは、和人の墓の間にアイヌ民族の墓が確認されています。それまで言われてきた和人対アイヌ民族という対立図式は、ここでは当てはまらないのです」上ノ国町教育委員会学芸員の塚田直哉さんの話を伺いながら素晴らしい景観を眺めていると、この城が理想郷に思えてきた。SPOT6 福山(松前)城と寺町最後の日本式城郭と道内唯一の近世的寺町奥は外観が復元された松前城天守と火災を免れた本丸御門。こちらは国の重要文化財。開拓以前の姿を伝える北海道で唯一の和式城郭最後に、道内唯一の日本式城郭が残る松前へ。福山城が竣工したのは幕末の安政元年(1854)。そんな時期に城が築かれた理由は、ロシアやアメリカなどの船舶が、日本海に出没するようになったことから。幕府は北方警備を目的に嘉永2年(1849)、松前崇廣に福山館の改築を命じたのだ。その結果、完成した城は最後期のもので、かつ北海道内唯一の日本式城郭となった。領民は親しみを込めて松前城と呼んだ。城の北側には、これも道内で唯一の近世的な寺町が残る。現在は江戸時代の本堂や庫裏を残す龍雲院をはじめ5つの寺院と歴代松前藩主の墓所が、木立に囲まれた静かな一角に集まっている。城跡から寺町界隈を散策していると、まるで信州あたりの城下町を散策している錯覚に陥る。古木に囲まれた参道からは、荘厳な空気と歴史の重さが感じられた。こうした気持ちを抱かせてくれるのも、北海道の懐の深さであろう。「箱館戦争や太平洋戦争を経ても、無事だった天守は、残念ながら昭和24年(1949)、城跡の麓にある役場で起きた火災で類焼してしまいました。」(松前町教育委員会主査・佐藤雄生さん)それでも、今も美しい日本の風景が残されている松前町。開拓使以前の北海道の姿を知りたければ、ぜひ松前町は訪ねてほしい。※こちらは男の隠れ家2019年8月号より一部抜粋しております

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  • 夏バテの体によく効く夏の冷泉 ぬる湯宿。

    温泉のべストシーズンは冬ばかりではない。「冷泉&ぬる湯」の魅力を知れば夏の暑い時期でも温泉を十分楽しめる。ぬる湯に、いつもより長い時間浸かって夏の緑の景色を眺めるも良し。気合い一発冷泉に浸かるのも良し。風呂上がりの体に心地良い爽快な風が吹き抜ける。冷泉とぬる湯温泉は「熱い」もしくは「温かい」ものだと思われているが、 素のままの掛け流しを楽しむなら「冷泉・ぬる湯」もよい。この夏の温泉旅にお勧め。冷泉とぬる湯の違いを理解して効果的な入浴を温泉は温かいもの、というのが常識かもしれません。しかし、世の中には「冷たい温泉」があり、冷泉などと言われています。そもそも「冷泉」という定義はありません。環境省が定めた鉱泉分析法指針によると温泉は25°C以上か、または一定以上の成分を含むものとされます。つまり、25°Cにも満たないものでも、一定の成分があれば温泉と認められるということです。従って冷たい温泉が存在することになります。また、鉱泉分析法指針では、温度によって温泉は4分類されています。25°C未満の冷鉱泉、25°C以上34°C未満の低温泉、34°C以上42°C未満の温泉、42°C以上の高温泉に分けられます。特に、入浴してかなりぬるく感じる「低温泉」や38°C未満の温泉をぬる湯と呼ぶこともあります。本稿では、25°C未満の温泉を「冷泉」、25°C以上38°C未満を「ぬる湯」と称して、その「効果的な入浴方法」と「効果」を述べることにしましょう。冷泉の効果的な入浴法としては、「温冷交代浴」が挙げられます。これは温かい温泉と冷泉に交互に入浴する方法です。温かい温泉に入ると温熱作用によって体の血管は拡張し、血流が増えてきます。冷泉に入ると特に手足の血管は収縮します。ちょうどポンプのように血管が伸び縮みすることによって、手足の血流は改善します。特に運動をした後、温冷交代浴を行うことによって、血流が改善されて栄養分が筋肉に運ばれ、また疲労物質が筋肉から洗い流されることによって運動後の筋肉痛が予防されたり、効果的に疲労回復できることがたくさんの実験結果から報告されています。また、温浴だけよりも温冷交代浴は保温効果が長続きするといった作用もあるため、冷え性の改善が期待されています。この温冷交代浴は体へ刺激が強い入浴法で、40°C前後の温かい温泉に3分から5分浸かり、冷泉に1分程度浸かることを3回から4回繰り返します。最後は温かい温泉で終了すると心地よく入浴を終了することができ、手足の温かさも長く続きます。注意点としては温かい温泉から急に冷たい冷泉に浸かるため、温度差で体への負荷が強いということです。「水風呂」に普段慣れていない人は無理に冷泉に入ると血圧の急上昇をきたして脳卒中を起こしたり、心筋梗塞や不整脈を起こすことがあります。刺激が強いので健康な方向けの入浴法といえるかもしれません。冷泉に入る場合は、少しずつ冷泉を手足にかけて、冷たさに体を慣らすことが肝心です。一方、ぬる湯は体に優しい入浴法です。ぬる湯の利点は自律神経への作用であり、ぬる湯に入ると交感神経、副交感神経のうち、リラックスの神経である副交感神経の働きが強くなることです。普段、私たちは日常生活でストレスがかかることが多く、交感神経が高ぶっています。現代人の体調不良で問題になるのは緊張状態が続き、交感神経が絶えず過剰に刺激されていることです。ゆったりとリラックスしてぬる湯に入り、副交感神経を刺激して自律神経のバランスをとることが重要です。ただし、あまり冷たく不快に感じるような温度では、むしろ体が緊張して交感神経の働きが強くなってしまいます。もうひとつのぬる湯のメリットは体の温まりが長く続く保温効果です。ぬる湯で保温効果とは釈然としないかもしれません。42°Cを超えるような熱い湯のほうが体がよく温まるのでは、と考えるのが自然でしょう。しかし、人間の体はうまくできていて、急に体を強く温めると、逆に急速に体温を下げようとします。つまり、あまり熱い湯に入ると一時的に体温が急上昇しますが、その温まりは長続きしません。38°Cと42°Cの入浴でどちらが温まりが長続きするか、を検証した実験が報告されていますが、湯を出てから30分後には38°Cのほうが体温が高いままを維持していました。ぬる湯でゆったり浸かり、額に汗を感じたらいったん湯舟から出るとよいでしょう。泉質にもよりますが、38°Cで20分が目安です。冷泉やぬる湯は、温泉に行き尽くしたファンにとっても人気の通な温泉の楽しみ方です。温度が低い分、温泉の成分の違いも肌で感じやすいのです。この夏の温泉旅にお勧めです。冷泉やぬる湯になじみのなかった皆さんも試してみてはいかがでしょうか。早坂信哉(はやさかしんや)東京都市大学教授、医学博士、温泉療法専門医。(一財)日本健康開発財団温泉医科学研究所長、(一社)日本銭湯文化協会理事など。温泉や入浴を医学的に研究しておりメディア出演も多い。渋・辰野館≪長野県茅野市/奥蓼科温泉郷≫創業百余年の信玄ゆかりの隠し湯で冷泉と滋味深い山里の幸を堪能宿が白樺林の中に佇んでいることがよくわかる。高原の涼やかなひとときが心地良い。八ヶ岳山麓に広がる蓼科の自然美を楽しみながら宿へ盛夏の澄みわたった蒼空に、八ヶ岳連峰の山稜がひときわ美しく映える。茅野市側から見上げると南端の編笠山から主峰の赤岳、天狗岳から蓼科山までのワイドなパノラマがぐるりと見渡せ圧巻だ。そして車は奥蓼科へと続く通称「湯みち街道」の県道191号線へと道をとる。ひとカーブごとに上がっていく標高と、鮮やかさを増す原生林の緑。ふと、道のところどころに石仏が立っているのに気がついた。苔むした古いものから新しい石仏まで表情は様々。今回、旅の荷を解いた温泉宿「渋・辰野館」の主人・辰野裕司さんに後で聞いたところ、それは江戸時代、この温泉地を訪れた湯治客らが湯の効能に感謝して寄進した観音様なのだそうだ。近年もその習わしは受け継がれ、新たに寄進されたものも少なくないという。道の終点は天狗岳の登山口にもなっている場所で、かつての渋之湯(渋・辰野館)があったところ。昭和12年(1937)に火災で焼失したことにより、翌年の昭和13年に2㎞下の強清水の湧く現在地に宿を移転したという。ちなみに源泉は以前の地から引いている。温泉の歴史については後述することにして、宿へと向けてさらに車を進めていくと右手の木立の間に小さな池が見えてくる。池畔に立つと思わず息をのんだ。原生林が静寂の水面に映り込み、その様相はまるで水鏡のよう。もともとは農業用のため池なのだが、「御射鹿池」と名付けられた神秘的な池は今やすっかり人気の観光スポットになっている。その名が広く知られるようになったのは、日本画家・東山魁夷の名画「緑響く」のモチーフやCMのロケ地になったことなどが大きい。風のない早朝の時間帯はさらに神秘性を増し、それこそ孤高の白馬が描かれた東山魁夷の作品世界を思わせる空気感が漂うという。実は、東山魁夷は「渋・辰野館」に滞在しており、その際に御射鹿池をモチーフとした作品を着想したのではないかとされている。「この『緑響く』がお披露目されてから、私はすぐに御射鹿池だと気づきました。普段見慣れた風景ですからね」と話す主人の辰野さん。御射鹿池にほど近いこの宿にて、日本画の巨匠も温泉を楽しみながら絵を描いたのだろう。左/木筒から源泉が勢い良く流れ落ちる。真ん中上/湯の花が浮く白濁の湯。右上2つ/風呂は全て男女別にあり、大きさも造りもほぼ同じ。真ん中下/洗い場のある「展望風呂」。右下/薬湯を発見した少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)を祀る。創業大正8年の宿にて信玄の薬湯冷泉に浸かる八ヶ岳山麓・奥蓼科の自然美を満喫し、その余韻を楽しみながらいよいよ「渋・辰野館」へとチェックイン。白樺や唐松などの森林に抱かれた一軒宿は、木の温もりあふれるロッジ風の建物が印象的だ。吹き抜けのロビーには大きな窓が設えられ、外の景色が鮮やかに映り込んでいる。階段や廊下には宿の歴史を物語る写真や説明書き、山の写真などが随所に飾られている。それによると、当温泉の開湯は奈良時代末期の延暦2年(783)。諏訪神社の神官の霊夢により発見されたと伝えられている。さらに古くは日本神話に登場する少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)がこの薬湯を探し当てたとも。いずれにしても温泉成分がとても強いことから薬湯として珍重され、戦国時代には武田信玄が傷を負った重臣や軍馬の湯治のために利用したとされている。以来、“信玄の薬湯”とも呼ばれるようになった。江戸時代には高島藩(諏訪藩)が温泉場を造営。湯を樽に入れ薬として販売した時代もあったそうだ。「渋之湯へは道が険しかったため、その後は一時期寂れかけたこともありました。しかし大正8年(1919)に当館初代の辰野茂が経営を引き継ぐと、新しい旅館の建設と共に茅野駅から交通の利便性を図りました」と言う主人。何と初代は自力で道を整備し、高価な米国車を購入して送迎。さらに乗合バスも運行させ奥蓼科の開発に力を注いだのだという。道に佇む石仏の数が温泉の素晴らしさを物語るように、長きにわたり湯治客を治癒してきた。「とにかく温泉成分が非常に強いので体には効果的。でも、機械をはじめ宿のあちこちはすぐダメになってしまうんですわ(笑)」一番の特徴は何といっても源泉温度18°Cの冷泉だ。館内には木の香ゆかしい「信玄の薬湯」と、露天風呂を設えた「森の温泉」、洗い場のある「展望風呂」の3カ所を男女別に設置。前者2つには源泉のままの18°Cの冷泉と、40°C~42°Cに加温した温泉を満たした2つの浴槽があり、白濁の湯が滔々とあふれ出ている。冷泉の入り方を聞くと、足の方から体を馴染ませるようにゆっくりと浸かるのがコツだとか。部屋でひと息入れた後、まずは「信玄の薬湯」へ向かった。冷泉の湯船は源泉が滝のように落ち、何とも豪快。しかし、冷泉は最初の一歩に少々気合いが必要だ。膝まで入れられてもその先がなかなか沈められない。じわじわと2度ほどやり直した後、やがて体がするりと湯に滑り込んだ。もちろん冷たい。しかし、じっと湯に身を任せているうち、不思議な心地良さが体に満ちてくる。その後すぐに横の温湯船に入ると、体の芯がじわりと刺激される感覚を覚えた。さらに、白樺林に抱かれた「森の温泉」の冷泉露天風呂へ。一度入っているので今度はすぐに湯に浸かることができた。信玄の薬湯の方もそうだが、湯船の深さは90㎝。それは成分がとても強い温泉ゆえに長湯にならないよう、あえて深く造ってあるのだという。一回の入浴は15分くらいが適正。もっと長く入っていたかったが、部屋でゆっくり体を休めた後、夜にもう一度楽しむことにしよう。左上/しみじみ温まる冬瓜のスープ。十穀パンと共に和風出汁で仕上げた優しい一品。左下/たっぷりの野菜といただく信州野草豚鍋。右上/前菜の盛り合わせの“森のたからものづくし”。彩り豊かな旬の料理が目と舌を楽しませる。右下/イワナの燻製と信州サーモンのお造り。季節ごと常連が待ちわびる滋味深い信玄の山里料理さて、当宿のもうひとつの魅力が料理である。それは「信玄の山里料理」と銘打った創作料理。奥蓼科の山の恵みをたっぷりと、しかも丹念に料理された逸品が供される。なかでも前菜の盛り合わせの“森のたからものづくし”は、まず目で楽しみ、舌で滋味を感じる美しく楽しいひと品。それはまるで山菜や地野菜などの季節感を一枚の皿の上に演出した絵画のようだ。他にもこの日は、イワナの燻製と信州サーモンのお造りや冬瓜のスープ、信州野草豚鍋などが膳を賑わせた。それぞれの器づかいもセンスが光るが、料理は奥様と息子さん、そして主人の家族だけで作っているのだという。「仕入れた食材によって内容が変わりますが、また、食べたくなる優しい味を心がけています」と主人。その言葉通り、この料理を求めて何度も訪れる常連客は多い。味わうほどに地酒も進む口福な料理の数々。温泉の素晴らしさもさることながら、再びこの宿を訪れたくなる秘密がここにある。※こちらは男の隠れ家2019年9月号より一部抜粋しております

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  • スクスク育つ牡蠣に会いに行く

    海の畑と呼ばれる養殖に最適な三陸の海育った牡蠣は重いので、クレーンで引き揚げる。日本で見られるリアス式海岸は遥か昔、起伏の激しい山地が海面の上昇や地盤沈下によりに海面に没したことで形成された。海面よりも上に残された陸地が、複雑に入り組んだ湾や島を創り出したのだ。氷河が形成した北欧のフィヨルドとは、生まれた背景が違う。日本列島はどこも起伏に富んだ姿をしているのでリアス式海岸は各地に存在する。その中でも、宮城県北部から岩手県にかけての広範囲にわたる三陸海岸は、海岸線が複雑に入り組んでいるため、多くの観光客の目を愉しませる風光明媚な光景が広がっている。さらに漁業はもとより、養殖や水産加工が盛んなことでも有名だ。リアス式海岸はその成り立ちから、海への間口が広く湾岸の奥が浜辺になっている。湾は小高い山に囲まれているのでの影響を受けにくく波が穏やか。そして浜から少し離れただけで深くなるうえ、海を囲む山からは豊かな養分が海へと運ばれるため、海は豊富な栄養分を蓄えている。初回は、そんな三陸海岸で育った海の逸品を厳選してお届けしたい。生産だけでなく加工から管理、販売まで行う6次産業浮き玉の沈み方を見ながら水中にある牡蠣の成長を量り適度な深さへ調整しながらベストなタイミングで水揚げする。三陸自動車道を河北ICで下り、北上川に沿って海を目指すと、車窓を流れる風景は大きな建造物が見当たらず、空の広さが滲み入るように感じられた。30分ほど走ると目の前には小さな岬に抱かれた、典型的なリアス式海岸の風景が見えてくる。今回訪れた「株式会社海遊」は2011年、今では「日本一有名な漁師」と称されるまでになった、伊藤浩光さんが設立した。牡蠣やムール貝などの養殖場と加工工場がある宮城県石巻市の雄勝湾は、東日本大震災の影響もあり、周辺に商業施設がほとんど見当たらないが、それは逆に海の環境に悪影響を与えるものが少なく、代わりに周辺に広がる自然豊かな大地から、川を介して栄養分が海に注がれることを意味する。さらにミネラルを多く含む水が、雄勝湾の底から湧き出ている。そのためここで育つ牡蠣やムール貝には、よく栄養がいき渡っているのだ。左/水揚げされた牡蠣は1個ずつバラした後、高圧洗浄を行う。その後、自動選別機にかけ減菌海水に22時間以上入れて浄化し鮮度を保つ。その後出荷するために加工が行われ、消費者の元に届けられる。右/ホタテの貝殻に牡蠣の種をつけるのではなく、専用のバスケットカゴに稚菌を入れ、放し飼いのような状態で育てる方法も実践。「新しい水産ビジネスを示すために、様々な挑戦を実践してきました」と伊藤さん。そのひとつが豊かな海を舞台とし、水産業の6次産業化を試みたこと。これは生産(1次産業)、加工(2次産業)そして販売(3次産業)までを行うことだ。1次+2次+3次で6次になるという意味で、生産からお客様の元に届くまで責任を持って管理することを指している。これにより安心・安全で美味しい商品を、リーズナブルな価格で提供することができるようになった。さらに知識と経験に裏付けされた独自の牡蠣生産法も行なっている。それは「中層延縄養殖法」と呼ばれるもので、深い水深を誇る雄勝湾に適した方法である。まず水深2mほどの海面下に桁網を張れるように浮き玉を調整。そこから牡蠣の幼生が付着した原盤が水深5m以上の深さまで沈むように、長さを調整した下げ綱を吊り下げる。こうすることで菌が多く生息する上層部ではなく、中層で牡蠣を養殖できるわけだ。この養殖方法は上層部で養殖する筏と比べると菌の影響を受けにくいだけでなく、牡蠣の原盤が海表面の動揺に左右される心配が少なく、台風や高波といった災害に強い。おかげで良好な成長を促してくれ、年間を通じて安定した供給量が確保できる。その一方、常に浮き玉の状況を確認しなければならないため、手間がかかる。だが、伊藤さんが掲げた「食卓が笑顔で彩られるようなサービスや商品を提供する」という理念のため、汗を流すことを怠りはしない。このような環境下で、愛情を注いで育てられた牡蠣は旨味や塩味が濃く栄養満点。プリプリとした肉厚の食感も、一度味わえば病みつきになる。世界最高水準の管理体制も実施されているので、安心して口にできるのも嬉しい。厳選!牡蠣&ムール貝ミネラル豊富な雄勝湾の旨味が凝縮。旨味だけでなく栄養もたっぷりと含んだ三陸育ちの牡蠣と、輸入物とは比べ物にならない濃厚でジューシーな味わいが楽しめるムール貝。どちらも一度口にしたら忘れられない食の逸品。家庭で手軽に食べられる加工済みだ。牡蠣ぽんレンジで簡単に調理完了。お酒のお供にも最適商品名:牡蠣ぽん 3袋セット価格:3,300円(税込)商品の詳細はこちら夢牡蠣フライ揚げるだけで本格的なレストランの味が堪能できる商品名:夢牡蠣フライ 2袋セット価格:4,000円(税込)商品の詳細はこちら三陸ムールフライ一度食べれば誰もが虜に。他にはない味わい商品名:三陸ムールフライ価格:3,500円(税込)商品の詳細はこちら蒸しムール貝水揚げされた国産ムール貝を最高の鮮度で浜蒸しにした逸品商品名:蒸しムール貝 500g2袋セット価格:3,000円(税込)商品の詳細はこちら三陸ムールのカンカン焼きセットアウトドアでも楽しめる直火可能な缶とともに届く商品名:三陸漁師のカンカン焼き 牡蠣12個セット価格:5,000円(税込)商品の詳細はこちら※こちらは男の隠れ家2023年6月号より一部抜粋しております

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  • やってみません?ソロキャンプ。

    ファミリーキャンプブームを経て今、ソロキャンプが注目を集めています。ソロ=ひとり。焚き火を起こし、酒や料理を楽しむ。何かをしなくてはいけないという決まりはありません。誰にも邪魔されない、ひとりだけの時間。そんな贅沢なソロキャンプ始めてみませんか?Mt.Fuji CAMP高原の夜空と朝霧を味わえる富士の麓の高原キャンプへ。思い立ったら即座に行動に移す。ソロキャンプ最大の強みはまさにそんな機動力であろう。相棒がどこへでも行ける4WDであれば言うことなし。道具を放り込み気ままに進路をとろう!高速道路を西へと向かうと雲の中から霊峰がお出迎え勢い良く雲は流れ、空にはみるみる青色が広がっていく。白く分厚い雲の彼方に完全に隠れていた富士山も、裾野部分が姿を現してくれた。しばらく眺めていると、時おり山頂付近も顔を出す。富士五湖のひとつ、西湖の畔でひと休みしていると、訪問を歓迎してくれているかのような天気となった。雨の心配がない予報を耳にしたある朝、愛車のジムニーにキャンプ道具を積み込んで家を後にした。どこに行くかは気分次第。とりあえず高速道路に乗り、車を西へと走らせる。その途中、富士山方面を目指そうと思いついたのだ。右上/地元の野菜だけでなく、様々な地場産品を取り扱う物産館がある「道の駅なるさわ」。右下/「ここでしか買えない」という文字に吸い寄せられ、鹿肉ソーセージをゲット。中上/広々としたスペースに朝採れ野菜がふんだんに並ぶ。中下/場内には富士山の湧水を汲めるスポットもあり。左上/名物のトウモロコシも見逃せない。左下2点/早朝から営業している「栄屋」は、今では珍しい自家製の手打ち麺を使っている。肉玉力うどんは450円。中央高速の河口湖ICを出たのは、朝の8時を少し回った頃。ここで小腹がすいたので、富士吉田名物「吉田のうどん」で、まずは腹ごしらえ。おあつらえ向きに、インターの近くに8時15分営業開始の「栄屋」を発見。まずは朝イチうどんを味わった。うどんに舌鼓を打った後は、9時にオープンする「道の駅なるさわ」へと足を運ぶ。ここには地元の食材を豊富に揃えている物産館があるので、新鮮な地元産の朝採れ野菜や珍しい地場産品などを買うことができる。これで夕餉の食卓が華やかになるだろう。買い物を済ませた後、せっかくなので近くの西湖を訪れると、冒頭のような好天に遭遇した。ここですっかり気を良くした私は、さらに先までドライブを楽しむことを即決。西湖にもキャンプ場はあるが、より富士山の勇壮な姿を愛でることができる、静岡県の朝霧高原まで足を延ばすことにした。富士山西麓の標高700〜1000mの広大な地域に広がる朝霧高原は、ほぼ全域で富士山の姿を望むことができる。そんな最高のロケーションでキャンプができれば、他には何も望まない。こうして気ままなソロキャンプの目的地は、気まぐれに決定したのである。広大な草原のキャンプ場で富士山を望むサイトを構築上3点/芝生ながら車での乗り入れができ、道具の積み降ろしも楽。地面は軟らかいので、ペグは楽に打ち込める。下/空いている時は贅沢なほど広い場所を占拠できる。私のサイトもひとりでは贅沢すぎるほどである。若い頃に山歩きやシーカヤックで島から島へと漕ぎ渡っていた時、宿泊手段は当然のようにキャンプだった。その後、子どもが小学生になると、夏には決まってファミリーキャンプを楽しみに全国各地へ出かけたものだ。しかし、子どもが成長し、あまり親と一緒に行動しなくなると、すっかりキャンプから遠ざかっていた......。そんなある日、週末にポッカリと時間ができた。その時、即座に頭に浮かんだのが「ひとりで気ままにソロキャンプでもしてみようか」ということだった。ソロキャンプなら目的地や出発時間など、全て自分ひとりで決められる。以来、車に道具を適当に放り込み、行く場所も決めずにひとりでキャンプを楽しむようになったのだ。そして今回は、日本有数の面積を誇るフリーサイトが自慢の「朝霧ジャンボリー オートキャンプ場」(静岡県富士宮市)に一泊することに決めたのであった。このキャンプ場の魅力は何といっても富士山の眺望と、光害に邪魔されない満天の星、さらには全面芝生の広大なサイトだ。区画にすれば350サイトはありそうなのに、一日の利用者を200サイトに絞っているのもいい。実際、この日は空いていたため、どこにサイトを作るか迷ってしまったほど。と言うのも、残念なことに朝霧高原は午後になっても霧のような雲が晴れなかった。この分だと今夜、楽しみにしていた星空を望むのも怪しいかも......。それでも夕方になれば富士山が顔を出すかもしれない。そう考え、数日前からキャンプをしていると思われるカップルに「富士山はどの方向に見えますか?」と尋ねた。「あっちですね」という彼の言葉が決め手になり、サイト作りに取りかかった。テントはソロキャンプにもぴったりのノルディスクのユドゥンミニ、さらにタープはカーリ。そして1時間ほどで、晴れれば富士山が借景になる(はず?)の極上サイトが完成した。時と焚き火の炎が許す限り気ままな食事を堪能するソロキャンプの楽しみは何と言っても食事に尽きる。誰にも遠慮せず、好きなだけ時間をかけてとっておきの献立を用意したい。そしてお気に入りの酒と共に、夜が更けるまでのんびりと味わう。これこそ誰にも遠慮しない、ひとりだけの贅沢である。しかも車を使ったキャンプなので、ダッチオーブンや焚き火台、さらにはトライポッドのような、大物道具も持ち込める。それだけで料理の幅も広がる。というわけで、今回のメイン料理はユニフレームのダッチオーブンで作る、超手抜きの和風ビーフシチューに決めていた。それに途中の道の駅で購入した新鮮野菜のサラダ、さらにジビエ感いっぱいの鹿肉ソーセージを加えることに。ビーフシチューはダッチオーブンの特性が最大限に活かせるメニューだ。牛すね肉の塊を適当な大きさに切って塩コショウを振って小麦粉をまぶす。それを焼いたら一度鍋から出し、ニンニクとタマネギ、セロリのみじん切りを炒め、再び牛肉を戻し、そこに赤ワイン、水、ドミグラスソース、隠し味のしょうゆを加えて煮込む。しばらく煮込んだらジャガイモとニンジンを加え、さらに煮込めば完成。シチューの煮込みが完了するまでの間、飲むために用意しておいた赤ワインを抜く。ここで満天の星と富士山のシルエットにひとりで乾杯、となるはずであったが、この夜、あいにく空一面を覆う雲が晴れることはなかった。持参した双眼鏡で空を眺めてみたものの、星どころか月も顔を出していない。それでも雨が落ちてくることはなく、焚き火の炎をゆっくりと愛でつつ、ワインのグラスを傾けた。そして時間を気にせずに作った料理は、思いのほか旨かった。やはり自然のスパイスが効いたのか。焚き火の炎が小さくなるまで、ひとり時間を存分に楽しんだ。天気が良ければ星明かりだけで過ごせるほどの星空が広がるはずであった。月明かりがあれば、富士山のシルエットも見える。それらは叶わなかったが、夜の暗さと静けさ、さらには冷たく澄んだ空気が自然との一体感を感じさせてくれた。いつになくゆっくりと、そして何度もワインを口に運んでいた。翌朝、明るくなってきたのと同時に目覚めると、キャンプサイトはその名にふさわしい朝霧に包まれていた。体が引き締まるような冷んやりとした空気が心地良く、早々と行動を開始。普段は食べないことが多い朝食も、キャンプでは欠かせない要素だ。お酒を飲んだ翌朝の体に優しい、野菜を中心にしたメニューをチョイス。それはスペインやポルトガルの冷製スープ、ガスパチョ風の野菜スープだ。男のソロキャンプの朝食であってもきちんと食事するのが私の決まり。簡単ではあるが美味しい朝食になった。片付けを済ませ、双眼鏡片手にサイト周辺を散策する。すると様々な野鳥の姿を見ることができた。今回のキャンプでは、お目当ての富士山と星空を目にすることは叶わなかった。でもそれは次回へ持ち越すお楽しみにしよう。朝霧ジャンボリー オートキャンプ場広大なフリーサイトの他、電源付きサイト、リビングに電源や炊事場まで付いたプレミアムサイトも用意。炊事に使用する水は富士山の天然水。本格派からレンタル派まで満足できる設備。静岡県富士宮市猪之頭1162-30544-52-2066アクセス/中央自動車道「河口湖IC」より約35分 HP/ asagiri-camp.net/※シーズンによって料金が異なりますのでお問い合わせください。※こちらは男の隠れ家2019年10月号より一部抜粋しております

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  • 甲州で美味しい〝ひとり旅〞

    景色、温泉、料理、時間…全てあなたが独り占め!人が旅に出る、そして旅に出たい理由は様々だ。例えば気心が知れる仲間と楽しい時間を過ごしたい、それは楽しい旅になることを疑う余地もない。でもたまには違うスタイルの旅もいいんじゃないだろうか。ひとりで気ままに、そして時間を自由に使う。次の予定は考えないで気に入った場所でのんびりする。そこには今までの旅で見えなかった風景があるかも知れない。笛吹川温泉別邸 坐忘(山梨県甲州市)気ままに過ごせる時間を満喫。春の息吹を感じて甲州で美味しい〝ひとり旅〞。笛吹川フルーツ公園の中腹の展望地。公園内のいたるところから富士山と盆地の絶景が望める。東京都心から列車でも車でも1時間半ほどの便利なアクセス。甲府盆地の東に広がる甲州エリアはそんな身近な距離にありながら、壮大な自然景観や歴史浪漫、日本一のワインの里など大人の楽しみが尽きない。そしてひとり旅の荷を解き、とっておきの温泉宿で過ごす時間もまた極上だ。富士山の勇姿を眺め歴史とワインの里を巡る近くの山稜の雪はすっかり溶けているが、その先に顔を出す霊峰富士はまだまだ白く輝いていた。澄んだ空気が凛々しい姿をより際立たせている。眼下に桃の花が色づく4月以降はぼんやり霞むことも少なくないそうだが、ここからの眺めはまさに特等席。桃源郷にも例えられる春の甲府盆地と富士山の一幅は、さらに美しさを増すだろう。最初に足を運んだのは「笛吹川フルーツ公園」。花の広場や日帰り温泉などの施設があるどちらかというと家族向けの場所だが、ひとりこの眺望地に立ったのは、これから巡る地とやはり富士山の勇姿を見ておきたかったからだった。昨今は夜景スポットとしても大人気。夜に再び来てみるのもいいかもしれない。公園からは甲州市方面へと下り、甲府盆地東部の塩山と勝沼へ。宿に入る前に町をぶらり回って、早春の甲州路を楽しむことにした。甲州といえば武田信玄が権勢をふるった地として知られている。塩山周辺には武田家ゆかりの神社仏閣が数多く点在しており、なかでも信玄公の菩提寺・恵林寺は夢窓疎石が開山した名刹として知られる。杉木立が続く参道から赤門、三門をくぐって開山堂へ。歩みを進めるほどに厳かな雰囲気に包まれる。静かに手を合わせ、戦国の名将に想いを馳せた。さて、近年は日本ワインが世界的にも高い評価を得ている。山梨はその日本ワイン造りの発祥地であり生産量も日本一。江戸時代からブドウは勝沼宿の名産ではあったが、ワイン醸造は、明治初期にフランスに留学した土屋龍憲と高野正誠の2人の青年が取り組んだことに始まる。勝沼を代表するワインは、固有のブドウ品種〝甲州〟で醸造する白ワイン。赤はマスカットベーリーAが主要品種。今回は、最近気になるそれらのワインを楽しみ、そしてワインに合う料理、そして温泉を楽しむことが旅の目的のひとつでもある。南アルプスを望み、ブドウ畑が連なる勝沼の丘陵地。現在、勝沼のワイナリーは30余り。その中で訪れたのが日本最古のワイナリー「まるき葡萄酒」だ。先出の土屋龍憲の醸造所を引き継ぐ創業1891年(明治24)のワイナリーだが、歴史だけでなく革新的な取り組みをしているのも興味深い。〝不耕起草生栽培〟という〝人の手をあまり入れずに自然に近い状態での栽培〟方法とサスティナビリティ(持続可能性)。ブドウ畑で雑草を食べてくれる羊の存在もその一環なのだという。畑で目が合った羊の可愛さとこだわりワイン。テイスティングも楽しんだが、そのワインをしっかり堪能するため予約したのが今宵の宿である。゛ごちそう〞でもてなす極上の温泉宿でのひと時「冴え返る」の季節の言葉が記された如月の献立より。厳しい冬から、芽吹きの春を予感させる麗しい一皿一皿が目と舌を愉しませてくれる。料理と調和する器のこだわりも見事。お茶事にのっとり、今炊きあがったばかりの一口ご飯とおみそ汁、向付けから始まる。②甲州牛みそ幽庵焼。合わせるワインは赤の樽ベーリーA。③最後に出される湯桶の焦がし湯。寒蜆ごはん。湯桶も茶事に欠かせないもの。④蛤や牛蒡、菜の花が彩る煮物椀。⑤鶉山椒焼と甲州の辛口ワインのマリアージュ。⑥鰯の梅煮や煮大豆などが盛られた八寸。⑦預鉢。寒野菜寄せとずわい蟹のあん。⑧強肴。うの花和えと小肌宿の名は、「笛吹川温泉 別邸 坐忘」。実はここは「まるき葡萄酒」と同グループの温泉宿だ。〝坐忘〟が意味するのは「喧噪を離れ、雑念を忘れる時のごちそうを」。心静かに過ごしたい旅人を、非日常へと誘う宿の極上のもてなし。この宿に決めた理由のひとつには、ワイナリー系列宿という独特の魅力もあるが、ひとり旅でも心地よく過ごせる宿ならではの多彩な〝ごちそう〟が用意されているからでもあった。ワインの味と香りに心遊ばせながらひとり本のページをめくる幸せ。客室でひとり静かに本を読んで過ごすひと時。まず旅の疲れがゆるむのがスタッフの笑顔。また、随所に配された生花の彩りも心を和ませてくれる。そして最初のキーワードは〝時のごちそう〟である。通された客室は2015年築の別邸離れ。庭の小路に趣ある全8室が佇み、各客室専用の露天風呂付き。和室とベッドルームがあるゆとりの空間は、雰囲気がそれぞれ異なる。さっそく荷を解き、浴衣に着替えてひと息ついた。客室は他にも本館の和室、贅沢さを極めた庭園露天風呂付き和洋室など様々な部屋が用意されている。〝時のごちそう〟は、本好きを喜ばせる空間にもある。今回も本を携えてきてはいるが、宿には大きなライブラリーがあり、ソファが配された開放的な空間はとにかく居心地がいい。蔵書はアート系を中心としたラインナップ。気に入った本は購入もできるという。さらに特筆すべきは、何とこの部屋で「まるき葡萄酒」のワインのテイスティングが自由にできること。食事前に軽く愉しむワインと読書のひと時。まさにこれも〝時のごちそう〟だろう。温泉はまさに“湯のごちそう”。大浴場は異なった雰囲気の浴室が2つあり、それぞれに室内風呂、風流な露天風呂が設えられている。ひとつには名物の洞窟風呂があり、奥の岩壁から温泉が滔々と流れ出ている。温泉は全て源泉かけ流し。アルカリ性のpH値の高い湯は、美肌の湯としても知られる。朝には男女ののれんが入れ替わる。さて、次は〝湯のごちそう〟。つまり温泉である。客室の露天風呂はもちろん、大浴場の湯船も露天風呂も温泉は全て源泉かけ流し。pH値9・1の透明湯は滑らかな手触りで、美肌の湯としても人気だ。また、露天風呂から続く洞窟風呂も探検気分がそそられてちょっと楽しい。ほんのり硫黄が香る柔らかでややぬるめの湯は、体を優しく包み込むような感触。ふと見上げると、湯気の中に見える木々の芽が春が近いことを教えてくれていた。そして湯上がりに待っているのが〝山のごちそう〟の至福の時間。しかも別邸離れの食事は少し特別だ。専用食事処は築140年の古民家。重厚な柱や梁と洗練されたインテリアが調和する空間で、「茶料理 懐石まる喜」と命名されている。そこで供されるのは字の如く茶料理。懐石の決まり事を踏まえた一汁三菜から始まり、もてなし役であり料理人である主人の保坂実さんが記した献立に沿って、季節香る料理が一品一品登場。旬の食材も器類も保坂さん自らが全て吟味し選んだものだ。こう例えるのも変だが、麗しく凛とした味わいとでも言うべきか。そんな料理が目と舌をうならせるのだ。そしてもちろん、料理とともにグラスを傾けたいのがワインである。3種飲み比べを選ぶと、料理に最適なマリアージュで提供。今回は、鶉山椒焼と甲州の辛口、甲州牛みそ幽庵焼と樽ベーリーAの組み合わせなどで。その絶妙な美味しさは、食後もしばらく余韻となって残った。さて部屋に戻ったら、もう少しワインを味わいつつ、ひとりの時間を楽しんでみることにしよう......。※こちらは男の隠れ家2017年5月号より一部抜粋しております

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  • ビールに合うお取り寄せ酒肴

    喉越し抜群、キンキンに冷えたビールには、塩味や辛味、油味がしっかりと効いた思わず後引く味わいの酒肴が王道である。会社帰りの酒を愉しんだ日々を懐かしく思う今日この頃。家で過ごす時間と共に酒を嗜む機会も増えた人も多いだろう。酒呑みならば、家でも「酒肴」にもこだわりたくなるのは必然。今回はそんな古今東西のとっておきの逸品を5つご紹介します。ORDER NO.1 九州産若鶏のからあげからあげの鳥しん(大分県)旨さの秘密は九州産若鶏と門外不出の秘伝ダレ凍ったまま、ラップをかけずにレンジでチン。これだけでも十分美味しいが、この後オーブントースターで2分ほど焼くとさらに美味しくなる(1箱1,110円)からあげの聖地・大分県中津。その「中津からあげ」激戦区で20年前に創業し、からあげグランプリで最高金賞を最多受賞しているのが「からあげの鳥しん」だ。ひと口に「中津からあげ」といっても、それぞれの店の味は千差万別。ひとつとして同じ味の店はない。そうしたなかで鳥しんが評価される理由は〝とにかく美味しい〟から。品質の高い九州産の若鶏にこだわり、フルーツやニンニク、ショウガ、スパイスなどで作り上げた醤油ベースの秘伝ダレをもみ込んだからあげは、旨味とコクが違う。「〝冷めても美味しい〟が常連のお客様から最もいただく褒め言葉です」と店主の角信一さん。この極上のからあげを酒肴に、ビールグラスを傾ける至極の時を味わってほしい。ORDER NO.2 レンジでチンする東洋軒のとり天レストラン東洋軒(大分県)これぞ唯一無二の本家の味 本物のとり天をお取り寄せ東洋軒の94年の歴史で、2020年3月に初めて発売された電子レンジ対応商品。誰でも簡単に本物の味が愉しめるとあって、早くも大人気(1箱1,296円)からあげと並ぶ大分の名物・とり天。ここ東洋軒はその発祥の店としてあまりにも有名な名店だ。最近は関東でも見かける機会が増えたとり天だが、「衣がベチャッとしてる」なんて残念な声も。だが、そう思っている人にこそ、本家・東洋軒のとり天を食べてほしい。熱々のうちはもちろん、冷めても衣がサクサクなのだ。また下味にオリジナルブレンドの醤油やニンニクを使っているのでそのままでも美味しいが、「お勧めは辛子やカボス酢醤油を使っての味変。さっぱりとした味の変化に驚くお客様も多いです」と代表取締役社長の宮本博之さん。この味変がビールを呑む時に重要。まるで酒肴が替わったかのような味の変化に、ついついもう一本栓を開けてしまうことに。ORDER NO.3 遠山ジンギス ハイグレード肉のスズキヤ(長野県)創業60余年変わらぬ味と品質信州熟成三年生味噌が隠し味の、生ニンニク香る極旨熟成醤油ダレが美味しさの秘密。「スズキヤ秘伝のタレは倉業60余年変わらぬ味と品質です」と社長の鈴木理さん。店頭には9畜種31種類のジンギスが並ぶ(1パック840円)古くから信州の秘境・遠山郷でパワーフードとして親しまれてきた「遠山ジンギス」。ジンとは味を付けるの意で、一般的に知られるラム肉のジンギスカンとは異なり、羊・鶏・豚・牛・馬・猪・鹿・熊・鶉うずらの9畜種を独自のタレ揉み製法で味付けした肉をジンギスという。なかでも一番人気は、ビールにピッタリなマトンのロース肉を使用したハイグレード。ORDER NO.4 たまごキムチキムチ家 舳心(栃木県)キムチの旨味が染み込んだゆで卵そのまま食べるのはもちろん、マヨネーズをかけても美味しい。見ただけでビールが欲しくなる(1袋540円)卵の丸ごと感がインパクト大な「たまごキムチ」は、地元の有名ブランド卵「那須御用卵」を新鮮なうちに茹でてキムチ漬けにした人気商品である。店内で手作りしてる秘伝の和風キムチの旨味が黄身までしっかりと染み込んで、卵の柔らかな甘みとハーモニーを奏でる。ビールとの相性も抜群で、口の中で十分堪能したたまごキムチをビールと一緒に喉奥へ流し込む瞬間はたまらない。ORDER NO.5 横濱ビア柿美濃屋あられ製造本舗(神奈川県)日本のビール発祥の地ならではの柿ピーもち米100%のあられ生地をしっかり焼き、濃口醤油をベースにビーフブイヨン、シチリアの海塩などを加えたタレを絡ませる。「ビールに合う柿ピーをコンセプトに開発しました」と代表取締役・小森健太郎さん(1袋648円)ビールの酒肴の代表格・柿の種を、日本におけるビールの発祥の地・横浜で昭和4年(1929)から作り続けている美濃屋あられ製造本舗。同社の柿の種には9種類のラインアップがあるが、ビール好きにお勧めしたいのが「横濱ビア柿」。その名の通りビール専用で、歯応えのある硬さ、辛くて濃厚な味わいは、ビールの酒肴以外には考えられないほど。※こちらは男の隠れ家2020年8月号より一部抜粋しております

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  • うまい団子が食べたい

    たれともちもちの食感、いつ食べてもホッとする素朴な味わいーー。日本人にとって団子はいわば〝味覚のノスタルジー〞。うららかな春の日に、うまい団子を求めて街へ出る。1.うさぎや(阿佐ヶ谷)苦難の時代を超えて今に続く母から受け継いだ味と誇り左上/表面につけた焦げ目に粘度の高いたれがよく絡み、香ばしく甘じょっぱい仕上がりに。左下/朝一番で小豆を煮て作るこしあんはなめらかで上品な甘さ。右/1日に150本作る団子は全て手作り。JR阿佐ヶ谷駅のすぐ近く、「うさぎや」は70年の歴史を持つ和菓子屋。上野と日本橋にも店があるが暖簾分けではなく、初代の子孫がそれぞれ店を継いで営んでいるのだという。阿佐ヶ谷にある同店は、現在の店主である瀬山妙子さんの母・龍さんが始めた店。戦後間もない昭和25年(1950)に西荻窪で小さな店を開いたのが始まりだ。当時は砂糖や小豆、米などの確保が困難だったが、本物の材料しか使わないというのが母・龍さんのこだわりだったという。「プライドが高い人だったから、安い人工甘味料もあったけど絶対に砂糖を使っていました。創業時は上生菓子や鹿の子、饅頭を売ってたんですが、それじゃあやってけないよと職人に言われて、団子やどら焼きも売り始めるようになったんです」開店間際の作業場は慌ただしく動く職人たちの活気であふれていた。うさぎやの団子はもっちりとした食感と大ぶりなサイズ感が特徴。みたらしは飽きの来ない甘さで、表面につけた焦げ目と甘じょっぱいたれのバランスが絶妙だ。あんこに使う小豆は創業以来、仕入れ先は変えず信頼した材料のみを使い続けているという。店で働いて20年になるという職人の丸山さんは「シンプルなだけに、特にあんこの味は変えないように気をつけています。ほんの少しの味の変化にもお客さんは気付くものですからね」と話す。戦後の混乱期を乗り越え、誇り高く生き抜いてきた和菓子屋の味と伝統、その想いはこの先も続く。2.松島屋(泉岳寺)100年続く老舗和菓子屋の真心こもったおもてなし左・右下/切って、丸めて、串にさす。機械は使わず全て手作業。右上・中/うるち米の粉で作られた生地を蒸籠で蒸して、ほどよい弾力のある固さになるまで臼でつく。店主が暖簾をかけ終わるか否か、開店と同時に朝一番の客が手作りのその味を求めてやってくる。泉岳寺駅からほど近く、伊皿子坂をのぼり切ったあたりにある「松島屋」は大正7年(1918)に創業、100年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋だ。かの昭和天皇も贔屓にしたという豆大福が人気の有名店だが、みたらし団子は知る人ぞ知る名物。長時間、蒸籠で蒸した生地を、創業時から使い続けている大理石の臼でつき、一つひとつ箸で切って丸める。大きさも不揃いで手間暇かかる作業だが、3代目店主の文屋弘さんは、創業時の作り方を変えずに受け継いでいくことが〝お客様に対する最高のおもてなし〞だと感じているそうだ。「レシピなんてありませんから、作り方は先代の仕事を見て覚えました。親子3代続けて買いに来てくれるような方もいて、そういう方のおかげで続けて来られたんだと思います。昔ながらの手作りの味をこれからも守り続けていきたいです」松島屋の団子はみたらし団子のみ。砂糖と醤油だけのシンプルな味だからこそ飽きが来ない甘さに仕上がる。コンロに直接網を置いて、直火でカリッと焼いた団子の香ばしさが食欲をそそる。たっぷりたれを浸けてくれる気前の良さも嬉しい。店先に飾られている写真にはピースサインで写る優しそうな先代の姿が。「父は恵比寿様のような人でした」と話す弘さんの笑顔もまた、先代に似た優しい面持ちだ。手作りの味と明るい店主の人柄に魅せられて、今日も店には多くの客が訪れる。3.桃六(京橋)食欲をそそる生醤油の香り 創業時から変わらぬ味に舌鼓焼き色と生醤油の香ばしさが食欲をそそる名物「桃太郎だんご」。明治2年(1872)創業の「桃六」は、京橋の地で150年続く歴史ある和菓子屋だ。名物「桃太郎団子」は、こしあんと醤油だれの2種類。近隣に宮内庁御用達の酒屋があり、鮮度の高い醤油が手に入りやすかったこともあり、みたらしではなく生醤油の焼き団子を売り始めた。しっかり焼き色をつけた団子に辛めの醤油だれが絡まり、香ばしい香りをまとう。5代目店主・林登美雄さんは、「たれは創業以来、継ぎ足して使っています。この味が好きで来てくださるお客様のために、この先も守っていきたいですね」と話す。変わりゆく時代の中で、愛され続ける古き良き味わいは、この先も店と共に歴史を刻み続けるだろう。4.五十鈴(神楽坂)本来の味わいを生かす徹底した素材へのこだわり餡まで手作りの団子は、こしあん、ずんだ、みたらしの3種類。昭和21年(1946)創業の「五十鈴」は、神楽坂の歴史と共に長きにわたって歩んできた街の和菓子屋。現在は、2代目社長・相田茂さんが店の伝統と味を受け継いでいる。40年ほど前から販売しているずんだ団子は、子どもの頃におやつとして食べていた母の味を、茂さんが再現したもの。その素朴で懐かしい味わいを求めて、遠方から買いに来る客も多い。先代からの教えで素材には徹底的にこだわり、生地には自家製粉した粉を使っている。「自分が美味しいと思った味が、お客様に喜んでもらえるのは嬉しいです。店のこだわりが伝わっているのかなと思います」店先では女将がめいっぱいの笑顔で客を迎える。真摯な姿勢と最高の味、それが同店の魅力に違いない。※こちらは男の隠れ家2022年4月号より一部抜粋しております

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  • 心と体が幸せになる 食事の時間

    食のエッセイストとして知られる玉村豊男さん。信州でワイナリーを始めて、来年2018年でで15年目になるという。今回は毎日の食事を自ら作っている玉村さんに、心と体が健康になる食事の楽しみ方を聞いた。玉村 豊男(たまむら とよお)1945年、東京都生まれ。1971年東京大学仏文科卒業。在学中にパリ大学に2年間留学。通訳、翻訳業を経て文筆業に。1977年に『パリ 旅の雑学ノート』を刊行して以来、エッセイストとして旅と都市、料理、食文化、田舎暮らしなど、幅広い分野で執筆を続ける。1991年より長野県東御市に移住し、農園ヴィラデストを経営している。「食べる」ことを大切にするフランス人いい眺めでしょう。ブドウ畑に囲まれて遥か彼方には北アルプスの山々。この里山で畑仕事をするつもりが、いつのまにかワイナリーとカフェのオーナーになっていました。最初に田舎暮らしを始めたのは軽井沢です。テニスやアウトドア料理を楽しんでいたところ、肝炎を患って。病気がきっかけで、46歳の時にここに引っ越してきました。当時は物書きの傍ら、宝酒造のTaKaRa酒生活文化研究所の所長を務めていました。宝酒造のワイナリー造りに協力しているうちに計画が頓挫。ところが、宝酒造から派遣されていた小西超という男が自分たちでワイン造りをしたいという。妻には反対されましたが2003年から醸造を始めました。日本ワインコンクールの最高金賞などを受賞、日本を代表するプレミアムワインと評価されるようになりました。現在、東御市を中心とする「千曲川ワインバレー」には、志のある若者たちが数多く集まってきています。料理とワインは学生時代、パリに留学した時に覚えました。フランスで学んだことは「飯は決まった時間に食う」。フランス人は仕事を中断してでも、昼は2時間ほど食事をします。日曜日なら郊外の別荘で、12時頃から料理を作りながら4時間かけてゆっくり食事をするのです。フランス人にとって食事は最大の関心事です。日本のように酒が中心でなく、料理を楽しむためにワインを飲みます。味にはうるさくグルメですが、食事の時には料理の話はしない。仕事の話もしない。話題は社交的な話、映画、本など文化的な話が中心です。時には小咄とかも。みんなで料理を食べる時の時間の経過を共有して楽しむ。フランス人は子供の頃から食事の習慣を仕込まれます。本は読まなくても、食卓がフランス人の学校になっています。右/ヴィラデストワイナリーの代表的ワイン「ヴィニュロンズ リザーブ シャルドネ」。左上/周辺には垣根仕立てのブドウ畑が広がる。左下/カフェで提供される野菜は地元で採れるもの。日本人は食事の時に緊張し過ぎです。おしゃべりや人に見られて食べることが苦手ですね。特に古いおじさんたちは絶滅危惧種。今やお洒落なレストランは女性ばかりでしょう。何を食べるかはその人のものの考え、思想を表します。男性も女性と同じように食のリテラシーを持ち、食事の楽しみを知ってほしい。どんなに忙しくても、ゆったりとした時間をつくることが大事です。食事の楽しみとはみんなで美味しいと盛り上がりながら食べること。美味しいと言いながら食べて飲んで、楽しい時間を過ごし、帰り道では何を食べたか忘れるくらいがちょうど良いのではないでしょうか。肝炎を患ってから2カ月に1度の血液検査。自分で数値を見て食事に気をつけています。ただ、うちの野菜は無農薬ですが、ガチガチのオーガニックでは楽しくない。自分が快適に思うなかで、楽しめる範囲で、自分の食生活を作っていけばいい。これを食べたら健康になる、野菜を1日30品目食べなくては、などのこだわりは不健康です。今日の食事が健康に良くないものだったら、明日健康的な食事をすればよい。1週間くらいのスパンでバランスをとりながらゆったりと考えたいものです。例えばワインと料理のマリアージュなんて、ソムリエに任せておけばいい。フランス人は昔からその土地でできるものを食べて、その土地でできるワインを飲んでいました。日本人は難しく考えがちなので、日常的にワインを飲むことが広まらないんです。もっと気楽に食事をしてお酒を飲んで、笑顔とともに楽しい時間を過ごしてほしいですね。ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー/ワイナリーカフェでは農園採れたてのハーブ、野菜などを使った料理とワインが楽しめる。食後は花々が咲き乱れるガーデンを散策。ゆったりとした時間を過ごせる。長野県東御市和6027※こちらは男の隠れ家2017年10月号より一部抜粋しております

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